転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0139話

 港での戦いの翌日。俺はブリタニア政庁でコーネリア、ユーフェミア、ギルフォード、ダールトンの4人と話していた。

 

「今回の作戦、ナリタ連山……この2つを考えると、アクセルが昨日言っていたように、明らかに姫様を狙っています」

 

 ダールトンの言葉が部屋へと響く。ナリタ連山では俺のガーリオンが、昨日の戦いではギルフォードとスザクがいたおかげで何とか切り抜ける事が出来たが、それも紙一重と言ってもいいギリギリの線だった。あるいは他の機体を出すか? だが、今はコーネリアの好意でガーリオンについては追求されていないが、違う機体を次々に出していけばさすがにコーネリアでも庇いきれないだろう。

 そしてそれ以前に違う機体と言っても、リオン系列で残っているのはシーリオンとコスモリオン、バレリオンくらいしかない。

 シーリオンは機体性能がそもそもガーリオンに劣っている。コスモリオンに至っては宇宙用の機体なので論外。となると残るのはバレリオンしかないが……どう考えてもバレリオンで紅蓮弐式のような、機体もパイロットも超一流の相手には太刀打ちできないだろう。それならまだガーリオンの方が対抗出来る。

 

「頭を叩くのは戦の常道だ。そうおかしい話ではあるまい」

「ゼロはブリタニアという体制よりも、ブリタニア皇族に対する恨みで動いているものと思われます」

 

 コーネリアの言葉に、ダールトンが応える。そしてそれを聞いたユーフェミアが思わず呟く。

 

「恨み?」

 

 恐らくその脳裏ではホテルジャック事件の時にゼロとした会話を思い出しているのだろう。あの時もゼロはクロヴィスを殺したのはブリタニア皇帝の子供だったからと言っていた。

 コーネリアはそんなユーフェミアへと優しげな視線を向け、頬を撫でる。

 

「気をつけろよ、ユフィ。もうホテルジャックの時のような事は御免だ。いつもユフィの側にアクセルを付ける訳にもいかないしな」

「姫様、それでしたらユーフェミア様の騎士を選ばれてはどうでしょう?」

「騎士?」

 

 ギルフォードの言葉にユーフェミアが聞き返す。それは思いもしなかった事を聞かされた為に聞き返したのだろう。

 

「警護役をユーフェミア様の騎士とすれば、その者を中心に親衛隊を構築できます。ユーフェミア様は副総督ですので、既にその権利はお持ちかと。なんならアクセルを騎士にしてみるのもいいでしょう」

 

 チラリと部屋の隅で壁に寄り掛かっている俺の方を見ながらギルフォードが言う。

 

「おいおい、俺は所詮外様の傭兵だぞ。それが騎士というのはないだろう。今でさえコーネリアに対して不遜な口の利き方をしていると睨まれてるのに」

「フッ、アクセルが礼儀正しく接してきたりしたら、それこそ気持ち悪いがな」

 

 何やら面白そうな笑みを浮かべているコーネリアを見て、ふと悪戯心が湧いてくる。

 

「何か仰りましたか、姫様? 私に何か至らぬ点があるのなら是非ご指摘下さい」

 

 貴族が礼をするように、右手を左肩に当てたまま礼をする。

 

「むっ」

 

 驚きの為か思わず言葉に詰まったコーネリアへと向かい、再度口を開く。

 

「どうしましたか、姫様? 第二皇女ともあろう方がそのような……駄目だ、これが限界だな。自分で言ってて背筋がゾワゾワしてきた」

「くっくくくく……これ程敬語が似合わん奴も珍しいな」

「ええ、全く。私など、最初はアクセルがおかしくなったのではないかと思いましたよ」

 

 ダールトンとギルフォードが俺を見ながら笑っている。ユーフェミアも同じく笑みを浮かべているが、コーネリアだけは憮然とした表情をしていた。

 

「……アクセル」

「どうした?」

「確かにお前には敬語は似合わん。これからは敬語を使う事を禁止する」

「おいおい、幾ら何でもそこまで言わなくてもいいだろうに」

「いや、アクセル。姫様の言う事はもっともだ。私も姫様の意見には賛成だな」

 

 ギルフォードの言葉に、ダールトンとユーフェミアも笑いながら頷いている。

 俺が道化になったが、重苦しい空気が無くなったんだし良しとするか

 

 

 

 

 

「藤堂? それってあれか? 奇跡の藤堂と言われている、日本解放戦線の」

 

 ユーフェミアの騎士に対する話が出てから数日後、コーネリアの執務室に呼ばれた俺が聞かされたのは藤堂の捕獲に成功したというものだった。

 

「ああ。さすが奇跡の藤堂と言うべきか、こちらの被害も大きかったがな。これで日本解放戦線はその拠り所を失うだろう」

「……確か、藤堂には四聖剣と呼ばれている部下がいた筈だが、そっちは?」

 

 俺のその言葉に微かに眉を顰めるコーネリア。

 

「逃がした、か」

「ああ。だがいくら四聖剣と呼ばれていても、リーダーである藤堂がいないのではそれ程大事にはなるまい」

「そうか? 黒の騎士団に接触するという可能性もあるが」

 

 ブリタニアと日本の戦争で唯一ブリタニアに勝利した『厳島の奇跡』それを実行したのが藤堂で、ゼロが現れるまではテロリスト……レジスタンスの精神的支柱として扱われてきた人物だ。それが着々とその勢力を伸ばしている黒の騎士団と手を組むとなるとその脅威はかなりのものになるだろう。

 そして黒の騎士団に接触した四聖剣はまず間違いなくそれを狙い、原作通りに藤堂の奪還を企む筈。

 

「その可能性もあるが、私としては歓迎したい所だな」

「歓迎?」

「ああ。エリア11中に散っているよりも、一ヶ所に集まってくれた方が纏めて対処出来る」

「なるほど、そういう考えもあるか。だが、相手はあのゼロが率いる黒の騎士団だ。その手強さは身に染みているだろう?」

 

 ナリタ連山、港での攻防戦と実質的にはブリタニア軍の負け戦と言っても過言ではない戦いが続いている。

 

「フッ、私がそう何度も同じ相手に遅れを取ると思っているのか? ギルフォードやダールトンという頼れる部下もいる。……それに、私にはお前がついているしな」

「ん?」

 

 最後に何か呟いたような気もしたが、聞き返すと黙って首を振って答えられる。

 

「ダールトンからの要望で、藤堂の処刑は枢木に執行させる予定だ。ダールトンの奴め、余程枢木の事を買っているのか手柄を立てさせたいらしいな」

 

 なるほど。藤堂とスザクの関係には気が付いてないのか、あるいは気が付いていていわゆる踏み絵としているのか……コーネリアの口調から考えると前者のようだが、スザクにとっては辛い選択になるだろう。原作通りに黒の騎士団が救出に来れば藤堂も助かるだろうが……果たしてどうだろうな。

 

 

 

 

 

 翌日。俺は特派が間借りしている大学へとやってきていた。昨日の夜にロイドからランドリオンに関して相談があるから明日にでも来て欲しいとメールを貰った為だ。……本音はガーリオンの事を聞きたいんだろうが、その辺はコーネリアが禁止しているのでどうにもならないんだろう。

 

「あら? アクセルさん?」

 

 俺の姿を見つけたセシルが声を掛けてくる。その手には紅茶セットを乗せたトレイを持っている。

 

「ロイドに呼ばれて来たんだが」

「え? ロイドさんに? いえ、その……今はちょっと」

 

 何やら慌てているセシルだが、都合が悪かったのか?

 

「用事があるようなら出直してもいいが?」

「ええ、そうですね。そうして貰えると」

「あー、来た来た来た! こっちだよ、こっち!」

 

 セシルの声を遮るようにロイドの大声が響く。声のした方を見てみると、いつものように白衣を羽織ったロイドがいた。それはいいのだが、その向かいにはあまりに場違いなドレスを着た女の姿がある。その2人の姿を見てピンとくるものがあった。ロイドとミレイのお見合いか。このイベントが行われているとなると、既にシャーリーはルルーシュのギアスにより記憶を失っているのだろう。……もっとも、俺がマオを吸収してしまった事であのイベントにどんな変化があったのかは分からないが。

 

「はぁ……しょうがないですね。アクセルさんもどうぞ」

 

 溜息を吐いたセシルが俺を誘うので、ロイドの方へと歩を進める。

 

「アクセルさんの分の紅茶も用意してきますので、ちょっと待ってて下さいね」

「ああ、悪いな」

「いえ、どうせロイドさんが無理を言ったんでしょうから、気になさらないで下さい」

 

 ミレイとロイドに紅茶の用意をしてからその場を去っていくセシル。本当に気の利く性格をしているな。頭が良く気配りが出来て、尚且つ性格もいい。ロイドには勿体ない程の優良物件だ。……料理センスは欠落しているが。

 

「ロイド伯爵、こちらは?」

 

 俺の方を見てミレイがロイドに尋ねる。その目はお見合いに乱入した邪魔者を見るような目……ではなく、興味深い光で輝いていた。

 

「こちら、アクセル・アルマー。コーネリア殿下の直属だよ」

「コーネリア殿下の!?」

「まぁ、直属とは言っても金で雇われているただの傭兵だけどな」

「あら、ただのなんてとてもじゃないけど言えないですよ」

 

 苦笑を浮かべながら、いつの間にか近くまで戻ってきていたセシルが紅茶を渡してくる。

 

「KMFとは全く違う設計思想の兵器を個人で所有していて、そして……」

 

 恐らくその言葉の後に続いたのは空を飛ぶ兵器云々というものだったのだろう。ガーリオンが与えた衝撃は俺の予想よりも大きそうだ。しかしガーリオンに関しては追求する事をコーネリアの名前で禁止されているから言葉を濁した、か。

 

「まずはランドリオンよりこっちの件を片付けなきゃね。これ以上話していても時間の無駄だ。結婚しよう」

 

 お見合い相手のミレイを放っておいて、コンピュータに向き直り何かを入力している。モニタにはランドリオンのものらしき設計図が表示されていた。

 その状態のままあっさりと口にされた言葉にミレイが驚きの声を上げる。

 

「早っ!」

 

 ……被っていた猫が剥がれてるぞ、と教えてやるべきか?

 

「じゃ、保留」

 

 前言をあっさりと撤回するロイド。ロイドにしてみれば、あくまでも結婚の目的はアッシュフォード家が持っている第三世代KMFのガニメデであり、ミレイ自身には何の興味もないのだろう。

 こうして何故かロイドとミレイのお見合いに付き合う事になるのだった。




名前:アクセル・アルマー
LV:34
PP:170
格闘:242
射撃:260
技量:252
防御:249
回避:277
命中:299
SP:414
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:193

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