転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0140話

「イシカワ地区で不穏な動き、か。それでコーネリア自らが出るのか?」

 

 コーネリアの軍が出撃の準備を行っている場所で俺とコーネリア、そしてギルフォードはその様子を眺めていた。

 

「ああ。なるべく早い内にこのエリア11の不穏分子は掃討しておきたいのでな」

「イシカワ地区のブリタニア軍に任せるという手もあるが?」

「フッ、キュウシュウでの事を覚えているだろう? 情報部からの調査報告によると、テロリストと繋がっている疑いのある者が数名いるそうだ。それに……」

 

 何かを続けようとしたその時、唐突に声を掛けられる。

 

「総督!」

 

 ユーフェミアが早足でこちらへと近寄ってきていたのだ。その顔はコーネリアの事が心配なのか不安そうな表情を浮かべている。

 

「すまないな、急で。美術館の式典の準備はもういいのか?」

「ええ。式典は午後からなので今は大丈夫です。それよりイシカワで不穏な動きってNACが?」

「バックにいるのはEUか中華連邦……ガン・ルゥを確認したとの情報もあるから恐らく中華連邦の可能性が高いだろう。しかしこれはホクリクを平定する好機でもある。ユフィにはダールトンを付けておくから何事もよくはかってな」

 

 俺ではなくダールトンを残していくというのは、多分に政治的な判断を必要する事があるからだろう。お飾り扱いとは言っても、ユーフェミアは副総督なのだ。副総督による判断が必要な政治的問題に外様の傭兵である俺が口を出すというのは何かと問題になるのだろう。貴族制を取っているブリタニアはそういう細かい所に拘る者が多い。

 もっとも、俺としてもそんな政治的な判断を求められても困るというのはある。そもそも俺はあくまでも実戦部隊の指揮官でしかないのだから。

 

「それと……」

 

 ギルフォードから渡されたファイルをユーフェミアへと手渡すコーネリア。

 

「以前話した騎士に関してだが、そのファイルのリストからお前の騎士を選ぶといい。そのリストに載っている人物はどれも優秀だ。家柄、実力共に問題無い」

 

 コーネリアとしては、やはりブリタニア皇族の騎士はブリタニアの貴族から選んで欲しいのだろう。だが、ユーフェミアは戸惑うような表情を浮かべるばかりであまり乗り気ではないように見える。

 しかし、ユーフェミアの騎士は今日決まるだろう。藤堂奪還作戦に出た黒の騎士団相手に、一機で奮戦したスザクが選ばれる事によって。

 

「姫様、準備が整いました。そろそろ」

 

 幕僚の一人がコーネリアへと声を掛ける。それに頷くと、コーネリアはユーフェミアの髪を撫でてその耳元で何か囁きこちらへと振り返る。

 

「アクセル、ギルフォード。行くぞ」

「イエス・ユア・ハイネス」

「了解」

 

 未だに何かを考えているユーフェミアをその場に残し、俺達はイシカワ地区へと出撃する。

 

 

 

 

 

「テロリストってのは何でこうも山の中に潜むんだろうな」

 

 G-1ベースのブリッジで思わず口に出す。以前のキュウシュウ地区の時と同じように、このイシカワ地区のテロリストも山の中にアジトを持っている。そして俺がこの世界に初めて転移してきた時に戦う事になったサムライの血にしても山を要塞のようにしていたし、日本解放戦線も以下同文だ。

 

「元々このエリア11は国土が狭い割には山脈等の自然が多いからな。それに山なら」

「守るに易く 攻めるに難しと言うんだろ。そのくらいは分かってるが、こうも木が茂っているとな……少しくらい愚痴を言わせてくれ」

 

 コーネリアへと言葉を返して、溜息を吐く。

 山の中となると当然木々が生えている。そうなると上空からは生い茂った葉が邪魔で、空を飛ぶのが可能なガーリオンの最大の優位性を失う事になってしまう。碌に確認もしないで攻撃した結果、それでブリタニア軍が被害を受けてしまったら……恐らくコーネリアは俺を切り捨てるだろう。激しい気性に隠されがちだが、基本的にコーネリアは部下に対してはかなり優しいのだ。

 

「それに何も空を飛ぶ事が出来る優位性が全て失われる訳ではあるまい。アクセルならどうとでもなると私は信じているがな。ギルフォードもそう思うだろう?」

 

 コーネリアが俺とは反対側に立っているギルフォードへと声を掛ける。

 

「確かにそれくらいでどうにかなるアクセルだとは思いませんが」

 

 ギルフォードは苦笑しながらコーネリアへと返す。

 

「レーダーに反応あり。テロリストの待ち伏せと思われます」

「ほう、キュウシュウ地区のテロリストとは違って随分と潔いな」

「と言うか、あれはリフレインを使った洗脳の実験か何かでイレギュラーだっただけだろう」

 

 KMFによる自爆テロなんて普通は考えてもやらない。そこでリフレインを使ってパイロットの精神を麻痺させるか壊すかして突っ込ませたんだろう。

 

「敵KMFの機種は分かるか?」

「中華連邦のガン・ルゥが4機。他には戦車の反応が2機程あります」

「ふん、それ程大きい戦力という訳でもないな」

 

 コーネリアの台詞に思わず苦笑する。

 

「どこも日本解放戦線や黒の騎士団のように大勢力という訳がないだろうに」

「分かっているさ。だが、中華連邦が後ろで操っているというのを考えればこちらを混乱させる為にそのくらいはやりかねない」

 

 ……なるほど。確かにコーネリアの言う事ももっともだ。原作の時期的にもそろそろキュウシュウ戦役が始まる頃合いでもある。その事を考えると、確かにこちらを混乱させる為に大量のガン・ルゥを横流しするというのはあり得る話だ。

 

「まぁいい。ギルフォード、アクセル。敵はKMFもどきが4機に動きの鈍い戦車が少しだ。やれるな?」

「姫様のご命令とあらば」

「戦場がいまいち気に食わないが……ま、やってやれない事はないだろう」

「では、片付けて来い」

「イエス・ユア・ハイネス!」

「了解」

 

 コーネリアの命令に、俺とギルフォードはそれぞれ返事をしてG-1ベースのブリッジを出る。

 

「アクセル、上空からの攻撃に私達を巻き込まないよう気をつけてくれよ」

「ふん、そっちが鈍くさいと巻き込む事になるから、それこそ気をつけろよ」

 

 山の中を部下のグロースター2機を引き連れて進みながら、ギルフォードが通信を送ってくる。俺はもちろんガーリオンで空を飛んでいるが、やはり地上は木が邪魔で視認しにくい。こちらから敵機の発見は難しいが、敵がガーリオンを発見する事はそれ程難しくはないだろう。一応保護色のつもりなのかガーリオンの機体色は白みがかった灰色となっているが、それだってどれ程効果があるのやら。

 

「っと」

 

 案の定こちらを発見したテロリストからの先制攻撃として、空を飛んでいる俺へと向かいガン・ルゥのものと思われるキャノン砲が放たれた。

 こちらへ向かって放たれた数発の砲弾を機体をロールさせる事で回避し、キャノン砲が飛んできた方向へと胸部に装備されたマシンキャノンとバースト・レールガンを発射する。下の方を見るとギルフォードのグロースターも既に戦闘に入っており、素早い動きで敵からの射撃を回避しつつ手に持つランスでガン・ルゥと戦車を串刺しにしている。

 見事に統率されたその動きは、さすがコーネリア直属の部隊と言えるレベルのものだった。

 戦車2機は既に破壊され、ガン・ルゥも2機破壊されている。そうなると残っているのはガン・ルゥ2機のみなんだが……

 

「アクセル、戦闘終了だ」

 

 ギルフォードからそんな通信が入る。

 

「は? 残り2機いるだろう?」

「いや、アクセルの攻撃でその2機とも破壊されている」

「……は?」

 

 いや、確かにキャノン砲が飛んできた方向へと攻撃した。攻撃はしたが、俺としては軽い牽制の一撃のつもりだった。それが撃破?

 

「いくらなんでも脆すぎないか?」

「ああ。テロリストと言ってもこれは……」

 

 2人で相談をしていると、G-1ベースからの通信が入ってきた。

 

「アクセル、ギルフォード、すぐに戻ってこい。今度は他の場所にテロリストが出て暴れているらしい」

 

 コーネリアが苛立たしげな声で命令する。

 ……あっさりと撃破されるテロリスト達。そして撃破した次には他の場所に次のテロリストが現れる。……これは……

 

「コーネリア、その暴れているテロリストというのはどのくらいの戦力だ?」

「報告ではガン・ルゥが数機との事だが」

 

 やはりな。

 

「敵の戦略は消耗戦か」

「何?」

「今の敵や、報告にあったように散発的に極少数の戦力で暴れる。そしてその報告があれば俺達がその都度出撃し、その分消耗する事になる訳だ」

「なるほど。……だが、それだとテロリストの方が消耗するのではないか? 奴等の練度は私達と比べるとかなり低い。最終的に私達に勝てるとは思えないが」

「機体状況で言えば確かにそうだろう。相手もそれは理解しているさ。だから消耗戦は消耗戦でも、精神や心。そっちに対する消耗戦じゃないか?」

 

 短期間で不定期に出没して暴れるテロリスト。それが繰り返されれば、将校はともかく一般の兵士には堪ったものではないだろう。

 

「……」

 

 俺の言葉に何かを考えるコーネリア。その後を継ぐようにしてギルフォードが口を開く。

 

「その作戦を実行すると、それこそテロリスト達の被害が大きくなってしまうのではないか? 出撃する度に自分達の仲間が消えていくのだ。不定期に出撃させられる我等よりも余程心理的負担が大きいと思うが」

「忘れたのか? 奴等の後ろには中華連邦がついている」

「それはもちろん覚えているが」

「奴等がキュウシュウで何をした?」

「っ!? リフレインか!」

 

 そう。自分達の仲間が出撃する度に減っていく? リフレインで逝ってる頭にそんな事が理解出来るだろうか。答えは否だ。

 

「……なるほど。中華連邦の取りそうな策だな。アクセル、ギルフォード。一端カナザワ地区まで退くぞ。そこで態勢を立て直す」

「イエス・ユア・ハイネス!」

「報告のあったテロリストはどうする?」

「数機のガン・ルゥだ。ここのブリタニア軍に任せても問題はないだろう。……もっとも、今のアクセルの話が本当なら時間稼ぎにしかならないだろうがな。その間に今回の作戦を進めている中心人物を倒すか捕まえるかする」

 

 その言葉に頷き、俺とギルフォード達はG-1ベースへと戻った。




名前:アクセル・アルマー
LV:34
PP:180
格闘:242
射撃:260
技量:252
防御:249
回避:277
命中:299
SP:414
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:195

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