転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1575話

 純粋な能力という意味では、当然連合軍よりもOZの方が強い。

 だが、実際に行われている戦闘では連合軍側の方が有利な戦況となっていた。

 これは、トーラスとシェンロンガンダムがいたというのもあるし、トールギスもいる。

 また、先程俺がOZのトラゴス部隊を全機戦闘不能にさせたとオープンチャンネルで告げた内容もOZの士気低下に影響しているのは間違いない。

 OZにとっては、それこそ自分達の本拠地に直接攻撃されたのだから、大きな衝撃を受けたのは間違いないだろう。

 また、トラゴスの援護射撃がなくなったというのも大きい筈だ。

 

『アクセル、そろそろ限界じゃないか? このままだとこっちの被害が大きくなりそうだけど』

 

 綾子の言葉に、再度視線を戦場へと向ける。

 そこで行われている戦闘は、連合軍側が有利なのは間違いない。

 だが、それでも……リーオーの行動が限界を迎えそうになっているというのは事実だ。

 中には既に武器は弾切れになっている機体もおり、他のリーオーから武装を借りて攻撃をしているのも見て分かった。

 特に大きかったのは、やっぱりこの場所で行われる前に起きた戦闘だろう。

 OZにとってそれが狙いだったのかどうかは分からないが、それでも基地に到着する前の戦いで相応の弾薬を消耗してしまったのは事実だ。

 それが、ここに来て足を引っ張っていた。

 勿論不足しているのは弾薬だけではない。

 それ以外にも前回の戦いで小破なり、そこまでいかなくても多少不具合が起きていたりといった風な事になっている機体もあっただろう。

 だが、それを知った上でこの戦いを任された指揮官は基地の攻略を決めた。

 そのツケがここにきて祟っているといった感じか。

 戦闘があったという点ではOZも同様だが、OZの場合は曲がりなりにも基地がある。

 勿論占領してからまだ1日と経っていないのだから、基地の全てを理解するというのは無理だろうが……それでも、普通にMSの整備をする程度の事は当然出来るだろう。

 MS輸送機と基地。この差が大きく出た感じだな。

 

「そうだな。凛、こっちの指揮官に連絡を入れてくれ。そろそろ俺達が本気で攻めに掛からないと、こっちの被害が大きくなると」

『ええ、分かったわ。じゃあ、ちょっと待ってて』

 

 凛からの通信が切れ、その間俺達がやるべき事は、当然のように連合軍のフォロー。

 リーオーやエアリーズといった機体に攻撃が当たりそうになれば、その攻撃を撃ったり、その攻撃をしようとしているMSを撃ったりといった具合に。

 そうして数分が経ち……こちらのフォローがあっても尚リーオーが1機中破し、何とか後方へと下がっていく頃に、ようやく凛からの通信が入る。

 

『アクセル、許可を貰ったわよ。向こうの指揮官も現状を……いえ、OZを少し甘く見ていたみたいね』

「甘く?」

 

 曲がりなりにも、OZはこのオペレーション・デイブレイクが始まるまでは連合軍よりも精鋭揃いとして知られていた者達だ。

 そうである以上、甘く……いや、俺達シャドウミラーか。

 すぐにその結論へと辿り着く。

 俺のトールギスに、綾子のトーラス、五飛のシェエンロンガンダム。この3機は連合軍が見ている前で次々に……それこそ容易と表現するのが相応しいように、OZのMS部隊を撃破していった。

 そう考えれば、OZを倒しやすい相手と考えても不思議じゃないのか?

 実際、途中で起きた遭遇戦の後でもある程度消耗していたにも関わらず、そのまま前へと進む事を選んだし。

 勿論その戦闘を含めて連合軍のパイロットがOZとの戦いを行ってはいるのだから、完全に実力を感じられないって訳じゃないんだろうが……

 やっぱり俺達シャドウミラーがいるから、という安心感からか?

 けど、そうなればあまり俺達シャドウミラーがいるというのはいい環境じゃないのかもしれないな。

 何かあっても俺達がいるから。そんな風に考えられれば、それこそ俺達がいなくなった後の戦闘で同じように行動をしたら……

 いや、それは俺が考えるべき事じゃないか。

 もし何なら、それこそこの基地の攻防が終わった後で指揮官に忠告すればいいだろうし、あるいはこの依頼を要請してきたベンティに話を通してもいい。

 

「綾子、五飛、聞いていたな? 連合軍のフォローはこれで終わりだ。これからは俺達の出番だ。OZにシャドウミラーの力を見せつけてやれ!」

 

 いつもならここで、決め台詞の『嘲笑する虐殺者、ニーズヘッグの名の下に!』とかで締めるんだけど、今俺が乗っているのはトールギスだしな。

 敢えて無理矢理決め台詞を言うのであれば、『降霊術士の名の下に!』とかか?

 トールギスの名前の元ネタ的に。

 ただ、それだとどこか締まらないんだよな。

 そんな事を考えている間に、俺達の中で一番短気な五飛が真っ直ぐ敵へと向かって突っ込んでいく。

 ……うん、俺は五飛よりも喧嘩っ早くはない、よな?

 トーラスがOZのエアリーズ隊へとトーラスカノンを使って撃破しているのを見ながら、2人の後を追うように俺も攻撃へと参加する。

 

「これでも食らってろ」

 

 ドーバーガンの威力を最小限にし、ビームライフル程度の威力で連続して上空から地上にいるリーオーへと向かって撃つ。

 文字通り雨のように……とはいかないが、それでも連続して放たれるビームは、次々にリーオーの群れへと降り注いだ。

 ビームの威力を下げている為に1発の威力は低いので、撃破出来たリーオーの数は少ない。

 だが、このリーオーの練度から見て、操縦しているのはOZに降伏した連合のパイロットだろう。

 つまり、ここで無意味に被害を出すような真似をしなければ、後々こっちの戦力になるかもしれない者達なのだ。……まぁ、OZに降伏した件を連合軍がどう考えるのかとか、そういう問題はあるが。

 そもそも、連合軍というのは数が多い。そうなれば、当然MSパイロットも相当数いる。

 そんな状況だと、OZに降伏したという事はそれなりに大きなマイナスになりかねない。

 つまり、俺達が基地を取り戻しても再びMSパイロットになれるかどうかは不明な訳だ。

 それこそ、未来を悲観してこのままOZにくっついていく奴もいるかもしれないな。

 もっとも、その辺は俺が考えるべき事ではない。

 その辺りは連合軍側できちんと考えているだろうし。

 ともあれ、地上へと降り注ぐビームにより、一気に多くのMSが行動不能になる。

 中にはまだ上半身が動くようなリーオーの姿もあったが、こっちに向かって攻撃をしてくる機体はない。

 今の状況でトールギスに対して攻撃をしようものなら、自分がまだ行動可能だというのが判明してしまうというのが大きいのだろう。

 

「ま、かしこいと言えば賢い選択なんだろうけどな」

 

 呟き、改めて地上で行われている戦いを……シェンロンガンダムにより蹂躙されているリーオーの集団を映像に映し出す。

 どうやら五飛が相手をしているのはOZのリーオーのパイロットが多いらしい。

 その為か、練度という点では俺が倒した連中よりも数段上だ。上なのだが……

 それでもリーオー程度でガンダムに対して勝てる筈もなく、炎によって機体が爆発したり、ビームグレイブで機体を真っ二つにされたり、コックピットを貫かれたりといった風に圧倒的に不利な戦況になっていた。

 五飛がやる気に満ちているというのは、OZにとって不運としか言いようがないな。

 エアリーズ部隊の方はと視線を向けると、そちらではそこそこいい戦いをしている。

 技量という意味では、今の綾子はOZの兵士よりも数段上だ。

 だが、それでもOZの兵士が綾子のトーラスとやり合えている理由は……数の差によるものだ。

 奇しくも、ニューエドワーズ基地で綾子やエアリーズ部隊がデスサイズやサンドロックを相手に対応していたような、そんな感じを彷彿とさせる。

 しかし……ニューエドワーズの時と今では、決定的に……そして致命的に違う点がある。

 轟っ!

 そんな音と共に、数機のエアリーズがトーラスカノンのビームに呑み込まれ、空中に爆発の華を咲かせた。

 そう、これがニューエドワーズ基地での戦いと異なる決定的なところ。

 あの時は、デスサイズもサンドロックも地上戦闘用の機体であり、空中にいるエアリーズやトーラスを攻撃する手段が少なかった。

 バルカンや数発のミサイル、一発だけのバスターシールド……そんなところだ。

 勿論ガンダムの性能であればスラスターを全開にして跳躍し、ヒートショーテルやビームサイズを使って攻撃する事も可能だっただろう。

 だが、エアリーズに乗ってるパイロット達の技量は相当に高かった。

 それこそ迂闊に攻撃してもすぐに空中で距離を取られてチェーンライフルを撃たれる結果に終わる。

 その時に比べると、トーラスは元々射撃を得意としている機体だ。……まぁ、原作ではビームサーベルを持っていたり、肘で相手のコックピットを潰したりといった攻撃方法もあったが。

 そう言えば綾子のトーラスにもビームサーベルはまだ装備していないな。

 今日の戦いが終わったら勧めてみるか。

 余計な武器はトーラスの長所の高機動力を殺す可能性もあるが……ビームサーベルの場合は、柄だけだからそこまで重量は気にしなくてもいいんだよな。

 ともあれ、トーラスはエアリーズの攻撃を回避しながらトーラスカノンを撃ってはエアリーズを撃墜していく。

 連合軍のエアリーズの生き残りは既に下がったらしく、この空域にはいない。

 それはリーオー部隊も同様で、既にこの戦場で戦っているのはシャドウミラーとOZだけとなっている。

 

「ま、エアリーズ隊にとってはこれから更に最悪の結果が待ってるんだけど」

 

 スーパーバーニアを使用し、トーラスカノンを回避しつつ綾子のトーラスを包囲しようとしていたエアリーズとの間合いを詰める。

 エアリーズや、それこそトーラスには絶対に出せない程の速度。

 急激に近づいてくるトールギスの姿に、エアリーズ隊も当然気が付いたのだろう。

 慌てたようにトーラスの包囲網の形勢を崩し、こちらに向かって対応をしようとする。

 だが……遅い。

 向こうは急いでいるつもりなのだろうが、トールギスを操る俺にとってはスロー再生されているような行動にしか見えない。

 チェーンライフルの弾丸をスーパーバーニアの機動力で回避しつつ距離を詰め、シールドの裏側から引き抜いたビームサーベルを一閃する。

 コックピットから上下二つに分断されたエアリーズは、数秒後に爆発を巻き起こす。

 エアリーズに突っ込んでいった速度を殺さぬまま、撃破された機体のすぐ側にいた別のエアリーズへと向かってシールドを叩きつける。

 こうも急速に俺が近づいてくるとは思っていなかったのか、残っていたエアリーズはチェーンライフルで迎撃するのか、それとも一旦距離を間合いを開けるのかを迷い……その迷いが致命的なまでの隙となり、連続して振るわれたビームサーベルにより、上下に真っ二つになる。

 綾子のトーラスを相手にしていた状態であっても、OZのエアリーズ隊はジリジリと不利な状況に陥っていたのだが、そこにトールギスが乱入してしまえばどうしようもなくなる。

 そして精密機器程に壊れやすいというのと同様に、高度な連携であるが故に、一度陣形が崩れてしまうと立て直す事は難しい。

 これがOZのパイロットよりももう幾つか上の技量であれば、臨機応変に新たな連携が出来たのかもしれないが……残念ながら、エアリーズ隊にはそこまでの技量はなかったらしい。

 そして一度混乱してしまえば、こちらとしてもその絶好の機会を見逃す訳もなく……遠距離からは綾子のトーラスがトーラスカノンを、近距離では俺のトールギスがビームサーベルとシールドを叩きつけるシールドクラッシュが繰り出され、次々にエアリーズは撃破されていく。

 そしてエアリーズ隊の生き残りが10機を切った時、これ以上の戦闘は無意味であり、自分達の被害が増えるだけだと判断したのだろう。

 こちらに向かって一斉にミサイルを……

 

「同じ手が何度も通じると思うなよ!」

 

 そのミサイルが閃光弾の類だと判断すると、スーパーバーニアを使って一気に距離を縮めていく。

 エアリーズから放たれたミサイルが、周辺を眩く照らし出す。

 だが、俺はそれに対して一瞬の躊躇もせずに真っ直ぐにその光を突破し……やがて次の瞬間にはドーバーガンを撃ち、ビームサーベルを振るい、シールドを振り回し……瞬く間に全てのエアリーズは撃破される。

 気が付けば、地上でもリーオーはシェンロンガンダムによって全滅に近い状況になっており、こうして基地奪還作戦最大の難関は終わったのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:935
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1289

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