転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1582話

 ニューエドワーズ基地に戻った翌日、早朝。

 俺を始めとしてシャドウミラーのメンバー……綾子と五飛はMS輸送機の中にあった。

 ちなみに凛は、当然のようにニューエドワーズ基地に残っている。

 MSを操縦出来る訳でもない凛が俺達と一緒に行動しても殆ど意味はないから、当然なのかもしれないが。

 それよりは、ニューエドワーズの基地で書類仕事をやっていた方がいいだろう。

 ……それなりにストレスが溜まっているらしく、こっちを羨ましそうに見ていたが。

 MS輸送機の操縦が出来れば、色々と助かるんだが……けど、凛の操縦するMS輸送機に乗りたいとは、とてもではないが思わない。

 それは俺だけではなく、凛と機械の相性の悪さを知っている者であれば誰でも同じだろう。

 潜入する必要があれば、凛も色々と有利なんだが……デルマイユの屋敷じゃあるまいし、今回は普通に基地攻略だしな。

 ただ……当然と言うべきか、凛はきっちりと自分の仕事はこなしてくれてた。

 今回の依頼、ルクセンブルク基地の奪還が完了したら、MS輸送機を1機譲って貰う事を向こうに呑ませたのだ。

 正直なところ、いざとなったらどこか別の場所から買ってもよかったんだが。

 デルマイユの屋敷から奪った財産の中には、当然宝石やら金塊やらもある。

 普通に使用する金はなかったのだが、これは金持ちとして考えれば不思議な事ではない。

 だが、その宝石や金塊、それに有価証券の類を金に変えればMS輸送機の1機や2機いつでも入手出来るし……それこそ、いざとなったらOZから盗み出すという方法もある。

 寧ろそっちの方が手っ取り早いかもしれないな。

 多少なりともOZの戦力を減らした上で、尚且つ連合軍の懐を痛めないでMS輸送機をこっちの物に出来るのだから。

 ……ああ、そう言えばオペレーション・デイブレイクが始まったという事は、もうOZに何も遠慮する必要がないのか。

 まだOZから奪っていない、パイシーズとキャンサー、それとトールギスのパーツ用に使ってしまったリーオーの代わりをい……いや、違うな。別にもうOZに対して遠慮する必要はない。

 ただ、俺達が攻める予定の基地でだけOZのMSは毎回なくなるなんて事が繰り返されれば、さすがに怪しまれる。

 その辺を考えると、俺達が攻める予定のない基地でもMSの強奪を行った方がいいな。 まぁ、それもこれもルクセンブルク基地の奪還が終わってからの話だけど。

 

「ルクセンブルク基地の様子は何か分かってるのか?」

「いえ」

 

 一応とサリィに問い掛けるが、返ってきたのは否定する言葉。

 

「何機かのMSがルクセンブルク基地が陥落した時に脱出しましたが、それ以降は……」

「全員がOZに降伏したのか? 何人かは基地に残っていてもおかしくはなさそうだが」

 

 ルクセンブルク基地というのは、連合軍の基地の中でも相当に大きい基地だ。

 その基地にいた軍人の中でOZに従いたくないと脱出した奴がいるのはいい。

 だが、当然基地が陥落する前に全員が脱出出来る訳がないのだから、基地に残っていても、OZに従いたくないという奴はそれなりに多くいてもおかしくない筈だった。

 そう考えれば、まだルクセンブルク基地には仕方なくOZに降伏はしたものの、面従腹背の奴がいてもおかしくない。

 そのような奴からの連絡がないというのは、多少疑問が残る。

 MS輸送機の窓から外の景色を眺めながら、疑問を持つ。

 俺が乗っているMS輸送機以外にも10機程度のMS輸送機が一緒にルクセンブルク基地へと向かっている。

 その中に入っているMSの数を考えれば、これで最初にルクセンブルク基地を攻略する予定だった戦力の半分にも満たないというのは……どれだけ連合軍がルクセンブルク基地を重視しているのかというのを意味していた。

 

「その辺りの情報はあまり入っていません。ですが、何かあったと考えるべきかと」

 

 サリィも俺と同じ疑問を抱いていたのか、小さく首を横に振る。

 恐らく……いや、絶対にOZ側が何らかの手を打ったのは間違いないが。

 通信妨害とか、そういうのか?

 それとも単純に降伏した兵士を通信機器の類へと近寄らせていないだけか。

 ……この世界、コロニーと地球の間で通信が行われたりはするんだが、その割りには個人で使える通信装置――携帯とかの類――は殆ど発達してないんだよな。

 だが、それでも公衆電話とかは普通にあるんだから、ルクセンブルク基地にいる兵士達がそれを使ってニューエドワーズ基地に連絡を入れてきてもおかしくはない……と、思うんだが。

 ともあれ、その辺りの情報がないというのは結構痛い出来事だ。もっとも……

 

「何だかんだと、戦力という意味では全く問題はないはずだけどな」

「俺達がいるんだから当然だ」

 

 俺の言葉に、五飛がそう告げる。

 俺だけじゃなく、俺達、か。

 これまでの戦闘でそれなりにこっちの腕を認めさせる事には成功したのか?

 

「ま、そうだけどな」

 

 五飛の言ってる事は、決して間違っている訳ではない。

 シャドウミラーの戦力があれば、ルクセンブルクの基地程度なら容易に奪還出来る筈だった。

 ……まぁ、推進剤不足、ビーム等のエネルギー不足にならなければの話だが。

 ガンダムがやっていたように、奇襲を仕掛けて敵が全戦力を出してくる前に撤退……という事であれば、その辺は問題ないんだろうが。

 

「ただ、今回のルクセンブルク基地はこの前の基地とは規模が違う。そこに数で勝る連合軍が攻めていくんだから、こっちの被害も相当になると思うぞ? ……ちなみに、言うまでもないけど、この前の戦いみたいに最初は連合軍に戦わせて、俺達はそれを様子見……なんて事は言わないよな?」

 

 もしそうなれば、下手をすれば……いや、下手をしなくても高い確率で連合軍が負ける可能性が高い。

 そう言いたげな俺の態度を理解したのか、サリィは当然のように頷く。

 

「はい、その辺りはきちんと指示を受けています。連合軍は連合軍でルクセンブルク基地を攻めるので、シャドウミラーは遊撃部隊として行動して欲しいと」

「へぇ。……誰の指示だ?」

「ベンティ将軍です」

 

 地球における連合軍の司令官をやっているだけあって、傭兵の使い方を……いや、その辺に幾らでもいる傭兵じゃなく、凄腕と評してもいい傭兵の使い方をよく分かっているな。

 傭兵というのは、所詮金で雇われている戦力だ。

 ろくに腕も立たない傭兵の場合、それこそ今の連合軍のパイロットよりも操縦技術が低い者もいる。

 そんな奴等の場合、それこそ弾避けとして使う以外の使い道はない。

 だが……俺達のような、それこそ数機で戦局を左右するような戦力を持つ傭兵というのも、同様に使いづらい。

 少数精鋭のOZをも上回る、究極の意味での少数精鋭。

 3機のMSでその辺にあるような基地であれば容易に攻略出来るだけの戦力を持つような存在だが……それこそ、数が少ないだけに主戦力として使うには不向きだ。

 これまでのように少数での戦いであれば、それもまたいいんだろうが……今回の戦いでは、かなりの数が投入されている。

 それこそ、リーオーだけではなく戦車の類も用意されているのだ。

 ……まぁ、朝早くに出発すると告げておいたから、上も少しでも戦力になるようなものであれば、手当たり次第に用意したのだろう。

 ともあれ、そんな有象無象……いや、これだとちょっと言い方が悪いか。

 玉石混交とでも言うべき部隊に俺達シャドウミラーが混ざってしまえば、その時点で色々と足を引っ張られるのは間違いない。

 ましてや、連合軍の方でも正規軍の自分達が傭兵に……それも3機程度の少数の傭兵に負けてたまるかと考え、無駄に被害が出ることが予想される。

 それなら、最初から別々に行動させた方がいいという判断は決して間違っていない……どころか、現状では最善の選択だろう。

 

「そうか、なら問題ない。後の問題は、ルクセンブルク基地の方でどれだけの戦力がいるかだな」

「……恥ずかしい話ですが、連合軍のかなりの部隊がOZに投降したと思われます」

 

 その辺りの事を考えると、やっぱりゼクスが動いたか?

 だとすれば、ルクセンブルク基地にはもしかしたらゼクスがいる可能性もある。

 トールギスは俺が乗っている以上、今のゼクスがどんな機体に乗っているのかは分からないが、それでもMS戦ではパイロットの操縦技術というのは重要な要素となる。

 どこぞの誰かが言っていたように、機体の性能差が絶対的な戦力差じゃないって奴だ。

 リーオーやエアリーズに乗っていれば……下手をすると、連合軍に対する被害は非常に大きくなるだろう。

 エース機としてカラーが変わっていたりすればまだしも、本当に一般的なリーオーに乗っていた場合、連合軍はその辺の雑魚と考えて適当に攻撃を仕掛け……反撃を食らって全滅という事すら有り得るのだから。

 

「一応忠告しておくが、そんなにOZに投降した兵士がいるという事は、OZ側に名のあるパイロットがいる可能性がある。そのパイロットが戦場に出てくると……俺達がいない場合、連合軍の被害は大きくなるぞ」

「……はい」

 

 サリィも当然その辺は理解しているのか、表情が微かに曇る。

 シャドウミラーが当たれば……いや、どうだろうな。

 今のシャドウミラーの中でMS戦の強さで限定した場合、俺、五飛、綾子の順番だ。

 綾子もその身体能力とゲームで鍛えた能力によってかなり操縦技術を上げてきてはいるのだが、それでもまだ五飛には及ばない。

 そしてゼクスはガンダムのパイロットと同等のパイロットであり、そう考えるとゼクスとまともにやり合えるのは俺と五飛だけとなる。

 ノインが相手であれば、綾子も優位に戦えるだろうが。

 ルクセンブルク基地を巡る攻防はかなり広い戦場となる。

 ゼクスが一般のリーオーやエアリーズを使っている場合、とてもではないが見つけ出すのは難しい。

 それこそ、T-LINKシステムの搭載されているニーズヘッグを使えば、ゼクスを見つけ出す事は出来るかもしれないが……いや、今はそんな事を考えている場合じゃないな。

 現在使える戦力でどうにかする事を考えるべきだ。

 

「もしそういう戦場があったら、こっちに通信を送れ。すぐに向かう」

「ありがとうございます」

 

 サリィにとって、この言葉が恐らく一番欲しかったものだろう。

 実際問題、連合軍のほうでどうしようもない以上、俺達に頼るしかないのだから。

 そうこうしている内に、やがてルクセンブルク基地が近づいてきたという連絡がある。

 まだMSが戦闘を行うには相応しくない距離だが、向こう側からもそのうち出撃してくるだろう。

 それを見越してか、飛んでいたMS輸送機は地上へと着陸していく。

 周辺に広がっているのはヨーロッパらしく草原だ。

 日本と違って山がそんなに多くないから、こういう時は便利だよな。

 他のMS輸送機が着陸しているのだから、当然のようにシャドウミラーの乗っているMS輸送機も地面へと着陸する。

 そうして着陸すれば、早速連合軍のMS輸送機からはリーオーやトラゴス、戦車……ヘリまであるのか。

 OZの主力MSはエアリーズだけに、ヘリはかなり不利だと思うんだが。

 その辺はどうなんだろうな。

 

「アクセル、あたし達もそろそろ出撃の準備をした方がいいんじゃないか?」

 

 MS輸送機の窓から外を見ていると、綾子の言葉で我に返る。

 

「今MS輸送機から出ると、かなり混雑してるから空を飛ばないと他の連中の邪魔になるぞ?」

「五飛を置いていく訳にはいかない、か」

「ふん」

 

 綾子の言葉に、五飛は不機嫌そうに鼻を鳴らす。

 ガンダムのパイロットとして、今まで連合軍にも少なからず被害を与えてきたのだ。

 ここに集まっているMSパイロットの中にも、当然のように知り合いがガンダムの襲撃で怪我をしたり……殺されたりといった者もいるだろう。

 それを思えば、五飛だけを置いて行くというのは色々と不味いのは事実だ。

 戦場を前にして興奮しているMSパイロットと、1機だけのシェンロンガンダム。

 下手をすれば、OZによって全滅するよりも前に五飛によって連合軍が壊滅的な被害を受けかねない。

 

「どのみち俺達は遊撃部隊として動くんだから、連合軍と一緒に行動をする予定はない。連合軍の方で準備が終わるのを待ってから出撃しても構わないだろ」

 

 その意見には綾子、五飛、サリィの3人も特に異論はないのか、黙り込む。

 そうして暫く話をし……やがて周囲に停まっているMS輸送機からリーオーや戦車といった機体が全て降りたのを確認すると、俺達もまたルクセンブルク基地の奪還作戦へと参加するべく、格納庫へと向かうのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:950
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1292

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