転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1597話

 サルベージ船を出た俺達は、特に寄り道する事もなく連合軍の基地へと戻る。

 そこで綾子が待っているからというのもあるが、早くデュオを迎えに行く必要があるというのが最大の理由だろう。

 

「まぁ、デュオがいるのはここから結構離れてるから、合流出来るのは明日なんだけどね」

「なら、もう少し街中で遊んできてもよかったんじゃないか?」

「へぇ? あたしにここで留守番をさせておきながら、アクセルは街で遊んできたかった、と?」

 

 連合軍の基地の食堂で夕食を食べながら、お互いに会話を交わす。

 サリィも当然一緒のテーブルで夕食を食べており、俺達のやり取りに薄らと笑みを浮かべている。

 

「ふふっ、3人はいつ見ても仲がいいですね」

「……まあね」

 

 そう言って薄らと頬を赤くしながら視線を逸らしたのは、凛。

 相変わらずこの手の唐突な言葉には咄嗟に上手い返しが出来ないらしい。

 

「そう言えば、アクセル代表達はどうやって出会ったんですか? こう言ってはなんですけど、3人が3人とも凄い魅力的な人ですし。そういう人同士が出会ってその……3人でそんな関係になるなんていうのは、普通はなかなか有り得ない事だと思うのですが」

 

 好奇心を刺激されたといった様子で尋ねてくるサリィだが、これは本当にサリィの好奇心からの問い掛けなのか、それとももしかして俺達の何かを探っているのか。

 まぁ、考えるまでもなく俺達は色々な意味で怪しい存在だ。

 現在のシャドウミラーは連合軍に雇われているが、傭兵はあくまでも傭兵だ。

 OZに味方をするというのは、今までの俺達の言動を見てれば有り得ないと判断するだろう。

 だが、それは逆に言えばOZ以外の相手には雇われる可能性があるという事だ。

 その辺りを心配したとしても、決しておかしな話ではない。

 

「そうだな。色々とあったんだよ、色々と」

「……そうね。確かに色々とあったわね」

「本当に色々とあったよな」

 

 俺の言葉に、凛と綾子がそれぞれ頷く。

 幾ら俺達の出会い……馴れそめを聞きたくても、まさか本当の事を言える訳もない。

 いや、寧ろ言ったとしても聖杯戦争とか魔術師とかサーヴァントとか……恐らくそれを聞いても、笑い飛ばされるのがオチだろう。

 何なら、いっその事真実を言ってみても面白いかもしれないな。……まぁ、凛がそんな一か八かといった行動をするとは思えないが。

 

「色々、ですか」

「人間、誰しも秘密の1つや2つはあるだろ? ……それこそ、サリィにだって人に言えない事、言いたくない事とかがないか?」

「それは……」

 

 俺の言葉に、サリィがそれ以上は何も言えずに黙り込む。

 まぁ、サリィも立派に大人の女だから相応の体験をしてきてはいるんだろう。

 それこそ、男関係以外にも連合軍の士官で、それも本来なら軍医なのが何故かシャドウミラーと連合軍の調整役のような事をされてるんだから、秘密がない筈もない。

 

「ほら、アクセル。あまりサリィを苛めないの。私にデュオを苛めるなとか言ってるのに、自分はサリィを苛めてどうするのよ?」

 

 豆と野菜と豚肉が入っているスープを飲みながら、凛が注意してくる。

 ……もっとも、凛の目には悪戯っぽい光が浮かんでおり、どちらかと言えば面白がっていそうだが。

 

「苛めといぢめ。似てるようで違うぞ?」

「どこがよ?」

「だから、発音がだな」

 

 そんな風に喋っている間に、サリィの緊張も次第に収まっていく。

 周囲の軍人達から嫉妬の視線を向けられながら、俺達は楽しい夜を過ごすのだった。

 

 

 

 

 

「えっと、あそこの島でいいの? 本当に?」

「ええ。サリィも昨日聞いてたでしょ? デュオが言ってたのは間違いじゃないわ」

「でも、あんな島だとこのMS輸送機が着地するような場所が……連合軍が前に使ってた基地なんて、本当にあるのかしら?」

「あるだろ。何気に連合軍の放棄した基地ってのは、少なくないぞ?」

 

 連合軍に合流する前に俺達が暫く逗留した元連合軍の基地……マフィアによって用意された一時の住居を思い出しながら、そう告げる。

 

「……分かりました。じゃあ、パイロットに着陸するように言ってきます」

 

 そう告げ、客室を出て行くサリィ。

 

「ハワード辺りからの情報だと思うか?」

「どうかしらね。元々ガンダムはOZを相手に派手に暴れてたんだから、このくらいの場所は幾つか知っててもおかしくないとは思うけど」

 

 俺の言葉に、凛が小さく肩を竦めて言葉を返す。

 だが、デュオは……正確には5人のガンダムのパイロット全員に言える事だが、地球の情報というのは結構限られていた筈だ。

 コロニー間の連絡も出来ないようになっていたのを考えれば、地球の情報も……いや、寧ろ地球だからこそある程度の情報を入手出来たのか?

 そんな風に考えている間に、次第にMS輸送機は高度を下げていく。

 地上に見える連合軍の元基地へと向かっての降下だった。

 

「どうやら、先方はまだ来ていないみたいね」

 

 滑走路を見ながら呟く凛。

 だが、相手はデスサイズ。隠密性に特化したガンダムだ。

 実は既にこの基地にいて、ステルスを使っているという可能性は十分にあるだろう。

 いや、そこまでいかなくても隠れている可能性の方が高いか。

 そもそもの話、デュオがそこまでシャドウミラーを信用しているのかというのがある。

 勿論OZと比べれば間違いなく信用されているのだろうが、それでも連合軍に協力しているという意味では完全な信用というのは難しいだろう。

 

「ま、もう来ているとしても、どこかに隠れている可能性はあるからな。地上に降りて見れば、向こうも顔を出すかもしれないし」

 

 そんな俺の言葉を聞いていたかのように、MS輸送機は滑走路へと下りていく。

 そしてMS輸送機は見事に着地する。

 ……さて、どうだろうな。本当にもうデュオが来てるのか?

 そうなったらそうなったで、こっちとしても面白い展開なんだが。

 

「……さて、じゃあアクセルの予想がどうなっているのかを調べてみましょうか」

 

 凛の言葉に従い、俺達は客室を出ていく。

 その途中で当然のようにサリィもこちらに合流し、やがてMS輸送機から降りる。

 この基地が廃棄されてから、結構な時間が経っているのだろう。道路には結構ヒビが入っており、そこから雑草が伸びているのも見える。

 それでもMS輸送機がそれなりに移動出来るのは、機体の性能が地味に高いからだろう。

 何だかんだと、このW世界の技術力は決して低くはないのだから。

 そうして周囲を見回していると……やがてこちらの方に歩いてくる人影を発見する。

 長髪を三つ編みにしているその姿は、もしかしたらシルエットだけで見た場合女と見間違う可能性すらあった。

 だが、実際にその姿を見ればすぐに男だと理解出来るだろう。

 ……それどころか、まだ男と呼ぶには少し早いだろう少年であると。

 そして、当然ながら俺達はその人物の事を知っていた。……サリィは初対面だが。

 

「いよう、昨日ぶり!」

 

 元気よく手を振りながら声を掛けてくる少年……デュオ。

 昨日散々凛によって苛め……もとい、いぢめられたにも関わらず、既に元気一杯になっている。

 この辺りの立ち直りの早さは、凛によって色々といぢめられる原因なのだろう。

 

「早いな」

「そうか? こういうのは遅いよりも早い方がいいだろ?」

 

 そう告げるデュオの眼に、一瞬だけ鋭い光が宿る。

 それは、もし俺達が……より正確には、連合軍が先にこの場所に来ていれば、何か仕掛ける可能性があったと、そう考えているのだろう。

 シャドウミラーに所属する事は済し崩し的に決まってしまったが、それでも最近までコロニーに圧政を敷いていた連合軍は、デュオにとって決してすぐに全てを信じられるような相手ではないという事か。

 

「それで、結局はデュオだけなのか?」

 

 ヒイロやカトル、トロワは連れてこなかったのか? という俺の疑問に、デュオは軽く肩を竦める。

 

「ああ、残念ながら俺だけだよ。今のあいつ等とは連絡がとれねえしな」

「……連絡が取れない? ニューエドワーズ基地から一緒に撤退したよな? その時に連絡先を交換しなかったのか?」

「したけど、いつでもすぐに連絡が取れるって訳じゃねえんだから、しょうがないだろ?」

 

 さて、これが本当なのかどうか。

 特にデュオ達はガンダムのパイロットとして、色々な相手から目を付けられている。

 そんな中、同じガンダムのパイロットとしていざという時の為にいつでも連絡出来るようにしておくのは決して有り得ない選択肢ではない。

 ヒイロやトロワ辺りならその辺りは気にしないかもしれないが、中にはガンダムのパイロットとしては極めつけにお人好しのカトルの姿もある。

 ……まぁ、カトルの場合切れさせると何気に一番何をやるか分からないんだが。

 

「そうなのか?」

 

 探るような視線を向けるが、それにもデュオは動じた様子はない。

 ……まぁ、いいか。今日はデュオをシャドウミラーに引き込めただけで満足しておこう。

 実際問題、シャドウミラーにあまり戦力を集中させると、連合軍の方で色々と問題視してくる奴がいるというのも事実だ。

 今の時点でも結構な戦力が揃ってるのは事実だが。

 

「ああ、まぁ、俺達の場合は色々と目立つのは確かだしな。アクセルのところにいるガンダムも、連合軍の方で色々と目立ってるだろ?」

「そうね。五飛がかなり目立ってるのは事実よ」

「げ」

 

 俺とデュオの話に割り込んできたのは、当然のように凛。

 そしてデュオは凛の顔を見ると嫌そうに眉を顰める。

 

「あら、デュオ。その態度は少し失礼じゃない? 昨日あんなに仲良く話した仲じゃない?」

「どこが仲良くだっつーの。あれだけ散々人を脅しておきながら、何を言ってんだよ」

 

 昨日は音声のみの通信だったので、こうして実際にデュオの顔を見るのは以前にハワードの所にいた以来だ。

 デスサイズはニューエドワーズ基地で遭遇したけどな。

 そっちも俺は戦ってなかったし。

 

「そんな事を言うなんて悲しいわね。あまりに悲しくて、ガンダム02のパイロットが覗き魔だって広めたくなっちゃう」

「おい、やめてくれよ頼むから……って、ガンダム02? 俺のデスサイズの事か?」

 

 唐突に出て来た自分のガンダムのコードネームと思しき単語に、デュオは不思議そうな視線を向ける。

 まぁ、いきなりガンダム02とか言われたって、それは理解出来る筈もないか。

 

「ああ。OZがお前達ガンダムにそれぞれ付けたコードネームで、どうせだからという事で、連合軍でもそのまま使っている」

「あー……まぁ、デスサイズとか名前を知ってる訳じゃないしな。そりゃしょうがねえか。けど、何だって俺のデスサイズが02なんだよ」

「さてな。その辺りはOZにでも聞いてくれ。まぁ、恐らく確認された順番とか、そういうところから来てると思うんだが」

 

 その辺りの決め方は適当だと思うけどな。

 ああ、でもガンダム01のウイングガンダムは、ゼクスが最初に折衝したという意味で01なのか?

 

「ちぇっ、面白くねえ。……まぁ、いいさ。これからシャドウミラーとして活動していく上で、俺のデスサイズが本当に強いってのを見せつけてやるからよ」

「そうか、頑張ってくれ。……じゃあ、そろそろMSを輸送機に詰め込むから、持ってきてくれ。いつまでもこんな場所にいれば、OZに見つかる可能性があるしな」

 

 正直なところ、OZに見つかってもこっちとしては全く問題ない。

 戦力は綾子のトーラスとデュオのデスサイズがあるのだから、それこそ10機や20機……50機いても問題なく倒せるだろう。

 だが、それでも面倒だというのは変わらない。

 

「あいよ。ちょっと待っててくれ。すぐにデスサイズを持ってくるから」

 

 軽く手を振り、その場から走り去るデュオ。

 こうして見る限りだと、とてもガンダムのパイロットをやってるようには見えないな。

 いや、それを言うのなら他にも色々と同じようにMSのパイロットに見えないような奴は幾らでもいるんだが。

 

「アクセル」

 

 名前を呼ばれてそちらに視線を向けると、そこには得意そうな笑みを浮かべている凛の姿。

 どう? 褒めてもいいのよ?

 そう全身で主張している凛に、笑みを浮かべて口を開く。

 

「そうだな、凛のおかげで今回は助かった。……OZの件が片付いたら、どこかに遊びにでも行くか?」

「ふふん。約束したわよ?」

「ああ。……ただ、どこに行くのかは凛が決めてくれ」

「あら。こういう時は男の甲斐性を見せる時だと思うんだけど? ……ま、いいわ。アクセルの気が利いているのに免じて、今回は許してあげる。そうね。前みたいに、普通のデートをしてみたいわ」

 

 普通のデートという言葉に、側で話を聞いていたサリィが不思議そうな表情を浮かべていたが、それもデスサイズを荷台に載せたトレーラーがやってくると、そちらへと意識を集中させるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1309

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