転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1598話

「へぇ、これがシャドウミラー専用のMS輸送機かよ。……専用って割りには、普通なんだな」

 

 MS輸送機の客室へとやって来たデュオが、最初に発した一言がそれだった。

 まぁ、分からないではない。

 本当に今の時点では新しいという意味では特別だが、それ以外では連合軍が使っている普通のMS輸送機そのままなのだから。

 

「しょうがないだろ。このMS輸送機が届いてから、すぐにハワードの所まで出発したんだから」

 

 出来れば色々と改修したかったのは事実だが、その辺りが出来る余裕は今の連合軍にはない。

 ……俺も、客室の中身をデルマイユから奪ったソファとかに変えたいところではあるんだが。

 

「ふーん。じゃあ、そのうち色々と変えるのか?」

「ああ。特にこの客室はもう少しゆっくりとした時間を過ごせるような雰囲気にしたいな」

「……おい。てっきり改修って言うから速度とか燃費とか、そういうのを改造するのだとばかり思ってたのに、そっちかよ」

 

 どこか呆れたような表情をしているのは、決して俺の気のせいではないだろう。

 それは分かっているのだが、快適に暮らせるっていうのは重要なところだぞ?

 まぁ、デュオが言うような場所の改修も忘れてはいないが、それでもどちらを優先するかと言えば、居住性だ。

 整備員達に余裕があるのなら、速度とかそういう場所を改修してもいいんだが……今のところ、それは難しいしな。

 そうである以上、最初は俺達で出来る場所から改修していった方がいいだろう。

 

「諦めろ。アクセルがこう言ったら、もう聞かないんだから」

 

 椅子に座っている綾子の言葉に、デュオが呆れたように溜息を吐く。

 それはちょっと失礼じゃないか?

 そうも思うが、俺の言ってる事が色々と無理があるというのは理解しているので、取りあえず受け流す。

 

「それで、俺は今日からシャドウミラーの所属になったけど、これからどうするんだ?」

 

 何か展望があるのなら聞かせろ。そう告げてくるデュオに対し、口を開いたのは凛だった。

 

「正直なところ、デュオに来て貰ったのはいいけど、すぐにどうこうって事はないと思うわ。私達が今やってる仕事は何だと思う?」

「何って……そりゃあ、当然OZとの戦いだろ?」

「半分正解」

「半分?」

 

 もしかしてOZとは戦わないと言うのではないか。

 そんな風に視線を向けてくるデュオ。

 何故かその視線が俺へと向けられているのは……いやまぁ、俺がシャドウミラーの代表という形になってるんだから、これは当然なのか?

 

「OZと戦っても構わないが、それだけだと敵にも味方にも人死にが出るだろ?」

「そりゃまぁ、戦争なんだから連合軍にも死人は出るよな」

 

 視線を窓の外へと向けたのは、連合軍のパイロットの技量が低いと言いたいところを我慢してのものだろう。

 サリィに気を使ったらしい。

 デュオが見ている窓へと俺も視線を向けると、そこには雲一つない青空が広がっている。

 いやまぁ、ここからだと見えないが、窓の近くに行けば雲の海が下の方に見えるだろう。

 MS輸送機が現在飛んでいるのは、雲の上なのだから。

 

「で、OZはともかく連合軍にあまり被害が出ないような戦いって事で、有効なのはOZの後ろにいるロームフェラ財団を叩く事だ」

「……ロームフェラ財団を?」

 

 俺の言葉は、デュオにとって完全に予想外だったのだろう。目を大きく見開きながら尋ね返してくる。

 さて、これは本気なのか……それとも演技なのか。

 デュオの事だから、実はこれが演技でしたと言われても納得してしまうような気がする。

 ともあれ、不思議そうな視線を俺に向けているデュオへと頷きを返す。

 

「そうだ。OZはあくまでもロームフェラ財団の実働部隊でしかない。つまり、ロームフェラ財団がOZに対して命令をしている訳だ」

 

 実際にはOZを率いているのがトレーズである以上、そう簡単にロームフェラ財団の……デルマイユの思い通りにはならないだろう。

 だが、それはあくまでも全てであって、ある程度はデルマイユの思い通りに動かす事が出来るのは間違いない。

 出来ればトレーズにはもう少し頑張って欲しいところなんだけどな。

 MDが開発されても、トレーズが踏ん張ってOZを率いてくれれば、連合軍の被害も少なくてすむだろう。

 

「そのロームフェラ財団の指導者達は、自分達は安全だと思っている。……いや、思っていた、か」

「そうでしょうね。デルマイユ公爵はアクセルによって屋敷と別荘をそれぞれ破壊されたんだから、面白くないと思うわよ」

 

 そんな凛の言葉で、俺達がどのような手段を狙っているのか理解したのだろう。

 デュオはどこか呆れたような視線を俺の方へと向けてくる。

 

「そんな手段で、本当に効果があるのか?」

 

 どうやら呆れの視線は、そっちの意味だったらしい。

 

「そうだな。少なくてもデルマイユは自分だけが安全な場所にいるというのは思えなくなる。だとすれば、デルマイユも迂闊にOZを動かす事が出来なくなるし、何よりデルマイユ以外でも自分達の屋敷を守る為に警備の戦力が必要になる」

「つまり、OZの戦力が分散する訳ね」

 

 凛が俺の言葉に続けるように告げ、デュオもそれに納得したのだろう。頷いていた。

 

「それに、連合軍との契約でロームフェラ財団の上層部の屋敷を破壊する前に、その屋敷から金目の物を盗み出せば、それはそのまま俺達の報酬になる」

「……おいおい」

 

 デュオの俺を見る目が再び呆れの色へと染まった。

 

「そんな目をするなよ。実際、屋敷は破壊する訳だから、もし屋敷にそのまま金目の物を残しておけば、それは当然燃やしつくされる。そうなるよりは、まだ俺達が有効利用した方がいいだろ?」

「いや、その理屈は分かるけどよ」

「実際、デルマイユの屋敷から盗み出した家財道具は、この客室を改造する際に有効利用するつもりだし」

「……マジか?」

「ああ」

 

 そうデュオに返事をしつつ、何気にこの場所にはあまり似合わないのかもしれないというようにも感じてしまう。

 確かにデルマイユから盗み出した家具はどれもこれも高級品で趣味のいい物だ。

 だが、そんな趣味の物がMS輸送機の客室に合うかどうかと言われれば……うん、正直どうなんだろうな。

 それでも試してみて、駄目ならまた空間倉庫に戻せばいいだけか。

 

「もう少しすれば俺が預けておいた奴がデルマイユの屋敷から盗み出した家具をルクセンブルク基地に運び込んでくれる筈だから、それをここに運ぶ時は手伝って貰うぞ」

「うげ、マジかよ」

 

 嫌そうな表情を浮かべるデュオだが、元々デュオは力に自信があるという訳でもない。

 いや、普通の人間として考えれば十分に高い能力を持っているのは間違いないのだが。

 それでもシャドウミラーとして考えれば……どうなんだろうな。

 五飛辺りとは結構互角な身体能力を持ってそうな気がするけど。

 

「ああ、そう言えばもう一人のガンダムのパイロットってのは、どういう奴なんだ? 他の奴とはニューエドワーズ基地で話したから、大体の性格は分かってるんだけどよ」

「五飛か? ……あー、そうだな。デュオとはあまり性格が合わないだろうな。生真面目だし」

「うわぁ……ガンダムのパイロットって、何でこうも生真面目な奴ばかりなんだろうな」

 

 その言葉に、サリィが少しだけ興味深そうな様子を見せるが、情報を集めるという意味では当然だろう。

 にしても、生真面目か。

 ヒイロは言うまでもなく生粋の兵士、あるいはテロリスト。

 トロワは元傭兵、カトルは優等生。そして五飛は言うまでもないだろう。

 ……うん、そう考えればデュオが言ってるのは決して間違っている訳じゃないな。

 寧ろ、ガンダムのパイロットの中ではデュオのような性格の方が異端なんだろう。

 

「ま、五飛と同じシャドウミラー所属なんだ。嫌でも会う事になるだろ。……性格が合う合わないは全く別の話だけど」

「う゛っ!」

 

 俺の言葉に、デュオは胸を撃たれたかのような振りをしながら、椅子の背もたれへと体重を預ける。

 どうやら、今のが致命傷だったと芝居で現しているのだろう。

 

「五飛はそんなに悪い子じゃないから、安心してもいいわよ?」

 

 一連のやり取りを見ていたサリィが、笑みを浮かべながらデュオに告げる。

 サリィにとって、五飛というのは色々と思うところがあるんだろう。

 何しろこの歴史では、原作以上に五飛とサリィの繋がりは深いのだから。

 結果として、元々の相性もあるのだろうが、サリィと五飛の仲は決して悪くはない。

 ……まぁ、それはあくまでも仲間や友人としての意味での仲であり、男女間の恋愛関係となると、話は別だが。

 サリィと五飛ではそれなりに年齢差があるので、恋愛関係になるのは……どうなんだろうな。

 いや、それ以前にサリィは何歳なんだ?

 見た感じでは凛と似たような年齢に見えるんだが。

 

「何か?」

「いや、何でもない」

 

 鋭く俺の方に視線を向けてきたサリィに対し、首を横に振る。

 ……相変わらず女は年齢の事になると鋭いよな。

 これで体重とか体型とかの事を考えると、更に鋭くなるんだろう。……何だかサリィが俺に向けている視線がその辺りを考えるごとに鋭くなってきている気がするし。

 

「ふーん。このシャドウミラーってのも、外側から見る限りだと凄い傭兵部隊に見えたけど、中は結構愉快な感じなんだな」

 

 椅子に体重を預けながら、デュオが面白そうな表情のままにそう告げる。

 デュオの性格から考えれば、真面目一辺倒な傭兵というのは性に合わなかったんだろう。

 

「……デュオ、と呼んでもいいかしら?」

 

 俺から視線を逸らしたサリィが、改めてデュオにそう尋ねる。

 

「ああ、好きに呼んでくれ」

「そう。じゃあデュオに聞きたいんだけど」

「うん? 何だよ? ああ、言っとくけど、俺はシャドウミラーに所属する事にはなったけど、何でもかんでも情報を喋るつもりはないぜ?」

 

 そう告げたのは、デュオの知っているガンダムの開発者……プロフェッサーGについての情報を漏らす事はないと、そう告げているからか。

 

「うーん、そうね。私が聞きたいのはガンダムについてじゃなくて、そのパイロット……ヒイロ・ユイについてなんだけど」

「ヒイロの? ……あんた一体?」

 

 ヒイロの名前を出しても動揺しなかったのは、既に昨日の時点で何度かヒイロの名前を出しているからか。

 そう言えば綾子についてもヒイロの事で聞いてたみたいだったが……やっぱりサリィの興味はヒイロにあるんだろう。

 実際にサリィがヒイロと遭遇した時、何気にデュオもそれに無関係ではないんだけどな。

 ヒイロが捕らえられていたビルを破壊したという意味で。

 

「以前、ヒイロ・ユイに会った事があるのよ。怪我をしているところを見つけてね。そこで保護して後で話を聞かせて貰おうと思ったんだけど……ビルを爆破して逃げられたのよね」

 

 そう告げるサリィの言葉に、デュオはうわぁ……といった表情を浮かべる。

 デュオにも分かったのだろう。自分がヒイロを助けた時、サリィもいたのだという事を。

 

「あら、どうしたの?」

「いや、うん。何でもねえよ?」

 

 サリィの方は、ヒイロが逃げ出した件にデュオが関わっているのを知っているのかいないのか。

 原作だとデュオがヘリコプターのローターのように回るステッキがあって、それを使っていたから、顔はともかくデュオの特徴的な髪型くらいは見覚えがあってもおかしくない筈だが。

 だが、今のサリィの様子を見る限りでは、デュオがあの時にいたとは思えない。

 ……いや、今のデュオの表情を見れば、何か悟ったか?

 

「とにかく、私はヒイロと話してみたいのよ」

「あー……うん。まぁ、事情は分かった」

 

 サリィはヒイロと話してみたいと言ってるが、実はヒイロとサリィは面識がないんだよな。

 この辺りは仕方がない。

 意識を取り戻したヒイロにはすぐにデュオが接触して、そのまま脱出したのだから。

 

「本当? 助かるわ。デュオとも色々と話してみたいと思ってたから、お願い出来る?」

「はぁ? 俺もかよ?」

「ええ。ガンダムのパイロット達の事を、もっと知りたいの」

「あー……ま、しょうがねえか。俺もシャドウミラーに協力する事になったんだし」

 

 不承不承ではあるが、そう告げるデュオ。

 サリィは笑みを浮かべてデュオの隣に座り、話し始める。

 こうして見ると、デュオと……いや、五飛もだからガンダムのパイロットとサリィって相性がいいんだよな。

 意外とサリィはガンダムパイロットキラーとでも呼ぶべき存在なんじゃないか?

 ……五飛はともかく、デュオはヒルデが……いや、ヒルデはまだコロニーにいたんだったな。

 何だかんだと染まりやすい性格なのを考えると、ヒルデはどこに所属する事になるのやら。

 そんな風に考えながら、サリィとデュオが話している近くで俺は凛と綾子の2人とゆっくりとした時間を過ごすのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1309

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