転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1617話

 忍び込んだ基地にあったのは、それぞれ20機以上のパイシーズとキャンサー。

 ……そう、結局俺は、現在拠点としている基地から随分と離れた場所にある基地ではあったが、海岸線沿いにあるOZの基地に侵入した。

 そこからはいつものようにスライムを使い、格納庫の扉を封じ込め、明かりを消し、混乱している隙にMSを奪う。

 誰にでも出来る簡単なお仕事です。

 そんな言葉が脳裏を過ぎったが、これ、絶対に誰にでもは出来ないよな。

 1人突っ込みはともかく、目的のMSを入手したので今日は別の格納庫へと向かう。

 どうせならMS輸送機とか、MSを運用出来る潜水艦とか、それこそ船とか、そういうのもあるのなら入手しておきたいし。

 MSの格納庫ではなく、少し離れた場所にある大きな格納庫。

 そこに侵入したのだが、ある意味当然ながら格納庫の中は大騒ぎとなっていた。

 

「おい、MS格納庫でトラブルだってよ! 何でも扉が開けられないらしい」

「……ちょっと待て。格納庫の扉が開かない? それってもしかして最近噂になってる……」

「ああ、その可能性がある。だから、今から格納庫の外にあった作業用のリーオーを使って扉を壊すらしい」

 

 うわ、マジか。

 いや、でも考えてみればMSってのは十分に重機としても使用可能だ。

 であれば、重機用に基地の外に1機や2機作業用のMSが置いてあっても不思議じゃないのか?

 もしかしたら、今まで俺が襲ってきた格納庫にもそんなMSがあったのかもしれないな。

 ただ、俺の場合は基地と連中がそれを持ってくるよりも前に影のゲートを使って撤収してただけかもしれない。

 それでも今日の場合は俺にとってラッキーだったと言える。

 何故なら、この格納庫の中にいる奴の意識がMS用格納庫の方に向かっており、少なくない人数が格納庫から出て行った為だ。

 そんなに俺にMS輸送機を奪われたいのなら、ここで変に遠慮するのは向こうにも悪いな。

 そう判断し、再びスライムを使って監視カメラや電線の類を破壊し、天井を崩して出入り口の辺りを封じる。

 

「おわぁっ! くそっ、一体何だよ! 何が起こった!」

「馬鹿な、MS用格納庫だけじゃなくて、この格納庫もか!?」

「慌てるな! まずは電気だ、電気を付けろ!」

 

 そう叫ぶ奴がいるが、残念ながら予備電源の方もこっちで既に破壊済みだ。

 スライムって便利だよな。

 暗闇に満ちた格納庫の中を、混沌精霊としての暗視の能力を使って複数並んでいるMS輸送機のうちの1機へと近付いていく。

 そうして装甲に触れ……うん? 収納出来ない?

 MS輸送機の装甲に触れているんだが、収納出来ないのは……と、そこまで考え、すぐに理由に思い当たる。

 スライムを使ってMS輸送機の中へと伸ばしていくと、予想通り何人かが残っていた。

 スライムで残っていた奴の意識を奪い、そのままMS輸送機の外へと連れ出し、適当に並べておく。

 一応殺すような真似はしなかったが、何も見えない暗闇の中で寝転がっているのであれば……下手をすれば死ぬかもしれないけど、その時は運がなかったと思って諦めて貰おう。

 そうして中に残っていた奴を全て取り出し、再びMS輸送機の装甲に手を触れ、空間倉庫に収納する。

 すると今度は何事もなかったかのように、MS輸送機が俺の前から姿を消した。

 そうして次から次にMS輸送機を収納していく。

 何機かは最初みたいにMS輸送機の中に人がいたままだったが、それもスライムを使って気絶させ、格納庫に放り出していった。

 そして手に入れたMS輸送機は5機。……それとも5隻か?

 ともあれ、MS格納庫のみならずこちらでも格納庫の扉が開かないという事で騒いでいるのをスルーして、影のゲートで別の格納庫へと……と向かった先で、ようやく見つけた。

 格納庫の半分が海になっているその場所には、潜水艦が浮かんでいた。

 ただ、その数は2隻。

 まぁ、潜水艦というのはMS輸送機よりもコストが高いんだろうし……そもそも、この基地自体、そこそこ大きいとは言ってもルクセンブルク基地のような大きさがある訳じゃないしな。

 潜水艦の数がこの程度でも、それは仕方がないのだろう。

 ともあれ、これまでのように格納庫を孤立させてから潜水艦に手を触れ……ちっ、駄目か。

 今日何度目かの空間倉庫への収納の失敗。

 その理由は当然のように潜水艦の中に人がいる事だ。

 そんな訳で、こちらも例によって例の如くスライムを使って意識を奪い、潜水艦の外へと運ぶ。

 そうして手を触れ……よし、潜水艦をゲット。

 まぁ、潜水艦を使うかと言われれば、使わないんだけどな。

 シャドウミラーの中でパイシーズやキャンサーを使っている奴はいないんだし。

 それにもし使うとしても、MS輸送機があればそこから海中に落とすという手段もある。

 ……そう言えば、原作でサリィはパイシーズに乗ってたよな?

 うん? それともキャンサーだったか?

 ともあれ、ウイングガンダムを引き上げるOZを攻撃していた筈だ。

 だとすれば、一度サリィに乗るように言ってみるか?

 まぁ、サリィの仕事はあくまでも連絡役だという事を考えれば、乗らないだろうが。

 ともあれ、潜水艦があればそのうち何かの役には立つだろう。

 最悪でも、W世界の技術を調べるという目的で技術班に渡せばいいし。

 ……ただ、ぶっちゃけシャドウミラーの旗艦のシロガネは普通に水中を移動出来るんだよな。

 まぁ、カトンボとヤンマは海中の移動を考えられてはいないが、こっちは物量で押す無人艦だから水中に潜らなくてもいいし。

 もし水中に敵がいるのなら、それこそ艦載機のバッタやメギロート、シャドウといった水中でも行動出来る機体でどうとでもなる。

 後は……そうだな。最悪相手の上空で空間倉庫から取り出して落とすとか?

 別にわざわざ潜水艦でやる必要はないが、まぁ、手段の1つとしてはありだろ。

 ともあれ、潜水艦を入手するとそのまま影のゲートに身を沈めていくのだった。

 

 

 

 

 

「うん? どうしたんだよ、アクセル。随分と遅かったな」

 

 食堂にやって来ると、そこではデュオが連合軍の軍人と食事をしながら話していた。

 ……相変わらず馴染みやすい奴だな。

 ガンダムがOZを対象に攻撃をしていたとしても、実際にはその攻撃で連合軍も被害を受けている。

 そうでなくても、ガンダムは一種の畏怖を抱かれる存在だ。

 まぁ、単機で幾つもの基地を奇襲し、その上OZに対して――連合軍も混ざっていたが――被害を与えてきたMSだ。

 当然色々と思う奴もいるだろうし、その人柄に畏怖を覚えてしまうのも当然だろう。

 だが、俺の視線の先では連合軍の軍人と談笑しているデュオの姿があったのだ。

 正直なところ、俺を見る連合軍の軍人の視線の方が余程畏怖に満ちていると言ってもいい。

 

「ああ。ちょっと昼寝……いや、夕寝か? してたら遅くなってな」

「ふーん……ま、いいけど。それより飯だろ? 一緒に食おうぜ。こいつらもアクセルには話を聞いてみたいだろうし」

 

 チラリと連合軍の軍人に視線を向けて告げるデュオ。

 座っている軍人の方は、年齢的に明らかにデュオよりも上なんだが……まぁ、その辺はあくまでも実力重視といったところなのだろう。

 それに年上ではあっても、30歳、40歳といった風に極端な年上ではない。

 明らかに、まだ10代後半……もしくは20代前半といったところだ。

 

「いや、俺は1人で食うから気にするな」

 

 俺を見ている軍人の目にある畏怖に、もし一緒に食事となれば向こうはろくに食事を味わう事も出来ないだろうと判断してそう告げる。

 その瞬間、軍人達の目には一瞬だが安堵の色が見えたのを思えば、その選択は決して間違いではなかったのだろう。

 

「んー? そうか? まぁ、アクセルがそう言うならいいけどよ。どうせなら、飯は全員で食った方が美味いと思うんだけどな」

 

 肩を竦めるデュオ。

 まぁ、その意見には決して反対しないが、それはあくまでも食事をする相手がこっちを怖がっていない状況で、の話だと思うが。

 向こうにプレッシャーを与えるという意味なら、それはそれで問題ないが。

 そんな風に考えつつ、料理を受け取るとデュオ達から少し離れた場所に座る。

 俺が選んだのは、海の直ぐ側にある事から魚介類がたっぷりと入ったスープがメインとなっているセットだ。

 それ以外にも海鮮炒めとパン、デザートとしてプリンがついてくる。

 ……何気に豪華だな。

 そうして海の近くだけあって新鮮な魚介類に舌鼓を打っていると、不意に食堂の入り口からサリィが姿を現す。

 見て分かる程に厳しく引き締まったその顔は、明らかに何かあったという事を意味していた。

 そのサリィが俺を見つけ、真っ直ぐこっちへやってくる。

 それを見たデュオも、軍人達との話を途中で打ち切り、やがて俺の方へとやって来た。

 軍人達の方は、サリィの様子から自分達が話に加われば邪魔になると判断したのか、大人しく自分達だけで食事を続けていた。

 

「アクセル代表、ここにいましたか」

「どうやら何かあったみたいだけど……もしかして、水中用MS隊が現れたのか?」

 

 俺達がこの基地にいる最大の理由を口にするが、サリィは首を横に振る。

 

「いえ、そっちではありません。……いえ、それも決して間違いという訳ではないのですが」

「ん? 随分と奥歯に物が挟まったような言い方だな。何かあったんだろ?」

 

 近付いてきたデュオの言葉に、サリィは自分を落ち着かせるように少し溜息をし……やがて口を開く。

 

「その、OZの基地の1つが何者かに襲われ、壊滅状態だそうです」

「……壊滅?」

 

 その言葉に、疑問を抱く。

 いや、確かに俺は基地を襲って、そこにあったMS、MS輸送機、潜水艦といった代物を奪ってきた。

 だが、純粋に基地に攻撃をしたかと言われれば……答えは否だ。

 勿論MSを盗む時に格納庫の内部を結構な頻度で破壊はしたのだが、それで壊滅状態になるかと言われれば、答えは否だろう。

 だとすれば、俺が襲った基地とは別の基地を他の誰かが襲ったという事か?

 そんな疑問を抱いて尋ねると、実際、サリィが言っていた基地は俺が襲ったのとは別の基地だった事が判明する。

 だが……どこが今のOZを襲うんだ?

 考えられる可能性としては……

 

「ガンダムか?」

「いえ、それが違うようです。どうも複数の機体がその基地を襲ったらしく」

「カトルじゃなくて?」

 

 そう言葉を挟んできたのは、デュオ。

 なるほど。複数のMSの襲撃と考えれば、ガンダムの中でもマグアナック隊と行動を共にしているカトルを思い浮かべるのは当然だろう。

 そんなデュオの言葉に、サリィは首を横に振る。

 

「いえ、ガンダムの類は一切いなかったそうよ。襲ってきたのはリーオーとエアリーズ、トラゴスの部隊」

「……それって連合軍じゃないのか?」

 

 至極当然の結論に辿り着いた俺の言葉だったが、サリィはこちらもまた首を横に振る。

 

「勿論私も最初はそれを疑って、調べました。ですが、壊滅した基地の周辺で連合軍の部隊が動いた様子はありません。また、上の方にも聞きましたが、こちらも同様に動いたという情報はありませんでした」

 

 サリィが持っている情報から考えると、連合軍が動いたとは考えられない。

 いや、もしかしたら機密度の高い特殊部隊辺りが動いた可能性もあるが、それにしたって連合軍の上層部が今の俺達にその情報を隠すというのは考えられなかった。

 そもそもの話、もしその部隊の情報を隠している場合、俺達と遭遇したら消滅してしまうのは間違いなくその部隊の筈だ。

 連合軍も、シャドウミラーの戦闘力を知っている以上。そんな危険な真似はしない筈だった。

 だが、そうなれば……

 

「誰の仕業だ?」

 

 結局その疑問が残ってしまう。

 一瞬脳裏をシャドウミラー……俺達じゃなくて、ホワイトスターに残してきた、本当の意味でのシャドウミラーという可能性が脳裏を過ぎったが、その基地を襲ったのがリーオー、エアリーズ、トラゴスというW世界のMSである以上、その可能性はないだろう。

 ……これが、人間サイズやMSサイズの虫型機動兵器だという報告でもあれば、話は別だったのだが。

 

「いや、俺に聞かれたって分かる訳ねーだろ」

 

 独り言だったのだが、それを自分に対する問いだと思ったのか、デュオがそう答える。

 

「だろうな」

 

 取りあえずデュオが知らないというのは、間違いなく本気だと思う。

 というか、原作知識的に見ても地球で連合軍とOZ以外のMSを運用する組織……と考えても、ちょっと思いつかない。

 マグアナック隊の国はリーオーとかは使ってなかった筈だし……サリィの故郷を支配していたブント大佐だったか? ああいう奴にしては、腕が立ち過ぎる。

 そんな疑問を覚えつつ……俺に出来るのは情報を集めるだけだった。 




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1309

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