転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0148話

 トウキョウ租界の外縁部に黒の騎士団率いる軍勢が集まっている。そしてそれに対抗するかのように、ブリタニア軍も黒の騎士団と向かい合うように配置していた。

 その配置されている部隊にエキドナの乗るガーリオンと、俺の乗るグロウセイヴァーの姿があった。

 

「コーネリア、迎撃準備は整ったようだな」

 

 コーネリアの専用機である二本角を持つグロースターの隣へと降り立ち、通信を送る。グロウセイヴァーの隣には俺を守るかのようにガーリオンの姿もある。

 

「その機体、アクセル……か?」

「ああ」

「また新しい機体か。しかもランドリオンやガーリオンとは全く違う系統と見たが」

「まあな。悪いが、この機体に関しても追求はしないで貰えると助かる」

「フン、まぁいい。だがその分の働きは期待させてもらうぞ」

 

 モニタに映るコーネリアは、先程部屋を出る時に俺とキスした事など微塵も態度に出さず、その様子はいつもと全く変わらない。

 

「……隊長、来ます」

 

 ガーリオンに乗っているエキドナの声を聞き、黒の騎士団を見るとKMFにしては大型の機体が空を飛んで前へと進み出る。

 なるほど、あれがガウェインか。黒と金の機体色をしているその機体は、ゼロの専用機だ。……正確には、ゼロとC.C.のと言うべきか。最大の武器は、その両肩に装備された加粒子砲の一種であるハドロン砲。ただ、俺の知識はあくまでもコードギアスというアニメのものなので、実際の性能については確認してはいないのだが。

 前へと出てきたガウェインからゼロがオープンチャンネルで周辺一帯へと通信を送ってくる。

 

「聞くがよい、ブリタニアよ。我が名はゼロ。力ある者に対する反逆者である。0時まで待とう。降伏し、我が軍門に降れ。これは最終通告だ。0時まで待つ。我が軍門に降れ」

 

 こちらへと降伏勧告とも言えるその通信に、コーネリアが嘲るように口を開く。

 

「無駄な脅しだな、ゼロ。トウキョウ租界は城塞都市でもあるのだ」

 

 っ!? しまった! これは……

 咄嗟にグロウセイヴァーのモニタの時刻を表示する。23:58。くそっ、残り2分か。

 原作通りに進むのなら地震対策のフロア構造をギアスによって操られたオペレーターが解除する事により、今俺達がいるこの外壁区画は崩壊するだろう。知っていた筈のその事実だが、予想外の事態に戸惑っているうちに対処するのを忘れていた。

 その事をどう伝えるか悩んでいる間に、コーネリアは2分という時間を有効に使うべく指示を出す。

 

「今のうちに敵軍の配置を確認する」

「イエス・ユア・ハイネス」

 

 くそっ、ここまで来てしまってはもう手の打ち様がない。俺に出来るのはせめてコーネリアを無事に政庁まで送り届ける事か。

 

「爆撃の準備は?」

「時間合わせでいけます」

「良し……撃ち方用意!」

 

 コーネリアのその命令と共に、戦車が砲身を、サザーランドが大型キャノンを構える。

 だが時計の針が0時を指したその瞬間、トウキョウ租界の外壁区画が崩落を始めた。

 

「何っ!」

 

 当然コーネリアが乗るグロースターが存在していたフロアもその崩落に巻き込まれ、周囲の機体ごと地面へと落下していく。

 

「コーネリア!」

 

 グロウセイヴァーのテスラ・ドライブを起動させ、コーネリアのグロースターを抱え上げる。ふと隣を見ると、エキドナのガーリオンもまたギルフォードのグロースターを抱え上げていた。

 

「2人とも無事だな?」

「あ、ああ。エキドナとか言ったか? 助かった」

「これもゼロの仕業か」

「ああ。コーネリア、ここは一端退くべきだ」

「……そうだな。全軍、ブリタニア政庁まで後退せよ!」

 

 コーネリアの命令が周囲へと響く。フロア構造が破壊され指揮系統もボロボロになってしまったこの状況では、とてもではないが黒の騎士団を迎撃する事は出来ない。その為政庁へ一端退いて態勢を立て直すという判断は正しいだろう。

 コーネリア機を抱いたまま政庁へと戻ろうとするが、その前にコーネリアが瓦礫により損傷して動けないサザーランドを発見する。

 

「アクセル、すまないがちょっと降りるぞ」

 

 そう言って、コーネリアは近くにある瓦礫へとスラッシュハーケンを発射し、地上へと降り立つ。

 

「どうした? 操縦が困難ならばコックピットブロックだけでも」

「コ、コーネリア様。私になど構わず先に政庁へ」

 

 己の身よりもコーネリアを優先する。この絆の強さこそがコーネリア軍の秘訣なのだろう。

 だが、部下を思う為に隙が出来たのもまた事実。その隙を突くかのように一機のKMFが巨大な刀で斬りかかってくる。

 

「ちぃっ! アダマン・ハルパー起動!」

 

 咄嗟にそのKMFが赤い長髪を靡かせながら振り下ろした刀を大鎌の刃で受け流し、そのまま柄の部分で掬い上げるように下から打ち抜く。しかし相手はこちらの攻撃をまるで読んでいたかのように滑るようにして後退し、攻撃を回避する。

 

「その機体は月下……藤堂か」

「ほう、私の名を知っているとはな。貴公の機体は初めて見るが」

「だろうな、本邦初公開だ。だが、お前達黒の騎士団とはそれなりに長い付き合いでもある。エキドナっ!」

 

 俺の声に反応したエキドナのガーリオンが、ブリタニア軍と黒の騎士団を分けるように中間地点へとバースト・レールガンを数発撃ち込む。

 

「くっ、……あの機体はゼロや紅月が言っていた」

「そう、ガーリオン。俺のかつての愛機だよ。コーネリア、退けっ!」

 

 俺のその言葉に一度後ろへと跳躍するコーネリア。

 

「藤堂、この亡霊がっ!」

「姫様、ここは私が!」

 

 そしてその代わりという訳でもないだろうが、ガーリオンの懐からギルフォードのグロースターが飛び降り、上空からランスを構えて藤堂へと突き出す。

 それを後退する事で回避した藤堂はその刀でランスを激しい斬り合いを始める。

 

「今のうちにアクセルと共に政庁へ!」

「この私に、部下を置いて逃げよと言うのか!」

「姫様は生きねばなりません! ユーフェミア様の真実を明らかにする為にも」

「っ!?」

「そう。私は姫様に選ばれた、姫様を守る為の騎士!」

 

 長物のランスでは月下の持つ刀――制動刃吶喊衝角刀――相手に取り回しで不利だと感じたのか、コックピットブロックの隣に備え付けられていた鞘からメーザーバイブレーションソードを抜き放つ。

 

「ならばこの場はアクセルと言えども譲れない! 私が、私こそが!」

 

 お互いに距離を取り、それぞれの剣と刀を構えるグロースターと月下。

 その様子を見ながら、コーネリアは口を開く。

 

「分かった。命令だ、生きて帰れよ。我が騎士ギルフォード」

「イエス・ユア・ハイネス!」

 

 コーネリアへと返事をした後、メーザーバイブレーションソードで藤堂の月下へと斬り掛かるギルフォード。瓦礫を足場とし、盾とし、時には罠として制動刃吶喊衝角刀と斬り合っている。

 

「行けっ、アクセル! 姫様を……任せたぞ!」

「ああ。コーネリアも言ってたが……死ぬなよ」

 

 再度コーネリアのグロースターを抱き上げ、空中へと移動する。

「コーネリア、少し揺れるが構わないな?」

「フン、私をそこらの女と一緒にしてもらっては困るな」

「それでこそ、だ」

 

 相変わらずのコーネリアの言葉に思わず笑みを浮かべ、クロノスから伸びているビームガトリング砲の砲身を展開する。

 

「行き掛けの駄賃にお前等の首を貰って行くぞ。……集中」

 

 精神コマンドの集中を使い、無頼が集まっている場所へと向かってビームガトリング砲のトリガーを引く。横殴りの雨の如く放たれた多数のビーム弾が十数機の無頼を瞬く間に鉄屑へと変え、周囲にいた黒の騎士団が突然の出来事に思考停止状態へと陥る。これが軍隊と民兵主体のテロリストとの違いだろう。これがブリタニア軍のパイロットならばすぐに次の行動へと移っている。

 

「アクセル、お前は一体……?」

 

 コーネリアもほんの数秒で作り出された惨状に驚き以外の声を出せない。

 

「追求はしないでくれるんだろう?」

「フン、まぁいい。それよりも政庁へ向かってくれ」

「ああ。エキドナ、行くぞ。余り高く飛ぶなよ? ゼロのガウェインに狙い撃ちにされるからな」

 

 ガウェインのハドロン砲はKMFとしては破格の威力を誇る武器だ。少なくてもガーリオンが直撃を受ければ一撃で破壊される程度には。……ソニック・ブレイカーで防御するのならどうにかなるかもしれないが。

 

 

 

 

 

「総督、ご無事で」

 

 慌ただしい報告がそこら中から入っている中、俺とコーネリア、エキドナの3人は無事政庁へと辿り着いていた。迎えたのは数名の幕僚。さすがに多少疲労の色が見えるが、まだまだ元気だ。

 そんな政庁の者達に対して一瞥し、軽く頷いてから指示を出す。

 

「クレイン卿には後退を指示。駅構内に防衛線を敷かせろ」

「イエス・ユア・ハイネス」

 

 コーネリアの指令を伝える為に幕僚の一人がその場を去ると、ギルフォードからの通信が入る。どうやら藤堂とやりあっても被害らしい被害はないようだ。

 

「姫様、陣を敷き終わりました。政庁前の防衛戦は」

「そのまま維持しろ。この戦いは長引いた分だけ黒の騎士団が不利になる」

「イエス・ユア・ハイネス」

 

 ギルフォードが頷き、通信が切れる。これで一段落したと思われたその時、近くで戦況の報告を聞いていた軍人が叫び声を上げる。

 

「馬鹿なっ! それは本当か!?」

「どうした?」

 

 コーネリアの問いについ今し方叫んだ男が切羽詰まった表情でこちらを向き、その報告をする。

 

「中華連邦の艦隊が太平洋上に現れ、トウキョウ租界へと向かっているそうです」




名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:390
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:235

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