転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0151話

 ギルフォードへの連絡が終わり数分程経過すると、エキドナの乗ったガーリオンがこちらへと飛んでくるのが見えた。

 

「隊長、お待たせしました」

「気にするな。さて、これからの事だがコーネリアを俺達シャドウミラーに迎え入れる事が決まった。その調整、特にホワイトスターとの時間のずれをなんとかしたいんだが、どうにか出来るか?」

 

 そう。コーネリアをシャドウミラーに迎え入れるのはいいのだが、このコードギアスの世界と次元の狭間にあるホワイトスターの時間のずれをなんとかしないといけない。そうでないとコーネリアがホワイトスターにいる間にいつの間にかR2が始まって悪逆皇帝ルルーシュが登場してました、なんて事になりかねない。

 だが、俺のそんな疑問に対してエキドナはあっさりと答えを口に出す。

 

「リンク装置に対する研究の産物でリンク先とホワイトスターの空間を固定化する、というものが研究されていたと思います。それが完成していれば時間のずれに対する問題は解消すると思われますが」

 

 エキドナに詳しい説明を聞かせて貰ったが、小難しい理屈に関しては良く分からなかった。ようするにこのコードギアスの世界とホワイトスターに直通の通路のようなものを固定化させる事が出来るらしい。それを使えば毎回アギュイエウスを使わずに誰でもこのコードギアスの世界に気軽に来れるらしいが……時間のずれが起きるというのも、次元的に閉じているのを毎回転移の時にその世界が解放(?)される事により起きる問題で、その世界を解放したままにする。つまり通路を固定化させてしまえば問題は無いらしい。

 

「とんでもない装置だな」

 

 それが俺の感想だ。エキドナの話によるとアースクレイドルで習得した技術に、インスペクターから提供された技術。そしてホワイトスターにあったエアロゲイターの技術を統合する事で可能になったらしい。……レモン率いる技術班の脅威を見たような気がする。

 

「それで、その通路? を作るにはどうすればいいんだ?」

「その辺は申し訳ありませんがレモン様に相談して下さい。私が知っているのはそのような装置が研究されているという概要だけですので」

 

 ……そう言えばそうか。エキドナは別に技術班でもなんでもないしな。あまりの出来事に多少混乱していたようだな。

 

「アクセル、私にはお前達が何を言っているのかいまいち理解できないのだが」

 

 軽く眉をしかめて聞いてくるコーネリアだが、技術的格差を思えば無理もない。ここにいるのがロイドやセシルならある程度は分かったのかもしれないが。

 

「そうだな……簡単に言えば、俺とエキドナはいわゆる異世界……というとちょっと大げさか。パラレルワールドからこの世界に転移してきた訳だ」

「パラレルワールド? それは、あれか? 平行世界とか」

「ああ。正確に言えば、俺達の本拠地はどこの世界にも存在していない、いわゆる次元の狭間とでも言うべき場所にある衛星基地だがな」

 

 俺の言葉を呆然と聞いているコーネリア。KMFを飛ばす事にも四苦八苦しており、宇宙に関しては殆ど手つかずと言ってもいいこの世界の住人にしてみればまさに夢物語なのだからしょうがないだろう。

 

「論より証拠だ。今から俺達の拠点、ホワイトスターへと帰還するからそうすれば嫌でも分かる。エキドナ、マーカーを設置しろ」

「了解しました」

 

 ガーリオンのコックピットからエキドナが降り、前回と同じくマーカーを設置してカモフラージュが完了する。その間に、俺とコーネリアはグロウセイヴァーから降りて空間倉庫へ機体を収納。代わりにトリニティゲインを取り出す。

 

「……なんという大きさだ……」

 

 全高40mオーバー。平均的なKMFと比べると10倍近いその大きさに驚きの声を上げているコーネリアを抱き上げ、再度コックピットへ。

 幸いグロウセイヴァーに比べるとコックピットは格段に広く作られているので、コーネリアはコックピット内の床へと座り、壁へと寄り掛かっている。

 

「エキドナ、準備はいいな?」

「はい、いつでも大丈夫です」

「よし。リンク装置、起動……正常稼働確認。リンク先座標固定完了。転移フィールド生成開始。転移先はリンクシステムに連動……OK。転移フィールド生成完了。……転移!」

 

 光の繭がトリニティゲインとガーリオンを包み込み、次の瞬間にはトリニティゲインとガーリオンはホワイトスターの転移区画へと転移が完了していた。

 

「コーネリア、着いたぞ。俺達シャドウミラーの拠点ホワイトスターへようこそ。俺達はお前の参加を歓迎する」

 

 コックピットの床に座り込んでいるコーネリアへと手を伸ばす。コーネリアは何も言う事なくその手を握り返してきた。

 

「ここが、次元の狭間か?」

 

 トリニティゲインのモニタに表示されている映像にそう呟くコーネリア。

 

「さっきも言ったが、正確には次元の狭間にある衛星基地ホワイトスターの内部、転移区画だ」

 

 例の如くコーネリアを横抱きにし、トリニティゲインのコックピットから降りる。まず目に付いたのは技術班の面々。そして先にガーリオンから降りているエキドナと、満面の笑みを浮かべつつもどこか背筋が冷えるような雰囲気を醸し出しているレモン。

 技術班の面々もそんなレモンに触らぬ神に祟りなしとばかりに距離を取っている。

 

「お帰りなさい、アクセル。大雑把な話はエキドナから聞いたわ。それでその抱えているのが?」

「あ、ああ。シャドウミラーに参加する事になったコーネリア・リ・ブリタニアだ」

「ふぅ……ん。随分とご執心だって聞いたけど、本当らしいわね」

 

 冷ややかなその口調に、俺の中の念動力が危険だと教えてくれている……ような気がする。

 

「まぁ、いいわ。まずは自己紹介でもしましょうか。私はレモン・ブロウニング。このシャドウミラーの技術班を任されているわ」

 

 そこまで言ってから、意味ありげに俺の方へと視線を向ける。

 

「そして、貴方を抱いているアクセルの恋人よ」

 

 挑発的なその言葉にピクリと反応するコーネリア。抱き上げている俺だからこそ気が付いた反応だろう。

 

「ならこの状態だが私も自己紹介をさせてもらおうか。私はコーネリア・リ・ブリタニア。アクセルに身も心も捧げた女だ」

 

 コーネリアのその言葉に今度はレモンがピクリとする。既にその身に纏っている空気は絶対零度のそれに近い。

 

「おい、コーネリア! 一体何をんぐっ!?」

 

 抗議しようとした俺の口は、いつの間にか首の後ろに回されていた左手により強引に下を向かされ、コーネリアの唇によって塞がれる。

 

 …………

 

 唇を重ねて30秒は経っただろうか。あまりの出来事にフリーズしていた技術班の面々がざわつき、同じくフリーズしていたレモンも極寒の笑みを浮かべながら俺とコーネリアの方を見ている。

 そして唇が離れた後にコーネリアは堂々と口を開く。

 

「アクセル、お前は私に自分のものになれと言ったな。そして私はその取引をコーネリア・リ・ブリタニアの名の下に了承した。つまり私はお前の女と言う訳だ」

「いや、それは……」

「違うのか?」

 

 どこか切なそうな表情をして俺の顔を覗き込むコーネリアを見て、思わず口ごもる。コーネリアという女に男として惹かれているのは否定しがたい事実でもある。それが俺の口から決定的な拒絶の言葉を発せられなかった理由だろう。

 そんな俺を助けるかのように口を開いたのはレモンだった。

 

「まずはその怪我を治療してからね。そのままだと詳しい話も出来ないわ」

 

 レモンの合図を待っていたかのように、量産型Wが担架を持ってくる。

 

「その担架に乗せて頂戴。ざっと見た限りではこのホワイトスターの治療機器を使えば明日には完治している筈よ」

「この傷が明日には治るというのか?」

 

 担架に乗せられながらも、思わず口を挟むコーネリア。その元気さに安堵しながら運ばれていくコーネリアを見送る。

 さて、まずは。

 

「レモン、コーネリアのいた世界にマーカーを置いてきてある。あちらの世界と時差を起こさなくさせる装置があると聞いたんだが」

「ええ、エキドナから話は聞いているわ。ゲートの用意は出来てるから、後はあちらの世界に転移して設置すれば問題無いわ」

 

 通路ではなくゲート、門か。らしい名前と言えばらしい名前だな。

 

「ゲートに関してはエキドナに任せる事になるけどいいわね?」

「ああ。すぐに出発可能か?」

「そうね。……ほら、準備はOKみたいよ」

 

 レモンの見ている方へと視線を向けると、そこには巨大なコンテナが運ばれてきていた。

 

「あの中にゲートとやらが入っているのか」

「そうね。とは言ってもそれ程大げさなものじゃないわよ。量産型システムXNの通常空間の転移機能を削除して、リュケイオスとのリンクシステムとマーカーシステム、通信システム。そしてリュケイオス間との限定的な次元転移機能を持たせた複合システム。それが通称ゲートよ」

 

 ……いや、十分大げさなもののような気がする。

 

「ではレモン様、早速私はあちらの世界へと転移したいと思いますが」

「ええ、お願いね」

「はい。アクセル隊長、念の為にトリニティゲインをお借りします」

「ああ、任せる。それとゲートを設置する場所についてはギルフォードに相談するといい。俺とコーネリアからの頼みだと言えば無下に扱う事はしないだろう」

「ギルフォード……確か隊長と仲の良かった男ですね。了解しました」

 

 俺とレモンに敬礼したエキドナはそのままトリニティゲインへと乗り込み、ゲートの入ったコンテナを持ってあちらの世界に転移した。

 

「さて、それでアクセル? 色々と……本当に色々と聞きたい事があるんだけど……構わないわよね?」

 

 ……これはアレだろうか。

 

 アクセル は にげだした

 しかし まわりこまれた

 だいまおう からは にげられない

 

 という状態な気がする。

 どうするべきか。数秒悩んだ俺の結論は早かった。

 

「ああ。俺も色々と話しておきたい事があったしな」

 

 白旗を掲げて全面降伏を選択した。




名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:485
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:254

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