転生とらぶる   作:青竹(移住)

176 / 4305
0155話

 ブリッツのモニタには、ストライクが腰をかがめてコックピットを開きキラがマリューを抱えて出てくるのを映しだしていた。それをサイ・アーガイル、トール・ケーニヒ、ミリアリア・ハウ、カズイ・バスカークの4人が手伝っている。

 ……さて。原作通りならこの後少ししたらクルーゼのシグーが。それを撃退しても要塞攻略用の武装を装備したジンやアスランの乗るイージスがへリオポリスに攻めてくる筈だ。その前にこのOSをなんとかしないとな。

 PS装甲のスイッチをOFFにし、元の灰色の状態になったブリッツが千鳥足のままヨロヨロと隠れていたビルからストライクに向かって歩いて行く。

 こちらを確認したキラ達が逃げようとするが、その前にブリッツの両手を上げてこちらに戦意が無い事を示し、外部スピーカーのスイッチを入れる。

 

「逃げなくてもいい。俺はザフトじゃない。先程の戦闘に巻き込まれた一般人だ」

 

 ……一般人。白々しいにも程があるが、今は少しでもキラ達の警戒を解くべきだろう。

 幸い俺の言葉を信じたのか、あるいは逃げても逃げ切れないと思ったのかは分からないが、5人共がその場に留まってくれている。……と言うか、逃げる時に寝かせていたマリューを置いていく所だったのは民間人なんだからしょうがない……のか?

 

「今から降りる。ちょっと頼みたい事もあるんで待っててくれ」

 

 コックピットを展開し、乗降ワイヤーで地面に降り、未だに緊張しているキラ達へと向かい、軽く手を上げた。

 

「俺はアクセル、アクセル・アルマーだ。傭兵をしている。このへリオポリスにはバカンスに来た所で、先程の戦闘に巻き込まれた訳だ」

 

 傭兵という単語にピクリとしたものの、メガネを掛けた男が一歩前に出る。

 

「サイ・アーガイルといいます。そちらからキラ・ヤマト、トール・ケーニヒ、ミリアリア・ハウ、カズイ・バスカークです。それで手伝って欲しい事って何ですか?」

 

 なるほど、原作通りにサイがこのグループのリーダー格のようなものなのか。

 

「先程の戦闘を見ていた。途中から動きが変わったが、あれは戦闘中にOSを書き換えたんだな?」

「え? はい」

 

 俺の言葉に頷くキラ。それを他の4人は驚きの表情で見ている。

 

「悪いが、あの機体のOSも書き換えてくれないか? 設定数値とかに関しては、お前の機体と一緒で構わない」

「あのっ!」

 

 俺の言葉をミリアリアが遮る。そちらへと視線を向けると、一瞬ビクっとしたがすぐに言葉を続ける。

 

「MSはコーディネーターじゃないと乗れないんですよね? キラもそうですし。じゃあアクセルさんもコーディネーターなんですか?」

「いや。遺伝子操作はされていない」

 

 ただ、転生という経験はあるが。それにスライムにより何人も吸収してはいるが、それが遺伝子に影響を与えているかどうかは不明だ。少なくても分類上はナチュラルになる……筈だ。

 

「でも、それだとキラと同じOSにしても使えないんじゃ?」

 

 カズイがボソっと呟く。

 

「それに関しては問題無い。俺自身の身体能力はその辺のコーディネーターには負けないしな。それに傭兵が、相手はコーディネーターだから戦えませんって訳にはいかないだろう。今回の戦闘、俺の予想ではこれで終わりという訳じゃない。奴等の狙いがここにまだ2機も残ってるんだし、恐らくまた来る。だからその前に俺自身が生き延びる為にもあの機体を動かせるようにしておきたい。さっきは偶々あの未完成OSでもなんとかなったが、そんな幸運がそう何度も続く訳がないからな」

「あのOSでザフトを倒したんですか!?」

 

 実際にストライクに乗っていたキラだけに、どれ程酷いOSだったのか知っているのだろう。賞賛と驚愕が入り交じったような目で俺を見ている。

 

「今言ったように、偶々何とかなっただけだ。……OSのコピー、頼んでもいいか? お前達だってこのままここで死にたくはないだろう? それと、この先にまだ無事なトレーラーがあるから何人かで行ってトレーラーをここまで持ってきてくれ。恐らく俺の乗っていたMSの装備や予備部品が積まれている筈だからな。全部で3台のトレーラーがあったから、動かせるようなら全部持ってきてくれると助かる」

「分かりました」

 

 サイが頷き、トールとカズイを連れてトレーラーの方へと向かう。キラも俺が言った『死にたくないだろう』という、半ば脅しのような言葉を聞きストライクのコックピットへと入っていく。

 

「あの、アクセルさん。私は?」

 

 一人残されたミリアリアが所在なさげに尋ねてくるが、ベンチに寝ているマリューへと視線を向ける。

 

「その女に付いててやってくれ。さすがに目を覚ました時、近くにいるのが見知らぬ男じゃ警戒するだろうしな」

「はい。お水か何か用意してきますね」

「ああ、頼む」

 

 水を取りに行くミリアリアの後ろ姿を見送り、一息吐く。つい先程まで戦場だったとは思えない程に静かな一時。さすがに乗り慣れない機体を、しかも未完成のOSで武器も使わずに敵と戦うというのは自分で思っていたよりも精神的にきつかったのか、どっと疲労が襲ってくる。このまま眠ったら気持ちいいんだろうが……クルーゼが来るというのにそうも言ってられないな。

 そんな事を思っていると、トレーラーが3台こちらへと向かってくるのが見えた。サイ達が無事発見してここまで持ってきてくれたのだろう。

 

「アクセルさん、これでいいんですよね?」

「ああ、助かった。これでOSのコピーが終われば……」

「アクセルさん、終わりました」

 

 ……タイミング良いな。と言うか、仕事早いな。

 まるでサイ達がトレーラーを運んでくるのを待っていたかのようなタイミングでストライク……ではなく、ブリッツから降りてくるキラ。

 

「僕が乗ってた機体はロックがかかっていてOSのコピーが出来ませんでしたから、アクセルさんが乗ってた機体のOSを直接弄らせて貰いました。ただ、本当に僕があの機体を乗る時に設定した数値そのままですよ?」

「ああ、構わない。これで……」

「ううっ」

 

 ベンチに寝ていたマリューが苦しげに呻き、目を開ける。

 

「気が付きましたか?」

 

 いつの間にか戻ってきたミリアリアが水の入っている容器をマリューへと差し出す。

 

「お水、飲みます?」

「ぐぅっ!」

 

 身動きした事で、怪我をした場所が痛んだのだろう。再び呻く。

 

「まだ動くな。所詮は応急手当だ」

「……」

 

 マリューの背を起こし、ミリアリアが持っていた容器を手渡す。

 

「ありがとう。……貴方は?」

「アクセル・アルマー、傭兵だ。このへリオポリスには休暇で来ていたが、ザフトの攻撃に巻き込まれた。で、結果としてあの機体に乗る事になった訳だ」

 

 地面に膝を突いているブリッツへと視線を向ける。その隣ではストライクも同じような姿勢で待機している。

 

「っ!?」

 

 マリューはストライクとブリッツを認識すると、懐に持っていた銃を取り出してこちらへと銃口を向けてくる。

 

「ちょっと待って下さい! 何でいきなり銃なんか! ……彼等なんですよ、気絶している貴方を降ろしたのは! それにアクセルさんが指示してくれたから僕達は混乱する事もなくこうしてここにいるんです。なのに!」

 

 俺へと向けていた銃口を、言い募ったキラへと向ける。

 

「助けて貰った事には感謝します。でもあの機体は軍の重要機密なの。民間人がむやみに触れていい物ではないわ」

「……一応、あんたの言いたい事は分かるが、俺は傭兵だ。民間人って訳じゃないんだが?」

「では、こう言い換えましょう。連合軍の軍人以外が触れていい物ではないと」

 

 そのマリューの高圧的な物言いに、トールが思わず口を開く。

 

「何だよ、さっきあれを操縦してたのはキラとアクセルさんじゃんか」

「……皆、そっちへ集まって」

 

 銃口で俺の方を示すマリュー。さすがにそれに逆らう訳にもいかずサイ達3人は俺達の方へと向かってくる。

 

「一人ずつ名前を教えて貰える?」

「サイ・アーガイル」

「カズイ・バズカーク」

「トール・ケーニヒ」

「ミリアリア・ハウ」

「キラ・ヤマト」

「……貴方も念の為もう一度お願いできるかしら?」

 

 銃口を向けながらマリューが口を開く。その様子に溜息を吐いてもう一度名乗る。

 

「アクセル・アルマー。さっきも言った通り傭兵だ」

「私はマリュー・ラミアス。地球連合軍の将校です。申し訳ないけれど、貴方達をこのまま解散させる訳にはいかなくなりました」

『え!?』

 

 マリューのその言葉に、俺以外の全員が声を上げる。

 

「事情はどうあれ、軍の重要機密を見てしまった貴方達はしかるべき所と連絡が取れ、処置が決定するまで私と行動を共にして頂かざるをえません」

「そんな」

「冗談じゃねぇよ。何だよそりゃあ」

 

 口々に文句を言うカズイやトールだが、マリューはそれを無視するかの如く口を開く。

 

「従ってもらいます」

「僕達は、アクセルさん以外はへリオポリスの民間人ですよ!? 中立です! 軍とかなんとかそんなの、何の関係もないんです!」

「そうだよ! 大体、何で地球軍がへリオポリスにいる訳さ。そっからしておかしいじゃねぇかよ」

「そうだよ、だからこんな事になったんだろ!」

 

 確かにこいつらの言いたい事は分かる。実際中立のオーブが条約違反をしていたのは事実なのだ。……いや、だからこそ余計にマリューはここで俺達を解放する訳にはいかないのだろう。

 

 パァンッ、パァンッ!

 

 唐突に響く2発の銃声。マリューが空中へと向けて撃った音だ。

 

「黙りなさい! 何も知らない子供が! 中立だと、関係ないと言ってさえいれば今でもまだ無関係でいられる。まさか本当にそう思っている訳じゃないでしょう? ここに地球軍の重要機密があり貴方達はそれを見た。それが今の貴方達の現実です」

「そんな乱暴な……」

「乱暴でもなんでも……戦争をしているんです。プラントと地球。コーディネーターとナチュラル。貴方がたの外の世界はね」




名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:490
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:255

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。