転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1720話

 リゾート地での優雅な休日を終え、俺達はノベンタからの要請通りにロームフェラ財団の降伏交渉が行われる場所にやってきた。

 そこは、俺達がいたリゾート地……常夏の島と呼ぶのに相応しい場所から、そう遠く離れている場所ではない。

 そう考えると、ノベンタ達連合軍の上層部は最初からこの交渉に俺達を巻き込むつもりだったのだろう。

 まぁ、それくらいの強かさはあってもおかしくないか。

 そんな訳でやって来た場所には、厳重な警備が敷かれていた。

 MSだけではなく、MDの姿もある。

 こうして見る限りだと、MSはMDの指揮用の機体なんだろうな。

 もっとも、ここまで厳重に護衛を行うというのも、分からないではない。

 何しろ、中東連合、ロームフェラ財団、サンクキングダム、そして連合軍とシャドウミラーという、まさにこの世界の各勢力のトップが集まるのだから。……トレーズ派はいないが。

 

「壮観……と呼ぶに相応しい光景だけど、こういう光景を見ると、オペレーション・デイブレイクを思い出すな」

 

 本来なら、連合軍の和平派が纏めて暗殺される筈だった作戦。

 このW世界が、俺の知っている原作とはこれ以上ない程に歴史の流れが変わったのは、やはりあそこからだろう。

 勿論それ以前からも、色々と行動を起こしたりはしていた。

 それこそ、トーラスを前もって連合軍がOZからある程度接収したりといった風に。

 だが、それでもやはり決定的な場面はあそこだったと俺は思う。

 現在の連合軍が本拠地を置いている、ニューエドワーズ基地。

 まさにこの世界にとって、あの場所は運命の基地だと言えるだろう。

 

「そうですね。OZの情報操作に踊らされて……」

 

 サリィが笑みを浮かべながら、一瞬だけデュオに視線を向ける。

 その噂に踊らされた張本人の1人は、口笛を吹く振りをしながら視線を逸らす。

 ヒューヒューと、音の鳴っていない口笛を。

 そして噂に踊らされ……もしくは踊らされていると分かっていながら、俺と戦う為に姿を現した五飛の方は、サリィの視線を普通にスルーしていた。

 

「ま、その辺りはこっちとしても色々と不手際はあったしな」

 

 取りあえず、そう言葉を濁す。

 こっちも、生身の戦闘部隊の投入を許してしまったのだ。

 幸いにも現地には凛がいたので大して大きな騒動にはならなかったが、もしあの場所に凛がいなければ、恐らくオペレーション・デイブレイクは成功してしまっていただろう。

 そうなれば……俺達シャドウミラーは、どう行動していたのやら。

 取りあえず主義的にサンクキングダムはないし……そうなると、中東連合か?

 いや、けど中東連合が生み出されたのは、あくまでもこの歴史……オペレーション・デイブレイクが失敗した流れからだ。

 事実、原作では中東連合などという組織は全くなかったのだから。

 そう考えると……無難にGチームに合流か?

 トレーズ派やホワイトファングに合流という可能性も決して否定は出来ないが……

 もっとも、それも今更の考えだろう。

 この状況で、もしもの話を考えたところで意味はない。

 何をするにしても、こちらとしては力の限り動くだけだ。

 

「話はこの辺りにして、さっさと行こうか。見ろよ、HLVの前に俺達を待ち受けている連中がいるぞ?」

 

 HLVの客室にある映像モニタに映し出されたのは、このHLVから降りた場所に集まっている人々。

 ノベンタ、セプテム、ベンティという現在の連合軍トップ3を始めとして、連合軍の中でもお偉方の数々。

 とてもではないが、傭兵部隊……それも俺達のような少人数の組織を迎える様子には見えない。

 もっとも、これを考えたのは恐らくセプテムなのだろうが。

 俺達をいいように使っているという自覚がある為か、出来るだけ機嫌を損ねたくないといったところか。

 まぁ、こっちとしてはしっかりと報酬を貰っている以上、その辺りはあまり気にしてないんだが。

 

「うわっ、マジかよ……」

 

 デュオの口から、驚愕の声が出る。

 ガンダムのパイロットを驚かす事が出来たと聞けば、ノベンタ辺りは喜びそうだな。

 ともあれ、こうして準備が整った以上、こちらとしても行動に出ざるを得ない。

 

「交渉場所からこのHLVが置かれている場所まではそれなりに距離があるけど……いざとなれば、何とでもなるか」

 

 俺の言葉に、全員が頷く。

 ともあれ、いつまでも向こうを待たせる訳にもいかないとして、俺達はHLVから下りていく。

 出来ればMSを持っていきたいところなんだが……それは会議に参加するという意味でも色々と難しいし、仕方がない。

 まぁ、この現状でデルマイユが何か馬鹿な事を企むとは思えないし、もし企んだとしてもどうしようもないだろう。

 既にロームフェラ財団には戦力がない。

 いや、私兵くらいならあるのかもしれないが、それでどうこう出来る程に、今の連合軍は甘くなかった。

 そうだとすれば、少しでも自分の権益を守る為に行動する方が、デルマイユの行動としてはらしいだろう。

 トレーズ派は……既にデルマイユと、いやロームフェラ財団と決定的に袂を別っている。

 そうである以上、余程の事がない限りデルマイユの指示を受けて行動はしないだろう。

 だが、その余程の事というのは……さて、どんな内容になる事なのやら。

 ともあれ、有り得ない事はこれ以上考えるまでもないとして、俺達はそのままHLVから下りていく。

 すると、それを待っていたかのように――実際に待っていたのだろうが――ノベンタが俺の方に向かって歩き出し、その後にセプテムとベンティが続く。

 そう言えば、何気にシャドウミラーってベンティとはあまり関わり合いがないよな。

 勿論全く何もないって訳じゃないんだが。

 実際、基地の奪還作戦とかで話したりもしたし。

 だが、俺達の直属の上司であるノベンタや、宇宙ではD-120コロニーを仮の本拠地としていたが故に付き合いの多かったセプテムと比べると、どうしても少なくなってしまう。

 

「よく来てくれた、アクセル。今回は色々と無理を言ってしまったようだな」

 

 ノベンタが代表してそう声を掛けてくるのに、首を横に振る。

 

「シャドウミラーとして仕事を引き受けた以上、問題ないさ」

 

 実際、今回の件でも凛は連合軍から相当搾り取ったらしい。

 それこそ、HLVで使用したガンダニュウム合金は全て補充された……どころか、元々の量よりも増えているとかなんとか。

 ……凛と交渉した人物がいつもの連合軍の交渉担当の人物なら、まさに気の毒と呼ぶに相応しいな。

 勿論、だからといって凛に手加減をしろなんてことは言うつもりはないのだが。

 そもそもの話、シャドウミラーを雇うにはそのくらいの出費は必要だと、そう思って貰う必要があるというのもある。

 でないと、それこそいいように使われるだけになり、下手をすれば最終的に取り込まれる可能性すらあるのだから。

 

「そうか、そう言ってくれるとこちらとしても助かるよ。……さ、部屋を用意してある。交渉が始まるまでは、もう2時間くらいあるから、少しはゆっくりと出来ると思う。……もっとも、ゆっくり出来る暇があるかどうかは保証出来ないが」

「うん? どういう事だ?」

 

 何だか意味ありげな言葉を発するノベンタに、微かに疑問を抱く。

 だが、そのノベンタは俺の言葉を笑って受け流す。

 

「とにかく、君達が来てくれたおかげで、こちらとしても十分以上に勝算は出来た。……何と言っても、ロームフェラ財団にとってシャドウミラーはまさしく天敵なのだから」

 

 まぁ、それは否定しない。

 実際問題、ロームフェラ財団の思惑を常に破ってきたのは俺達なのだから。

 こうして、俺達はノベンタ達に歓迎されながら、今回の交渉場所となる基地の中に入った。

 ノベンタ、セプテム、ベンティという3人が俺達を歓迎している以上、それよりも下の者達が俺達を気にくわないからといって下手な真似は出来ない。

 そんな真似をすれば、それこそノベンタ達に自分達が睨まれる事になるのだから。

 俺達を疎んでいる奴にしても、自分達がそんな風に睨まれると理解した上で行動に出る奴はまずいないと見てもいい。

 行動に出る奴がいたら、それはそれで面白い事になりそうなんだが。

 恐らく……いや、間違いなく凛が張り切る事になるだろう。

 そして連合軍はまた俺達に対する出費が多くなり、それを見て気にくわないと思う奴が増え……まさに、文字通りの意味で悪循環。

 苦々しげに俺達の方を見ている何人かの軍人からの視線を感じつつ、そんな風に思うのだった。

 

 

 

 

 

 HLVのあった場所から、いわゆるロールスロイス型というのか?

 黒塗りの高級車に乗って案内されたのが、俺達の為に用意された部屋だ。

 待機部屋? それとも楽屋? どっちかは分からないが、とにかくそんな感じ。

 そして当然のように、部屋の内装は豪勢なものであり、デュオは居心地悪そうにしていた。

 

「このソファ、なかなかいいな」

 

 ソファに座った綾子が、用意されたお茶を飲みながら呟く。

 まさに至れり尽くせりといった感じの待遇と言ってもいいだろう。

 部屋の広さ自体はそこまででもないのだが。

 そんな訳で、デュオ以外は交渉が始まるまでゆっくりとしていたのだが……不意に部屋の前に誰かが来た気配を感じる。

 それでも特に反応を示さなかったのは、こちらに対する敵意がなかった為だ。

 それどころか、寧ろ俺達に対して友好的な気配すら発している。

 

「失礼します。シャドウミラーの皆様を訪ねて、中東連合の方が来ていますがどうしますか?」

 

 部屋の前で護衛兼御用聞きとして立っていた軍人が、そう声を掛けてくる。

 どうする? と部屋の中にいる面子の視線がこちらに向けられるが、今の状況で俺が口にする事は決まっていた。

 

「入れてくれ」

 

 その言葉と共に軍人が返事をし、やがて扉が開く。

 そして、扉が開いた先にいたのは……

 

「カトル!」

 

 デュオの、嬉しそうな声が部屋の中に響く。

 この中でカトルと最も親しいのは誰かと言えば、当然のようにデュオだろうし。

 同じガンダムのパイロットでも、五飛はオペレーション・デイブレイクの時にニューエドワーズ基地で俺達の捕虜となり、他の4人が退却した時に置いていかれた。

 勿論、それは五飛が鹵獲された……正確には気絶していたのが悪いのであって、カトルを責めるような必然性はないのだが。

 

「デュオ! ……それに、アクセル代表、お久しぶりです」

 

 デュオを見て満面の……本当に心の底から嬉しそうな笑みを浮かべたカトルが、次に俺の方を見て頭を下げてくる。

 

「そうか? 言う程久しぶりって感じでもないと思うけどな。……ま、それでも一応は久しぶりって言っておくか」

 

 カトルにそう返し、そのカトルの後ろにいる人物にも視線を向ける。

 前髪が特徴的な、トロワ。

 カトルが来ている以上、当然のようにトロワも来てると思っていたが、どうやら俺の予想通りだったらしい。

 ……いや、ラシードがいないのは少し予想外だが。

 勿論中東連合の軍事を任されているカトルと、もう1人のガンダムのパイロットのトロワがここに来ている以上、中東連合を完全に留守にする訳にもいかないんだろう。

 もっとも、中東連合が敵対していた財団派が全滅した以上、そこまで備える必要があるとも限らないのだが。

 もしくは、連合軍を危険視しているのか。

 まぁ、今までの連合軍と中東との関係を思えば、それは不思議でも何でもない。

 もっとも、今の連合軍のトップはノベンタである以上、そんな心配は無意味だと思うが。

 実はノベンタが今まで猫を被っていたとかいう話なら、それはそれで面白いようにも思えるけど。

 

「この前中東連合との戦いで協力した時も思ったけど、あの2人は仲がいいね」

 

 感心したように呟いているのは、綾子。

 デュオとカトルが談笑している光景を見ての発言だ。

 デュオにしろ、カトルにしろ、どちらも社交的だしな。

 ただ、デュオは庶民的な意味での人当たりの良さで、カトルは上流階級的な意味での人当たりの良さだという違いはあるが。

 

「ま、同じガンダムのパイロットだしな。……こっちはこっちで、沈黙しながらも意思疎通が出来てるみたいだし」

 

 デュオとカトルから外された視線が向けられたのは、五飛とトロワ。

 この2人は原作でも何気に仲が良かった。

 トレーズへの襲撃が失敗した時、落ち込んだ五飛をトロワがコーヒーで励ましていたんだよな。

 もっとも、それでも結局は励ましが足りなかったのか、五飛は中国に引き籠もってサリィと遭遇する事になるんだが。

 ……いや、寧ろトロワのおかげで引き籠もる程度で済んだとかだったりするのか?

 だとすれば、トロワの役目は何気にかなり大きかった事になるんだが……

 そんなことを考えていると、サリィがその2人に近付いていき、何か声を掛けていた。

 そんな風に、暫くの間俺達はカトル達との会話を楽しむのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1225
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1347

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