転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0159話

「コロニーの崩壊……か」

 

 アークエンジェルのMS格納庫でコロニーが崩壊していくのを眺める。へリオポリスを支えていたシャフトが壊れ、ブロックごとに宇宙へと散っていくコロニー。アークエンジェル自体はコロニーの崩壊に巻き込まれそのまま宇宙へと放り出されていた。

 ブリッツのOSが突然落ちた為、そのままでは危険と判断してアークエンジェルの外装越しにこのMS格納庫まで戻って来る事が出来たのだが、そこで見たのがコロニー崩壊のシーンだった。

 

「兄ちゃん、無事だったか」

 

 俺の姿を見つけたマードックがそう声を掛けてくる。肩をバンバンと叩いてくるのが、それはこの男なりの喜びの表し方なのだろう。

 

「キラは?」

「坊主はまだだ。恐らくコロニーの崩壊に巻き込まれてアークエンジェルと同じく宇宙に放り出されたんだと思うが……それよりブリッツはどうした?」

「戦闘中に突然OSが落ちてな。間一髪の所だったがどういう訳か無事だった。碌に動けない状態のブリッツにいるよりはこっちに来た方が安全だって事で、まだ呼吸出来る空気があるうちにアークエンジェルの外装越しに避難して来た」

 

 俺の説明に、何故か呆れた表情をするマードック。

 

「……無茶するな。いや、まぁあの状況でOSの落ちた機体に乗ってるのは危険だってのは分かるんだが」

「ブリッツの収容を頼めるか?」

「それは坊主が戻ってくるまで無理だな。ストライクがあれば……お、噂をすればなんとやら。坊主のお帰りだ」

 

 マードックの声にモニタへと視線を向けると、そこには救命ポッドを持ってこちらへと戻って来るストライクの姿があった。原作通りなら、あれにフレイ・アルスターが乗っているのか。

 

「俺は取りあえずブリッジに行く。キラにブリッツの回収を頼んでおいてくれ」

「あいよ」

「それと、ブリッツの近くにジンの使っていた巨大ビームライフルみたいなものがある筈だから、それもついでに回収頼む。後、OSが落ちた原因を調べておいてくれると助かるが……それは後回しか?」

「だろうな。坊主だって戦闘で疲れてる筈だ。少しくらい休んでも罰はあたらないだろうさ」

「だがOSが落ちた原因は出来るだけ早く調べておきたい。また同じ事になったらどうしようもないからな」

「ああ、坊主には言っておくよ」

 

 マードックのその言葉を背に、格納庫から出て行く。

 

 

 

 

 

「アクセルさん、無事だったんですか。良かった」

 

 ブリッジに入った俺を出迎えたのはマリューのその声だった。

 

「戦闘中にいきなりブリッツの動きが止まってましたが、どうしたんです?」

「さて、俺もそれを知りたい。OSが戦闘中に突然落ちるなんてな。OSの書き換えをしたキラに原因究明を頼んでおいたからそのうち判明するだろう。それよりもブリッツの近くにいたジンは?」

「あ、それはその……」

 

 マリューの視線を辿ると、そこはムウの姿があった。どこか決まりの悪そうな顔をしている。

 

「あー、すまんな」

 

 何故か謝ってくるムウ。俺としてはピンチを救われたんだから謝られる心当たりがないんだが。

 そんな俺の不思議そうな顔を見てマリューが解説をしてくれる。

 

「ブリッツは確かにジンに攻撃される寸前でした。それをフラガ大尉が直接照準のゴットフリートで援護したのですが……」

 

 おい、まさかこの展開は原作の如くか?

 

「ジンと一緒にシャフトも破壊した、とかか?」

「……面目ない」

 

 頭を下げてくるムウだったが、俺はそれに対して小さく頷くだけで答えた。

 

「俺としては命を救って貰ったんだし責めるつもりはない。それにジンのミサイルやら巨大ビームライフルやらでシャフトがもうズタズタになっていたからな。どのみちあのままでもそう遠くないうちにへリオポリスは崩壊していただろう」

 

 実際、ミサイルやらビームライフルをバカスカ撃ちまくっていたのだ。その予想はそう外れてはいない筈だ。

 

「それで、これからの予定は?」

 

 艦長席に座っているマリューへと声を掛ける。

 

「どうすると言われても、まだザフト艦を振り切った訳ではないですし……ザフト艦の動きは掴める?」

 

 C.I.C.を担当している軍人に尋ねるが、首を振って拒否される。

 

「無理です。残骸の中には熱を持つものも多く、これではレーダーも熱探知も不可能です」

「向こうも同じだと思うがね」

 

 割り込んできたのはムウ。その顔には既に申し訳なさそうな表情は消えていて、自分達が生き残る道を探している。この辺が有能な軍人である証拠だろう。

 

「それでも追撃があると?」

「あると想定して行動するべきでしょう。もっともブリッツが動かない、フラガ大尉のメビウス・ゼロも修理中のこの状況では、攻撃を受けたら勝ち目はないでしょうが」

「最大戦速で振り切ってみるのはどうだい? かなりの高速艦なんだろう、こいつは」

「向こうにも高速艦のナスカ級がいます。振り切れるかどうかの保証はありません」

「なら素直に投降するか? Gが2機にその運用艦を手土産にすれば、ザフトでも無下にはしないだろうさ」

 

 マリューとムウの相談、俺はそれを黙って眺めていた。基本的にこの艦での俺の立場はあくまでも傭兵であり、アドバイザーだ。下手に口を出せば後々この艦の軍人達の立場に悪影響がでるだろう。……アラスカの査問とか。もっとも、それに関してはブルーコスモス派の軍人が上層部に多い為、アークエンジェルのクルーにとっては否定的な内容にしかならないだろうが。

 

「なんだとっ! ちょっと待て。誰がそんな事を許可した」

 

 そんな俺の考えを中断させたのはブリッジに響いたナタルの声だった。

 

「バジルール少尉、何か?」

「ストライク帰投しました。救命ポットを一隻、保持してきています」

「……あぁ、そう言えば持ってたな」

 

 フレイが乗っている筈の救命ポットを持っていたストライクを思い出す。

 

「アクセル・アルマー、知っていたのなら……」

 

 どこか責めるような口調のナタルだったが、マリューがそれを遮る。

 

「いいわ、許可します」

「艦長?」

「今、こんな事で揉めて時間を取りたくないの。それにキラ君の性格を考えればここはどうあっても退かない筈よ。……収容、急いで頂戴」

「分かりました、艦長」

 

 不承不承頷くナタル。そんなナタルを励ます、あるいは落ち着かせるようにムウがその肩を軽く叩いている。

 

「状況が厳しいのは分かっています。けれども投降するつもりはありません。この艦とストライク、ブリッツは絶対にザフトには渡せません。我々は何としてもこれを大西洋連邦司令部へと持ち帰らねばならないのです。特に、ブリッツのミラージュコロイドはザフトに渡った場合、どのような兵器に転用されるか分かりません」

 

 先程のムウの投降するかどうかに対してきっぱりと答えるマリュー。確かにミラージュコロイドがあったからこそジェネシスが発射直前まで隠されていた訳だしな。

 

「艦長、私はアルテミスへの入港を具申致します」

「アルテミス? ユーラシアの軍事要塞でしょう?」

「傘のアルテミスか」

 

 マリューとムウの言葉を聞き、モニタに宙域図を表示する。

 

「現在、本艦の位置からもっとも取りやすい位置にある友軍です」

「すまないが、ちょっといいか?」

 

 ナタルの説明に口を挟む。この件に関しては出しゃばり過ぎかもしれないが口を出しておいた方がいいだろう。なにせ原作ではアークエンジェルはアルテミスで拘束され、ストライクのデータ等も吸い出されそうになっていた。それをギリギリの所で防いだのはザフトの奇襲だったが、その奇襲を行ったのがニコル操るブリッツだ。そしてそのブリッツは現在このアークエンジェルにある。つまりアルテミスでアークエンジェルやガンダムを鹵獲されても原作のように防ぐ術はないのだ。

 

「何か意見が?」

 

 ナタルの言葉に頷き、口を開く。

 

「俺の情報によると、アルテミスの司令官はジェラード・ガルシア少将という人物なんだが、よくある典型的な自己中で横暴な軍人そのままといった性格らしい。そんな男が司令をしているアルテミスに、大西洋連邦の新兵器であるストライクとブリッツを積んでいるこの艦が識別コード無しで入港してみろ。これ幸いと艦とMSを拿捕されるぞ」

「馬鹿なっ! そんな事が罷り通るとでも」

「俺の予想ではほぼ100%そうなると思うがな」

「アクセル・アルマー、それはあくまでもお前の予想だ。それにアルテミスで補給出来ないと私達は武器・弾薬等の消耗品が足りなくなる。そうなれば最終的にはザフトに鹵獲されるだろう。それならまだ希望のあるアルテミスに向かった方がいい。……それとも、何か他に補給出来るアテでもあるのか?」

 

 ……まさか原作を知ってるからアルテミスが危険だと言う訳にも行かないし……いや、待てよ? 原作、原作か。

 

「まぁ、無い事も無いな」

「へぇ、興味深いな」

「何?」

「アクセルさん、それは?」

 

 感心したように俺を見ているムウに、胡散臭げなナタル、一筋の希望を見いだしているマリュー。三者三様の視線を受けながらも、原作でムウが思いついた方法をそのまま提示する。……すまんな、ムウ。手柄を横取りしてしまう。

 

「地球の周辺にはデブリ帯がある。そこにはユニウスセブンなんかも集まってきている筈だ。つまりは……」

「墓漁りでもしろってか? そりゃあどうしようもなければそれもしょうがないけどよ。俺はあんまり気が進まないなぁ」

「アクセルさん、それは確かにちょっと……」

「論外だな」

 

 ……拒否反応が多いな。原作では……そうか、アルテミスが奇襲を受けて使えなくなってしまった後で、他に補給の当てがなかったから、やむを得ずデブリ帯での補給を受け入れたのか?

 

「残念だが、お前はあくまでもアドバイザーでしかない。悪いが次の目的地は私達で決めさせて貰う」

「そう、ね。それにアルテミスには確実に補給物資があるけど、デブリ帯にはあるかどうかは分からないわ。それを考えると、やっぱりここはアルテミスに向かった方がいいでしょう」

 

 結局俺の意見は取り入れられる事なく、アークエンジェルはアルテミスへと向かう事になった。




名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:495
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:256

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