転生とらぶる   作:青竹(移住)

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1752話

 連合軍の本陣にやってきた俺は、取りあえず通信を送る。

 

「こちらシャドウミラーのアクセル・アルマーだ。トレーズ・クシュリナーダを捕らえて連れてきたが、どこに運べばいい?」

『アクセル代表!? セプテム将軍、アクセル代表からの通信です!』

 

 ……ノベンタじゃなくてセプテムを呼んだのは、どういう理由からなんだ?

 まぁ、ノベンタの場合は俺に対して強く出られなかったりするし、そう考えればおかしくはないのか。

 

『アクセル……いや、アクセル代表、よく無事に戻ってきてくれた。それも、トレーズ・クシュリナーダを捕らえるというおまけ付きで』

 

 いつもはアクセルと呼び捨てにしているのが、アクセル代表となっているのは……まぁ、考える必要もないか。

 ホワイトスターとこの世界が繋がり、俺の立場というのが連合軍に雇われているシャドウミラー代表から、多くの異世界を統べている――正確にはそこまで高圧的なものではないが――国家の代表ということに変わったからだろう。

 その辺りの判断がしっかりと出来るのは、連合軍のトップ3の1人と考えれば当然か。

 

「ああ。それでこれからどうする? 取りあえず色々と打ち合わせとかそういうのをする必要があると思うんだが。ああ、それとトレーズをどうするかもあるな。確か、ゼクスとノインも送った筈だけどな?」

『こちらから人をやるから、そちらに引き渡して欲しい』

「分かった。で、俺は?」

『こちらに来て欲しい。その、シャドウミラーの面々もアクセルを待ってるからな』

「分かった、ならそうさせて貰うよ」

 

 それだけを告げ、俺はニーズヘッグが持っていたトールギスⅡの胴体を地上に降ろすと、そのままコックピットから出て空間倉庫に収納する。

 連合軍の兵士達も、俺が魔法を使えるというのは知っているのだろう。

 MSと同じ大きさのニーズヘッグが瞬時にして消えたのを見て、驚愕の表情を浮かべている者も多い。

 

『アクセル、あたしはどうすればいいんだ?』

 

 外部スピーカーで聞こえてきた綾子の言葉に、シャドウミラーの機体が駐機している場所を指さす。

 

「向こうに置いてこい。機体に妙な仕掛けをされたり、侵入してきたトレーズ派の残党に攻撃されたりはしないだろうし」

 

 シャドウミラーの機体の周囲には、メギロートやバッタが待機している。

 連合軍の兵士が妙な事を考えたりしても、近づけない状態になっていた。

 外側から連合軍の整備兵と思われる者達が未練を感じる目でシャドウミラーの機体を見ているが……まぁ、これは技術者としての性なのだろう。

 トールギスが近付いてきたのを見てメギロートやバッタが一瞬反応するが、すぐにその反応は収まる。

 シャドウに乗っている量産型Wが、俺を見て構わなくてもいいと命令を下したのだろう。

 そうしてトールギスはシャドウミラーの機体と一緒の場所に待機し、コックピットから綾子が姿を現す。

 そのまま飛び降りた様子を見て、連合軍の兵士達から悲鳴が上がるが……半サーヴァントの綾子は、当然その程度でどうにかなる筈もなく、殆ど音すら立てずに着地する。

 そんな綾子の行動に周囲の兵士達は驚愕の視線を向けているが……本人は全く気にした様子もなく俺の方にやって来る。

 

「行こうか」

「ああ」

 

 もっとも、驚愕の視線を向けられているというのは、ニーズヘッグを空間倉庫に収納した俺も同様だ。

 特に気にした様子もなく、俺は綾子と共に連合軍の本陣に入っていく。

 普段なら、それこそテントとかそういうので適当に済ませてしまうところなのだが、今回の戦いにはノベンタという連合軍のトップも参加している。

 その為か、即興で建物を作って簡易的ながら基地……いや、駐屯地と呼んでも構わない程度の規模にはなっていた。

 

「ノベンタの所に案内を頼む。ああ、それとトレーズはあのMSの胴体の中にいるから、引き取りに来たら渡してくれ」

「は!」

 

 扉の前にいた兵士が、短く返事をする。

 うん、余計な事を聞かなくていいのは、楽だな。

 そんな風に考えていると、色々な手続きを済ませた兵士が口を開く。

 

「では、案内させて貰います」

「ああ、頼んだ」

 

 そう告げ、俺と綾子は兵士に案内されて建物の中を進んでいく。

 やがて扉が見える場所に到着したのだが……

 

『ムウ・ラ・フラガッ!?』

 

 中から聞こえてきたその言葉に、あー……と思わず頭を抱える。

 中に入らなくても、何が起きたのかは容易に想像出来た。出来てしまった。

 

『君がエンデュミオンの鷹の……?』

『いえ、違うでしょうノベンタ元帥。それは結局……』

 

 うん、やっぱり。

 考えるまでもなく、俺の予想通りの展開になっているのは間違いない。

 どうする? と綾子と……更に俺をここまで案内してきた兵士と、更に扉の前にいた護衛の兵士までもが俺に視線を向けてくる。

 だが、いつもまでもこうしている訳にはいかないだろう。

 そのまま扉を開け……するとそこには、暫くぶりに見る顔が幾つもあった。

 レモン、コーネリア、スレイ、あやか、千鶴、エキドナ、ギルフォード、ムウ、スティング、アウル、レイ。

 ……レモン達以外にも何人か来ているのは予想していたが、まさかスティング、アウル、レイの3人まで来ているとは思わなかった。

 あやかと千鶴の2人は、交渉担当だろう。

 政治班の中でもトップのエザリアや、No.2のレオンが来ていないのは、まだこれが本格的な交渉ではないからだろう。

 まぁ、エザリアやレオンはある程度の戦闘力はあるが、それでもやはりあやかや千鶴には及ばないし……戦場に来るという意味ではこの人選は正しかったのだろう。

 ともあれ、俺はそんな人員に視線を向けるも、何故か……そう、本当に何故かその場にいた者達の視線はムウに集まっていた。

 シャドウミラーの者達がムウに向ける視線にどこか同情が混ざっているのは、きっと俺の気のせいだろう。

 そして部屋の中にいた者達で最初に俺に気が付いたのは……当然のようにレモンだった。

 

「アクセル。……まぁ、色々と言いたいことはあるけど、まずはムウに謝っておいた方がいいわよ?」

 

 苦笑と共にそう告げるレモンの言葉で、他の者達も俺の存在に気が付いたのだろう。

 こちらに視線を向け……コーネリアやスレイ、あやか、千鶴は俺を見て笑みを浮かべ……

 

「アクセル、お前またやったな!」

 

 何故か……そう、何故かムウは俺の顔を見るや否や怒り心頭、怒髪天を衝く的な感じで怒りを露わにしてくる。

 

「何だよ、大体半年ぶりに会うのに、いきなり怒る事はないだろ。何だ? お前とテュカの関係がナタルに知られたのか?」

 

 その言葉に、事情を知っているシャドウミラーの者達はムウに驚きの視線を向ける。

 門世界からホワイトスターに移住してきたエルフ達。

 そのエルフ達を中心として結成された、シャドウミラー実働班の下部組織、精霊の卵。

 テュカは、その精霊の卵の実質的なリーダーだ。

 そのテュカがムウに対して人には言えないような想いを抱いているというのは、それなりによく知られた話だ。

 ……そのテュカに対して、ムウが煮え切らない態度を取っているというのも。

 少なくても、俺が知っている限り……W世界に来る前には、そんな感じだった。

 

「ばっ、馬鹿な事を言ってるんじゃねぇっ! それより、お前またやったな!」

「何がだ?」

 

 慌てた様子でそう告げてくるムウに対し、それだけを返す。

 すると、それを聞いたムウは再び怒りを露わにし……それでいながら、先程よりは若干大人しくなった感じで口を開く。

 

「また俺の名前を使っただろ」

「あー……それな。エンデュミオンの鷹は、このW世界でもかなり広まってるぞ」

「おいっ! だから、何でお前はそうやって俺の名前を使うんだよ! これで何回目だと思ってるんだ!?」

「何回目? ……えーっと、何回目だったか」

 

 まずOG外伝の話に乱入した時に名乗ったのが最初だった……よな? で、マブラヴ世界でも1回名乗ったような気がするし……

 

「多分、3回目?」

「おいこら。多分って何だ、多分って。お前、もしかして俺の知らないところで俺の名前を何度も使ってるんじゃないだろうな!」

 

 ムウのその言葉に、そっと視線を逸らす。

 うん、多分違う。気のせいだ。あの件は俺は関係なかった筈だし、あっちの件も俺には……うん。

 

「目を逸らすなって!? おい、アクセル。お前本当に……」

「さて、トレーズは引き渡したし、このW世界における戦乱も、基本的に終わったと思っていい筈だ」

「おい、アクセル。無視するなって! お前本当に俺の名前を使って何をしたんだ!? ナタルに知られたら、俺までとばっちりが来るんだぞ!」

 

 騒いでいるムウがいて、部屋の中にいる者達の視線がそっちにも向けられているが、取りあえず今はそっちもスルーでいいだろう。

 

「それでこれからの事だが、まずこの世界で俺達シャドウミラーが窓口とするのは連合軍だ。それはエザリアの方にもしっかりと伝えておいてくれ」

「ええ、分かりましたわ」

 

 俺の言葉に、あやかは一切疑問を持たないようにして頷きを返す。

 まぁ、ここに来ていたんだから、連合軍と交渉するというのは今更の話か。

 

「そうか。異世界間貿易に参加する際に使えそうな資源とかは色々とあるけど、その辺の話はこの戦いの後始末が終わった後で話し合えばいいだろ」

「そうですわね。……けど、アクセル君。この世界との関わり合いについてはまた後でシャドウミラーの幹部が揃った時にでもゆっくりと話した方がいいと思いますわ」

『アクセル君!?』

 

 ノベンタ、セプテム、ベンティの3人が、何故かあやかの言葉に声を揃えて叫ぶ。

 ……俺が君付けされるような性格じゃないってのは、自分で一番分かってるんだけどな。

 ただ、どうしてもあやか達と会った時の姿が10歳くらいだったせいか、俺の呼び方は君付けになってるんだよな。

 

「あー……そうだな。そうした方がいいか。この世界の方でも色々と話して決めておくべき事とかあるだろうし」

「……さて、この世界の件についての話はともかく、少し個人的に話したい事があるんだけど。言わなくても分かってるわよね?」

 

 話が一段落ついたと思うと、レモンがそう声を掛けてくる。

 それでいながら綾子に視線が向けられているのを見れば、何が言いたいのかは容易に想像出来る。

 もっとも、俺もそれを誤魔化すつもりはない。

 ……ただ、出来れば紹介するのは凛を含めてって方が良かったな。

 いや、今の状況であれば凛を連れてくるのは難しく……じゃないな。そもそも一瞬で宇宙と地上を行き来出来るんだから、別に無理にここで話をする必要はないのか。

 なら、いっそ全員を連れてピースミリオンに行くのも手だな。

 凛を連れてホワイトスターに行くのもいいんだが、生憎と今はまだ色々と忙しい。

 特に凛はピースミリオンの方で周囲の警戒をする必要もある。

 ……トレーズが降伏した以上、その辺の心配はいらないとも思うんだが……中には降伏したというのを理解出来ず、もしくは我慢出来ずにゲリラ活動をする相手が出てこないとも限らない。

 特に宇宙だと、地上で起こった戦闘に直接参加していない分だけ、トレーズの降伏を理解出来ないと思う奴が出て来ても不思議ではなかった。

 もっとも、現在の宇宙は殆どが連合宇宙軍の勢力圏内だ。

 そんな場所で馬鹿な真似をする奴がそうそういるとは思えないが……それでも予想外の事を起こすのが、人間なんだよな。

 だからこそ、ピースミリオンの指揮を執る凛をそう簡単に連れ出す訳にはいかない。

 まぁ、指揮を執っているのは凛だが、実際にピースミリオンを動かしているのはハワードやドクトルSが連れてきたメンバーが主なのだが。

 そもそもの話、正式な軍人がいないというのが、色々な意味で痛い。

 もっとも、ホワイトスターと繋がった以上、こちらとしても特にその辺を考える必要はなくなるのだが。

 

「そうだな、ならいっそ全員連れて凛に会いに行くか」

「……凛? アクセル君、それって確か……」

 

 俺の言葉から出た名前に何か気が付いたのか、千鶴がこちらに向かってなにかを尋ねようとしてくる。

 だが、何となく何を聞きたいのかは分かるので、その話は後に回すとしよう。

 そもそも、ここでその話をすれば後でまた同じような説明をする必要が出てくるのだから。

 

「悪いな、千鶴。その話は後回しだ。……レモン、取りあえず現在手が離せないメンバーはいるか?」

「いないわよ。そもそもアクセルを探す為にこうして準備してたんだから。勿論、それは私を含めてアクセルの恋人だけだけどね」

「そうか。……じゃあ、悪いがノベンタ。俺達は一旦失礼する。詳しい話はこの戦いの後始末をした後で」

「ふむ、分かった。こっちも色々とやるべき事があるからな。そうしてくれれば、寧ろ助かる」

「それと、五飛達の方も取りあえずそっちで頼む」

「うむ」

 

 こうして、ノベンタからの返事を貰い、部屋を出るのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389

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