転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0177話

 砂漠で行われている砂漠の虎との決戦。こちらの主戦力はブリッツにストライク、アークエンジェルといった所か。スカイグラスパーもランチャーストライクを装備しているのでその攻撃力は十分MSに対抗可能だ。明けの砂漠は……出撃前にムウが言っていたように余り戦力にはなっていない。いや、牽制という意味では十分なんだが。それに対してザフトの戦力は俺が撃墜した一機を除くとバクゥが残り6機。そしてレセップスと、その甲板上に展開している砲撃用MSのザウートに未だ出撃してこないバルトフェルド専用機のラゴゥ、デュエル、バスターか。それと伏兵の地上戦艦もいたな。……こちらの明けの砂漠のメンバーのように牽制目的の戦闘ヘリもいたか。

 

「っと!」

 

 こちらを囲むようにしてミサイルやレールガンを撃ち込んでくるバクゥ、その数3機。チラリとストライクの方へと視線向けると、そちらでも3機のバクゥと接戦を繰り広げているストライクの姿がある。

 こちらへとばらまかれた大量のミサイルに、宇宙でジンから奪った突撃機銃の弾丸をばらまいて迎撃。レールガンに関しては機体を小刻みに移動させて命中弾を最小限にしているが、PS装甲と言えども何度も攻撃を命中させられればバッテリー切れを起こしてしまうので早めに撃破しておきたい所だ。幸いなのは3機の中でレールガン持ちは1機だけという事か。

 突撃機銃の連射により空中で爆発し、周囲一帯を爆煙で覆い隠す。それを見ながら俺は口を開いた。

 

「加速」

 

 精神コマンドの加速を使い、速度を上げてレールガンを持っているバクゥへと急速に接近すると、バクゥは咄嗟に機体を後退させようとする。しかし甘いっ!

 

「行かせん!」

 

 左腕に装備されているグレイプニールを発射し、その首根っこを先端のクローで掴むと力任せに引き寄せる。それに対抗するように四肢を砂へと突き立てて対抗するバクゥだが、動きさえ止めればただの的以外の何物でもない。

 

「落ちろ!」

 

 トリケロスに内蔵されているビームライフルのトリガーを引く。放たれたビームは正面からバクゥを貫通して爆散し、砕け散った部品を砂漠へとばらまいた。

 グレイプニールを引き戻しながら、残る2機のバクゥへと視線を向ける。

 その2機が一瞬怖じ気づいたかのように見えたのは、あるいは俺の気のせいなのかもしれない。だが、少なくても俺はチャンスだと判断して突撃機銃を砂漠へと向かってばらまき、煙幕代わりの目潰しとする。同時にPS装甲の代わりにミラージュコロイドを展開。そのまま向かって右側のバクゥへと突っ込んでいく。

 宇宙では万全の態勢で使えたミラージュコロイドだが、地上では空気がある為に音を隠す事は出来ない。それでもこの乱戦の中ではブリッツの音だけを確認は出来ないし、そもそも姿を消す事により敵がこちらを見失うのは一瞬でいいのだ。

 

「はぁっ!」

 

 ブリッツを見失い、戸惑っているバクゥのすぐ横まで移動してミラージュコロイドを解除、PS装甲を再度展開する。同時にトリケロスに内蔵されているビームサーベルを展開してその胴体を唐竹割に。背負っていたミサイルがビームサーベルの一撃で誘爆している横で、トリケロスを最後のバクゥへと向けてランサーダートを3本発射。ロケット推進により突き進んだ3本の槍はバクゥの右脚、頭部にまっすぐに突き刺さり、最後の一本は胴体へと斜めに突き刺さった。そして突き刺さった3本の槍はバクゥの内部で炸裂し、粉々になった部品が砂漠へと散らばっていく。

 

「ふぅ……取りあえずこれで一段落、か。キラの方は……大丈夫そうだな」

 

 ストライクの方に視線を向けると、そこにはバクゥの頭を蹴り飛ばしてすれ違いざまに背負っているミサイルポッドへとビームライフルを発射している姿があった。

 この様子ならキラの心配はいらないな。残るは……

 レセップスと砲撃戦を繰り広げているアークエンジェル。原作通りならその後ろに地上戦艦が一隻伏兵として隠れている筈だ。まずはそちらを叩かせてもらおうか。

 スラスターを噴射し、アークエンジェルの横を通り過ぎ……る前に通信が入った。

 

「アクセル、どうしたの?」

「この地形と敵が砂漠の虎という事を考えると、恐らくアークエンジェルの後方に伏兵がいる筈だ。それを確認、可能なら叩く」

「待て、アクセル・アルマー。伏兵がいるという確証はあるのか? 現在の状況では……ええい、ゴットフリート、ヘルダート、撃てぇっ!」

 

 通信に割り込みながらも、戦闘指揮をするナタル。その顔にはどこか焦りの色がある。

 

「とにかく、現状でようやく互角なんだ。バクゥはほぼ全機撃破したが、敵にもまだ予備戦力がある筈だ。その状態でブリッツが抜けるのは……」

 

 ナタルが何かを言おうとしていたが、ブリッツのモニタは岩場の影から出てくる地上戦艦を捉えていた。同時に発射される数発のミサイル。

 

「やらせるかっ!」

 

 咄嗟に突撃機銃で弾丸をばらまき、ミサイルを空中で迎撃する。

 アークエンジェルへと向かう筈だったミサイルはその役目を果たす事なく空中で爆発する。

 

「という訳だ」

「ええい、分かった。艦長!」

「ええ、後方の地上戦艦をお願い」

「了解した」

 

 マリューとナタルに短く返事をし、そのままアークエンジェルの隣を通り過ぎていく。最後にチラリと後方を確認した限りでは、バクゥよりも一回り大きなオレンジ色の機体、ラゴゥとストライクが砲火を交えていた。

 

「やらせるか!」

 

 後方の地上戦艦から放たれた砲弾をビームサーベルで切り裂き、アークエンジェルに被害が及ばないようにしながら敵艦へと近づいていく。

 その地上戦艦の上にもザウートが数機陣取って砲台の役割をしてこちらを狙っているが……

 

「加速、集中」

 

 精神コマンドの加速の効果により急激に速度を増したブリッツに、元々機動性を犠牲にしているザウートがその攻撃を当てられる筈もなく、放たれた砲弾はただ砂漠の砂を巻き上げるだけだった。

 

「消えろ!」

 

 加速により増した速度でザウートの横を通り過ぎざまに、トリケロスに内蔵されているビームサーベルで一閃。ザウートを上下に分断する。

 

「お前もだ!」

 

 こちらの速度に付いてこられないザウートへとビームライフルを発射し爆散させる。

 

「次!」

 

 左腕に装備されているグレイプニールを発射。爪先を閉じた状態でその鋭い爪をザウートのコックピットへと叩き込む。

 

「っと!」

 

 甲板にいるザウートを次々と撃破していく俺に脅威を感じたのか、残りのザウート1機と戦艦に備え付けられている砲塔がブリッツへと集中し、戦闘ヘリも数機が周囲を飛び回って機銃でこちらを狙っている。

 だが精神コマンドの効果で集中力の増した俺にとっては攻撃を回避するのにそう大した手間が掛かるでもなく、空中でスラスターを小刻みに噴射して攻撃を回避していく。そのまま攻撃を回避しつつ最後のザウートへと近寄り……真上を通り過ぎる時にビームライフルを一発だけ頭上から撃ち込み、爆散させる。

 にしても……

 

「機体追従性がもう少し高ければな」

 

 キラが調整したとは言え、俺の反応速度に付いてこれないブリッツの追従性に思わず呟く。とは言え、キラが限界ギリギリまで設定してくれたOSなのでこれ以上はどうしようもない。機体限界のギリギリまで使ってこの反応なのだから、今の所はこれで我慢するしかないだろう。以前のようにOSが落ちるなんて事になるよりは、まだ鈍くても動く方がいいに決まっているのだから。

 ブリッツの機体性能に対して感じたストレスを叩き付けるかのように周囲を飛んでいる戦闘ヘリをビームライフルで撃墜し、グレイプニールで叩き落とす。同時に地上戦艦のブリッジに向けてビームライフルを5発程撃ち込むと地上戦艦の動きが停止した。

 

「取りあえず敵艦撃破だな」

 

 そう呟いた俺の視界にスカイグラスパーの姿が入ってくる。

 

「アクセル、助けに……来たんだが、いらなかったみたいだな」

「ああ。こっちはいいからアークエンジェルの援護に回ってくれ。レセップスがまだ残って……いや、それもいらないようだな」

 

 アークエンジェルの方を見ると、ゴットフリートから放たれたビームがレセップスと、その射線軸上に配置されていたザウートを貫いていた。そして続けざまに放たれたバリアントが既に動く事の出来ないレセップスへとその弾丸を突き立てる。

 他にもレセップスから飛び降りたのだろう、デュエルとバスターが砂漠に足を取られて動けないのをいい事に明けの砂漠の自走砲が2機の周囲を回りながら攻撃を仕掛けていいようにやられている。

 

「……勝ったな」

 

 呟きながら、撃沈した地上戦艦を蹴り上げてその反動も利用してアークエンジェルの方へと移動する。まだストライクとラゴゥが戦ってはいるが、既にブリッツのエネルギー残量は殆ど残っていない。このまま手助けに向かっても足手まといになるだけか、あるいは俺が足を引っ張ってストライクに決定的な隙を作り逆転される可能性もある。

 

「アクセル、どうする?」

 

 ブリッツの隣を飛んでいるスカイグラスパーから通信が入った。

 

「取りあえずブリッツはエネルギー切れ……」

 

 そこまで言った時、PS装甲がダウンしてブリッツの装甲が灰色へと変化する。

 

「ご覧の通り、エネルギー切れだ。この状態で戦闘しても機体を壊すだけだし、大人しくアークエンジェルに戻った方がいいだろう。幸い勝負は既に決したしな」

 

 レセップスからは大量の車両がザフト兵を満杯にして脱出している。デュエルとバスターにしても無様としか言いようのない着地と跳躍を繰り返しながら撤退していっている。

 そして……

 

「砂漠の虎の最後、か」

 

 視線の先では、ブリッツと同じくPS装甲がダウンして灰色の装甲に戻ったストライクのアーマーシュナイダーにより頭部を貫通されたラゴゥがその場に頓挫していた。

 

「ブリッジ、聞こえるか?」

「アクセルさん、どうしました?」

 

 通信に出たのはマリューではなく、ミリアリアだった。……多少残念に思ったが、元々MS管制がミリアリアの仕事なのだから文句は言えない。

 

「ブリッツのエネルギーが切れた。戦闘も一段落したと見てもいいだろうし、帰投しても構わないか?」

「少し待って下さい。……はい。分かりました。アクセルさん、帰投して下さい」

「了解。お疲れさん」

「いえ、アクセルさんこそ」

 

 短くそれだけ言って通信を切り、アークエンジェルのMS格納庫へと着艦する。そして気が付いたのだが、スカイグラスパー2号機がそこにはあった。

 

「……あぁ、なるほど」

 

 アークエンジェルが背後の伏兵からの奇襲を受けなかった事により、不時着をしないで済んだ。それが結果的にカガリがスカイグラスパーに乗る機会を奪った訳か。……こんな所で原作破壊をやっていたとはな。思わず苦笑しながら、整備員の指示に従ってブリッツを移動させた。




名前:アクセル・アルマー
LV:36
PP:600
格闘:250
射撃:268
技量:260
防御:257
回避:285
命中:307
SP:430
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:275

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