転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0182話

 カガリ行方不明事件から約二週間。アークエンジェルはインド洋を越えて南太平洋へと入っている。既にオーブの近くまで来ているが予想通りと言うかなんと言うか、ここでイージス、デュエル、バスター、ディンからの襲撃を受けていた。

 

「キラじゃなくて俺にご執心か!」

 

 グゥルに乗ってレールガンとミサイルを連射しつつビームサーベルを振りかぶったデュエルが、アークエンジェルの甲板にいるブリッツ目掛けて襲いかかってくる。

 左手に装備している対空散弾銃でミサイルを迎撃し、レールガンはその軌道を読んで回避。振り下ろされたビームサーベルはトリケロスで防ぎ、そのまま通り過ぎようとしているデュエルの背中へとビームライフルを向け……ゾクリとしたものを感じ、咄嗟にその場を回避する。

 次の瞬間にはバスターから放たれたビームが数秒前までブリッツのいた場所を通過し、そのまま海へと着弾して巨大な水柱を作りだす。

 バスターへ向けてトリケロスに内蔵されているビームライフルを発射しながら、チラリと周囲の戦場を見てみるとディンとスカイグラスパーが目まぐるしい空中戦を繰り広げている。そしてグゥルに乗ったイージスとエールストライカーパックにより擬似的な飛行を可能にしたストライクがそれぞれ戦っている。

 ブリッツは基本的にはデュエルと戦っているが、アークエンジェルごとバスターが攻撃してくるので実質的には1対2と言ってもいい状態だろう。

 

「アクセル・アルマー、バスターをなんとか出来ないか!」

 

 ナタルが焦った表情で通信を送ってくるが、さすがにブリッツではそんな真似は出来ない。

 

「無理だ! デュエルが……ちぃっ!」

 

 再び接近してきたデュエルのビームサーベルの一撃を回避し……

 

「うおっ!」

 

 バスターの一撃を食らったアークエンジェルが揺れ、追撃の機会を逃してしまう。

 くそっ、こういう時は高機動型のエールストライカーパックを装備出来るストライクが羨ましくなるな。

 お返しとばかりにアークエンジェルからバリアントやヘルダート等が発射されるが、グゥルに乗る事により高い機動力を得たバスターは楽々とその攻撃を回避しつつ、カウンターのようにアークエンジェルへとミサイルを撃ち込んでくる。

 

「やらせるか!」

 

 そのミサイルに対して対空散弾銃を発射。殆どを迎撃する事に成功するが、もちろん100%迎撃するというのは無理で数発がイーゲルシュテルンやゴットフリートへと着弾して爆発を引き起こす。前回の戦いで手に入れたこの散弾銃だが、予想外に使えるのだが残弾を考えるとそんなに余裕が無い。

 また、ストライクとイージスの戦いでも常にストライクの背後にアークエンジェルが来るようにして攻撃を受けているせいで、ストライクが攻撃を回避するとアークエンジェルのダメージとなる為にキラが不利な状況で戦闘が推移している。

 唯一の救いはムウだろう。恐らくニコルが乗っていると思われるディン相手にやや優位に渡り合っているのだから。元々ムウはクルーゼとほぼ互角に渡り合っていた事を考えるとそう不思議ではないのかもしれないが。

 

 ドゥンッ!

 

 またもや聞こえてくるアークエンジェルの被弾音。バスターから放たれたレールガンが、俺のいた右側ではなくその反対側である左舷のバリアントを破壊したのだ。ブリッツのモニタにバリアントの残骸が海中へと落ちていくのが映し出される。

 このままじゃやばいな。早い所オーブ軍が来てくれないと……ええい!

 懲りる様子もなく再度近づいてきたデュエル。しかし幸いな事にバスターは現在アークエンジェルの左側にいる。ある程度の余裕があるうちにデュエルだけでも!

 

「集中」

 

 精神コマンドの集中を使用し、意識をこちらへと近づいてくるデュエルへと向ける。来る、来る、来る……来たっ!

 ブリッツの横を通り過ぎざまに一閃されたビームサーベルの一撃をスラスターを吹かしてジャンプする事で回避する。

 

「直撃」

 

 同時に精神コマンドの直撃を使用し、グレイプニールをデュエルのスラスター部分へと発射した。

 直撃の効果によりPS装甲を無視し、グレイプニールの鉤爪はデュエルのスラスターへと突き刺さる。その予想外の衝撃によりグゥルの上で体勢を崩したデュエルはそのまま海中へと落下していき、残ったのは空中に浮かぶ無傷のグゥルのみ。

 

「貰う!」

 

 デュエルが海中へと落下した影響で、突き刺さっていたスラスターから抜けたグレイプニールを操作してグゥルへと絡めてその機体を鹵獲。そのまま左腕のグレイプニールごと切り離してアークエンジェルの甲板へとグゥルを置いておく。

 

「後はバスターとイージス、ディンか」

 

 未だにアークエンジェルへとしつこく攻撃を続けているバスターへと狙いを定め、トリケロスのビームライフルを発射する。

 

「外したか」

 

 丁度グゥルにより上空へと移動する所だったのが幸運だったのだろう。トリケロスから放たれたビームはバスターの装甲を軽く溶かしただけであらぬ方向へと飛んでいった。

 

「ん?」

 

 ふと眼下へと視線を向けると、そこにはオーブ軍所属と思われる艦隊と戦闘ヘリが多数姿を現していた。……やっと来たな。

 

『接近中の地球軍艦艇、及びザフト軍に通告する。貴艦らはオーブ連合首長国の領域に接近中である。速やかに進路を変更されたし。我が国は武装した船舶、及び航空機、MS等の事前協議無き領域への侵入を一切認めない。速やかに転進せよ! 繰り返す、速やかに進路を変更せよ! この警告は最後通告である。本艦隊は転進が認められない場合貴艦等に対して発砲する権利を有している』

 

 オーブ艦隊からのオープンチャンネルによる通信がブリッツのコックピットへと響き渡る。俺の乗っているブリッツを含む5機のガンダムやアークエンジェルを連合軍と共に開発したそのダブルスタンダードぶりに苦笑を浮かべつつも、アークエンジェルからカガリが通信を送るのを待つ。

 

『この状況を見ていて、よくそんな事が言えるな! アークエンジェルは今からオーブの領海に入る。だが、攻撃はするな!』

『な、何だお前は!』

『お前こそ何だ! お前では判断できんと言うのなら、行政府へ繋げ! 父を……ウズミ・ナラ・アスハを呼べ! 私は、私はカガリ・ユラ・アスハだ!』

 

 こうしてカガリの正体がアークエンジェル、ザフト共に知れ渡った。だが、オーブ艦隊としても自分達の国の前代表の娘が連合軍のアークエンジェルに乗っているとは信じられないのは、ある意味当然ではある。誰がそんな人物がレジスタンスと行動を共にし、連合軍の最新鋭艦に乗っていると思うだろうか。どう考えても普通は苦し紛れの出鱈目と判断するだろう。

 事実その後の通信も、カガリが偽物だ、本物だという軽い言い合いの後でオーブ艦隊から通信が切断された。

 同時にザフトからの攻撃が再び開始される。放たれるバスターからのビームがアークエンジェルのラミネート装甲により防がれ、レールガンがゴットフリート付近へと着弾。レールガンの発射と同時に放たれたミサイルがアークエンジェルへと撃ち込まれる。

 

「そう好き勝手に出来ると思うな!」

 

 最後の1発となる対空散弾銃のトリガーを引き、ミサイルを迎撃する。同時にそれを目眩ましにして、トリケロスに内蔵されているビームライフルを撃ち込む。その銃口から発射されたビームは迎撃されたミサイルの爆煙を貫き、その先にいたバスターの乗っているグゥルを貫通する事に成功した。

 しかし、グゥルから飛び降りたバスターが放った苦し紛れの散弾砲がアークエンジェルのエンジンへと直撃する。その結果、アークエンジェルはその推力を保つ事が出来なくなりオーブ領海内へと煙をあげながら高度を下げていく。

 そのまま着水し、その横腹をオーブ艦隊へと見せると再びオープンチャンネルでの通信が聞こえてきた。

 

『警告に従わない貴艦等に対し、我が国はこれより自衛権を行使するものとする』

 

 その通信と同時にミサイルや砲弾が雨霰と降り注ぎ、アークエンジェルのすぐ側に着弾する。同時に、ザフト側のイージスとディンにもこちらと同じかそれ以上の砲撃が降り注ぎ、アークエンジェルに対する追撃を防ぐ。

 恐らくあの通信が切れた後に行政府なりどこなりに連絡をして、この艦に乗っているのが本当にカガリだと確認したのだろう。そしてオーブとしてはナチュラルでもMSを操縦出来るようにする為のデータやOSの開発にこちらの力を必要としている。

 大量の至近弾によりザフトからこちらの姿を隠す程の水柱をそこら中に作りあげながらも、ブリッジとオーブ艦は通信のやり取りをしていたようで先行するオーブ艦隊に守られるようにしてアークエンジェルはオーブを構成する島の1つであるオノゴロ島にあるモルゲンレーテへと導かれる事になった。

 

 

 

 

 

「……大丈夫か?」

 

 ブリッツを降りると、スカイグラスパーの近くに座り込んで目を閉じているムウが見えたので声を掛ける。

 

「ああ、今回の戦闘は疲れたよ。正直、ここまでかと本気で思った」

 

 目を閉じたまま口を開くムウ。そこにはいつもの軽い態度はなく、心底疲れ切っているようだった。

 

「確かにな。……だが、俺は傭兵だからいいがお前は少佐という立場上、交渉の席にも出ないと駄目だろう?」

「ああ。そういうのは性に合わないんだがなぁ」

「ま、俺のような傭兵じゃなくて正規の軍人なんだししょうがないだろう、少佐殿?」

 

 ムウの気分転換も兼ねてからかっていると、マードックがこちらへと向かってくる。

 

「兄ちゃん、グゥルの収容は完了したぞ。損傷らしい損傷は殆どないから、OS側の設定を多少弄ればすぐに使えるようになるな。グレイプニールも後でブリッツに取り付け直しておくよ」

「ああ、頼む。今回みたいに海上で戦闘を挑まれたら、アークエンジェルを足場にしてるだけじゃどうにもならないからな。グゥルが使えるのなら随分と楽になる」

「あぁ、OSと言えば……坊主はどうしたんだ? ストライクはそこにあるが」

 

 マードックの視線の先にはストライクの姿があった。だが、そのパイロットであるキラの姿は見えない。

 そのマードックの疑問に答えたのはムウだった。

 

「坊主なら後部デッキに出ているよ。何しろここはオーブで、坊主の故郷だ。少しでもいいから見ておきたいんだろうさ」

「はぁ、そういうもんですかい」

「……さて、と。俺もそろそろ準備をしないとな。確かにアクセルの言う通り少佐という立場上、この艦を代表して艦長や副長と一緒に交渉の席には出ないといけないだろうしな」

 

 つい少し前まで疲れ切っていた様子など微塵も見せずに、勢いよく立ち上がりパイロット控え室へと向かう。

 

「じゃ、俺も着替えてくるとするか。グゥルとブリッツのグレイプニールの件は任せていいんだな?」

「あいよ。どのみちアークエンジェルの修理をどうにかするまではここにいるしかないんだ。それを考えれば時間はそれなりにあるから大丈夫だろうさ」

 

 ……さて、アークエンジェルとしての交渉はマリュー達に任せておけばいいだろう。恐らくキラにナチュラル用OSの開発の為の技術協力を持ちかけられる筈だ。出来れば俺もそれについて行きたい所だが……その辺は流動的だな。もしそれが無理なようならキサカやカガリ辺りを通して独自に交渉する必要も出てくるだろう。




名前:アクセル・アルマー
LV:36
PP:115
格闘:254
射撃:274
技量:264
防御:264
回避:294
命中:314
SP:446
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:278

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