転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0189話

 アークエンジェルの出航当日、俺とムウはパイロット控え室で待機していた。キラはつい先程呼び出されて甲板へと上がっているので、今頃カガリと抱き合ってウズミや両親をアタフタさせている事だろう。

 

「にしても、本当に敵が来ると思うのか?」

 

 パイロットスーツのまま、街中に出る事も出来ない現状でどうやって入手したのかは分からないが、グラビア雑誌を眺めながらムウが話し掛けてくる。

 

「俺の勘の精度は立証済みだろう?」

「まあ、確かにそれはそうんなんだが……何の根拠もなく勘だって言われてもやっぱり完全には……お、動き出したな」

 

 アークエンジェルが動き出したのを感じ、僅かに表情を引き締める。何だかんだ言ってもムウは一流のMAパイロットだ。俺のように原作知識が無くても戦場の空気を感じ取る事は出来るだろう。

 ただでさえクルーゼとの間に半ばニュータイプのような共感覚を持っているのだ。感覚的な物は普通の人間よりも鋭いのかもしれない。

 ……共感覚というと俺とリョウト、アヤ、ブリットのようなものか? お互いの位置を感覚的に理解出来るという所は、確かに似たようなものかもしれない。

 

「……僕もアクセルさんと同意見です」

 

 甲板から戻ってきたのだろう。パイロット控え室に入ってきたキラがそう言葉を発する。

 

「キラの勘もアクセルと同じく襲撃があるっていうのか?」

「勘……ええ、まあ」

 

 まさかイージスのパイロットであるアスランと会ったからと言える訳もなく、曖昧に誤魔化すキラ。

 

「ま、うちのエースパイロット2人が揃ってそう言うんならしょうがない。いつでも出られるようにしておくかね」

 

 ムウに率いられるようにして、MS格納庫へと向かう。

 

「おいおい、どうしたんだよ3人供。まだ何の命令も出てないぞ?」

 

 こっちを見たマードックが戸惑ったようにそう言うが、ムウが肩を竦めて答える。

 

「アクセルとキラの2人が領海を出たらすぐにザフトに襲われるって言ってな。キラはともかく、アクセルの勘の事は知っているだろう?」

「いやまあ、それはそうですが……」

「とりあず、何も無いなら無いでいいんだ。俺とキラの取り越し苦労だって事になるしな。ブリッツとグゥルの用意を頼む」

「あー、もうっ! しゃーねーなぁっ!」

 

 マードックがそう言ったその時、格納庫にアラームと共に放送が流れる。

 

『総員、第一戦闘配備。繰り返す。総員、第一戦闘配備』

 

「……マジかよ」

 

 あまりのタイミングの良さに呆然と呟くマードック。それを尻目に俺達はそれぞれの機体へと乗り込んでいく。

 俺はブリッツの状態を確認しながら、キラとムウに通信を送る。

 

「スモークディスチャージャーで煙幕を張って、ムウが敵の位置を確認。それをキラが受け取って、艦から電源を貰ったアグニで砲撃して敵の見えない所から攻撃するってのはどうだ? 俺は敵をかく乱する意味も込めて、グゥルで出る」

「そうだな……良し、いいだろう。艦長達に提案する。ちょっと待ってろ」

 

 原作でもこの作戦で有利に戦いを進める事が出来たのだから、特に問題は無い筈だ。そして案の定、ムウは上手く許可を取り付けたようで口元に笑みを浮かべていた。

 

「アクセルの作戦を採用する事になった。坊主、いいな?」

「はい!」

 

 キラが返事をするのを横目に、ブリッツをカタパルトデッキへと移動させる。

 

「マードック、俺が出たらすぐにグゥルを発進してくれ」

「あいよ」

「アクセルさん、スモークディスチャージャーにより視界がいつもより悪いですので気をつけて下さい。敵はイージス、デュエル、バスター、ディンです。……それと」

 

 いつものように管制をしながら、何か言い淀むミリアリア。

 

「どうした?」

「その、トールを止めてくれてありがとうございました」

「気にするな。アクセル・アルマー、ブリッツ、出るぞ!」

 

 その言葉と共に、リニアカタパルトでブリッツが射出される。同時に、アークエンジェルの左舷カタパルトデッキからグゥルが発射。ブリッツからの無線コントロールにより、上手くその上部へと着地する事に成功した。

 煙幕の中をグゥルで突破し、まず最初に目に入ってきたのはブリッツと同じくグゥルに乗っているイージス、デュエル、バスターの3機。そして自力で空を飛んでいるディンが1機。

 

「まずは挨拶代わりだ」

 

 グゥルに装備されている6連装ミサイルランチャーでミサイルを盛大にばらまく。とは言っても、ミサイルの効果があるのはディンと4機のガンダムが乗っているグゥルだけなので本当に挨拶代わりでしかない。

 それでも一回限りのミサイルのシャワーにまともに当たる気はないらしく、全機がバラけて攻撃を回避した。

 

「ムウ!」

「分かってる!」

 

 その隙を突くかのように発進したソードストライカーパックを装備したスカイグラスパーがアークエンジェルの上空へと陣取り、敵の位置をストライクへと送信する。

 

「アクセル!」

 

 そしてムウの声を聞き、グゥルをアークエンジェルの横。煙幕の中へと退避させる。俺が移動したのと殆ど同時に煙幕の中から赤色の強力なビームが放たれた。ストライクのアグニだ。

 しかし残念ながらその攻撃は当たる事なく回避される。

 ……さすがに敵の位置を聞いてからの射撃ではタイムラグがあるか。

 しかし煙幕の中からの一撃があると理解すれば、どうしてもその一撃は警戒しなければならないだろう。

 

「キラ、攻撃は外れたが敵は今の一撃で俺だけに集中する事は出来なくなった。その調子で頼む」

「はい、分かりました。アクセルさんもお気を付けて」

 

 キラからの通信を切り、グゥルを再度煙幕から出して敵へと向かう。それを見つけたデュエルが追加装甲のアサルトシュラウドに装備されているレールガン、そしてミサイルを同時に放ちながらもビームサーベルを構えて俺へと突っ込んで来た。

 

「加速」

 

 精神コマンドの加速を使用し、グゥルの速度を上げる事によりミサイルとレールガンを回避。デュエルが振り下ろしてきたビームサーベルの一撃はトリケロスで防御する。

 

「ブリッツ! 今日こそ貴様を倒す!」

 

 接触回線によりデュエルのパイロットであるイザークの声が聞こえてくる。

 

「ふん、毎回毎回懲りない奴だな」

「何を、貴様!」

 

 ビームサーベルを受け止めていたトリケロスの角度をずらす事でビームサーベルを受け流し、そのままグゥルをコントロールしてデュエルの真下へと潜りこみ、通り抜けざまにランサーダートを1本発射。デュエルの乗っているグゥルへと突き刺さり内部から爆散する。

 グゥルの爆発そのものはデュエルのPS装甲でノーダメージだったが、足場を無くしてはどうしようもない。

 スラスターを全開にして海へと落ちる速度を殺しながらもこちらへと向かってビームライフルを乱射してくるデュエルだったが、それには構わずに次に迫ってきたバスターとディンへと視線を向け……煙幕の中へと再度後退。

 それを追ってこようとした2機だったが、煙幕から姿を現したアークエンジェルからゴットフリートが放たれ追撃を断念させる。

 

「ちょっと時間が足りなかったな」

 

 俺の予想ではもう少し煙幕の中からの攻撃が出来る筈だったのだが……

 

「アクセルさん、僕も出ます!」

 

 そう言って飛び出してきたのは、エールストライカーパックを装備したストライクの姿だった。

 

「イージスは僕に任せて、アクセルさんとフラガ少佐は残りを!」

「了解した。気をつけろよ坊主」

「……しょうがない。俺がバスターを、ムウはディンを」

「あいよ」

 

 それぞれがそれぞれの相手へと攻撃を開始した。

 俺はバスターからの攻撃をグゥルで右に、左にと回避しつつもブリッジへと通信をいれる。

 

「ブリッジ、キラとムウの援護を優先してくれ。俺の援護は最悪無くても構わない」

「了解した」

 

 以前にも同じ事を頼んだ事があったからだろう。通信画面に出たナタルはすぐに了承する。

 

「よし、じゃあ俺と遊ぼうかバスター」

 

 近づくブリッツに、バスターの両肩から大量のミサイルが発射される。牽制のつもりか、あるいは戦闘開始時に俺が行ったグゥルからのミサイル一斉発射の意趣返しか。

 ともかく放たれた12発のミサイルはこちらに向かって近づいてくる。そのミサイルをグゥルで右に左にと揺れながら回避し、どうしても躱しきれない弾頭だけをトリケロスに内蔵されているビームライフルやビームサーベルで撃ち落とし、斬り裂いていく。

 ミサイルだけではこちらを足止めできないと悟ったか、バスターの代名詞である腰に装備されている2つの砲をこちらへと向けてきた。

 レールガンとビームライフルだ……どちらもバスターという機体名通り威力的には破格の物があるのだが。

 

「加速」

 

 だが、敵にわざわざそんな物を撃たせる程に優しくない俺は、精神コマンドの加速を使ってグゥルの速度を全開にし、バスターの懐へと潜りこむ。

 

「はぁっ!」

 

 そしてバスターの横を通り過ぎつつ、通り魔のようにビームサーベルを一閃する。

 既に砲口をこちらへと向けていたバスターにそれを回避する術はなく――元々バスターにはシールドがないのでビーム攻撃を受け止める事は出来ないが――そのままビームサーベルに斬り裂かれるかと思った次の瞬間、機体を斜めに。つまりはグゥルを盾にするようにしてビームサーベルの一撃を受け、斬り裂かれたグゥルをこちらへと蹴りつけてきた。

 

「邪魔だ!」

 

 偶然か、あるいはディアッカによる無線操作によるものか、グゥルではなくブリッツの方へと突っ込んで来たバスターのグゥルへとビームライフルを撃ち込んで撃破する。

 

「バスターは……逃がしたか」

 

 グゥルが爆散した後には既にバスターの姿はどこにもなかった。恐らく俺がグゥルを攻撃した隙に海中へとその身を沈めて今頃は潜水艦へと向かっている所だろう。

 

「残るはイージスとディンのみか……ん?」

 

 その2機。正確には2機と戦っていたストライクとスカイグラスパーの姿を探して周囲を見回した俺の目に入って来たのは、近くにある島で地上戦を行っているストライクとイージスの姿だった。既にエネルギー切れでPS装甲がダウンして灰色に変わっているイージスと、そのイージスにビームサーベルで斬りかかろうとしているストライク。そしてそのストライクの後ろからイージスを助けるべく突撃機銃を連射しながら突っ込んでいくディン。

 次の瞬間、ディンの攻撃を悟ったストライクが振り向きざまにビームサーベルを突き出し、その突き出されたビームサーベルはディンのコックピットを貫通、そして爆散した。

 そしてその爆散した光景をただじっと見つめる2機の姿。……恐らくビームサーベルで貫くその一瞬にニコルの断末魔を聞いたのだろう。自分の親友の友人であるニコルの断末魔を。

 数十秒程呆然としていたストライクだったが、近くまで来ていたアークエンジェルからの通信に我に返るとすぐに撤退する。そして唯一そこに残って身動き一つしないイージス。その隙を逃がさないようにアークエンジェルからバリアントが放たれるが、すぐに我に返ったイージスは撤退していった。

 

「ブリッジ、ムウはどうした?」

 

 その様子を眺めながらもブリッジへと通信を送る。モニタにはすぐにミリアリアが表示されて口を開く。

 

「フラガ少佐はディンの攻撃で被弾してアークエンジェルに帰投していますが、幸い怪我等はないようです。敵機の撤退を確認しました。アクセルさんも艦に帰投して下さい」




名前:アクセル・アルマー
LV:36
PP:115
格闘:254
射撃:274
技量:264
防御:264
回避:294
命中:314
SP:446
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:278

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