転生とらぶる

2056話

　目が覚めると、俺の隣では美鶴がぐっすりと深い眠りについている。

　時計を見ると、午前8時。

　数時間前までは部屋の中に美鶴の甘い声が響いていただけに、美鶴の疲れはまだ取れる事はないだろう。

　こうして見てみると、美鶴の身体には赤い跡……キスマークが大量についている。

　うん、何だかんだと昨日のゆかりと同じような感じになってしまったな。

　一応ゆかりの時のような事にはならないようにしようと思ったんだが……昨日ゆかりを抱いた事で余計にそっち方面の欲求が身体に素直に出たのか、何だかんだと美鶴をこれでもかと啼かせてしまった。

　ここが高級ホテルの、それもスイートルームで良かった。

　もしここが……それこそ俺が借りてるアパートの部屋だったりしたら、当然のように壁が薄い事もあって、隣の部屋の住人にゆかりや美鶴の喘ぎ声が聞こえていただろう。

　もっとも、俺の借りているアパートは色々と訳ありの者が多い以上、アパートにいない事も多いのだが。

　特に一昨日と昨日はクリスマスイブとクリスマスだ。

　であれば、当然色々と用事があるのもおかしくない。

　これから。ゆかりや美鶴とする時は、ホテルとかに行く必要があるんだろうな。

　そう思いながら、幸せそうに……そう、疲れから深い眠りについてはいるが、それでも心の底から幸せそうにしている美鶴の、俺と同じような赤い髪を撫でながら、これからの事を考える。

　勿論、このこれからというのは、今日これからどうするか……という訳ではなく、影時間が終わってからのという意味でのこれからの事だ。

　望月の言葉により、影時間についての終わりは見えた。

　今日がクリスマス翌日……26日で、運命の日が1月31日。

　つまり、1ヶ月ちょっと。

　その日がくれば、ニュクスを倒し……そして影時間は終わり、ようやく俺はホワイトスターに戻る事が出来るようになる……筈だ。

　まぁ、もしかしたらニュクスの後にも実はこの世界にボスが存在して、と原作が終わらない可能性はあるが、ニュクスというシャドウの母たるものの存在以上のボスがいるとは、正直思えないんだよな。

　である以上、ニュクスがこの世界のラスボスだという判断は決して間違っていないと思う。

　そうしてニュクスを倒して影時間が終われば、ホワイトスターに戻る必要がある。

　さて、そうなると……ゆかりや美鶴、場合によってはコロマルもか。そういう、俺と関係の深い奴はどうなるのか。

　順平、チドリ、荒垣……といった風に、イクシールによって俺に大きな借りがある連中に関しての事もある。

　その大きな借りに関しては、それこそレモンやエザリアといった面々と相談する必要があるので、そちらは特に考える必要はないにしても……ゆかりと美鶴、コロマルに関しては話が別だ。

　ああ、でもコロマルは多分ホワイトスターに来るという事はなく、このまま長鳴神社に留まり続ける事になるような気がするな。

　元々、神主に恩義を感じて長鳴神社をシャドウから守っていたのだから。

　そのシャドウがいなくなったからといって、長鳴神社を放り出すような真似をするとは、思えない。

　第一、長鳴神社に害するのはシャドウだけと限った事ではない。それ以外にも、また何か……そう、この世界の原作の続編という形で何かがあるという可能性は否定出来ないのだから。

　となると、問題は美鶴とゆかりか。

　来年の1月でシャドウとの戦いが終わっても、美鶴は大学に進学する事が決まっているし、ゆかりは月光館学園の3年だ。

　とてもではないが、ホワイトスターに移住……という真似は出来ない。

　そうなると、数年はこちらの世界に留まる必要が出てくるのか、それともいっそホワイトスターからそれぞれの学校に通うことになるのか。

　後者は、ちょっと難しそうだな。

　いや、ゲートをポートアイランドとかに設置すれば……場所が問題か。

　それに美鶴は、対シャドウの為の組織を作るって話もあったしな。

　ホワイトスターと繋がるゲートは、当然のように目立つ。

　それを隠すようにして設置しなければいけない以上、東京でというのは色々と難しいところがあるのも事実だ。

　それに東京とかだと、何かあった時……それこそゲートの存在が知られた時に、自衛隊やら警察やらを送られる可能性もある。

　現在のところ、俺はこの世界では国と接触するようなつもりは、今のところない。

　ネギま世界のような感じで、国ではなく特定の勢力と直接取引する事になるだろう。

　だからこそ、ゲートを設置する場所は重要になる。

　ベストなのは、やっぱりどこの国の勢力圏でもない無人島とかなんだろうが、そうなった場合、色々と面倒にもなる。

　そうなると……ぱっと思いつくのは夏に行った屋久島か。

　桐条グループ……というか、武治個人の別荘があるし、東京とかからも距離があるということで、秘密が漏れるという可能性は少ないだろうし。

　問題なのは、屋久島がその名の通り島だという事か。

　桐条グループがホワイトスターから何か仕入れたり、もしくはホワイトスターに桐条グループから何かを持って行く場合、どうしても目立つ。

　また、このペルソナ世界でシャドウミラーの存在を表に出すことが出来ない以上、屋久島から東京まで移動するにも、手間が掛かる。

　勿論俺の場合は影のゲートがあるし、エヴァを連れて来る事が出来れば、そちらの移動もどうにかなる。

　だが、量産型のシステムXNを使ったり、ましてや戦闘機や輸送機、ヘリ……といった物を使えば、これ以上ない程に目立ってしまうだろう。

　この世界はシャドウミラーに比べれば圧倒的に技術が劣っているのは間違いないが、それでも転移フィールドの類を見逃すような事はないと思うし、ましてやこの世界には存在しないヘリとか……ああ、でもヘリ程度なら桐条グループが自主開発したとかで、どうにかなるか？

　着地する場所に関しても、桐条グループの建物にヘリポートはあるだろうし。

「ん……アクセル……」

　そんな風に考えていると、隣で眠っていた美鶴が眠そうに目を開ける。

　どうやら、起こしてしまったらしい。

　だが、体力の消耗が激しく、まだ眠気という点では全く解消されていないのだろう。

　俺の方を見て呟いてくるその様子は、普段の凜々しい美鶴の言葉とは思えない程にあどけないものを感じる。

「もう何時間かは、眠っていてもいいぞ。どうせ、チェックアウトまでは時間があるんだし」

「そう……か。分かった」

　短く呟くと、そのまま美鶴は再び疲れを癒やす為に眠りに入る。

　昨日に続いて、今日も学校をサボる事になるのは確定だな。

　もっとも、明日は27日……つまり、冬休みの日である以上、今日が実質的に最後の日になるのだが。

　生徒会長選挙も確か終わっていた筈だし、終業式で美鶴が挨拶をする必要もない。

　うん、このまま今日学校をサボっても、何も問題ないな。

　そんな風に考えつつ、俺は美鶴がしっかりと目覚めるまでその寝顔を堪能する事にする。

　美鶴の……それも安心して眠っている顔というのは、恋人の俺だけが見られる特権だよな。

「……ん……」

　チェックアウトの時間まで残り1時間程度という頃合いに、ようやく美鶴は目を覚ます。

　いつもと眠っている場所が違うからだろう。最初は自分がどこにいるのか全く分からない様子だったが、その視線が自分の寝顔を見ていた俺と合うと、すぐに昨夜――もしくは今朝方――の記憶が戻ってきたのか、顔を真っ赤に染めて、シーツを身体に巻き付けながら顔を枕に押しつける。

　そんな動きでも、美鶴の成熟した肉体は触れればどれだけ柔らかいのかというのを想像出来る程なのだから、うん、魅力があるとしか言いようがない。

「ほら、照れてるのもいいけど、チェックアウトまでの時間はもう1時間切ってるぞ。今のままだと、色々と不味いんじゃないか？　昨日の残滓とかも色々とあるんだから、シャワーとか風呂に入った方がいい」

「……私ばかり恥ずかしい目に遭っている気がするのだが……」

　不満そうに言う美鶴だったが、俺の言葉にも一理あると理解はしているのだろう。

　顔を赤くしながら、こっちに視線を向けてくる。

「お互いに裸なんだから、そんなに気にする事はないと思うんだけどな」

「裸だからこそ、気にするんだろう！」

　私、不満ですと言いたい感じの美鶴。

　その気持ちは分からないでもないのだが……ともあれ、汚れを落とす必要があるという事で、風呂に入る。……俺も一緒に。

　そうなれば当然のように色々とする事になり、結果として俺と美鶴がチェックアウトする時間はギリギリで、美鶴の髪も完全に乾かすまでの余裕はなかったのだった。

　ホテルの人間に、昨夜はお楽しみでしたねとか言われなかっただけ、まだマシ……なのか？

　そう思ってホテルを出ると、そこでは当然のように黒塗りの高級車が待っていた。

　ただ、微妙に昨日と違う車だから、昨日俺達をホテルまで送ってきた人はその後で帰って、今朝こうして改めて迎えに来たのだろう。

「乗ってくれ。アパートまで送ろう」

「ああ、助かる」

　美鶴と手を……いわゆる恋人繋ぎという繋ぎ方をしながら、車に乗る。

　普通に帰るだけなら、それこそ影のゲートを使えばすぐなんだが……美鶴にしてみれば、やはり俺と一緒にいるというのが大事なのだろう。

　俺も美鶴と一緒にいるのは嫌いじゃない……いや、寧ろ好きなので、特に不満はない。

　そうして車が出発すると、やがて美鶴は車の中に用意されていた冷蔵庫から紅茶を取り出す。

「悪いな」

「気にするな。……その、恋人の世話をするのは当然なのだから」

　自分で言ってて照れ臭くなったのか、美鶴の頬は赤い。

　昨日……いや、ちょっと前には風呂に一緒に入り、色々と人に言えないような行為をしたが、それでもまた照れる辺り、美鶴の初心さを表していると言ってもいい。

「そう言えば、何だかんだとここ何日かタルタロスに行ってないな」

「言っておくが、今夜タルタロスに行くにしても、ゆかりは誘うなよ？　少なくても数日は私と同様に戦いにならないと思うから」

「……痛いのか？」

「馬鹿者っ！　そんな事を聞くな！　……痛みは前もってたっぷりと、それはもう何度も限界に達する程にたっぷりと準備されたから、そこまでではなかった。だが……その、何だ。まだアクセルのが入ってるような、異物感がな」

「あー……何て言えばいいのか……うん、ごめん」

「全くだ。あんなに大きなのが私に入るなど……っ！？」

　そこまで言った美鶴は、自分が何を口にしたのか……いや、ナニを口にしたのか理解したらしく、その顔は急速に赤く染まっていく。

　うん、このままだと美鶴が色々と不味い事になりそうだな。

　取りあえず、別の話題を……と考え、ふと気になっていた事を思い出した。

「そういえば、アイギスはどうなったんだ？　望月に倒されてから、桐条グループの研究所に運び込まれたんだろ？」

「え？　あ、あいぎすか」

　……なんか、アイギスの発音が変だったような気がするが、その辺に突っ込むと色々と危険なのは間違いないので放っておく。

「こほん。その、だな。安心しろ。アイギスは近いうちに……それこそ、今年中までには戻ってくるだろう」

「そうか。となると、致命的な損傷とかエラーとか、そういうのはなかったって事だよな？」

「そうなるな。本来なら、1月31日までに向けて、性能を強化しておきたかったのだが……」

　真面目な、それこそつい先程までの顔を赤く染めた乙女らしい美鶴ではなく、桐条グループの令嬢、そしてS.E.E.Sの指揮官として、真面目な表情で美鶴が呟く。

　1月31日。それが何を意味しているのか、十分に理解しているからだろう。

　そう、ニュクスが目覚める日にして、人類の審判の日と言ってもいい。

　1つの世界の人類の命運を決める戦いに参加出来るのは、影時間に適性があり、ペルソナを使える者だけ。……まぁ、ペルソナが使えなくても高い戦闘力を持つ、俺という存在もいるのだが。

　ともあれ、1月31日というのはそのような日なのだ。

　美鶴が真剣な表情になるのも当然だろう。

　毅然とした表情を浮かべてはいるが、それでも美鶴はまだ18歳の子供……とは言えないが、大人とも言えない、そんな時期だ。

　緊張からか、恐怖からか分からないが、美鶴の手は微かに震えている。

　俺は何も言わず、そっと美鶴の手を握る。

「っ！？」

　いきなり手を握られた事で一瞬驚いた様子の美鶴だったが、すぐにそれをやったのが俺だと気が付くと、微かに笑みを浮かべた。

「アクセル……勝てる、よな？」

「ああ」

　美鶴の問いに、一瞬の躊躇もなく断言する。

「俺を信じろ。今まで幾つもの世界を救ってきた男だぞ？　ニュクスの1匹や2匹程度、どうとでもしてやるよ」

　まぁ、結果的に世界が救われたという方が正しいのだが……ともあれ、俺の言葉に美鶴は笑みを浮かべてそっと体重を預けてくるのだった。

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アクセル・アルマー
LV：43
PP：1435
格闘：305
射撃：325
技量：315
防御：315
回避：345
命中：365
SP：1415
エースボーナス：SPブースト（SPを消費してスライムの性能をアップする）
成長タイプ：万能・特殊
空：S
陸：S
海：S
宇：S
精神：加速 消費SP4
　　　努力 消費SP8
　　　集中 消費SP16
　　　直撃 消費SP30
　　　覚醒 消費SP32
　　　愛　 消費SP48

スキル：EXPアップ
　　　　SPブースト（SPアップLv.9&SP回復&集中力）
　　　　念動力 LV.10
　　　　アタッカー
　　　　ガンファイト LV.9
　　　　インファイト LV.9
　　　　気力限界突破
　　　　魔法（炎）
　　　　魔法（影）
　　　　魔法（召喚）
　　　　闇の魔法
　　　　混沌精霊
　　　　鬼眼
　　　　気配遮断A+

撃墜数：1389