転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2091話

 目の前にある家の扉を見て、ラルは神妙な表情になる。

 それはハモンも同様で、俺とコズンの2人だけがどこか場違いなようにすら思えた。

 もっとも、コズンはラルの事を心配そうに……それでいて信頼の籠もった視線を向けていたのだが。

 やがて、ラルがインターホンを押す。

 ここからでも、ピンポーンというインターホンのお馴染みの音が聞こえてきた。

 ……インターホンの音は、それこそどこの世界でも変わらないんだよな。

 そんな風に思っていると、やがて扉が開く。

 

「どなたですか?」

 

 そこから姿を現したのは、セイラ。

 若干不用心だと思わないでもないが……セイラがアルテイシアだと知ってる者の数は少なく、今の状況でその行動は特に問題もないだろう。

 

「……ラル!?」

 

 そんなセイラは、扉を開けた場所に誰が立っているのかを確認し、驚愕の声を上げる。

 いやまぁ、俺が会いに行っていた人物がいきなりこうして姿を現したんだから、それに驚くなという方が無理だろう。

 もっとも、ラルとハモンの後ろに俺の姿を確認すると、セイラは納得したように頷いたが。

 

「中にお入りになって。ここで話をする訳にもいかないでしょう? ……少し散らかっているけれど」

 

 そう言い、セイラは俺達を家の中に案内する。

 ちなみに扉を開けた状態で待っていたセイラは、俺が家の中に入ろうとすると、どこか責めるような視線をこちらに送ってきた。

 そういう視線を向けられる覚えはあるので、その辺はスルーしておくが。

 だが、セイラはそんな俺の態度が気にくわなかったらしく、こちらを責める視線は一掃強くなる。

 ともあれ、こうして俺達全員は中に入り……

 

「大尉、自分は一応誰か来ないか警戒してます」

 

 コズンはそう言い、扉の近くで待機する。

 コズンはあくまでもラルを信じてこの場にいるのであって、セイラ……アルテイシアには特に思うところはないんだろう。

 10年前にサイド3を脱出した時、コズンが既にラルの部下だったのかどうか、その辺は俺にも分からないが。

 

「うむ、頼んだ」

 

 そう言い、居間の中には俺、ラル、ハモン、セイラの4人だけが取り残される。

 そうした中で、最初に口を開いたのはラルだった。

 

「姫様……アクセルから話を聞いてましたし、映像も見ましたが、よくぞご無事で。……大きく、美しくなられましたな」

「ありがとう。私が今こうして無事でいられるのも、10年前にラルやハモンさんが私とキャスバル兄さんをサイド3から脱出させてくれたからです。ですが、ジンバ・ラルは……」

「いえ、父の事はお気になさいますな。時流を見る目が欠けていたのです」

 

 小さく首を横に振るラル。

 まぁ、セイラから聞いた話によると、地球に脱出した事で色々と精神的に不安定だったらしいしな。

 にしても、ラルは呼び捨てなのにハモンにはさん付けというのは……その気持ちも分からなくはないんだが。

 正確にはラルはダイクン家に仕えた者だが、ハモンはラル家の者ではないんだし。

 

「それでも、ジンバ・ラルは私とキャスバル兄さんを脱出させてくれた人物。恩義というものがあります」

「亡き父も、その言葉を聞けば喜んでくれるでしょう。……それより姫様、あの映像で言っていた事は本当なのですか? 建国する、と」

 

 もしかしたら何かの間違いではないのか。もしくは俺に騙されるか踊らされるかしてるのではないか。

 そんな風に、ラルはセイラを見る。

 そこに、出来ればそうであって欲しいという思いを見たのは、きっと俺の気のせいではないだろう。

 そんな3人……セイラ、ラル、ハモンに向かって、俺は声を掛ける。

 

「取りあえず、俺やコズンがいれば出来ない話もあるだろうし、どこか別の部屋で話したらどうだ? そうすれば、こっちを気にしなくてもいいだろ」

 

 そう告げる。

 もっとも、この家は1人用の住居らしく、あまり大きくはない。

 台所のついている居間の他には風呂・トイレの部屋と、寝室くらいしかないのだ。

 そして、まさか風呂とかで話をする訳にもいかない以上、残っているのは寝室しかなかった。

 セイラは俺の言葉に特に異論も唱えず、ラルとハモンを寝室に案内する。

 ……これで、ラルだけだったら色々と背徳的な光景だったかもしれないが、幸い今はハモンもいる。

 あ、でも俺がホワイトスターで毎晩やっていたことを考えれば、背徳的な光景ではあるのか?

 ラルはそこが寝室だと知って若干戸惑っていた様子を見せてはいたが、ハモンの言葉で我に返り……そして部屋の扉は閉められ、居間に……正確には居間から外に続く扉の側に俺とコズンだけが残されることになる。

 俺とコズンは、数分程言葉を交わさずにその場にいたが、不意にコズンが口を開く。

 

「なぁ、アクセル。ちょっと聞かせろよ」

「ん? 何をだ?」

「何をって……アクセルが乗ってたMSだよ」

 

 MS? と一瞬戸惑うが、すぐにミロンガ改の事だと理解する。

 正確にはミロンガ改はウォン重工業が開発したゲシュタルトシリーズと呼ばれる機種なのだが……まぁ、ゲシュタルトシリーズそのものがミロンガとバルトールしかないのを考えると、その辺に拘る必要もないか。

 それに、この世界には基本的にMSしか存在せず、ミロンガ改をMSと認識してもおかしくはない。

 

「ミロンガ改か。……何が聞きたい?」

「アクセルの率いているシャドウミラーってのは、ああいうMSを多く持ってるのか?」

 

 コズンが俺にそのような事を聞いてくるのは、好奇心からだけ……って訳でもないだろう。

 ラルと違い、その仲間達はまだ完全に俺の事を信用してはいない。

 また、俺の率いるシャドウミラーという存在がどのようなものかも分からない。

 だからこそ、少しでも情報を仕入れようというつもりなのだろうが……こっちとしては、別に隠すような何かがある訳でもないので、その辺は話しても特に問題がない。

 いや、寧ろシャドウミラーという存在がどのような戦力を持つ集団なのか、それをラル隊に広げる為にも丁度いい。

 

「そうだな。俺達がこの世界に来たように、シャドウミラーは様々な世界に進出している。そうなれば、当然のようにこの世界と同じく、人型機動兵器を有している世界というのも、珍しくはない」

 

 ロボットを有する漫画とかアニメの原作ってのは、総合的に見ればそこまで多い訳ではない。

 にも関わらず、俺がこうしてロボット系の世界にやってくる事が多いのは……まぁ、普通に考えて偶然の一言で片付けるには無理がある。

 もっとも、こっちとしてはそれで困るような事でもないので、特に問題はないのだが。

 

「PT、AM、KMF、VF、それ以外にも幾つも人型機動兵器の種類はあるな」

「そんなにかよ!?」

 

 驚愕の表情を浮かべるコズンだったが、実際にシャドウミラーの戦力を見たら、どう思うのやら。

 しかも、メギロートとかバッタとかの無人兵器もあるし。

 

「ああ。ちなみにこの世界で人型機動兵器の代名詞とされているMSだが、同じようにMSという機動兵器を使ってる世界もある」

「マジかよ!?」

「しかも、MSの中にはザクとかもある」

「……マジかよ……」

 

 マジかよを連続するコズンだったが、ぶっちゃけSEED世界のザクとこの世界のザクでは、性能的に……どうなんだろうな。

 純粋な性能だけで考えれば、バッテリー……いわば電池で動いているSEED世界のザクよりも、ミノフスキー物理学のおかげでMSに搭載出来るだけのサイズまで小型化した核融合炉を積んでいるこの世界のザクの方が強いようにも思える。

 ただし、SEED世界のザクはビーム兵器を使うのに対して、この世界のザクはビーム兵器を使えないんだよな。

 機体性能ではこの世界のザク、武器の強力さではSEED世界のザク……総じて見れば、全体的に互角ってところか?

 特にSEED世界のザクはバッテリーで動いている分、どうしても戦闘可能時間はUC世界のザクに比べると短くなる。

 もっとも、UC世界のザクとSEED世界のザクでは、その存在が大きく違う。

 UC世界のザクというのは最初期のMSで、SEED世界でいうジンと同じような立ち位置だ。

 UC世界のザクとジンが戦えばザクの圧勝というのが、俺の予想だ。

 俺が知ってるザクの知識は、それこそラルから教えて貰っただけなので、そこまで間違ってはいない筈だ。

 キルレシオ的には、1:5……頑張っても1:4ってところだと思う。

 ジンとメビウスのキルレシオが1:3、もしくは1:5ってところだった筈だから、大体それと同じくらいのキルレシオがあると考えてもいい。

 そう考えれば、SEED世界のフリーダムを始めとした核動力炉のMSも、動力という点ではザクよりも劣るんだよな。

 もっとも、フリーダムなんかは核分裂炉でもビーム兵器を大量に使えるのに対して、UC世界のザクは核融合炉を持っているのにビーム兵器を使えないのだが。

 それはジオンがビームライフルの小型化に手間取っているというのも影響してるので、将来的にはザクや旧ザクもビーム兵器を使えるようになるのかもしれないけど。

 

「ああ。そんな訳で、俺達シャドウミラーが協力して国作りをすれば、異世界のMSを始めとした機動兵器を見たり使ったりも出来るようになるぞ」

 

 もっとも、戦術機は……ちょっと使い道がないような気もするが。

 いや、でも戦術機は二次元機動という意味ではMSともやり合える。……それこそ防御力は紙だから、ザクマシンガンや体当たりを食らったらバラバラになりそうだが。

 攻撃力はどうしても不足するが、その辺りはビームライフルを持たせれば……いや、戦術機の脆弱な機体でビームライフルの反動に耐えられるか?

 あくまでも俺のイメージではあるが、戦術機はMSの武器とかを使えば、その反動で壊れてしまう……といったような脆弱さを持っているように思えるんだよな。

 実際、BETAを相手にしている時の戦闘を思えば、決してそれも間違いではない筈だ。

 とはいえ、この世界に来た理由の1つには、この世界特有の技術の収集という点もある。

 それを考えれば、可能な限りこの世界に他の世界の兵器を持ち込むのは避けて、きちんとUC世界の技術でMSを発展させていって欲しいというのが、正直なところだが。

 

「MSじゃねえ機動兵器か。ちょっと興味あるな。な、なぁ。ラル大尉達と一緒にホワイトスターだったか? アクセルの故郷に向かうんだよな? なら、もしかしてそういうのにも乗ってみたり出来るのか?」

「あー……どうだろうな。まぁ、可能性としてはある。俺達がどういう兵器を持っているのか、そういうのを確認して貰わないと手を組む云々なんて話は出来ないしな」

 

 そう告げると、コズンは嬉しそうに笑みを浮かべる。

 勿論その嬉しさの大部分は、ラルの判断材料に出来る情報を得られるというものなのだろうが。

 ただ、コズンもラルの部下としてMSのパイロットをやっており、腕は結構いいらしい。

 だとすれば、シャドウミラーが所有する機体を乗り比べてUC世界のMSとの差を実感して貰うというのもいいかもしれない。

 この世界のMSは、まだ発展途上だ。

 そうであるが故に、他の様々な世界の人型機動兵器は大きな刺激となるだろう。

 そうやって考えていて、ふと気になる事があった。

 

「そう言えば、ザクを作ってるのはジオニック社だったよな?」

「ん? ああ、そうだな。それがどうかしたのか?」

「いや、ジオンにそういうMSを製造出来る会社は幾つあるのか気になって」

 

 趣味……という訳ではなく、これも歴とした建国についての一貫だ。

 セイラの作る国が、どのような国になるのかは分からない。

 最初はシャドウミラーの保護国という扱いだろうが、将来的には独立をして貰う予定になっている。

 そうである以上、この世界特有のMSを開発、製造出来る会社は、その国にあった方がいいのは間違いない。

 で、現在この世界で一番MSに詳しいのはジオンだ。

 ……まぁ、MSはジオンしか使ってないから、それは当然の話だが。

 連邦も、一週間戦争やルウム戦役で嫌という程にMSの威力を味わったんだし、今頃はMSの研究とかもしている筈だ。

 だが、今から研究したからすぐにMSを開発出来ました……とはいかないだろう。

 もっとも、ジオンが既にザクというMSを有しているんだし、ジオン軍のパイロット全員が清廉潔白って訳でもない。

 であれば、それこそ今頃連邦軍は買収するなりなんなりしたMSパイロットに持ってこさせたザクを研究し、より高性能なMSを開発中の筈だ。

 連邦はジオンの30倍以上の国力を持ってるって話だったし、何もない状態からMSを開発したジオンとは違って、現物がある。

 そうなれば、開発の速度は推して知るべしって奴だ。

 だが、将来的にはまだしも、現在の状況ではMSを作れる会社はジオンにしかない。

 セイラの国に引っ張りこむのは、やっぱりそっちになるんだろうな。

 

「うーん、ツィマッドって会社はジオンとMSのコンペをやって負けたらしいぞ。しかも、宇宙空間で加速している時に分解して」

「……それは、ちょっとな。他には?」

「MIPって会社もあるけど、こっちは……俺には何を開発してるのか、ちょっと分からねえ」

 

 そんな風に、俺はコズンから色々と話を聞き……やがて眠くなり、ソファを借りて寝るのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389

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