転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2095話

 ルナ・ジオン。

 それが、セイラの考えた新しい国の名前らしい。

 にしても、ルナ・ジオンね。

 月にジオン・ズム・ダイクンの娘が建国するという事を考えれば、そうおかしくはないのか?

 別に月の名前に拘る必要もないと思うんだけどな。

 それこそ、新生ジオンとか、正統ジオンとか、ちょっと捻ってネオ・ジオンとか。

 ……ああ、でもセイラの本名がアルテイシアでギリシャ神話に出てくる月の女神の名前がアルテミスだったから、アルテイシアとアルテミスでちょっと似てるか?

 その辺はいいとして……とりあえず、ルナ・ジオンという名前に反対意見は出なかった。

 ラルにしてみれば、ルナ・ジオンという名前は特に違和感はなかったらしいし、俺達にしてもシャドウミラーという元々の特殊部隊の名前を国の名前にしてるのだ。

 そう考えれば、寧ろルナ・ジオンはセンスの良い名前なのかもしれないな。

 

「さて、じゃあ国名がルナ・ジオンという名前に決まったところで……次に何を決める? 色々と決める事はあると思うけど」

 

 エザリアの言葉に、最初に口を開いたのはレモン。

 

「アクセル、一応聞いておくけど、セイラ達の世界……」

「UC世界」

「そう? まぁ、UC世界での活動は、長くなると考えてもいいのよね?」

 

 流れでUC世界という風に決めてしまったが、ラルもセイラも特に不満は口にしない。

 SEED世界、W世界の例に習えば……やっぱりUC世界ってのがいいんだよな。

 ガンダム世界でもいいんだけど、それだとSEED世界やW世界なんかに引っ掛かるし。

 何よりガンダム世界と言った時に、どの世界のガンダムの事かというのがちょっと分かりにくくなったりする可能性がある。

 

「そうだな。10年……いや、20年くらいか? あるいは、それ以上活動する可能性もあると思う。もっとも、ずっとあっちを中心にって訳じゃないと思うが」

 

 シャアが小惑星を地球に落とすのがいつなのかははっきりとしていないし、ましてや俺の知識に残っていたUC世界の話がアムロとシャアだけの話で終わるとも限らない。

 もしかしたらその子供の話がくるかもしれないし、全く関係のない人物が主人公として活動する可能性もあるのだから。

 だからずっとUC世界で活動するのではなく、UC世界とホワイトスターの2つをメインにしながら、特に騒動がない時は別の新しい世界を開拓する……といった感じで生活していく形になると思う。

 もっとも、それはあくまでも今UC世界で行われているジオンの独立戦争が終わってから……いや、それ以前にルナ・ジオンをきちんと成立させてからの話になると思うが。

 

「あら、随分とまぁ……てっきり、数年くらいかと思ってたんだけど……」

 

 10年、20年という俺の言葉が意外だったのか、レモンが少しだけ驚きを露わにする。

 だが、その驚きは次の瞬間には消え、やがて艶然とした笑みを浮かべた。

 

「なら、私達……正確にはルナ・ジオンは月を本拠地とするのよね?」

「それは否定しない」

「そう。なら、丁度良いわ。現在ナデシコ世界で改修している、リーブラ、バルジ、ジェネシス……それと場合によってはピースミリオンやニヴルヘイムもだけど、これを使って月の守りにつかせましょう。もっとも、改修が終わるのはまだ時間が掛かるけどね」

「なるほど、それらが月を守るのであれば、迂闊に月に攻めてくるような存在は地獄を見る事になるだろうな」

 

 レモンの言葉にそう同意したのは、今まで沈黙を保っていたコーネリアだ。

 実働班を率いているというだけあって、その辺りは気になるのだろう。

 実際には月を守るとすれば、ラルを始めとしたルナ・ジオンの戦力という事になるのだろうが。

 

「それはいいけど、月を守る力が強力すぎて連邦やジオンを刺激するんじゃない? 特にリーブラの主砲、バルジ砲、ジェネシス、ニヴルヘイム……ピースミリオン以外は、どれも戦略級の力を持った一撃を放てるのよ?」

 

 エザリアが心配しているのは、連邦とジオンを刺激しかねないかという事か。

 無理もない。その言葉通り、ピースミリオン以外の要塞はどれも強力無比な主砲を持っているのだから。

 

「その辺は心配いらないでしょう。こちらの戦力を考えれば、それこそ連邦とジオンが組んで攻めてきても、対処は難しくない筈です」

 

 エザリアの言葉に否を唱えたのは、レオン。

 やっぱりレオンは攻撃的なんだよな。

 そのおかげで、普段はどちらかと言えば攻撃的なエザリアが意図して慎重派に回る事になっている。

 いやまぁ、ここでエザリアも攻撃的な言動をすれば、一気にUC世界でのルナ・ジオンの行動は過激になる可能性が高いのだから、それはしょうがないのかもしれないが。

 

「すいません、少しいいですか? その、今の話題に出て来ているリーブラを始めとした存在がどのような物なのかがわからないのですが。いえ、話の流れから大体は分かりますが、もしかしたらこちらが考えているのと違う可能性もありますので」

 

 セイラの言葉が割って入り……ん? 俺の記憶でその辺りは読めなかったのか?

 そう一瞬思うも、今のセイラの発言は、どちらかと言えば自分ではなくラルに配慮したものだったらしい。

 まぁ、そのラルも今の俺達の発言から、リーブラやバルジといった代物がどのような物なのかは分かっているらしいが。

 

「ああ、ごめんなさい。その辺を説明する必要があったわね」

 

 そう言い、レモンはリーブラを始めとした要塞について説明していく。

 その説明を聞くに従って、普段は冷静沈着なラルの頬が引き攣っていくのを見れば……それが、どれだけ凶悪な数々であるのかという事を意味しているのだろう。

 まぁ、無理もない。

 リーブラ、バルジ、ジェネシス、ピースミリオン、ニヴルヘイム。……ピースミリオン以外は、どれもが戦略級の代物と表現してもおかしくはないのだから。

 この中で唯一その分類に入らないピースミリオンも、全長3000m、全高1000mとかなりの巨大さを持ち、その上でデュオのデスサイズ……いや、デスサイズヘルと同等のステルス機能を持ち、現在火星で改修を受ける事によってASRSとミラージュコロイドを装備する事になるし、シャドウミラーの技術によって内部構造がかなり小型化され、MSの搭載数も飛躍的に上がっている。

 ピースミリオンの戦闘能力は多数のビーム砲を有しているものの、そこまで高くはない。だが、ミノフスキー粒子散布下でも視覚的に強いステルス能力を持っているピースミリオンの存在は、普通に考えて脅威以外のなにものでもないだろう。

 

「……まぁ、そんな感じね」

「これは、なんと言うか……彼女の言う通りの事になりそうな気がするのですが……」

 

 セイラがエザリアの方を見ながら告げる。

 普通ならそう考えても不思議じゃないか。

 

「その辺は、アクセル代表が最初に力を見せる事により、どうとでもなるかと」

 

 レオンがそう告げると、セイラが少し考えて頷く。……心の底から納得したといった様子ではなかったが。

 特にレモンの構想が実現した場合、一番過敏に反応するのはやはりジオン公国だろう。

 ジオン公国のある場所が月の裏側な訳で……つまりジオン公国にしてみれば、本拠地のすぐ側に幾つもの機動要塞を配置されるのだ。

 もっともレオンが言う通り、こっちの力を一度見せれば迂闊に攻撃は出来なくなるだろうが。

 

「じゃあ、リーブラを始めとする要塞やら何やらは、月を守るように配置するという事でいいわね?」

 

 そのレモンの言葉に異議は出ず、話は決まる。

 ジオン公国については思うところがあれど、レモンの気持ちも分かるんだよな。

 ジェネシスなんて、一体どれくらい空間倉庫に眠っていたのやら。

 そこにバルジやリーブラ、ピースミリオンとかが手に入って、しかもそれを色々と改修しているのに、全く使えないというのは意味がない。

 それに空間倉庫という能力を持つ俺がいる以上、もしどこか他の世界で機動要塞とかが必要になっても、すぐに運ぶ事は可能だし。

 

「さて、では次の話題に移りますが……ラルさん、でしたね。UC世界のMSというのは、どのくらいの性能か……というのは、お分かりになりますか?」

「む、どのくらいの性能かと言われても、比較対象がない以上はなんとも言えんな」

「そうですか。では、コーネリアさん。この会議が終わった後で、シャドウミラーが保有するMSを幾つか用意して、ラルさんを乗せて貰えますか?」

 

 レオンの言葉に、コーネリアは特に困った様子もなく即座に頷く。

 

「構わん。ジオンのMSがまだ出来たばかりという事は……ザフトのザクではなく、ジン、ストライクダガー、リーオー辺りを用意すればいいな?」

「はい、それで構いません。……では、ジオンのMSと……ラルさん?」

「ザク、だと? ……ああ、いや。何でもない。失礼した。こちらはそれで構わない」

 

 あー、やっぱりザフトにあるザクとかは……後でその辺もしっかり見せておいた方がいかもしれないな。

 ともあれザフトのジンとジオン軍のザク。果たしてどちらがどれだけの性能を持つのか、気にならないと言えば嘘になる。

 バッテリーと核融合炉という点を考えれば、ザクの方が間違いなく性能は高いんだろうが。

 しかもお互いがビーム兵器を標準では装備してないので、攻撃力は動力炉の性能が大きく影響してくる。

 いやまぁ、ビーム兵器の出力にも動力炉が影響してきたりもするんだがな。

 一応ジンには3発だけのビーム砲はあるが、あんな巨大な武器を持っている状態で戦いになれば、取り回しが悪すぎる。

 機体性能の影響で、どうしてもあの巨大なビーム砲を持っていれば動きが鈍くなるしな。

 これがザフトのザクになれば、ビーム兵器が使えるから、ある程度ジオンのザクとも互角に戦えるのだろうが。

 

「そうですか。……それで1つ質問なのですが、ジオン公国でMSを含めて生産可能な会社というのは、どのくらいありますか?」

「ザクを開発したジオニック社、ザクとコンペをしたが空中分解した結果負けたヅダを開発したツィマッド社の2つだな。それと……ジオン公国軍が最初にどのような兵器を採用するのかといった時のコンペで、MIPという会社が宇宙戦闘機を改良したような物を出したらしいが、そちらについては儂は詳しくは知らん。だが最初のコンペに呼ばれただけあって、相応の技術力を持っているのは間違いない。ジオン軍でもMIP社に接触しているという話を、ハモンから聞いた事があるしな」

 

 ハモンがどこから情報を入手したのかは……恐らく、エデンに来た客からだろう。

 ラルの仲間以外にも、あそこはジオン軍の軍人が結構顔を見せてるらしいし。

 

「ふむ、そうですか。……出来ればジオニック社かツィマッド社に接触して欲しかったところですが、この場合はMIP社の方がいいかもしれませんね」

「……どういう事だ?」

 

 ラルの言葉に、レオンはどこか蛇を連想させるような笑みを浮かべて、口を開く。

 

「MIP社は、ジオニック社とツィマッド社に遅れを取っているのでしょう? であれば、シャドウミラーという存在を……異世界の存在を教えれば、確実に興味を惹けるでしょう。ジオニック社やツィマッド社でも興味は惹くでしょうが、やはり自分達が1歩出遅れているMIP社の方が、その度合いは大きいかと」

「なるほど。MSではなくても次期主力兵器を開発出来るだけの実力を持っているからこそ、その辺りは大きく気になるという事か」

 

 コーネリアの言葉に、レオンはその通りと頷きを返す。

 

「もっとも……実際にMIP社に接触するのはともかく、異世界の存在を教えるのはルナ・ジオンとしての姿を見せてからの方がいいのは間違いないでしょうね。でないと、妄想の産物として見られかねませんし」

「だろうな。……ラル、MIP社の方に伝手はあるか?」

「うーむ……儂にはないが、伝手を辿ってみれば、繋がっている者もおるかもしれん」

「そうか。ああ、それとこれもついでにやっておいて欲しいんだが、ルナ・ジオンに集める中にはダイクン派だけじゃなくて、ジオン公国によって不利益を被っている奴、もしくは腕が立つけどまだザビ家に忠誠を誓っている訳でもない奴、戦争そのものに嫌気を差している奴……そういうのも探してみてくれ」

「む、分かった。そちらにも手を回しておこう。ザビ家の支配は歪みをもたらす。そのような者は多い筈だ。それと……アクセル」

 

 ラルが何かを決意したかのような視線を俺に向けてくる。

 何だ?

 

「儂が上からの命令を断ったせいで、汚れ役を押しつけてしまった……結果として、ジオン軍の中でも鼻つまみ者となってしまった者達がいる。気性が荒い者達と聞くが……そのような者達も、構わんか」

「それは別に構わないぞ。ただし……何か問題を起こした場合は、相応の罰を与える事になるがな」

「うむ。海兵隊だから、腕は間違いなく立つ。儂の世界……UC世界だったか? そこに戻ったら、早速手を回してみるとしよう」




アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389

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