転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0198話

「アクセル」

 

 ふと、誰かに呼ばれたような気がした。その声を頼りにして急速に意識が覚醒していく。その途中でまず感じたのは柔らかく、暖かい存在。それが俺の身体の左右にあるのを感じる。

 そんな状態で急速に意識が覚醒し、目を覚ました俺の目に入ってきたのは桃色と肌色。紫色と肌色の2つだった。

 言うまでもなく、レモンとコーネリアの2人だ。

 先程俺の名前が呼ばれたのはどうやらレモンかコーネリアの寝言か何かだったらしく、まだ2人ともぐっすりと幸せそうに眠っている。そんな2人の様子を見ながら、昨夜の事を思い出す。

 そう、結局俺はこの2人と思う存分愛し合ったのだ。その結果外が明るくなるまで……待て。外が明るく、だと?

 コーネリアの寝室にある時計へと視線を向けるとそこには11:37分と表示されているデジタル時計の姿が。

 

「やばいっ! 2人共、起きろ!」

 

 幸せそうに寝ているレモンとコーネリアの2人を大きく揺らして強制的に眠りから目覚めさせる。

 

「なぁに……昨夜は遅かったんだからもう少し寝かせてくれてもいいじゃない」

「そうだぞ。それもこれもお前の体力が底なしだからだな」

「じゃなくて! 時計を見ろ、時計を! 後1時間ちょっとでウズミとの約束の時間だ! 今回は俺だけじゃなくて、お前達2人もシャドウミラーの幹部として話し合いに参加するんだから準備をしてくれ」

 

 まだ眠そうな2人を何とか起こし、バスルームへと行き……そのまま危ない雰囲気になりつつもなんとかそれをやり過ごして準備を整える。

 とは言っても男の俺は軽く身だしなみを整えるだけで既に準備は完了している。問題なのはレモンとコーネリアだ。元々女というのは準備に時間が掛かると決まっているが、この2人……と言うか、コーネリアは皇女育ちという事もあり身だしなみを整えるのをメイド等にやってもらっていたらしい。シャドウミラーには当然メイドなんてものは存在していないので――量産型Wの研究が進めばメイド専用量産型Wが製造される可能性はあるが――レモンが1からその辺を教えている。

 コーネリアとしてもシャドウミラーに所属する以上は自分の事は自分でやりたいとは思っているらしいのだが、なにしろコーネリアの主観時間ではシャドウミラーに所属してからまだ数日だ。手間取るのも無理はない。

 そんな2人の様子を見ながら、段取りの説明をする。

 

「取りあえず、まずは俺が話し合いに出席する。そして俺達の事をウズミに話して、ゲートの通信システムで2人に……レモン、エキドナはどうした?」

 

 コーネリアの髪を整えているレモンへと尋ねる。

 

「エキドナなら私の研究室にいると思うわ。連れて行った方がいいの?」

「そうだな。基本小規模……と言うか、少数精鋭のシャドウミラーだからこの際主要な面子は一度に紹介しておきたい。こちらから出るのは俺、レモン、コーネリア、エキドナの4人でいいだろう。技術班と量産型Wは取りあえず今日はいい」

「なら転移区画に行く時にエキドナを拾っていくわ」

「そうしてくれ。で、通信で話した後に転移してくる、と。その際そうだな……メギロートを1機でいいから持ってきてくれ。これが俺達のメインの戦力だと言えば量産型ゲシュペンストMk-Ⅱと互角にやり合う性能なんだし納得するだろう。あるいはオーブの主力MSであるM1アストレイとの模擬戦くらいはあるかもしれないが」

「あぁ、言い忘れてたけど技術班がホワイトスターを調査した成果としてメギロートの性能が数段上がっているわ。そう、ね……以前のメギロートはアクセルが今言ったように量産型ゲシュペンストMk-Ⅱと同じくらいの性能だったのに対して、今はエルアインス並の性能を持っているわ」

「エルアインスと同レベル? ……それはまた、随分と性能が上がったな」

「どうしたのだ、2人共。それ程その2機には差があるのか?」

 

 レモンに髪を整えられているコーネリアが不思議そうに聞いてくる。

 そう言えばコーネリアはまだこのホワイトスターに来てから数日しか経っていないんだったな。ここでの生活に慣れるのに精一杯で俺達の戦力を把握していないのか。

 

「そうだな、コーネリアに分かりやすくいうのなら……量産型ゲシュペンストMk-Ⅱがグラスゴー、エルアインスがグロースターと考えて貰えば分かりやすいか」

「ほう、それはまた……レモン率いる技術班というのは余程優秀と見える」

「ま、それは否定しないわよ。けど、その分個性的な面々が揃っているんだけどね」

「そうだな。特派のロイド並……とはいかないが、それに近いレベルの性格の持ち主が揃っていると言ってもいいか」

 

 そんなこんなで大体の打ち合わせも終わり、時間が迫ってきたので俺はレモンとコーネリアより一足先に家を出る事にした。一応今回の話し合いは俺がホストみたいなものだから、先にあの倉庫で他の皆を待っていないといけない。

 

「じゃ、私達は後から行くわね」

 

 レモンから濃厚なキスを受け。

 

「新しい恋人にもよろしくな」

 

 同じくコーネリアからも濃厚なキスを受けて転移区画のリュケイオスへと向かう。

 

 

 

 

 

「……ふぅ。まだ誰も来ていない、か」

 

 リュケイオスを使い、再びSEEDの世界へと転移してきた俺だったが、幸いまだ誰もこの倉庫へは来ていなかった。

 ゲートの操作システムで時間を確認すると12:25分。後35分程は余裕がある。

 深く深呼吸をして、つい先程までのレモンやコーネリアと過ごした幸福感に包まれていた気持ちを切り替える。これからの交渉の結果で俺達シャドウミラーの今後が決まると言ってもいい。

 ……まぁ、今後と言っても俺達の命運という意味ではなく補給路や気分転換用のリゾート地という意味合いでだが。

 そんな事を考えているうちに、この地下へと続くエレベーターが降りてくる。時計を見ると12:40分。約束の時間まであと20分といった所だ。

 エレベーターのドアが開き、出てきたのはウズミ、キサカ、カガリのオーブ側組。そしてマリュー、ムウ、キラのアークエンジェル組だった。

 そんな6人が、空間の中心地点に設置されたゲートとその隣に立っている俺を見つけ、エレベーターの近くにあったエレカに乗って近づいてくる。

 

「待たせたかね?」

 

 そう言って降りてくるウズミ。他の5人もそれぞれエレカから降りて俺の近くへと移動して来た。

 そんな6人を出迎えながら首を振る。

 

「いや、まだ約束の時間まで20分程あるから問題無い。それよりまだ少し早いが、折角こうして全員が揃ったんだ。話を始めてもいいか?」

 

 何か言いたそうにしているカガリだったが、ウズミがそれを押さえて頷く。アークエンジェル組の方も特に異論は無いようで頷いていた。

 

「うむ。私としても時間が有り余っているという訳ではないからな。そうしてくれると助かる」

「俺の後ろにあるこの機械に関しては気になる事もあるだろうが、これの説明は後にする」

 

 そう説明しながらも、既に操作システムを使い通信システムはONにしてあったりする。そうでもしないとホワイトスター側でこちらの状況が掴めないからだ。

 

「そうだな……この場合はこんな台詞が相応しいか」

 

 呟き、改めて目の前にいる6人へと視線を向ける。

 

「僕は、僕の秘密を今明かそう。僕は人の自然そのままに、ナチュラルにこの世界に生まれた者ではない。……ファーストコーディネーター、ジョージ・グレンの台詞だったか。俺にもある意味でこの台詞が当てはまる」

「じゃあ、やっぱりアクセルさんも僕と同じ……」

 

 自分と同じコーディネーターなのか、と言いかけたキラの言葉に首を左右に振る。

 

「いや、俺が遺伝子操作を受けたコーディネーターじゃないというのは事実だ。それはアークエンジェルで検査もしてるし……エリカからも報告が上がっているんだろう?」

 

 ウズミへと視線を向ける。以前このオーブに立ち寄った際にエリカから髪の毛の提出を求められた。当然その報告はウズミにも上がっている筈だ。

 

「ああ。確かに報告は上がっている。アクセル君は間違いなくナチュラルだ」

「じゃあ、さっきの言葉はなんなんだよ!」

 

 ウズミの言葉に続いてカガリがそう怒鳴ってくる。相変わらずのその様子に苦笑を浮かべながら話を続ける。

 

「この場合はそのまま受け取って貰えばいい。つまり、この世界に生まれた者ではない、とな」

「……何? それは一体どういう意味だ?」

 

 いつになく察しの悪い――この世界の常識的にしょうがないのかもしれないが――ムウの様子を眺めながら、チラリとマリューの様子を窺う。

 俺が何を言っているのか分からない、そんな表情をしていると思っていた。だが、マリューの顔にはそんな不審の色は一切無く、ただ純粋に俺の言葉を待っているように見える。

 女は強い、か。いや、俺が惚れる女が決まって強いのか。

 そんな風に思いつつも事の核心を告げる。

 

「つまりだ。俺はこのコズミック・イラという世界に生まれた男ではない。言うなれば、異世界人……というのはちょっと大袈裟か。そうだな、平行世界から転移してきたと言えば理解出来るか?」

 

 パラレルワールド。俺の元々の世界であるスパロボの世界よりも技術レベルが低いこの世界では概念だけの言葉だろう。そんな夢物語のような存在が目の前にいると言われても信じる事は難しいか。

 

「改めて自己紹介をしようか。俺の名はアクセル・アルマー。とある世界でその世界全てを敵に回して戦い抜き、そして敗れた部隊『シャドウミラー』その残党を率いている」

「……何か、アクセル君が平行世界の出身だと示す証拠はあるのかね?」

 

 ウズミが眉を顰めて尋ねてくるが、それに対して苦笑を浮かべながら返事をする。

 

「証拠ならもう渡してあるだろう? シーリオン、というこれ以上ない証拠を」

「シーリオン?」

 

 カガリは何も聞いてないのか、父親であるウズミと自分の守り役でもあったキサカへと視線を向ける。その2人はつい数秒前まで眉を顰めていたのが、今はまるで俺を睨みつけるかのような厳しい表情へと変化していた。

 そしてマリュー、ムウ、キラはシーリオンという言葉が何を表しているのか分からない為に困惑の表情を浮かべている。

 

「少しはおかしいと思ったんだろう? MS開発で精一杯な筈のこの世界において、MSとは違う系統の人型機動兵器であるアーマードモジュール。MSを操縦する為のナチュラル用OSを作るのにキラに技術協力を請わねばならないのに、シーリオンのTC-OSはナチュラルでも普通に使う事が出来た筈だ。他にも簡易的ではあるが重力制御すら可能にするテスラ・ドライブ。そして……」

 

 その場に存在する6人の顔を確認するように見てから、その単語を口に出す。

 

「Nジャマーがあっても、全く問題無く使用する事が出来る核融合ジェネレーター」

 

 核、の単語にウズミとキサカ以外の4人が顔を引きつらせる。

 

「待て! Nジャマー環境下では核エネルギーは使えない筈だぞ!」

「惜しいな、ムウ。Nジャマーは核分裂を抑制する装置だ。つまりこの世界で使われている核分裂エネルギーより数世代以上先の技術である核融合ジェネレーターには何の効果もない」

「……事実だ。アクセル君から託されたシーリオンという機体は、Nジャマー環境下でも普通に稼働している。少なくても彼の言っている事に嘘はない」

 

 ウズミが認めると、それを見たカガリが俺へ突っ込んで来そうになるが、それをキサカが止める。

 

「お前! この状況でオーブが核エネルギーを使う事が出来ると連合が知ったらどうなると思ってるんだ! このオーブを戦場にする気か!?」

「カガリ!」

 

 ウズミが短く叫びカガリを窘めるが、それでもまだ納得出来ないのか自分を捕まえているキサカの手を振り切ろうとして暴れる。そんなカガリの様子を見ながら、俺の知ってる事実を口にする。

 

「核エネルギーを持っている、持っていないに関わらず……後一月もしないうちにこのオーブは連合軍に攻撃される事になる」




名前:アクセル・アルマー
LV:36
PP:165
格闘:254
射撃:274
技量:264
防御:264
回避:294
命中:314
SP:446
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:288

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