転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2119話

 アムロ・レイ。

 恐らく……いや、ほぼ間違いなくこのUC世界の主人公だろう人物。

 俺が微かに覚えている記憶によれば、小惑星を落とそうとしていたシャアと戦っていた人物。

 ただし、今のアムロはまだ原作が始まっていない影響からか、全く主人公らしくはない。

 機械いじりが趣味という点では多少有名なようだったが、MSの操縦技術はまだ何も知らない素人だ。

 サイド7が連邦所属のコロニーで、サイド3からもっとも遠い場所にあるコロニーである以上、MSに乗る機会などないんだろうが。

 もしくはニュータイプとして有名……という事も、少なくても以前はなかった。

 セイラは俺との接触によって、かなり高レベルのニュータイプ……恐らくニュータイプレベル7とか8くらいまで一気に覚醒したと思われるが、アムロは俺と触れるや否や、恐怖の叫びを上げて逃げてしまった。

 それこそ、トラウマを与えたのではないかと思える程の。

 結局あれでニュータイプに覚醒したのかどうかはまだ分からないが、主人公であり、能力的にもかなり高い人物である以上、当然のようにこっちに引き込みたい。

 だが、そんなトラウマを与えたのだろう俺が行くのもどうかと思うので、取り合えず余っている人手……ラル隊から何人かと、人当たりの良さからキャメロン姉妹の妹の方、メリルを送る事になった。

 ちなみにルルーとメリルの2人は、一応まだジオン軍の軍籍は持っている。

 ただし、シーマが色々と裏で糸を引いてシーマ艦隊関係の仕事をしている、という事になっているらしいが。

 普通ならルルーのような優秀な人材にそんな仕事をさせたりはしないのだろうが、出向先が嫌われ者のシーマ艦隊という事で、特に問題なく……寧ろ嬉々としてザビ家派の者達が許可したらしい。

 まぁ、ルルー達はこのエデンに出入りしている関係もあって、エデンを見張っているキシリア機関の人間がルルー達を放っておく事で、何らかの尻尾を出さないかという期待もあったのだろうが。

 ともあれ、メリルとラル隊の何人かをサイド7まで送った俺が出来るのは、後はメリルが上手い具合にアムロと接触して、何とかこっちに引き込んでくれることを祈るだけだ。

 そうして緊急でやるべき事がなくなった俺は、現在のところズム・シティで適当に暮らしていた。

 勿論、ラルやルルー達はダイクン派に色々と連絡を取っているのだが、キシリア機関が見張っている状況で公に動ける筈もない。

 いっそ、エデンを見張っているキシリア機関の人間を処理した方がいいのではないか? と思わないでもなかったが、それはラル達に止められている。

 まだ見張っているだけという状態である以上、キシリア機関にもラル達が何かを企んでいる決定的な証拠の類を得た訳ではないという証明でもあるらしい。

 ……ただ、疑惑が深まってきたのは間違いなく、最近ではキシリア機関以外の諜報員と思しき者達の姿も何人かいる。

 一応キシリア機関ではなく、ジオン軍としての情報部に関してはタチが色々と誤魔化しているという話だったが……それも限界に近づいてきているといったところか。

 そうなると、ルナ・ジオンの建国は少し前倒しにした方がいいのかもしれないな。

 キシリア機関よりも人混みに紛れるのが下手な諜報員に視線を向けながら、俺はエデンに降りていく。

 俺の見掛けが見掛けなので、時々この裏路地に入ろうとした俺を止めようとしてくる大人の姿もあったが……まぁ、それはそれ、これはこれって奴だろう。

 エデンではラル隊の人員が見張りをしていたが、俺を見ても特に咎めるような事はないままに、店の中に通す。

 これが、もし何も知らない客であれば、その迫力で追い返したりするんだろうけどな。

 エデンの中に入れば、そこには珍しくラルとハモンの姿はなく、セイラとルルー、凛の3人と護衛としてかラル隊が何人かだけしかいない。

 

「どうしたんだ、これ。ラル達は?」

「ダグラス大佐と連絡が取れたとかで、急いで出ていきました」

 

 俺の言葉にルルーがそう答える。

 

「急用なら、俺に連絡を入れてもよかったんじゃないか? 何かあった時に護衛は必要だろうし」

 

 この場合の連絡というのは、当然ながらジオン軍で使われている無線機とかそういうのではない。

 シャドウミラーの技術で作られた、ゲートを使った通信装置の事だ。

 ゲートを使った通信装置である関係上、システムXNやフォールド通信の技術を流用しており、盗聴とかをするのはまず不可能だし、それこそ異世界との間でも通信が可能という優れものだ。

 ただ、立体映像とかそういうのはUC世界でもあまり発達してないので、普通の通信機の振りをする必要はあるが。

 ともあれ、そんな通信機を持っているのだから、ラルが俺に連絡を出来ないという事はなかった筈なんだが……

 

「相手の顔は知ってるから、特に護衛は問題ないって事らしいわよ? まぁ、それでもラル隊の人達は何人か連れていったみたいだけど」

 

 紅茶の味が不満なのか、少しだけ面白くなさそうに凛が呟く。

 サイド3で入手出来る茶葉なんて……というか、茶葉を入手出来ただけでも儲けものって感じだろうに。

 それこそザビ家辺りであれば、高級な茶葉をどこからともなく入手出来たりもするんだろうが。

 

「ラルはセイラを重要な人物と見ているのはいいけど、ラル自身も重要な人物だという認識が足りないんだよな」

 

 現在明確にセイラの味方と言ってもいいのは、ラル隊とシーマ艦隊だけだ。

 このうち、純粋な戦力という意味ではシーマの海兵隊の方が上だが、青い巨星という異名を持つという事を考えると、どうしてもラル隊が主力という扱いになる。

 また、ダイクン派の重鎮という意味でもラルは強い影響力もあるのだから、ラルには誰か付けておきたいというのが正直なところだ。

 誰か、ラルと一緒に活動出来る奴を呼ぶか?

 ぶっちゃけ、UC世界の人間相手なら量産型Wでも何とか出来ると思うんだが、ヘルメットを被っていなければならないというのはな。

 五飛は……まだ実力不足だし、ムラタ辺りでも……駄目だな。日本刀がなくてもムラタは戦えるが、本人が日本刀に対して強い拘りを持っている。

 となると、ネギま世界……ああ、円と美砂を呼ぶか。

 また女が増えるとか言われそうだけど、生身でも十分以上の強さを持っていて、ある程度余裕があるメンバーとなれば、円と美砂だ。

 建国宣言が行われれば、円と美砂はシロガネとかのオペレーターとして働く事にはなるんだが。

 

「凛、円と美砂をこっちに連れて来て、ラルとかセイラの護衛にしたいと思うんだけど、どう思う?」

「あの2人を? ……まぁ、今は特に何か忙しい訳でもないし、いいんじゃないかしら。けど、同じ女という事でセイラはいいけど、ラルの方は納得すると思う? 傍から見たら、愛人を侍らせているヒモに見えるわよ?」

 

 その凛の言葉に、思わず納得してしまう。

 実際、俺がこのエデンに来るまでは、ラルはずっとこの店で酒を飲んでいたのだ。

 ラルも生活する上では当然金を稼ぐ必要があり……ラル家の財産が残っていたのか、もしくはハモンのヒモしていたのかは分からないが、何となく後者のイメージが強い。

 とはいえ、ラルはプライドが高い以上、ヒモという職業――と表現してもいいのかどうかは微妙だが――で満足しているとは思っていないが。

 

「ちょっと待って下さい。ラル大尉はともかく、姫様の護衛は私が……」

「無理だろ。いや、ルルーを馬鹿にしてる訳じゃなくて、そもそもこの世界の人間とシャドウミラーの人間だと、どうしても基本的な部分で強さが違ってくる。この前ホワイトスターに行った時、シャドウミラーの実力を……いや見る機会がなかったのか」

 

 考えてみれば、セイラも俺の記憶でシャドウミラーの面々が生身でどれくらい戦えるのかというのは分かっていても、実際に自分の目で確認した事はなかったか。

 と、そこまで考え……酒場で紅茶を楽しむという、奇妙な真似をしている凛に視線を向ける。

 

「凛がガンドを撃った光景は見た事があったよな?」

「……ええ、それはまぁ」

 

 気軽に使えるからか、凛は頭にくるとガンドを撃つ事が多かったりする。

 もっとも、撃つ相手は選んでいるので、大抵その被害者は俺なんだが。

 

「シャドウミラーのメンバーは、あのガンドを生身でどうにかする事が出来るし、この世界の軍人ならそれこそ数十人が完全武装して向かってきても、どうにか出来るだけの実力がある」

 

 MSとかに乗ってこられると、ちょっと怪しかったりもするのだが……相手が生身であれば、間違いなくどうとでもなる。

 だが、ルルーはそんな俺の言葉を完全に信じる事は出来ないらしい。

 話を聞いただけで、全員がそれだけの力を持っていると納得する方がおかしいのだろうが。

 

「まぁ、いずれ何かあったらその力を見せてやれるとは思う。ともあれ、あの2人が特に忙しくないのなら、呼んでもいいか」

 

 そうして色々と雑談をしながら、俺は空間倉庫から取り出したお茶を飲む。

 お茶はお茶でも、凛が飲んでいる紅茶ではなく冷たい緑茶のペットボトルだが。

 

「そう言えば、ルルー達はセイラに協力してるけど、両親とかはどうしたんだ? 下手にセイラに……いや、この場合はラルにか。ラルに協力しているのを知られたら、色々と不味いんじゃないか?」

 

 ただでさえダイクン派は弾圧されているところで、ダイクン派の中ではもっとも中心的なのがラル家だ。

 ラル家そのものは既に潰されているが、それでもラルが妙な真似をしないのかといった具合に監視している者は多い。

 それこそ、キシリア機関とか、それ以外にも幾つかの情報機関とかな。

 そんな連中に目を付けられれば、ルルー達の両親も危ないのではないか。

 そう思っての問い掛けだったのだが、ルルーは俺の言葉に首を横に振る。

 

「もう、既に父はなくなっていますし、母はラル大尉に誰にも見つからない場所に匿って貰ってますので」

 

 ルルーの瞳に一瞬だけ強い感情が宿った。

 その感情が憎悪とかそういうマイナスの感情ではなかったのは、安心するべきか。

 にしても、ラルは随分と水臭いな。

 人を匿うという事であれば、それこそホワイトスターに匿えば、絶対にザビ家には見つからない。

 勿論、ラルは色々と広いコネを持っているのは分かるし、俺が住んでいる家のようにセーフティハウスと呼ぶべき場所があるのも理解はしている。

 だが、安全を最優先にするのなら、ホワイトスターが最良の選択だと思うんだが。

 

「何なら、お前の母親をホワイトスターに匿ってもいいけど、どうする?」

「いえ、結構です。母もそれを望むとは思いませんし」

 

 少しは悩むかと思ったんだが、予想以上にきっぱりと断られたな。

 この辺りの決断力は、大尉だけある。

 

「そうか。なら……」

 

 そうして言葉を続けようとしたのだが、それを遮るようにして通信機が着信を知らせる。

 その通信機の音に、エデンにいる全員――ラル隊も含めて――の視線を向けられながら、通信機を取り出す。

 誰だ? と、最初はそう思ったのだが……

 

『アクセルか、すまないが少し手を貸して欲しい』

 

 通信機から聞こえてきたのは、予想外な事にラルの声だった。

 俺に手を貸して欲しいという事は、ザビ家にセイラの件を知られでもしたのか?

 一瞬そう思うが、それならもうエデンに諜報部の者達が突入してきてもおかしくはない。

 

「何があった? 取りあえずザビ家が何か仕掛けてきた……って訳じゃなさそうだけど」

 

 俺の口から出た言葉に、他の面々……特にラル隊の者達が安堵する。

 ラルからの緊急の連絡という事で、もしかしたらという思いもあったのだろう。

 取りあえず緊急の危険はない事に安堵した面々を見ながら、改めてラルの話を窺う。

 いっそ映像を出しての通信にしようかと思ったのだが、万が一何も知らない奴に見られたら色々と危険だというのは間違いないので、そのような真似をする事も出来ない。

 

『今日、儂がダグラス大佐と会う事になっていたのは知っているか?』

「ああ、聞いている」

 

 もしかして、そのダグラスという人物がラルを何らかの罠に嵌めたのか?

 一瞬そうも思ったが、ラルの声音を聞く限りではそんな様子はないらしい。

 

『ダグラス大佐から、相談を受けた。それの解決に手を貸して貰えれば、例の件にも協力してくれると確約してくれた。それどころか、部隊丸ごと仲間に出来る可能性が高い』

 

 例の件と話を誤魔化したのは、セイラの名前を口にしたり、ルナ・ジオンという名称を口にしない方がいいと判断した為だろう。

 ダグラス大佐以外に部隊そのものも引き込める、か。

 となると……それをどうにかした方がいいのは間違いないな。

 

「分かった。これからすぐにそっちに行くから、どこか分かりやすい目印を教えてくれ」




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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