転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2132話

 ニーズヘッグの尻尾の件が解決した後、俺は早速魔法球を出る。

 本来なら魔法球の中で48時間が外での1時間である以上、もう少しゆっくりしてもよかったんだが……レモンとマリュー、それに技術班の面々も忙しく、現状では特に俺にとって何か出来る事もなかったし、夜の行為をするとレモンとマリューの2人だけで俺の相手をした場合、翌日――魔法球の中でだが――に差し支えがあるという事で、こうして大人しく出て来たのだ。

 そうして、UC世界に戻る前に適当に見て回ろうと思っていたのだが……

 

「ああああああああっ! ちょっと、アクセル! あんた、私に勝手に仕事を押しつけないでよね!」

 

 交流区画を見て回っていた俺にそう声を掛けてきたのは、明日菜だ。

 その近くには、メイやケンの娘、それ以外にも外人部隊に関わっていた者達の娘や妹、妻、恋人……といったように、女達が勢揃いしている。

 普段なら、こういう時は男が荷物持ちとして一緒にいるんだが……幸い、バッタがしっかりと用意されており、ケン達は荷物持ちとして引っ張ってこられるような事はなかったらしい。

 

「明日菜、そう言えばどうしたんだ? 買い物か?」

「そうよ。この人達が普段使う物とか色々と持って来たけど、やっぱりいきなりだったから、色々と足りない物があったりするのよ」

「あー……なるほど。まぁ、急だったからな」

 

 明日菜の言う通り、人質になっていた者達は纏めてホワイトスターにやって来たのだ。

 住んでいた場所にあった物はその殆どを持ってきたが、生活する上で足りない物があってもおかしくはないだろう。

 

「そんな訳で、こうして皆を交流区画に連れて来たのよ。……色々と驚いてるみたいだけど」

 

 その言葉は事実だった。

 エルフ達や、魔法の杖を持ち歩いている者……それどころか、魔法を使っている者すらいる。

 そうなれば、当然のように色々と気になる者達がいる訳で……サイド3に暮らしていても、ファンタジーに興味のある連中はやっぱりいるんだな。

 あ、いや。元々はコロニー公社の人間だから、別にそうであってもおかしくはないのか?

 

「理由は分かった。この連中は多分1ヶ月くらい……場合によってはもう少しホワイトスターにいると思うから、色々と眼を掛けてやってくれ」

「あのねぇ。こっちだって仕事があるのよ?」

「あー……それは分かってるんだけどな」

 

 明日菜の場合、特に決まった部署で働いている訳ではない。

 基本的には生活班で働いているが、どこかの部署で人が足りなくなったりしたら、それを助けているといった形だ。……まぁ、政治班とかでは、仕事がないが。

 明日菜は身体能力が高いんだけど、頭を使う仕事が苦手だからな。

 それでもバカレンジャーからは卒業したんだから、明日菜も学生時代には勉強を頑張ったんだろうが。

 

「この連中の件は、UC世界でシャドウミラーが活動している件にも色々と関わってきてるから、よろしく頼む」

「はぁ……しょうがないわね」

 

 やがて俺の言葉に、不承不承ながらも明日菜が頷く。

 明日菜も、UC世界は今までの世界と色々と違うという事を理解しているのだろう。

 長期間使う為の拠点として国を建国するのだから、それは当然かもしれないが。

 

「悪いな、頼むよ」

「いいわよ、アクセルの頼みなんだから。……それより無理な頼みを聞くんだから、今度どこか美味しいお店に連れてってくれない?」

「そうだな。俺が知ってる限りだとペルソナ世界に結構美味い店があったけど……そこでいいか?」

「ええ、楽しみにしてるわ」

「ねぇねぇ」

 

 俺と明日菜の会話に、突然メイが割り込んでくる。

 いやまぁ、元々一緒にいたんだから、それを考えると話し掛けてくるのも別におかしな話ではないのかもしれないが。

 

「何だ?」

「明日菜さんとアクセルって……その、もしかして付き合ってるの」

「なぁっ!? そっ、そそそそそそそ、そんな訳ないじゃない! こんな女好きの、女好きの、女好きとなんて!」

「……お前が俺をどう思っているのかは、よく分かった」

 

 レモン達を含めて恋人が10人を超えている現状では、女好きと言われても何とも言い返すような事は出来ないが。

 

「アクセルって女好きなの? ……はっ!? もしかして……」

 

 自分も狙っているのでは?

 そんな態度を取るメイを見て……続いてその平らな胸を見て……ふんっ、と鼻で笑う。

 

「なぁっ!? アクセル、今、鼻で笑ったわよね!? どこを見て笑ったの!? ちょっと!」

 

 メイが抗議の声を上げてくるが、それはスルーしておく。

 

「俺はそろそろUC世界に戻るから、明日菜はこの連中の面倒を頼む。馬鹿な真似をするような事はないと思うけど、妙なトラブルに巻き込まれたりといった事はしそうだしな」

 

 そう告げると、明日菜は少しだけ驚いたように口を開く。

 

「え? もう行っちゃうの?」

「何だ? 寂しいのか?」

「ばっ、馬鹿! そんな訳ないじゃない! べ、別に私はそんな……」

「冗談だよ、冗談。……ともあれ、今はサイド3の方で色々と動く必要があるからな。どうしても、こっちでゆっくりしてる訳にはいかないんだよ」

 

 そう、と。明日菜は俺の言葉に納得したように頷く。

 明日菜にとっても、女同士の買い物に男が一緒にいるよりは、いない方がいいだろう。

 そう考え、俺は明日菜と別行動を取る。

 若干明日菜が残念そうにしていたような気がしたが、恐らくそれは気のせいだ。

 その後も色々と買い物をしたりしてから、俺は転移区画でUC世界に戻るのだった。

 

 

 

 

 

「ムウ少尉……いや、アクセルだったな。ケン達はどうだった?」

 

 ズム・シティのエデンに戻ってきた俺を迎えたのは、いつもの面子……だけではなく、ダグラスの姿もあった。

 

「無事に避難を完了したよ。ちょうどこっちに来る前に見た感じだと、色々と普段使う物で足りない物を買い物していた」

 

 その言葉に、ダグラスは安堵した様子でグラスに入っていた酒を飲む。

 

「取りあえず、安心出来たな」

「そうか。それで、お前はこれからどうするんだ? ケン達を脱走させた以上、当然ダグラスもこのままって訳にはいかないだろ。……情報はジェーン経由で?」

 

 そう言いながら、ハモンと話をしているジェーンに視線を向ける。

 ジェーンもまた、ザビ家を切り捨てて、現在はこっちの味方をしてくれていた。

 キシリア機関の人間だっただけに、色々と情報を得る手段はある筈だ。

 ……もっとも、ダグラスの裏切りが知られれば、すぐにキシリア機関からも切り離される可能性が高いが。

 

「そうなる。ただ、こちらもそうそう信用しない方がいいだろう。向こうもこちらを怪しんでいる筈だ」

「……なら、最初からもうキシリア機関に接触させない方がいいんじゃないか? 向こうが何を考えているのかは分からないが、いざって時の事を考えると、色々と面倒な事になりそうだし」

 

 ジェーンという人物は、聞いた限りではかなりの万能な能力を持っている。

 ルナ・ジオンという国を建国するにおいて、ジェーンという人物はシャドウミラーでいう政治班的な役割を期待出来る。

 勿論、他にもその手の仕事を任せる連中はいる。

 それこそ、最近セイラのおつきをやっているルルーや、その妹のメリルなんかは、セイラ曰く優先的にそちらの仕事を回すつもりらしいし。

 

「今までは軍人的な連中を中心に集めてきたけど、そろそろ政治的な人物も集めないといけないな」

 

 ラル隊、シーマ艦隊、闇夜のフェンリル隊……はまだ確約を貰ってないか。

 それ以外にもダグラスの外人部隊、黒い三連星、ガトーの小隊。

 どれもが一級品の戦力と言ってもいいが、それはあくまでも軍人達だ。

 国を守る戦力としては、間違いなく有用な面々だろう。

 ましてや、ルナ・ジオンを作るのは月の北極だ。

 キシリア率いる突撃機動軍が本拠地としているグラナダは当然のように月にあるし、ジオンの本拠地たるサイド3も月のすぐ側――あくまでも他のコロニーと比べてだが――にある。

 そんな状況で建国宣言をすれば、当然のように真っ先にジオンと戦いになるのは間違いない。

 勿論こっちからもメギロートやシャドウといった戦力を出撃させるが、やはりMSパイロットも必要なのだ。

 また、ルナ・ジオンを建国してジオンを相手に力で認められても、まだ連邦がいる。

 地球そのもの……いや、この戦争において連邦に所属しているコロニーの事も考えれば、その国力差はジオンの30倍以上ともなる相手。

 それだけ巨大な国であれば、当然のように様々な考えを持っている者もいるだろう。

 中にはルナ・ジオンと……そして背後にいるシャドウミラーと友好的な関係を育みたいと思う者もいれば、スペースノイド差別主義者といった者もいるだろうし、それ以外にも様々な者達がいるのは間違いない。

 そんな中で、強硬派を相手にする事を考えれば、やはり戦力は必須なのだ。

 だが……問題なのは、やはりジオンの独立戦争が終わった後の話だろう。

 そっちが一段落すれば、ルナ・ジオンの軍事力もある程度は縮小する事になる……と、思う。

 ああ、でも連邦がルナ・ジオンを認めずに戦争を続けるような真似をすれば、戦いはまだ続く可能性があるのか。

 ともあれ、その場合はその場合として。

 とにかく戦争が終われば、必要となってくるのは戦力よりも政治力だ。

 戦争は政治の1つの側面である以上、どうしても政治の方が必要となってくる。

 そういう面では、どうしてもルナ・ジオンを立ち上げる上でそっち方面の人間が少ないんだよな。

 ラルが接触しようとしつつ、まだ接触出来ていないのは、アンリだったか。生粋のダイクン派でありながら、首都防衛隊を率いるだけの地位にいる人物。

 この人物なら、軍人でありながら政治も出来るだろう。

 シーマも……海兵隊を運営してきた経験から考えると、政治は出来るか?

 それ以外に政治が出来る面子というと、ルナ・ジオンの建国に際してやってくる者の中から選ぶしかない。

 とはいえ、ダイクン派の中には政治家として働ける者も多いという話だし、そこまで絶望的という訳ではない……と、そう思いたい。

 

「政治家か。……ダグラスの知り合いで、そういう奴はいないのか?」

「うーむ、難しいな。政治家も出来るという意味では何人かいるが……」

「何人かだけでも、助かるのは間違いないだろ。ルナ・ジオンを建国するにしても、政治を司る面子が少なすぎる」

「だが……アクセル」

 

 そう声を掛けてきたのは、ラルだ。

 ラルにとって、セイラの率いるルナ・ジオンというのは絶対に成功させる必要がある、それこそ生涯の目標と言っても言いすぎではない行動だけに、俺とダグラスの会話に興味を持ったのだろう。

 

「ルナ・ジオンよりも遙かに規模の大きなシャドウミラーでは、政治班と呼ばれている者達は、それこそ10人に満たないと聞いたが?」

「そうだな。それは間違いない。ただ、シャドウミラーの政治班は他の国の者達と比べるとかなり違うからな」

 

 人数が少ないのは間違いない。

 それこそ、現在政治班として働いているのは、エザリア、レオン、あやか、千鶴、凛、エリナの6人のみだ。

 ペルソナ世界でゆかりが月光館学園を卒業したら、政治班に入る可能性はあるが……どのみち、すぐという訳にはいかない。

 それでも現在その状況でどうにかシャドウミラーを回せているのは、魔法球という存在があるからこそだ。

 もし魔法球がなければ、恐らく政治班の面々は過労死していただろう。

 だが、魔法球があれば、外の1時間で48時間。30分で24時間、15分で12時間……といった具合に、ゆっくりと休むことが出来る。

 それこそ幾ら忙しくても、15分や30分程度の休みは容易にとる事が出来て、魔法球に入ればゆっくりと休む事が出来る。

 ……時の指輪やその受信機があるからこそ可能な荒技だったが、逆に言えばそのような荒技を使わない限りは、今の規模の政治班でシャドウミラーを回す事は出来ない。

 ただ……一応、ルナ・ジオンに対して提供出来る存在はあったな。

 

「量産型Wとかなら、貸し出しも可能だぞ。自分だけで判断するような真似は出来ないが、単純な書類の整理とか分別とか、誰でも出来るような仕事なら量産型Wは得意だし」

 

 寧ろ普通の人間がケアレスミスをするのに対して、量産型Wにはそのような心配がいらない。

 そういう意味では、量産型Wは事務員として非常に優れている。

 もっとも、欠点がない訳ではない。

 あくまでも量産型Wは、シャドウミラーの所属となる。

 つまり、量産型Wが処理した書類の内容については、シャドウミラーにダダ漏れとなる事を意味している。

 ……まぁ、ルナ・ジオンはシャドウミラーの保護国という扱いになる予定なので、そこまで問題はないと思うのだが……それは、あくまでも今のうちの話だ。

 将来的にはきちんと事務員を雇うなり育てるなりして、政治に関わる者を充実させる必要はあるだろう。

 その辺りの事も説明すると、ラルは少し考え……姫様に相談してみると、そう告げるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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