○月×日
アクセル隊長がトンデモ人間だった事が判明。元々人間離れした身体能力を持っていたが、まさか特殊能力という意味でも人間離れしていたとは思わなかった。
ギャンランド諸共に次元の狭間に呑み込まれた俺達シャドウミラーだったが、アクセル隊長がパクっていたホワイトスターを提供してくれたおかげで生き残る事が出来た。……でも、直径40kmの衛星基地を格納できる異空間って……解剖、もとい解明したい。
取りあえず、このホワイトスターに滞在する事になったので記念的な意味でもこれから日記を書く事にする。
○月×日
ホワイトスターの調査を行う。非常に興味深い。特に元素変換をしていると思われるキブツや、動力区画で使われていると思われるズフィルード・クリスタルは是非調査をしてみたい。明日レモン様に上申してみようと思う。
○月×日
キブツとズフィルード・クリスタルの調査はどちらも却下されてしまった。どちらも危険だという理由でだ。
科学に生涯を捧げた身なのだから多少の危険は覚悟の上なのに。
○月×日
取りあえず大まかな調査は大体終了。もちろんあくまでも大まかな調査であり、詳細な調査はしていない。
どうやら近いうちにアクセル隊長がリュケイオスで転移実験をするらしい。
対レモン様用最終兵器のアクセル隊長がいなくなるというのは少し不安ではある。
○月×日
アクセル隊長が転移実験を成功させる。
レモン様の指示の下、機動兵器生産プラントの調査をした。メギロートの上位機種と思われる機体の生産プラント用部品を流用する事により、生産されるメギロートの性能を高める事に成功。その功績を認められてキブツの調査に同行させて貰える事になった。
○月×日
リュケイオスとアギュイエウスを繋ぐリンクシステムに不具合を発見。余剰出力の計算を間違えていたせいだ。計算ミスをした馬鹿は取りあえずお仕置きという事でキブツの調査の際に留守番する事に。俺じゃなくて良かった。
○月×日
キブツの調査をする。やはりどう考えても元素変換をしているとしか思えない結果が出た。この機能があれば理論上ホワイトスターは完全な自給自足が出来ると思う。
……いや、メギロートが次元の狭間に流れている岩やら何やらを回収してきて、それを使って元素変換をしているという事は自給自足とは言わないのか？
○月×日
同志達と共に秘密裏にズフィルード・クリスタルの調査をしてみようとした所、どこからともなくW16が現れた。もちろん技術者である俺達がW16から逃げ切れる訳もなく捕獲された。
その後、レモン様に威圧感たっぷりに説教される。
そうだな、研究するにしても周囲を巻き込むなんて3流の技術者のする事だよな。
……決してレモン様が怖いから態度を改めた訳ではない事をここに強調しておく。
○月×日
リンク装置の調整がようやく完了した。あの馬鹿のせいで一から作り直す事になってしまった為に時間がかかったのだ。明日、それを持ってW16がアクセル隊長の後を追うらしい。
○月×日
アクセル隊長帰還。いい笑顔をしたレモン様にどこかへと連れて行かれた。
……一応この部隊の指揮官はアクセル隊長の筈なんだけど、完全に尻に敷かれてるな。
○月×日
アクセル隊長が再びあちらの世界に転移したがその日のうちに戻ってきた。
……怪我をした女を抱きかかえて。
その女の事をW16……いや、これからはエキドナと呼称するように言われたので以後エキドナとするが、そのエキドナから聞かされたレモン様の笑顔は忘れたくても忘れられない。同僚の中でも夢に出てきて飛び起きたという奴が何人かいた。……あのレモン様を恋人にするんだからアクセル隊長ってやっぱり凄いよな。
そして連れてこられた女が皆の見ている前で堂々とアクセル隊長にキスをしていた。……レモン様の方を見たくても見れない。
○月×日
昨日アクセル隊長が連れてきた女だが、転移先にある大国の皇女だったらしい。
レモン様といい、昨日の女といい、アクセル隊長の趣味は分からん。
いや、レモン様は魅力的という事には全く異論が無い旨をここに明言しておく。
○月×日
なんだかんだでアクセル隊長がレモン様とコーネリアさんの2人と付き合う事になったようだ。
ちなみにコーネリアさんはシャドウミラーの前線指揮官として入隊する事になった。最初は皇女という事もあってコーネリア様と呼ばれていたんだが、『私はアクセルの女としてここにいるので様付けはやめてくれ』との事でコーネリアさんと呼ぶ事に決まった。……レモン様との恋の鞘当てはアレだが、それを抜かせばいい人かもしれない。
○月×日
再度転移実験を行う。実験開始前にレモン様とコーネリアさんの2人とキスをしていたが羨ましくはない。そう、俺にはズフィルード・クリスタルがある！ ……あ、くそっ、またエキドナが来た。散れ、散れ！
○月×日
ズフィルード・クリスタルの研究をした罰としてこれから一週間リュケイオスの担当となった。リュケイオスの担当とは言っても、転移しているのはアクセル隊長だけなので暇極まりない……と思ったら、アクセル隊長から通信が。今回は早いですね。
コーネリアさんの世界の時とは違い、こっちでは1日だったけど向こうでは4ヶ月近く経っていたらしい。
どうやらどこかの国と何らかの交渉をするようだが……未知の技術がある事を期待する。
それとレモン様とコーネリアさんに引っ張られていったアクセル隊長に敬礼！
○月×日
昼近くなると、アクセル隊長が慌てた様子でやってきた。これから約束があるのに寝過ごしたらしい。
……と言うか、あの様子じゃ恋人2人と『昨夜はお楽しみでしたね』状態だったんだろうな。ここまで来ると昼メロを見ているようで逆に興味深い。あの3人は遠くから見ている分には格好の娯楽ではないだろうか。
その後、色々あって交渉は上手く纏まったようだがアクセル隊長達が戻ってきた時には1人増えていた。茶色いロングヘアーの優しそうな人だ。この人がアクセル隊長の新しい恋人らしい。4ヶ月でまた恋人を増やすって、アクセル隊長……
ともかく、この状況は昼メロ的展開であるのは間違いないので同僚に情報を流してやる。大反響だった。
一応交渉が纏まれば俺達技術班も向こうの世界に行く事が出来るらしいので、俺もアクセル隊長に負けないように恋人を探そう。