転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2150話

 フォン・ブラウンもそうだが、グラナダも当然のように基本的には地下都市といった具合になっている。

 だが、宇宙港がそうであったように、何かあったらすぐに月の外へと出撃が可能なようにするというのは、軍人としては当然の事だろう。

 もし連邦軍がグラナダに攻めてきた時、軍事基地が地下施設にあったので思うようにMSが出撃出来ず、ろくに戦えませんでした。

 そんな事になったら、それこそ軍人としては恥晒しだ。

 だからこそ、グラナダに何かあった時にでもすぐ対応出来るように、この外側の位置に基地を建設するのは当然だった。

 いや、基地だけではない。グラナダの持つ工場の多くがグラナダという都市の中でも一番上の階層に作られているのだ。

 そんな訳で、宇宙港を出た俺はジオン軍以外の工場を眺めつつ、軍事基地に向かう。

 グラナダのどこにジオン軍の基地が……突撃機動軍の本拠地があるのかというのは前もって調べてある。

 ……当然のように、MSを運用し、ムサイ級、ザンジバル級、チベ級といったような軍艦も運用するとなると、突撃機動軍の擁する基地はかなりの規模となる。

 とはいえ、その基地が有する戦力の多くは、既に俺が破壊してしまっているのだが。

 それでも死人は出ていない筈なので、その辺りは感謝して欲しい。

 そんな風に思いながら移動していたニーズヘッグを、俺は横に動かす。

 すると、一瞬前までニーズヘッグのあった場所を、弾丸が貫いていった。

 どうやら、まだ戦力が残っていたらしい。

 さて、こんな状況でまだ抵抗してくるのは、一体どんな連中だ?

 幾ら何でも、既に戦力は相当数減っている筈だ。

 にも関わらず向かってくるというのなら、それはある意味で自殺行為にしかならない訳だが……それを理解した上で攻めてきている以上、いわゆる不退転の決意って奴に近いのだろう。

 だが、そんな攻撃がニーズヘッグに命中する筈がないし、もし仮に……本当の仮にではあるが、ニーズヘッグに命中したとしても、ニーズヘッグはEフィールド、G・テリトリー、念動フィールド、そしてT-LINKフレームのPS装甲によってかなり強いバリアを何重にも展開している。……T-LINKフレームはバリアじゃなくて素の装甲なのだが。

 ともあれ、そんな風に考えつつも狙撃してきた方に向かって移動する。

 そんな中で俺が見たのは、61式戦車だった。

 61式戦車。それは、本来なら連邦軍が主力としている戦車で、かなり高性能な戦車だ。

 それがグラナダにあるのは疑問だが、恐らく鹵獲品とかそういうのだろう。

 独立戦争が始まってから、連邦軍は連戦連敗。であれば、ジオン軍が連邦軍の兵器を鹵獲しても不思議ではなかった。

 主砲の砲門が2門あるのが最大の特徴で、その辺は俺が知ってる戦車と比べてもちょっと……いや、かなり珍しい。

 ちょっと技術班のお土産に欲しいと思うくらいには。

 とはいえ、砲身が2つあるのって、微妙に使いにくそうな気が……まぁ、中に乗って攻撃するのなら、特に問題はないのか?

 そんな風に思いつつも、ニーズヘッグの動きを止めないままに61式戦車に近づいていく。

 当然向こうは近づいてくるニーズヘッグに向かって攻撃をしてくるが、俺はそれをあっけなく回避する。

 ああ、でも……そうだな。バリア系の能力を持っているというのを教える意味でも、普通に攻撃を受けた方がいいのか?

 そんな風に考え……生中継をしている映像を見ている者達にシャドウミラーの力を見せるという意味では、そうした方がいいだろうと判断し……俺は、61式戦車の攻撃を回避するのを止める。

 真っ直ぐに自分達に向かってくるニーズヘッグに、次々と攻撃を行う61式戦車。

 当然のようにその砲弾は真っ直ぐニーズヘッグに向かってきて……次の瞬間、Eフィールドに弾かれる。

 当然と言えば当然の結果だったが、61式戦車の砲弾はバリアの中でも一番外側に展開されているEフィールドすら破る事が出来なかったらしい。

 その光景が信じられなかったのか、一瞬61式戦車の動きが止まる。

 だが、当然のように向こうの動きが止まっても、ニーズヘッグの動きは止まらない。

 真っ直ぐ自分達の方に向かってくる……それも先程までと違って一切回避行動を取らないニーズヘッグに向かって、次々に砲弾を撃ち込む。

 戦車を操っている者は、腕そのものは悪い訳ではないのだろう。

 放たれた砲弾は、次々にニーズヘッグに飛んでくる。

 だが……その砲弾の全てが、Eフィールドを抜けない。

 中にはそれで動揺した為か、ニーズヘッグに命中することもないまま、あらぬ方に砲弾が飛んでいき……どこの工場なのかは分からないが、その工場に着弾したりもしていた。

 ちっ、こっちはグラナダに被害を出さないようにしてるってのに、向こうは好き放題にやってくれる。

 しかも、その攻撃は一切ニーズヘッグに効果がない……というのが、何ともはや。

 このままだと無駄に被害が出るので、しょうがないか。

 

「ファントム!」

 

 ヒュドラから離れたファントムが、真っ直ぐ61式戦車に向かって突っ込んでいく。

 ただし、今回はビームやレーザーを撃つのではなく、ビームサーベルとして使う。

 飛んでいったファントムは、61式戦車の砲塔を切り裂き、戦車の主砲としては使い物にならなくする。

 そうして、数秒が経ち……61式戦車は、2門の砲門を全て切断され、とてもではないが戦車として使う事は出来なくなってしまった。

 戦車というのは、MSと違って手足がある訳じゃない。

 そうなると壊せるような場所もそう多くはなく、ビームサーベルやヒートロッド、エナジーウィング等を使って破壊するには、かなり気を遣う必要がある。

 武器となるそれらが大きいのも、問題になる。

 それに比べると、ファントムのような小型の武器であれば取り回しがしやすいという事もあり、そこまでの心配はいらない。

 また、基地に設置されている高射砲の類も同様にファントムで破壊していく。

 拡散ビーム砲とかを使って一気に破壊したいところなんだが、この世界って何気にああいうのの中に人が入ってたりするんだよな。

 ああ、でもミノフスキー粒子があるから、無線での遠隔操作は出来ないのか。

 それでも有線でどうにか……コストの問題か。

 それに有線でやるとなると、それこそ地面に埋めたりとかする必要があるだろうけど、グラナダを含めて月面都市は地下に広がっていくのが普通だ。

 それを考えれば、地中にケーブルの類を埋めるというのは難しいか。

 ともあれ、そんな理由で俺は基地の外に出ている兵器の類を次々と破壊していき……やがて、基地の上空を飛ぶニーズヘッグに攻撃出来る存在はいなくなった。

 空中にいる俺に攻撃をしてこないというのは、降伏すると考えてもいいのか……もしくは、基地内部で攻撃するのか。

 ともあれ、グラナダにある基地に着地する。

 レーダーの類を使うまでもなく、周囲に人が大量にいるのは理解出来る。

 ただ、その連中の殆どからは殺気も敵意も感じられない。

 いや、一応敵意の類は感じるが、それは……そう、言ってみればもう自分達にはどうしようもない、何故こんな真似をするんだといった、負け犬の如き敵意に近い。

 ……まぁ、メギロートやバッタが中継している映像を見れば、ニーズヘッグ1機だけで、どれだけの被害を突撃機動軍に出したのかは明らかだ。

 黒い三連星やシーマ艦隊のような精鋭達も、ルナ・ジオンに寝返ってるしな。

 勿論、他にもエースパイロットはいるのだろう。それこそ、グラナダの近くで俺の前に立ち塞がったニムバスのように。

 だが、幾らパイロットの腕が立っても、結局のところ機体の性能差は圧倒的だ。

 ましてや、俺だってパイロットとしての操縦技術に関しては、十分な程に自信がある。

 ……これが、MSを開発してからある程度時間が経っており、経験と技術がもっと進歩していれば、話は別だったんだが。

 ともあれ、今はこっちが圧倒的に有利な状態なので、予定通りに進めさせて貰おう。

 MS格納庫の中に入り……だが、そこにあった戦力は既に俺の迎撃に出されていたのか、何もない。

 いやまぁ、ザクマシンガンやザクバズーカといった武器はあるが、結局はそれだけでしかない。

 だが……それ以外に、俺が目的としていた物はきちんと存在していたので、文句はなかった。

 そう、それは格納庫の隅にあるコンピュータ。

 恐らくはMSの整備記録とか、それ以外にも整備をする上での在庫の管理や、他の部署との連絡用、それ以外にも様々な用途で使われているものだろう。

 俺が欲しかったのは、これなのだ。

 メギロートとバッタを引き連れたまま、俺はコンピュータに尻尾を伸ばす。

 その先端、かなり大きめの菱形になっている部分が展開し、その中に収納されていたウルドの糸が何本も、何十本も、何百本も姿を現す。

 ウルドの糸は、俺の意思通りにコンピュータに触れ……即座にハッキングを完了する。

 うわ、さすがルリとラピスの合作。

 技術班謹製のハッキングツールよりも断然早い。

 瞬く間に……それこそ一瞬と呼ぶに相応しい速度で、ウルドの糸はハッキングを完了した。

 ジオン軍にも色々とその道の専門家はいたようだったが、生憎とルリやラピスに勝てるだけの実力はなかったらしい。

 そんな訳で、重要そうなデータを幾つか見つけ、それを保存しておく。

 これは、後々ジオン軍に対するカードになるかもしれないだけの切り札なので、後でエザリアやセイラ、ラルといった者達に渡せばいいだろう。

 エザリアの名前が入っているのは、この件ではシャドウミラーも絡んだ方も良いと判断した為だ。

 そんな風にデータを流し読みをしていると……不意にその映像モニタに映し出されているデータの流れを一度止める。

 そうして止めた俺の前に映っていたのは……2つの開発計画。

 その1つは、グラナダの前でニムバスが乗っていた機体で、高機動型ザクⅡ。MS-06R-1というらしい。

 いわゆる、F型、FS型、S型よりも高性能の機体を目指した機体らしい。

 とはいえ、陸戦の機能を完全に切り捨てる事により、宇宙戦闘に特化させて高性能さを求めた……やっぱり、地球の6分の1とはいえ、重力がある月面で使うのは向かなかったんじゃないか?

 基本的に武器そのものは従来のザクと変わらないとあるんだが……なら、ニムバスが使っていたヒートソードは何だったんだ?

 普通に考えれば、新型の武器として作られた試作品とか、そういう感じか?

 宇宙戦に特化した機体。……まぁ、ルナ・ツーやらサイド7やら、それ以外にも色々と連邦軍の基地がある以上、その辺りは必要になるのか?

 ただ、新型機を作るのなら、これからの主戦場は恐らく地球になるのだから、そちらで使える機体を優先した方がいいと思うんだがな。

 まぁ……幸いにも、ここにはまだ何機かR-1型があるらしいから、それは貰っていく事にして……次に、俺が目を通したデータは、やはりというか当然というか……MIP社が開発しているMAについてだった。

 しかも、このグラナダでは現在開発中のそのMAをベースにして、より高性能なMAを作ろうとしているらしい。

 ともあれ、UC世界で開発されているMAは、SEED世界の物とは大きく違う。

 それこそ、単体としてはMSよりも高性能な機体を目指しているらしい。

 悪くはない、悪くはないが……このMAはR-1型とは違って持っていくのは止めておいた方がいいか。

 ルナ・ジオンとシャドウミラーが現在接触しているのがMIP社だけに、ここでMIP社に被害を出すような真似をすれば、それは今後の関係に大きく悪影響を与える。

 今はまだジオンにいるようだが、この戦争が終わった後……MIP社は、出来ればルナ・ジオンに来て欲しい。

 兵器メーカーというのは、絶対に必要になるのだから。

 シャドウミラー側にとっても、この世界の技術という点では兵器メーカーという存在は大きな意味を持つ。

 また、基本的に人型機動兵器がメインのシャドウミラーだけに、非人型とでも呼ぶべきMAは、興味深い筈だった。

 そんな訳で、MAは奪っていくような真似はしないが……それでも、どのような機体を作っているのか確認するのは、この場合重要だろう。

 実物は持っていかないのだから、データだけは許容して貰いたい。

 そう思いつつ、MAのデータに目を通す。

 MA-05ビグロ。それがMAの名称だ。

 MAは勿論モビルアーマーだろうが、05って事は……他にも4機いるのか?

 いや、でもこうしてざっとデータを見ても出てこないとなると、他の4機は試作機か何かだった可能性もあるのか。

 そんな風に考えつつ、ビグロのデータを見ていくが……強大な推進力を利用した一撃離脱戦法を得意としているらしい。

 メガ粒子砲も装備しており、使いこなせればかなり強力な機体となりそうではあるが……このG、普通の人間には結構厳しいんじゃないだろうか。

 そんな風に考えつつ、俺はビグロのデータを眺めるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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