転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2183話

「アクセル代表、今日はよろしくお願いします。本来なら、セイラ様が行こうとなされていたのですが……」

 

 そう言い、ジェーンは俺に頭を下げてくる。

 ジェーンにしてみれば、連邦軍の本拠地たるジャブロー……ではなく、南米から少し離れた場所にある無人島で連邦軍のゴップと会うのだから、俺がいるというのは色々と助かるのだろう。

 ……まぁ、ジェーンはその能力に関しては文句なく一流だったが、今回の場合はその外見が問題になる。

 ジェーンはまだ若く、美人だ。

 だが、それだけに年上の者にしてみれば、侮っても構わないと思われても仕方がない。

 しかし、そこにもし俺が、シャドウミラーの代表がいればどうなるか。

 いやまぁ、もしかしたら俺の前でも普通にジェーンを侮辱するような言動をする奴もいるのかもしれないが……そういう相手は、交渉相手としては意味がない人物なのは間違いない。

 

「まぁ、こっちもゴップという人物や、その周辺にいる連中がどういう相手なのかを見ておきたいからな。今回はこっちにとっても運が良かったのは間違いない。それにセイラの件も……分からないではないけどな」

 

 本来なら、今回の一件はセイラが来ようとしていた。

 だが、建国したばかりで、セイラはまだ色々と忙しく、色々と急な仕事が入った為に月を離れるといった真似は出来ず……結局、ジェーンが任される事になったのだ。

 にしても、ジャブローから出てこないという事でジャブローのモグラと噂され、馬鹿にされているゴップだったが……俺達と会う為に、こうもあっさりとジャブローを出てくるとは思わんかった。

 ゲラートがどんな感じで連邦軍に接触したのかは分からないが、ゴップを引き出した手腕は見事だと言ってもいい。

 

「そう言って貰えると、こちらとしても助かります。……それにしても、暑いですね」

 

 しみじみと呟くジェーンは、ハワイの太陽を見ながら嫌そうに呟く。

 宇宙で生まれ育ったジェーンにしてみれば、地球の環境……それも常夏の島とでも呼ぶべきハワイは、快適とはいえないのだろう。

 軍服ではなく私服であれば、もう少し快適にすごせたかもしれないが。

 ちなみにルナ・ジオン軍の軍服は、ジオン軍の軍服をアレンジしたものだ。

 ……アレンジと言ってもベースとなった軍服とはかなり違っているので、一目見ただけではちょっとジオン軍の軍服との類似性を見つけるのは難しい。

 ただ、タイトスカートは……うん、ジェーンのメリハリのあるボディラインから、軍服であるのに……いや、軍服だからか、かなり蠱惑的な曲線を描いていると言ってもいい。

 この辺、セイラではまだまだ勝てない、成熟した女らしさだよな。

 ちなみに、ジェーンもシーマやハモン同様に時の指輪の受信機を貰っているので、本人が望まない限りは永遠にこの若さと美貌を保っていられる。……不規則な生活をしたりすれば、それは影響してくるが。

 

「最初は影の転移魔法で移動しようかとも思ったんだけどな。そうすると、向こうを警戒させかねないから、ヘリで移動する事になった」

 

 その言葉に、ジェーンは黙って頷きを返す。

 ジェーンにとっても、影の転移魔法での移動ではなく、きちんとヘリか何かで移動するというのは半ば決定事項だったのだろう。

 

「分かっています。今回の一件は色々と大きな出来事になるでしょうし」

「無駄に時間が掛かるから、正直なところヘリでの移動とかはあまり好きじゃないんだけどな」

 

 それこそ、出来ればニーズヘッグ……とは言わないが、サラマンダー辺りで移動したいと、そう思っても決して悪くはない筈だ。

 何より、ヘリでの移動ともなれば敵に攻撃される危険がある。

 混沌精霊の俺は、それこそビーム兵器やロケット砲、バズーカといった攻撃を食らっても問題はないのだが、それはあくまでも俺であればの話だ。

 俺と一緒に移動するジェーンは、才色兼備ではあっても結局は普通の人間にすぎない。

 そうである以上、出来れば危険な目には遭わせたくはなかった。

 

「何か?」

 

 そんな俺の視線に何かを感じたのか、ジェーンはハワイの風にたなびく金髪を押さえながら尋ねてくる。

 

「いや、何でもない。ただ、そろそろ時間だと思ってな。そろそろ行くか」

 

 こうして、俺とジェーンはその場から立ち去り……ハワイに用意されたヘリポートに向かうのだった。

 

 

 

 

 

「……予想外にあっさりと到着したな」

「そうですね。でも、それで良かったと思いますよ?」

 

 会談の場である島のヘリポートに降りようとしているヘリの中で呟かれた俺の言葉に、ジェーンが面白そうに笑みを浮かべつつ、そう告げる。

 実際、ヘリが飛んでいるのを狙って攻撃してくるような相手がいなかったことは、それこそ良い事なのは間違いないのだから。

 ただ……こう言っては何だが、俺は自分がトラブルメーカーであるという自信がある。

 ……こういうのは、別に自信って言葉を用いるのではないような気がするが。

 ともあれ、何かあればトラブルの方から近づいてくるのが俺である以上、当然のように今回の短いヘリでの移動でも、何らかの問題が起きると思っていたのだ。

 それこそ、ルナ・ジオンやシャドウミラーを気にくわない連邦軍のパイロットに、ミサイルを撃ち込まれるとか、そんな風に。

 だが、実際には特に何もトラブルがないままに、こうして目的地に到着したのだから、俺の口から意外そうな言葉が出てもおかしくはなかった。

 

「そうだな。取りあえず良かったと、そう思っておいた方がいいか」

 

 ここで運が良かった影響が、妙なところに来なければいいんだが。

 そんな風に思ってしまうのは、俺の心配しすぎだろうか?

 もっとも、このUC世界には魔法使いとかそういうのはいない。

 もし何かあっても、俺がその気になればジェーンを守るのは難しい話ではないだろう。

 ……才色兼備で、MSパイロットとしても純粋な軍人としても高い技量を持つジェーンの能力を考えれば、それこそもし何かあっても自分でどうとでもしてしまいそうな気がしないでもないが。

 うん、きっとその辺は俺の気のせいとかそういう訳ではなく、純然たる事実なのは間違いない。

 そんな風に思いつつ、俺はジェーンと共にヘリから降りる。

 

「ようこそいらっしゃいました」

 

 ヘリから降りた俺たちを待っていたのは、連邦軍の軍人。

 階級は……大尉、か。

 それなりに高い階級ではあるが、ルナ・ジオンとシャドウミラーの重要人物を迎えるには、多少階級が低いような気がする。

 もしかしたら、ゴップにとって今回の会談はそこまで大きな意味を持っていないのかもしれないな。

 ……政治班が分析したゴップの性格から考えると、そんな真似をするようには思えなかったんだが。

 ともあれ、その辺りは実際にゴップに会ってみれば分かるだろう。

 もしここで騙し討ちをするというのなら、それこそ俺達がヘリに乗ってる時に攻撃をするという選択肢があったのだから。

 魔法を使う俺という存在を、厄介に思って……という可能はあるかもしれないが。

 

「アクセル代表? どうかしましたか?」

「いや、何でもない」

 

 俺を迎えに来た大尉が、黙り込んだ俺を不思議に思ったのか、そう尋ねてくる。

 だが、まさかいざという時にお前達にどう対処するのかを考えていた……などと言える筈もなく、適当に誤魔化しておく。

 

「それより、向こうはもう到着してるのか?」

「は! ゴップ大将は一時間前から既に到着し、アクセル代表をお待ちしています」

「……一応、今日の主役は俺じゃなくてジェーンの方なんだけどな」

 

 そう呟くも、向こうにしてみればやはりジェーンよりもシャドウミラー代表の俺が重要な相手だと判断されるのだろう。

 ニーズヘッグの件もあるし、異世界って存在が大きいのも間違いはない。

 ないのだが……それでも、本来は主役の筈のジェーンの気分も良くないだろうと視線を向けてみると、意外な事にジェーンは特に苛立ちを表情に見せたりはしていなかった。

 もっとも、ジェーンの性格を考えれば、苛立ったからといってそれをすぐに表情に出すのかと言われれば、答えは否だ。

 もしかしたら怒っているのかもしれないが、今はそれを表情に出していないだけという可能性もあった。

 

「さぁ、こちらです。ゴップ大将がいる場所までは少し距離があるので、車で移動しますね」

 

 そう言い、少し離れた場所にある車を示す。

 ……へぇ。てっきり軍用車でも持ってくるのかと思っていたら、意外や意外、黒塗りの高級車だ。

 少なくても、軍用車の乗り心地とは大きく違うのは明白だろう。

 出迎えに来たのが大尉でこっちを侮ってるのかと思えば、こうして迎えの車は乗り心地を重視した高級車を用意したり、何だか微妙にチグハグな感じがすると思ったのは、決して俺の気のせいではないだろう。

 ともあれ、俺とジェーンはその高級車に乗って移動する。

 高級車というだけあって、やはり乗り心地は良い。

 また、当然のように車の中には小型ではあるが冷蔵庫が用意されており……その中を見た俺は、少しだけ感心する。

 何故なら、その冷蔵庫の中にアルコールの類……が入っていないのは、これからゴップと会談をするというのを考えればおかしな話ではなかったが、それだけではなくコーヒーが入っておらず、紅茶やウーロン茶、緑茶といったお茶の類が幾つも入っていた為だ。

 俺が紅茶派……より正確にはコーヒーを苦手としているのであって、実際には紅茶以外にも緑茶やウーロン茶といったお茶を飲むというのを知っているかのような行動。

 正直な話、どこからその辺りの情報を入手したのか、非常に気になるのだが。

 いや、どこからという点で考えれば、それはクレイドル以外にないだろう。

 だが、クレイドルではコバッタや量産型Wがその辺りをしっかりと監視している筈だった。

 にも関わらず、こうして俺の嗜好とでも呼ぶべきものが漏れているのは……そして、こうしてそれをわざわざ俺に見せつけてくるというのは、自分たちを侮るなと、そういう事か。

 

「やっぱり、うちの政治班の分析は正しかったという訳か」

「アクセル代表? どうされました? ……なるほど」

 

 俺の様子を見たジェーンが、冷蔵庫の中を見て、俺と同じ結論にいたったのだろう。

 この辺りの判断力は、相変わらず高い。

 

「向こうも油断ならない相手だという事ですね」

「だろうな」

 

 取りあえず、冷蔵庫の中にあったペットボトルの紅茶を手に取る。

 一応紅茶派となっている俺が、好んでペットボトルの紅茶……正確には紅茶風飲料とでも呼ぶべき物を飲むと知っているからこそ、こうして用意されているのだろう。

 そのペットボトルの紅茶を飲み……

 

「あ」

 

 何故かそんな俺の姿を見て、ジェーンの口からそんな声が漏れる。

 

「どうした?」

 

 運転手をしている大尉に聞こえないように尋ねると、ジェーンは少しだけ申し訳なさそうにしながら、口を開く。

 

「いえ、その。もしかしたら、何らかの薬が入っていた可能性もあったので」

「……ああ、その可能性もあるか。もっとも、俺に薬を盛るなんて真似をすれば、それこそジャブローにメギロートの群れが攻めてくるだろうから、そんな馬鹿な真似はしないだろうけど」

 

 もしやっても、それが物理的な物である以上、俺に効果はないし。

 向こうもそんな馬鹿な真似をしたりはしないだろう。

 

「まぁ、取りあえず……薬の類は入ってない、普通の紅茶だぞ」

「そうですか」

 

 そう言いながらも、ジェーンが冷蔵庫の飲み物に手を出す様子はない。

 何だかんだと、ジェーンの中には連邦に対する根深い疑惑がある……といったところか。

 ともあれ、俺とジェーンは移動中の車の中で話をし……やがて10分程が経った頃、車が止まる。

 10分か。てっきりもう少し近いのかと思っていたんだけど、予想していたよりも随分と遠かったな。

 いや、普段は使われていない場所にゴップがやって来たのを思えば、念には念をいれて警戒してもおかしくはないか。

 特に大きいのは、ジャブローのモグラと呼ばれているゴップが、その巣穴から出てきた事だろう。

 ゴップにしてみれば、それこそ清水の舞台から飛び降りるつもりでやって来たに等しい。

 それだけに、強く警戒をしていてもおかしくはない。……と、思う。

 そんな風に思いながら車を降りると、目の前にあったのは一軒の家。

 それこそ、このような基地にあるとはちょっと思えないような、そんな家だ。

 家の前には、体格のいい……いや、有り体に言えば少し太り気味の男の姿があった。

 どこか眠そうな顔をしているように思えるのは、この男の強い特徴だろう。

 その男は、笑みを浮かべて俺達の方に近づいてくる。

 

「ようこそ。まさかこのような形でルナ・ジオンやシャドウミラーの関係者に会うことになるとは思わなかったがね。……儂がゴップだ」

 

 そう言い、ゴップは笑みを浮かべながら握手を求めるべく手を差し出してくるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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