転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2186話

 ゴップとの会談は、結局何事もなく無事に終わった。

 まぁ、ジオン公国にしろ連邦軍にしろ、ルナ・ジオンとの関係が悪くなるというのは望まれていないのだから当然だろう。

 ……寧ろ、連邦軍がジオン軍の振りをして襲撃し、ルナ・ジオンとジオン公国の関係を悪くするとか、もしくはその逆にジオン軍が連邦軍の振りをして襲撃し、ルナ・ジオンと連邦の関係を悪くするとか……そういう可能性もあったのだが。

 ともあれ、結局会談は特に問題もなく終わった。

 少し気になったのが、ゴップがクレイドルの自然に対して強い興味を示していた事だ。

 話している時にも思ったんだが、まさかゴップがそこまで自然に興味を示すとは思わなかったので、ちょっと驚いた。

 もしかしたら、本当に連邦軍を抜けてルナ・ジオンに亡命してきてもおかしくないのではないかと、そう思える程に。

 もっとも今の状況でゴップが抜ければ、恐らく連邦軍の補給は滞る事になる。

 であれば、もしゴップがクレイドルに移住してくるにしても、ジオンの独立戦争が終わってからの事になるだろう。

 ……まぁ、幾ら自然に興味があるからといって、そこまでするかは分からないが。

 それでも、取りあえずクレイドルを見学に来るという可能性は否定しきれない。

 そうなっても、日々変わっているクレイドルの様子をしっかりと堪能する事は出来ないのだろうが。

 ともあれ、ゴップとの会談が終わって数日……いよいよ4月は終わって5月になる。

 とはいえ、5月になったからといって、すぐに何か大きな動きがある訳ではない。

 いや、もしかしたらこの世界の原作に俺達が関わっていなければ、何らかの動きが起きた可能性があるが……シャドウミラーという異世界の存在と、ルナ・ジオンという国が存在してしまった以上、どうしても原作と変わってしまうのは当然だった。

 だが、ともあれ現在のところは特に忙しいような様子もなく、今のところは静かな日々が続いているが……それはあくまでもルナ・ジオンでの話だ。

 ジオン公国の起こした独立戦争は未だに続いており、宇宙で、そして地上でも戦いは頻繁に起こっている。

 特に地上での戦いは、激しい。

 宇宙でははっきりとジオン公国の一強状態――ルナ・ジオンがいるから、あくまでもジオン公国と連邦の間での話だが――で、連邦軍としては基本的にあまり戦いに出るような事はしない。

 とはいえ、それでも時々遭遇戦が起こっている以上、連邦軍側にしても全く何の行動もしていないという訳ではないのだろうが。

 ともあれ、そんな宇宙と比べて連邦軍にとって自分達の地元、いわばホームの地球では、侵攻してくるジオン軍とそれを防ごうとする連邦軍との間で幾度となく大きな戦いが繰り広げられていた。

 こっちの方では、さすがにホームと言うべきか、連邦軍も大きな犠牲を出しつつ、幾度か勝利してるようだったが。

 ともあれ、そんな風に忙しいジオン公国や連邦とは異なり……

 

「これが、リーブラか。素晴らしい。まるで、スペースノイドの精神が……いや、アルテイシア様の精神がそのまま形をなしたかのような優美さだ」

 

 リーブラの外見を見て、ガトーが感嘆しながら呟く。

 いや、アルテイシア……セイラの魂が形になったようなって、一体どういう形だよ。

 もしセイラが今のガトーの言葉を聞いても、恐らくは喜んだりしないような気がする。

 それに、このリーブラにしろ、バルジやニヴルヘイムにしろ、それらの開発にルナ・ジオンやセイラが関わっていたという事はない。

 そんな状況で自分の精神が形になったようだと言われても……正直、苦笑を浮かべるのが精々といったところだろう。

 

「まぁ、姫様の精神が形になったのかどうかはともかく、このような機動要塞があるのであれば、連邦軍もジオン軍も迂闊に攻めてくるような事は出来ないであろう」

 

 ガトーの言葉に苦笑を浮かべつつも、ラルが同意する。

 実際、月の周辺にこんな機動要塞が3つも存在しているという時点で、よからぬ事を考えていても、そう簡単に近寄ってくるような真似は出来ない。

 それこそ、艦隊を率いてやってきても、遠くから放たれる大規模な砲撃によって、あっさりとその艦隊は消滅してしまうだろう。

 また、一撃で消滅させられないように分散してリーブラに近寄ってきても、それこそリーブラから出撃したメギロートやバッタ、シャドウといった戦力がその分散した敵を各個撃破出来る。

 何より、こっちから攻撃をするのは無人機だ。……一応量産型Wは人造人間という形なので、無人機という表現は相応しくないのかもしれないが、それでも自我の類がなく、いつでも好きな時に製造出来るのを思えば、アンドロイド的な扱いでもおかしくはない。

 だからこそ、そのような無人機と戦っている敵に対しても、纏めて攻撃が出来る訳だ。

 

「けど、月がここまで頑丈な守りに固められてしまったら……あたし達の出番は、一体いつになるんだろうね」

 

 扇子で口元を隠しながら、シーマが呟く。

 そのシーマの言葉に、皆が興味深そうな視線を俺に向けてくる。

 

「あー、そうだな。取りあえずこのリーブラを始めとして月の周辺で大規模な戦闘になる事は、恐らく今のところはそこまで心配する必要はないな」

「グラナダの方は大丈夫なのか?」

 

 ガイアのその言葉に、俺は当然と頷きを返す。

 

「問題ない。グラナダの方で何か動きがあれば、それこそすぐにでもこっちに連絡が来る筈だ」

 

 現在のグラナダは突撃機動軍の本拠地という扱いになってはいるが、当然のように以前と同様……という訳ではない。

 コバッタや量産型Wといった存在が入り込んでおり、クレイドルに対して何か妙な行動をしないのかどうかを見張っている。

 何より、もし突撃機動軍がこっちにちょっかいを出してこようとしても、それこそメギロートの群れを出撃させればそれだけでこちらの勝利となる。

 

「そんな訳で、もし戦闘になるとすれば……まず、ハワイ」

 

 ジオン軍からシャドウミラーに譲渡されたハワイだが、それは言い換えればジオン軍の盾となっている一面もある。

 まぁ、それは悪く捉えた場合で、良く捉えればジオン軍と連邦軍の緩衝材になっている、といった表現も出来るが。

 ともあれ、そんな状況だし、月と違って機動要塞の類も存在しないので、現在のルナ・ジオンの中で一番戦闘に巻き込まれやすいのがどこかと言われれば、それはやはりハワイだろう。

 

「後は、戦闘って訳じゃないけど、ヅダのテストパイロットも募集してるぞ」

 

 ツィマッド社との取引は、無事に纏まった。

 もっとも、ルナ・ジオンに……クレイドルにやってくるのは、ヅダを開発したメンバー全員という訳ではない。

 考えてみれば当然なのだが、当時ヅダを開発したのはツィマッド社の中でも精鋭中の精鋭と呼ぶべき研究者や技術者といった面々だった筈だ。

 ジオン軍のMSとのコンペで、これに勝てばツィマッド社の未来が明るいと考えている以上、当然だろう。

 事実、現在ジオンにある兵器メーカーの中でジオニック社はツィマッド社やMIP社よりも1歩……いや、3歩は抜きん出ている形となっている。

 だからこそ、当時のツィマッド社はそのような一流の人材ばかりを集め……そして今、その一流の人材はツィマッド社の中でも主力として働いている。

 そうである以上、例えフュルギアという未知の技術が使われている戦車を譲渡しても、ツィマッド社の宝と言うべき人材をそう簡単にこちらに寄越したりといった真似はしないのは当然だった。

 結果として、今回ルナ・ジオンに来るのは……ヅダに対して強い、本当に強い思いを抱いている一部の人材と、当時ヅダのテストパイロットをやっていたというジャン・リュック・デュバル少佐とやらも、ジオン軍を辞めてクレイドルに来るとか。

 この軍人、少佐という結構高い地位にいるんだが、ヅダに対して強い思い入れがあるらしい。

 そのせいで……いや、そのおかげでと言うべきか? ともあれ、ザクを採用したジオン軍にとっては、問題児というか、扱いにくいというか、そんな人物らしい。

 そのような状況で少佐にまでなったのだから、間違いなく有能な人物ではあるのだろうが。

 言ってみれば、ラルや黒い三連星のように性格には問題があるが、能力的には問題がないという、そんな人材なのだろう。

 何だか、ナデシコ世界でナデシコの乗員として選ばれた面々みたいだな。

 

「ふーむ、ヅダか。興味がないと言えば嘘になる」

「何だ、ラルはシグーだと満足出来ないか?」

 

 ラルに若干からかうような口調で告げるが、その言葉にラルは難しい表情で口を開く。

 

「儂が乗ったことのあるMSはザクだ。その儂にとって、シグーという機体は操縦系統の差でどこか違和感があるのは間違いない。勿論、シグーが悪い機体という訳ではないがな。動力炉が核融合炉に変わった事により、機体の出力も上がったし」

「それに、武器も使いやすいのが揃っている」

 

 ラルに続いて放たれたケリィの言葉に、これまた全員が頷く。

 当初はザクマシンガンやヒートホークといった武器を使っていたのだが、機体を使いこなせるようになるに連れて、本来のシグーの武装……重突撃機銃やバルカンシステム内装防盾といったような武器を使っている者も増えている。

 特にバルカンシステム内装防盾に関しては、かなり使いやすい武器として人気が高い。

 もっとも、重斬刀の方はまだ使う者が少なく、ヒートホークを好んでいる者が多いのだが。

 ともあれ、ジオン軍の武器が一掃された訳ではないが、シャドウミラーの用意した武器……正確にはSEED世界の武器をシャドウミラーが生産した武器なのだが、ともあれそちらを使う者も多くなっている。

 

「うむ。それは分かる。だが……どうもこう、慣れないというか、そのような感じだ。勿論、だからといってシグーを使わないという訳ではないのだが……アクセル、儂は一度ヅダに乗ってみたいの思うのだが、構わんか?」

「あー……どうだろうな。一応ヅダをルナ・ジオンの技術者で改修はする予定だけど、それがいつ完了するのかは分からないぞ?」

 

 そもそも、まだツィマッド社の連中はクレイドルに来ていないのだ。

 ……それ以前に、サイド3からクレイドルまでどうやって辿り着くかといった事も心配する必要がある。

 ジオン軍にしてみれば、自分達が採用しなかったからとはいえ、そのヅダという機体をみすみすルナ・ジオンに譲渡するような真似をしてもいいのか? という思いもあるだろう。

 ましてや、ヅダは色々と不安要素はあれども、純粋な性能という点ではザクよりも数段上なのだ。……宇宙では、という条件付きだが。

 そんな機体を、ジオン公国と敵対しているルナ・ジオンに大人しく渡そうとするだろうか。

 それこそ、様々な理由を付けてそれを拒否してきてもおかしくはない。

 ……まぁ、ルナ・ジオンと好んで敵対しようと思わないジオン軍としては、そこまで露骨な真似をするとは思えないが。

 

「うむ。ルナ・ジオンの技術者達が改修するのを、楽しみにしている」

 

 ラルはそう告げ、どこか満足そうに笑みを浮かべた。

 どうやら、本気でヅダに乗り換える気らしいな。

 いやまぁ、自分が使いやすい機体を使うのが最善なんだろうし、何より問題はルナ・ジオン軍としての話だ。

 例え俺が口出ししても、それは何の強制力も持っていないのは間違いない。

 もっとも、このUC世界の技術で生み出された兵器であれば、シャドウミラー的にも美味しいし、技術班的には文句を言うような事もないのだろうが。

 ともあれ、ヅダについての話はそれで終わり、再びリーブラの見学に戻る。

 

「アクセル代表、このリーブラというのは主砲の威力は凄いが……接近された時は一体どうやって対処を? やはりMSで?」

 

 ガトーのその言葉に、俺は首を横に振る。

 セイラの精神が形になったようだとか何とか言っていただけに、ガトーにとってこのリーブラというのは重要な場所と判断したのだろう。

 

「主砲以外にも、リーブラには小型のビーム砲が大量に備え付けられている。それ以外にも、このリーブラはブラックホールエンジンが幾つも使われているから、G・テリトリーというバリアの類があって、一定距離から近づけないようになっている」

「ほう」

「それでもどうにかバリアを突破すれば……メギロートやバッタの群れが出撃するだろうな」

 

 メギロートやバッタは、現在の主力MSたるザクとは比べものにならないくらいの性能を持っている。

 そんなメギロートが集団で襲い掛かったりすれば……まず間違いなく、生き残る事は難しいだろう。

 俺の説明に安堵した様子のガトーは、他にも色々と質問を口にするのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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