転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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2226話

 模擬戦の話がジオン軍から持ち込まれてから、数日後。異例の早さで模擬戦が行われる事になった。

 本来なら、他国との模擬戦がそう簡単に決まる筈がない。

 それこそ綿密に打ち合わせをし、事故のないようにといった具合に細心の注意を払う必要がある。

 だというのに、今回の模擬戦がこれ程に素早く決まったのは……ジオン公国にとって、ルナ・ジオンとの関係が悪くないというのを連邦に見せつける必要があったからだろう。

 また、同時にジオン軍で開発された新型MSのお披露目をする事により、多くの者達にジオン公国ここにありといった事を示す意味合いもある。

 ……もっとも、ここ最近では連邦軍とジオン軍が戦えば、大抵はジオン軍が勝利を得ているのだが。

 特に宇宙では、ルナツーの部隊が何度もジオン軍とぶつかっては撃破されといった事を繰り返している以上、正直なところそこまで急ぐ必要があるのかといった疑問があるのだが。

 ともあれ、模擬戦は月の近くにある宙域にて行われる事になった。

 当然のようにそれを見る為に、ルナ・ジオンの幹部……そしてシャドウミラーからも何人か、何隻かの軍艦に乗ってその宙域に向かっていた。

 

「それにしても、ジオン軍から譲渡される予定のグワジン級やドロス級って、一体どうなったんだ? まだ、貰ってないよな?」

「グワジン級に関しては、今月か来月には受け取る事になっている。ただ、ドロス級はその大きさが大きさだけに、もう暫く掛かるらしい」

 

 俺の言葉に、ガイアがそう告げてくる。

 ガイアにしてみれば、自分の古巣……特に突撃機動軍が今回の件には深く関わっているだけに、その辺の情報収集をしているのだろう。

 

「グワジン級か。……それを受け取ったら、やっぱりルナ・ジオン軍で使うのか?」

 

 そう言いながら俺が視線を向けた先にいるのは、アンリ。

 元帥の地位におり、ルナ・ジオン軍についての全権を任されている人物だけに、グワジン級を受け取った後でそれをどうするのかを決めるのに大きな権限を持っている人物だ。

 

「恐らくそうなるだろう。折角高性能な軍艦なのだから、それを有効活用しない手はない。……もっとも、受け取った後に何か問題がないのかをしっかりと調べる必要があるだろうがな」

「あー……なるほど」

 

 例えば、爆弾とかが仕掛けられていたりした場合、ちょっと洒落にならないしな。

 シャドウミラーの面々なら、爆弾があっても……ああ、いや。宇宙空間で爆発されてしまえば、爆発そのものはどうにか出来ても、窒息してしまうか。

 ともあれ、譲渡された物は実際に使う前に調べるというのは、当然の事だ。

 実際、イフリートも俺が受け取る前にしっかりと調べられているし。

 ……もっとも、イフリートの場合は危ない仕掛けの類があるのかどうかといった事を調べる以外に、ヅダに使えそうなシステムとか部品とかそういうのを調べるという目的もあったのだろうが。

 

「それに……出来ればでいいが、グワジン級はそのまま使うのではなく、ルナ・ジオンが使う為に改修したいという思いもある」

「なるほど。それはまぁ、そうだろうな」

 

 グワジン級は、ジオン軍にとって旗艦として使う事も多い軍艦だ。

 ザビ家の血筋に連なる者か、もしくはザビ家からの信頼が厚い者が与えられるような、そんな軍艦。

 それだけに、シャドウミラーがグワジン級をそのまま使うといった真似をすれば、それを見た者の中には色々と下らない事を考えるような奴が出てきてもおかしくはない。

 それこそ、ルナ・ジオンはジオン公国の配下になったのだとか。

 もしくは、正式に吸収されたのだと。

 その辺を考えると、アンリの言うようにグワジン級を改修したいという思いは理解出来る。

 ましてや、グワジン級を分析する事により、ルナ・ジオンには軍艦のノウハウも得られるのだ。

 今のルナ・ジオン軍で使われているのは、基本的にシャドウミラーから貸し出したカトンボが主だ。

 それ以外には、シーマやガトー、アンリのようにルナ・ジオンに合流する時に乗っていたザンジバル級、ムサイ級……それ以外にもパプア級が少数といった感じか。

 また、ジオン公国側で厳しく取り締まってるのか、ルナ・ジオンに移住や亡命をしてきたジオニック社、ツィマッド社、MIP社の中には、宇宙艦関係の知識を持っている者はいないし、設計図の類もない。

 ……多分、その辺はジオン軍の方でしっかりと押さえているのだろう。

 もっとも、データだけでいいのであれば、サイド3で調べた技術本部やグラナダを攻略した時に抜き出した設計図の類があった筈だが……やはり、それよりは実物が何より重要になるし、同時に現場を知っている者が必要となる。

 グワジン級やドロス級を渡された時は、当然のようにその機能の類を説明する人員も必要になるので、アンリとしてはその辺りにも期待しているといったところか。

 ともあれ、グワジン級を改修するという意見には、俺も賛成する。

 具体的にそれがどのような改修になるのかは、俺にも分からなかったが。

 普通に考えれば、コバッタのように無人機で扱えるようにするか、主砲や副砲を強化するか、機動力を増すか、推進剤の類を増すか、MSの搭載量を増すか……そんな感じか。

 ただ、ルナ・ジオンの技術者だけで改修を行う以上、そこまで劇的な改修という訳にはいかないと思う。

 そんな風に考えていると、ラルがこっちに近寄ってくる。

 

「アクセル、そろそろ目的の宙域だ。模擬戦が行われる前に、向こうがこちらに挨拶をしたいと言ってきてるが……どうする? お前も会うか?」

「俺か? ……いや、止めておくよ。俺がこの艦に乗ってるのは、知られない方がいいだろ」

 

 ちなみに、現在の俺の姿は20代ではなく、10代半ばのものとなっている。

 ジオン軍に潜入してシーマ艦隊に所属していた時と同じ容姿だ。

 こっちの容姿なら、ジオン軍の連中に見つけられても、特に問題はない筈だが……それでも、念には念をといったところか。

 ラルもそれは分かっているのだろう。俺の言葉に、素直に頷く。

 

「うむ。では、儂を含めて数人でジオン軍の者達と会おう」

「そうしてくれ。……ああ、それと向こうの戦力がどういう連中なのかをしっかりと調べてきてくれると、こっちとしても助かる。……まぁ、シャアはいないだろうけど」

 

 その言葉に、ラルは真剣な様子を見せる。

 シャアが誰なのかを知っているのは、ルナ・ジオンの中にもそこまで多くはない。

 そして、ラルはそれを知っている数少ない1人な訳だ。

 ともあれ、ジオン軍からやって来た者達と会う為、ラルは他にもルナ・ジオンの重鎮を連れてブリッジを出て行く。

 それを見送り……俺は特にやるべき事もないので、格納庫に向かう事にした。

 まだ正式に量産されている訳ではないが、この模擬戦が終われば恐らくヅダは正式に量産が開始される事になる。

 言ってみれば、今回の高機動型ザクとの模擬戦は、ヅダの性能評価試験であるという事でもあるのだ。

 ……まぁ、その割にはちょっと厳しい試験になりそうだが。

 ジオン軍としての誇りとか、そういうのをこれ以上ない程に出してきそうだし。

 そんな訳で、ヅダ部隊への激励の意味もあって格納庫に向かおうとしたのだが……

 

「アクセル、格納庫に向かうのか? なら、俺も連れて行ってくれ」

 

 目ざとく俺の行動を見つけたオルテガが、そう言ってくる。

 マリオンに対してかなり親身になって教えていたのを思えば、俺が格納庫に向かうのを見て、自分も格納庫に行ってマリオンを励まそうと考えてもおかしくはない。

 美女と野獣という言葉がこれ程似合う2人組というのも珍しいが。

 もっとも、別にマリオンとオルテガは男女間としての好意を抱いている訳ではない……と、思う。

 いやまぁ、恐らくはそうだろうという事だし、実際にこの先にどういう関係になるのかというのは、今の俺にはまだ分からないが。

 

「分かった。そっちの2人はどうする?」

 

 ガイアとマッシュに尋ねると、どうやらその2人も特にやるべき事はなかったのか、全員揃って俺の影のゲートで転移するのだった。

 

 

 

 

 

「うーむ……まだ慣れんな」

 

 影から出て格納庫に姿を現したガイアは、その言葉通りにまだ慣れていないといった様子で呟く。

 今までにも何度か影のゲートは使っているのだから、そろそろ慣れてもいい頃合いだとは思うんだが。

 そんな風に思いつつ、俺は格納庫にあるヅダに視線を向ける。

 そこでは大勢のメカニックがヅダに取り付き、最終チェックを行っていた。

 実際には、既に最終チェックそのものは終わっている筈だが……やはり、どうしても不安になるのだろう。

 何しろ、ザクとのコンペでは空中分解をやってしまったのだから、その二の舞は絶対にごめんだという事か。

 だが、一部とはいえルナ・チタニウムを使い、強度の見直しも行っている。

 機体強度という点では、以前のヅダとは比べものにならない。

 

「アクセル代表!? それに、黒い三連星の皆さんも……一体、どうしたんですか?」

 

 近くで何らかのデータをチェックしていたメカニックマンが、俺達の存在に気が付く。

 そうして1人が気が付けば、次から次に気が付く者が出てくるのは当然だった。

 こちらに向けられる視線には、色々な種類がある。

 それこそ、有名人に会えたという嬉しさから、何故模擬戦がもうすぐ始まるだろう今、こうしてわざわざ格納庫にやって来たのかというもの、自分達が作り上げた――正確には改修した――ヅダを見て貰いたいという自慢げな表情。

 俺にとって嬉しいのは、こちらに向けられる視線の中にマイナスの色がないからだ。

 ……いやまぁ、マリオンのファンと思しき人物が、オルテガに嫉妬の視線を向けたりしているような光景はあったが。

 その辺は俺には関係ないので、本人達に頑張って解決して貰うとしよう。

 そんな風に思いつつ、俺に話し掛けて来たメカニックマンに対して言葉を返す。

 

「安心しろ。別に何か緊急の事態が起きたとか、そういう訳じゃない。ただ、ジオン軍からこの艦に挨拶に来る連中がいるって話だったからな。それに参加するのが面倒だったから、ヅダの様子を身に来るって理由で抜けてきただけだ」

 

 メカニックマン達は、俺の言葉に安堵したような、若干呆れの混じったような……そんな微妙な視線を向けてくる。

 いやまぁ、その気持ちも分からないではないけどな。

 

「そんな訳で、聞くまでもない事だけど、一応聞かせて貰うが……ヅダの調子はどうだ?」

「万全です」

 

 そう告げたのは、メカニックマン……ではなく、ジャン。

 後ろにクスコとマリオンの2人を引き連れ、俺の方に歩いてくる。

 ジャンの表情にはやる気が満ちており、それこそ気合い十分といった感じだ。

 ……恐らく、以前まで俺にあった相手のステータスを見る事が出来る能力があって、ジャンのステータスを見れば……気力150、いや限界突破してもっと上か?

 ともあれ、それくらいの数値であってもおかしくはない。

 クスコの方は特に高ぶったりしておらず、冷静な様子を見せていて、マリオンはその気の弱さからか、若干心細そうにしていた。

 もっとも、マリオンはオルテガの姿を見てからは安心した様子を見せていたが。

 うーん……この2人の間にあるのは、本当に友情とかそういうのか? 男女間の愛情に発展するような、しないような。

 とはいえ、俺はこの手の事に決して鋭い訳じゃないので、気にしない方がいいか。

 

「武器の方は、結局ショットガンとヒートサーベルはイフリートの物をベースにして改良して、マシンガンの方は結局ザクマシンガンを使う事にしたんだよな?」

「はい、そうなります。……マシンガンの方はもう少し時間を掛ければ完成しただけに、残念です」

 

 MSにとっての主武装は、やはり弾数が多く射程もある程度あり、威力も相応に強いマシンガンだろう。

 もう少しMSの歴史が進めば、ビーム兵器がメインになる可能性もあるが……残念ながら、ヅダにはまだそれは難しい。

 なので、マシンガンは恐らく繋ぎの武器になる可能性が高い武器だ。

 もっとも、ビーム兵器がメインになっていけば、次第にビームに対する防御装置の類が充実してくるだろうから、そうなると実弾の方も重要になるのは間違いない。

 その辺り、色々と大変そうな感じなんだよな。イタチごっこ的な感じで。

 

「まぁ、今回は模擬戦をやると決まってから実際に今日まで時間がなかったからな。それはしょうがない。ヅダが正式に量産される時までに武器を完成させておけばいいさ」

「それと、完成させる事だけを重視して、使い勝手が悪かったり、不具合が多かったり……そういうのは勘弁してくれ」

 

 俺の後にガイアがそう告げ、その言葉にメカニックマンは周囲にいる他の者達も含めて、しっかりと頷くのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435
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