転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2229話

 高機動型ザクとヅダの模擬戦が終わり、数日、

 ヅダの性能は間違いなく一級品という事で、ルナ・ジオン軍としての正式な主力量産機という事になり、現在は量産が進められている。

 ……ちなみに、あの模擬戦の後で俺とクスコが触れた事により精神世界に移動した件は……取りあえずニュータイプ能力に関係しているという事で色々と喋る訳にもいかず、現在は俺とセイラ、クスコ、マリオンの関係者4人だけが知っている。

 そして、マリオンには絶対に俺と接触しないようにという命令がセイラから下された。

 まぁ、実際にニュータイプに関しては、まだ殆ど何も分かっていないような状況だ。

 一応ニュータイプ研究所から持ち帰ったデータや資料で多少の事は分かるが……結局はその程度だ。

 まだニュータイプの数が少ないだけに、俺とマリオンの接触で何が起きるのか分からない。

 クスコの時はたまたま……本当に偶然にも特に問題はなかったが、もしアムロのように俺と触れる事でトラウマを抱えるような事にでもなれば、最悪の結果しかもたらさないだろう。

 であれば、こちらとしてはセイラの意見に反対するようなつもりはない。

 マリオンの方も特に異論はないのか、今のところは特に問題は起きていない。

 ちなみにセイラの時と同じく、再度クスコと触れあってもあの空間に行く事は出来なかった。

 これまでの例から考えると、恐らく1度だけしかあの空間には行けないのだろう。

 そして……セイラもそうだったが、クスコもまた俺に触れる事によってニュータイプ能力が強化されたらしい。

 とはいえ、セイラの時と比べると大分小さい強化具合だったが。

 相手のステータスを確認出来る能力を失ってしまった以上、あくまでも感覚的なものだが、今のセイラのニュータイプレベルが8だとすると、クスコは6といったところか。

 ある意味、ニュータイプが俺に触れるというのはかなりのギャンブルだよな。

 上手くいけば、ノーリスクでニュータイプ能力が強化される。

 だが、下手をすればアムロの時のような結果となる。

 とはいえ、具体的にどのくらいの能力が上がるのかも分からないのだから、分の悪いどころの話じゃない。……キョウスケ辺りは喜んで参加しそうだが。

 ともあれ、ニュータイプ関連はそんな感じで……

 

「ジオン軍、随分と活発に動き出したな」

 

 ホワイトスターにある家で、ルナ・ジオン側から提出された報告を読みながら、そう呟く。

 夕食は既に終わり、現在は自由時間。

 皆が色々と自分の好きな事をやっており、俺はリビングでその報告書を読んでいた。

 その報告書に書かれているのは、ジオン軍の動きだ。

 まず最初に東南アジアを制圧する、赤作戦の実行。

 そしてジオン本国の最終防衛線を構成する、ア・バオア・クーの完成。

 ドムを正式採用し、本格的に量産が開始される。

 ジオン軍の潜水艦部隊が暴れ回り、連邦軍の海上航路はズタボロに。

 ざっと見ただけでもこんな感じだ。

 こうして活発にジオン軍が動いているのを見ると、グラナダの一件からは完全に回復したと思ってもいいのか?

 

「ふーん。……ねぇ、アクセル。連邦軍の方はどうなの?」

 

 何らかのデータを見ていたレモンが、俺の言葉を聞いてそう尋ねてくる。

 少しだけ興味がありそうなのは……連邦軍が所持しているC2システムに強い興味を持っているのか、それとも連邦軍のMSか。

 というか、レモン率いる技術班の面々なら、C2システムと同じようなシステムは作れそうな気がしないでもないんだが。

 

「そうだな、特に動きを見せてはいない。……まぁ、赤作戦と海上航路の破壊で、防戦一方ってところだな。一応、戦車とかを使ってそれなりに勝利している地域もあるようだけど、数は少ない」

「でしょうね。MSを相手に戦車だけじゃ、勝つのは無理とは言わないけど、被害もかなり大きいわよ。とはいえ、連邦とジオン公国の戦力差を考えれば、そのくらいの消耗は問題ないんでしょうけど」

「MS、ね。……そう言えば、イフリートはどうだった? 色々と調査したんだろ?」

 

 当然ながら、俺が使ったイフリートは技術班によってしっかりと調べてられている。

 10機も作られなかった希少な機体で、操縦性もかなりピーキーな代物と、技術班は結構楽しみにしていたらしい。

 当然ながら、もうしっかりと調べただろう。

 

「うーん……そうね。基本的にはザクの発展型と考えてもいいわ。スラスターや動力炉といったところで進歩してるけど、特にこれといって目立った機能は特になかったわね」

「なら、期待外れってところか?」

「そうでもないわ。ザクが開発されたのはともかく、大規模な戦闘に参加したのは、この独立戦争は初めてでしょう? 数ヶ月程度でここまでというのは、驚くべき事よ。……実際には、戦争が始まる前から開発していて、それに実戦で得られた戦訓を取り込んだといったところでしょうけど。……ただ、ザクに比べると機体性能がピーキーだから、使いこなすには相応の技術が必要になるわね」

「だからこそ、イフリートはその性能の高さがあっても、量産されなかったんだろうな」

 

 言ってみれば、ザクのS型やR型と似たようなものだろう。

 どちらも性能は高いが、新人が使えばすぐに推進剤切れになったり、その機体性能を活かしたりといった事が出来ない。

 

「そうね。新人が使うには、ちょっと難しいでしょうし。もっともS型だっけ? あの機体のように、エースパイロット用の機体として使うという方法もあったんでしょうけど……基本的に近接格闘用の機体で、それも地上戦用のMSとなると、コスト的な問題もあったんでしょうね」

「だろうな。実際、あの機体はザクとかに比べてもかなりコストが高いんだろ?」

「ええ。それに内部も結構複雑だから、整備の方でも手間が掛かるし。……量産されなかった理由には、その辺りもあると思うわ」

 

 この場合、やっぱり地上戦用ってのが痛いよな。

 ジオン公国の本拠地は、あくまでもサイド3……宇宙だ。

 今は地球で戦っているけど……まぁ、地上用となればJ型やグフ、ドムといった機体もある。

 わざわざコストが高く整備性も悪く、操作性がピーキーな機体を量産する必要はないといったところか。

 

「まぁ、そうだろうな。……で、何の話だったっけ?」

「連邦軍の動きよ。連邦軍がMSを開発してるのは、確実なんでしょう?」

「だろうな。ゴップもその辺を臭わせていたし、中米、南米辺りでそれらしいMSの目撃例もあるらしい。……実際には、鹵獲したザクが大半だと思うけど」

 

 だが、ゲラートから上がってきている報告の中には、どう見てもザクとは思えないMSを見たという報告もある。

 難点としては、映像やら写真やらの類が何もなく、あくまでも人が見たというだけといったところか。

 映像や写真があれば、決定的だったのだが。

 果たして、連邦軍で開発しているMSなのか、それともザクを連邦軍の技術で改修した機体なのか……その辺りについては、よく分からない。

 だが、もし連邦軍が開発しているMSの実地テストとかだったりしたら、それは非常に興味深い。

 

「もう一回、ルリやラピスにハッキングして貰うか? 以前は無理だったけど、実際にMSを動かせるようになった今なら、もしかしたらMSとかのデータがコンピュータに残ってる可能性はあるし」

 

 開発している時も莫大な情報を処理する必要があるが、実際に動かせるようになったとしたら、その設定数値を割り出す為だったり、燃費を計算する為だったり……それ以外にも様々な理由でコンピュータを使う必要がある。

 そうなると、今までのようにコンピュータにデータを残さないでどうにかするというのは、まず不可能……だと、思うんだが。

 まぁ、それはあくまでも俺の予想であって、実際にはその状況でもどうにかする手段がある可能性は否定出来ないのだが。

 いっそ、連邦軍の本拠地……ジャブロー辺りに潜入してみるか?

 向こうはルリやラピスのハッキング能力に関しては、強く警戒している。

 コンピュータを使っているのであれば当然の話ではあるが、代わりに魔法という存在に関しては殆ど警戒していないように思えた。

 勿論、全く警戒していない訳ではないのだろうが……いや、それ以前に警戒の仕方が分からないというのが大きい。

 この世界では魔法の類は全く発展してこなかった為に、ミノフスキー粒子を発見する事は出来ても、魔力を発見する事は出来ていないのだ。

 ……シャドウミラーとの接触によって、魔法という存在を理解したからこそ、魔法を研究する奴も出てくるかもしれないが……それがはっきりとした成果を出すのは、いつになる事やら。

 

「いっそ、連邦軍に模擬戦を申し込んでみたら? 連邦軍の方も、ヅダには興味を持っていたんでしょう?」

「そうらしいな」

 

 俺がセイラから聞いた話によると、ゴップと通信で話した時にその辺に興味を持っていた、という事らしいし。

 もっとも、当然ながらそのデータをただで渡す程にセイラもお人好しではない。

 そのデータを見て、連邦軍で開発中のMSの性能が具体的にどれくらいのものになるのか……そして、どれくらいで対抗出来るのかといった事を図る為の指針にしたいと、そうゴップが……連邦軍が考えているのは明らかだった。

 この場合、特に大きいのは連邦軍の国力だ。

 ぶっちゃけ、連邦軍の開発したMSがR型やドム、グフといったMSよりも性能が低く、それどころかザクと何とか互角程度の性能であっても、連邦軍の場合はその物量がある。

 例え1機でジオン軍のMSと互角に戦えなくても、連邦軍であればジオン軍のMS1機に対して、2機、3機、4機、5機といった数で戦う事が出来るのだ。

 そう考えると、極論ではあるが連邦軍は性能よりも量産性を重視したMSを開発するという方向に向かってもおかしくはない。

 ……もっとも、それはあくまでも机上の空論であって、連邦軍にしても今までの戦争で大量に軍人を戦死させている以上、今は少しでも軍人の消耗を押さえるといった風に考えてもおかしくはない。

 そうなると、普通に考えて連邦軍で開発されているMSは、相応の性能が必要となるのは間違いなかった。

 

「ヅダの次世代機が開発出来ていれば、旧型のヅダとかは連邦軍に売ってもいいとは思うんだけどな」

「それは無理でしょ。今、ようやくヅダは完成して量産が開始されたばかりなんでしょ? なら、バリエーションはともかく、次の新型はいつになるのか……魔法球をフル活用してもいいのなら、時間はある程度短縮出来るでしょうけど。そうなると、マブラヴ世界の……不知火だっけ? あの戦術機みたいな結果になるわよ?」

「それは、出来れば遠慮したいところだな」

 

 TSF-TYPE94、不知火。

 マブラヴ世界において日本が開発した第3世代戦術機。

 アメリカのF-22より性能は低いが、パイロットの技量次第では性能差を覆す事が出来る程の性能を持つ機体。

 だが、戦術機の完成を最優先に考えられて作られた為、拡張性は非常に低い。

 また、整備に関しても決してやりやすいとは言えない機体だ。

 今でこそプロミネンス計画である程度の性能アップは出来るようになっているが、そこまでしなければ無理だという事は、かなり設計に無理があるという事を意味している。

 ……実際、シャドウミラーの技術班で解析した時も、性能はともかく拡張性という点では最悪に近いといった評価がされていた筈だし。

 それこそ不知火の性能を上げるのなら、機体そのものを改良するのではなく、ファブニールのような外部から何らかの機器を追加するといった形にするのが最善だろう。

 プロミネンス計画において改修された弐型も、そんな感じでの改修だし。

 幾ら性能が良くても、改修出来ないくらいガチガチに固められるのは、少し困る。

 いや、それで困るのは俺じゃなくてルナ・ジオン軍の連中なんだろうが……ともあれ、ルナ・ジオン独自のMSを期待しているシャドウミラーとしても、拡張性の低い機体というのは好ましくない。

 実際、ザクがここまで大量に生産されているのは、拡張性が非常に高いというのも影響しており、それはFS型、S型、J型、R型……といったようにバリエーションが大量に存在しているのも影響している。

 また、シャドウミラーの主力量産機であるシャドウにしても、そのゴツい見た目とは裏腹に、かなり高い拡張性を有している。

 いざという時があっても、その拡張性によりどうにでも対処出来るというのは、大きい。

 

「そうでしょうね。だからこそ、ヅダの後継機の完成はあまり急がせない方がいいと思うわよ?」

 

 そうレモンに言われれば、俺も納得する事しか出来ず、頷きを返しながらレモンと言葉を交わすのだった。 




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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