転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2262話

 ガツガツガツガツと、何度もザクの頭を地面に叩きつけるガンダム。

 ……まぁ、アムロにしてみれば、自分が住んでいた場所をいきなり襲ってきて、破壊したのだ。

 おまけに俺が止めたが、あのザクは避難民に対してザクマシンガンを発砲しようともした。

 その辺りの事情を考えれば、アムロが怒り狂っても当然だろう。

 アムロの恋人か、もしくは友達かは分からないが、フラウとかいう女の両親を殺されそうになったのも大きいし、ガンダムが頭部バルカンしか武器がないと知ると、ザクはいたぶるようにザクマシンガンを見せつけ、間近で発砲しようとした。

 その辺りの事情を考えると、アムロがあのような行動に出てもおかしくはない。

 元々大人しい奴程、怒ると激しいというのの見本か。

 ……と、何度となくザクの頭を地面に叩きつけていたガンダムだったが、不意にガンダムが掴んでいたザクの頭……具体的には口の辺りのケーブルがガンダムの膂力に耐えきれず、千切れる。

 だが、ザクにとってはそれがよかったのだろう。ケーブルが引きちぎれた衝撃でガンダムからある程度距離が離れた事もあり、そのままザクを立たせて逃げようとする。

 もう1機のザクは、そのガンダムに捕まっていたザクが離れた事で、ようやく我に返ったのか、ザクマシンガンを撃って仲間を援護しようとするが……次の瞬間、ガンダムは背中に手を伸ばし……おい、ビームサーベルかよ。

 ビームサーベルを手に、逃げ出していたザクとの間合いを一気に詰めると、そのビームサーベル……シャドウミラーを例外として、UC世界では恐らく初の武器を一閃する。

 その威力はヒートサーベルと比べても明らかに上で、ザクの胴体を上下に切断する。

 ……それだけなら、別に問題はなかったのだろう。

 だが、ザクも核融合エンジンで動いているのは事実であり、それを真っ二つにすれば、当然のように爆発する。

 そしてここはコロニーである以上、爆発が起きれば……

 

「ちっ!」

 

 一旦瞬動を使ってメリルの側まで到着し、有無を言わせずにその身体を掴む。

 

「え? ちょっ、アクセル代表!?」

「黙ってろ!」

 

 取りあえず仲間のメリルは確保出来た事で、次に誰を掴まえるべきかと悩み……ふと、フラウとその両親が必死に破壊された場所に掴まっているのが見えた。

 幸いな事に……本当に幸いな事に、コロニーの中で爆発が起きたにも関わらず、コロニーそのものが崩壊したり、コロニーに穴が開いて宇宙空間に吸い出されるといったような事はなかったのは幸運だったのだろう。

 だが、地面が崩れつつあるのは間違いなく、その崩れた場所には何人もが落ちていくのが見えた。

 フラウとその両親もその崩壊に何とか耐えようとしており……

 だが、地面がひび割れるというか、崩壊しそうになっている状況で、ただの一般人が踏みとどまれる訳がない。

 ましてや、フラウ一家にとって非常に運が悪かった事に、大地の崩壊は何故か狙ったかのようにフラウ達に向かって進んでいく。

 一瞬、本当に一瞬だが、まだ残っているトレーラーの方にも視線を向ける。

 俺が1台ゲットして、その上でアムロが乗り込んだガンダム。

 だが、他にもまだかなりの数のトレーラーがあり、その周囲には先程の戦闘でも逃げ出さなかった連邦軍の軍人と思しき者達の姿がある。

 だが、大地の崩壊は四方八方に及んでおり、フラウ一家以外にトレーラーの方にまで向かっていた。

 どちらを優先するのか一瞬迷ったが、アムロのこれからを考えればフラウ一家を助けた方がいいと素早く判断する。

 そもそもの話、ここで大地が崩壊してもコロニーの外郭で助かる可能性がある。

 そうなれば、やはり一般人のフラウ一家よりも連邦軍の軍人の方が助かる可能性が高いだろう。

 そう判断し、俺は崩壊しそうな大地を蹴るのではなく、空を飛んでフラウ達の方に向かう。

 

「あ」

 

 と、俺の腕の中にいたメリルが小さく呟きを漏らす。

 何かあったのか? と一瞬疑問に思ったが、今はそれを聞くよりも先にフラウ一家を助ける方が先だった。

 

「掴まれ!」

 

 そう言いつつも、俺は強引にフラウの腕を掴み、その両親の腕も掴む。

 一掴みにした中で、フラウの両親の腕はすぐにメリルに任せる。

 

「え!?」

 

 混乱の声を上げるフラウやその両親。

 まぁ、いきなり空を飛ぶ俺に手を掴まれたのだから、驚くのも当然だろう。

 とはいえ、今はこっちも返事をしているような余裕はない。

 ……正確には、俺だけなら宇宙に放り出されても普通に生きていられるので問題はないし、パイロットスーツを着ているメリルも生き残る可能性は高い。

 だが、フラウ一家はそんな事になれば間違いなく死ぬ。

 とはいえ……

 空を飛びながら、視線を後ろの方に向ける。

 そこでは、アムロの乗るガンダムがまだ残っていたもう1機のザクと戦闘を繰り返している。

 さっきのビームサーベルでの一撃を考えると、同じように動力炉を破壊するといった真似はしないと思うが……ただ、問題はアムロがMSパイロットとしては素人という事だ。

 恐らく、現在アムロはコックピットの中で必死に現状を……自分の目の前にいるザクをどうにかしようとしてあがいている筈だ。

 だが、素人のアムロに手段を選ぶような余裕などは存在せず、それこそ敵を倒すのであれば、反射的に再びビームサーベルを振るってもおかしくはない。

 ……ただ、その爆発でこのコロニーが保つかどうかは、分からないが。

 そもそも、先程のザクの動力炉が爆発した被害がこの程度ってだけでも運が良いのだから。

 ともあれ、そんな戦闘の様子を背後に感じつつ、俺はメリルとフラウ一家を掴まえたまま、安全な場所に向かう。

 

「アムロ! アムロー!」

 

 俺に手を引っ張られている状況でフラウがアムロの名前を叫ぶ。

 叫ぶが……何だか、これって傍から見ると俺がフラウを誘拐しているようにしか見えないんじゃないか?

 そんな風に若干の不満を抱きつつも、俺は大地が崩壊していない場所に向かって飛ぶ。

 とはいえ、幸いにも最初のザクによって起きた大地の崩壊は、そこまで大規模なものではなかったらしく、やがて崩壊の動きが止まる。

 もしかして、これも実はアムロのニュータイプの力……って事はないよな?

 そう思いつつ、ふとフラウに触れていることに気が付く。

 アムロと関係の深いフラウ。

 普通に考えれば、フラウは原作のヒロインという扱いであってもおかしくはない。

 だとすれば、場合によってはフラウもニュータイプなのでは? という思いがあったのだが、フラウに触れてもあの精神世界のような場所に行かないという事は、恐らくフラウはニュータイプではないのだろう。

 もしくは、ニュータイプであってもあの世界に行ける者と行けない者がいるとか?

 あるいは、単純にニュータイプ能力が低いのか、まだ覚醒していないだけなのか。

 どれが正解なのかは俺にも分からないが、ともあれフラウと触れても精神世界に行けなかったのは間違いのない事実だ。

 そんな風に思っている間に安全だと思える場所に到着し、地面に降りる。

 

「取りあえずここまで来れば安心だろ……って、おい待て!」

 

 手を放した瞬間、ザクと戦っているアムロの方に向かって走り出そうとするフラウを、半ば強引に止める。

 

「放して! 放して下さい! アムロが、アムロが!」

 

 半狂乱になって、俺の手を振りほどこうとするフラウ。

 このまま俺が手を放せば、間違いなくフラウはアムロのいる場所……ザクと戦っているガンダムに向かって走って行くだろう。

 

「いいから、落ち着け! お前がここで迂闊に向こうに行けば、それこそアムロの足を引っ張るだけだぞ! それでいいのか!? それで死ぬのは、アムロだぞ!」

 

 その言葉が聞いたのか、フラウの足が止まる。

 ……俺の言葉を正確に理解したというよりは、アムロの足を引っ張る……その結果としてアムロが死ぬかもしれないと、そう思った為だろう。

 

「見てみろ、アムロはザクと互角に戦っている」

 

 正確には、操縦技術という点では明らかにザクのパイロットよりも劣っている。

 それでも互角に……いや、互角以上に戦えているのは、やはりMSの性能差故だろう。

 もしアムロがザクに乗っていれば、ほぼ間違いなく今頃は撃破されていただろう。

 つまり、それだけガンダムの性能が圧倒的だという事か。

 ……そうなれば、当然のようにヅダよりも上なのは間違いない。

 防御力はルナ・チタニウムを装甲に使っている事からガンダムが上。

 攻撃力も、ビームサーベルを持っているガンダムが上だろう。

 ビームをサーベルにしているという事は、恐らく他にもビーム兵器がある可能性があり、ビームライフルとかがあってもおかしくはない。

 その辺の事情を考えると、攻撃力という点でもガンダムが上だと思ってもいいだろう。

 唯一、ヅダでガンダムに勝利する可能性があるのは、機動力か?

 もっとも、それはあくまでも宇宙空間での話だが。

 ぶっちゃけ、ザクマシンガンを食らっても全く効果がないとなると……より破壊力が高いが速度が遅いバズーカか、もしくはマリオンが乗っているSP型のように更に強力なスナイパーライフルの類とかでもなければ、ガンダムに有効なダメージは与えられないだろう。

 

「アムロ!」

 

 唐突にフラウの悲鳴が周囲に響く。

 取っ組み合いをしていたザクとガンダムだったが、やはり操縦技術の差が出来たのだろう。

 ザクの胴体にしがみつくかのようにしているガンダムの背中に向け、ザクは両手を組み合わせて叩きつけていた。

 というか、最初にアムロにやられたザクのパイロットと違って、今アムロと戦っているザクのパイロットはそれなりに腕がいい。

 まぁ、連邦軍の基地で白炎を見た時も冷静に判断して、自分の手に負えないと分かればすぐに脱出していたし……それを考えれば、恐らくそれなりにベテランといったところなのだろう。

 そんな風に思っている間にもザクはガンダムを殴りつけ、最後に蹴りを入れる。

 その蹴りによって吹き飛ばされたガンダム目掛け、更に追撃を加えようとするザク。

 フラウの口から再び悲鳴が上がり……これは助けた方がいいのか? と判断し、炎獣を生み出そうとした瞬間、ガンダムが動いた。

 倒れたガンダムを踏みつけようとしたのか、跳躍したザクに向かい……すれ違いざまに、ビームサーベルを突き立てたのだ。

 先程のように横薙ぎの一閃という訳ではなく、突きで。

 それも、狙ったのか、もしくは偶然そうなっただけなのかは分からないが、コックピットだけを狙っての一撃。

 ……いや、これは恐らく偶然じゃないな。アムロのニュータイプ能力が発揮された形、とそう思ってもいい筈だ。

 ともあれ、コックピットをビームサーベルで貫通されたザクは、身体中から火花を散らしつつも、爆発せずに地面に崩れ落ちるのだった。

 

「アムロ……」

 

 さっきからフラウはアムロの名前しか呼んでないような気がするけど、フラウの立場としては当然なのだろう。

 ともあれ、アムロが無事だと知ったフラウの身体からは力が抜け、それを確認してから、フラウを掴んでいた手を放す。

 

「フラウ!」

 

 そんなフラウに、両親が近づいてくると、抱きしめる。

 家族全員が無事だったのはいいのだが、俺に向ける視線が得体の知れない相手に向けられるものなのは……まぁ、しょうがない。

 このUC世界の人間は、空を飛べたりとかはしないしな。

 

「無事ですか? と、聞くまでもないですよね」

 

 メリルが俺の方に近づいてきながら、そう尋ねる。

 サイド3に潜んでいた時から一緒に行動していたり、何より今日の騒動で俺の生身での身体能力を理解している。

 だからこそ、そう言ってきたのだろう。

 

「ああ、問題は……正直なところ、これからどうするか、だな」

 

 トレーラーの類は半分近くが崩落した地面に巻き込まれて消えた。

 一応まだ半分くらい残っているが、トレーラーそのものが大きな被害を受けている事もあり、操縦席はほぼ全滅近い。

 それはつまり、このトレーラーをどうにかするには何かで引っ張って移動する必要がある訳で……空間倉庫を使うか?

 取りあえず、コックピットだけを貫通されたザクは確保しておきたいな。

 パイロットが死んでいる以上、普通に収納出来る筈だし。

 だが、先程の混乱している状態でならともかく、今の状況で空間倉庫を見せるのは、色々と問題がある。

 

「そうですね。まずはあのMSと一緒に行動する方がいいと思います。その方が、アクセル代表の利益にもなりますし」

「イザーク、な」

 

 癖で俺をアクセルと呼んだメリルだったが、幸いフラウやその両親には聞こえていなかったらしい。

 その事に安堵しつつ、俺はメリルの言葉を訂正するのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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