転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0213話

 何かの音が聞こえ、眠りの中から次第に意識が浮上していく。その感覚を頼りに俺は目を覚ます。

 

「……」

 

 まだ半分寝ぼけている頭で周囲を見回す。

 キングサイズのベッドに、俺とレモン、コーネリア、マリューの3人の恋人達の姿がある。昨日の祝勝パーティの後にいつも通りに4人で夜を共にしてそのまま眠りについた訳だが……

 

「アクセルさん?」

 

 再び聞こえてきたその声と、寝室をノックするような音。

 半分寝ぼけた頭で周囲を見回していると、再度ノックの音。

 

「アクセルさん、起きてますか?」

「ん……なによ、五月蠅いわね」

 

 俺の隣で眠っていたレモンが気怠げに起き上がり、その桃色の髪の毛を掻き上げている。そしてレモンの声で残り2人も目を覚ましたのだろう。寝起きの気怠さを感じさせながらも、その見事な裸体を見せつけるかのように伸びをする。

 

「開けますけど、いいですか?」

 

 再び聞こえてきた声。……声? エキドナ? いや、この声は……

 

「アクセルさん、朝食の準……」

 

 そう言って部屋に入ってきたのは、ミリアリアだった。最後まで言葉を言い切る事なく固まっている。

 その様子を見ているうちに、次第に昨夜の事を思い出す。

 祝勝会が終わったのが既に日付も変わった頃。カガリは明日の準備があるからと、護衛の意味も込めてアスランと共に帰り、ムウも同じくアークエンジェルの方で準備をする必要があると帰って行った。

 しかし残りのメンバーは折角だからと俺の家に泊まっていく事になり……

 チラリと寝室に置かれている時計へと視線を向けると、既に時刻はAM09:00を回っていた。

 なるほど、朝になっても起きてこないから起こしに来てくれた訳だ。……にしても、男の俺を起こすのにミリアリアが来るってのはどうよ?

 ともかく起こしに来たけどどうしても起きないという事で部屋に入ったら、でかいベッドの上で全裸で寄り添っている俺、レモン、コーネリア、マリューの姿があり、それを見て固まった訳か。

 幸い布団で肝心な場所は見えていないが、それでもミリアリアにとっては衝撃的だったのだろう。

 

「ミリー? どうしたんだ?」

 

 次いで聞こえてきたのはトールの声。さすがに男の俺を起こしに来るのにミリアリア1人では来ないか。

 

「っ!? トール! 入っちゃ駄目!」

 

 ドアから顔を覗かせようとしたトールへと部屋の入り口近くに置いてあった雑誌を投げつけるミリアリア。マリューがSEEDの世界から持ち込んだ雑誌は、狙い違わずトールの顔面へと直撃した。

 

「す、すいませんっ! その、朝食の用意が出来てますので支度が出来たら起きてきて下さい! すいませんでした!」

 

 何度も繰り返し謝り、寝室を出て行くミリアリア。その様子をまだどこか少し寝ぼけた頭で俺達は見送った。

 

「……ミリアリア、さん?」

 

 隣から聞こえてくるのは、呆然としたマリューの声。そちらへと視線を向けると、寝ぼけていた頭が次第にはっきりとしてきたのか微妙に顔が赤くなっている。半年近い間ブリッジで生活を共にしてきた相手にこの状況を見られたのだから、当然なのかもしれないが。

 

「ほ、ほら! アクセルもコーネリアも……レモン! そのまま寝ないで! 早く着替えないとまたミリアリアさんが呼びに来るわよ!」

「何よ……昨夜は遅かったんだからもう少しくらい寝かせてくれてもいいじゃない」

 

 朝にはあまり強くないレモンがそう愚痴るが、マリューは有無を言わせずに布団を引っぺがす。

 マリューがレモンを起こすのを横目に、ベッドから降りて脱ぎ捨てていた服と下着を新しい物に着替える。レモン達は身支度に時間が掛かるので、取りあえず俺だけでも向こうに行っておいた方がいいだろう。

 男特有の素早い身支度を済ませると、ようやく着替え始めていた3人に軽くキスをしてから寝室を出て食堂へと向かった。

 

 

 

 

 

「オ、オハヨウゴザイマス、アクセルサン」

「ああ、おはよう」

 

 顔を真っ赤にしてどこか片言の言葉で挨拶をしてくるミリアリアに苦笑を浮かべながら挨拶をして食堂へと入る。そこには恐らくミリアリアが作ったのであろう朝食が人数分並んでいた。

 サイ、トール、キラ、ディアッカの4人は既にテーブルに着いて俺達が来るのを待っていたようだ。……トールの顔が赤くなっているのは俺達の様子をミリアリアから聞いたからか、あるいは雑誌を思い切りぶつけられたからか。

 

「遅くなって悪かったな。レモン達はもう少し時間が掛かるから先に食べててもいいぞ」

「……なぁ」

 

 空いている席に座ると、ディアッカが話しかけてくる。その瞳は好奇心に光っていた。何となく話は予想出来るが……

 

「なんでミリアリアは朝から壊れてるんだ? あんたを起こしに行って戻ってきたらあんな様子なんだが……」

「衝撃的なものを見たって所だな」

「衝撃的なもの?」

「その辺は想像に任せるよ」

「へぇ……」

 

 オーブで昨日買ってきた野菜ジュースを飲みながらディアッカと会話を続ける。その間もチラチラとこちらを見てくるミリアリアの姿があったが、取りあえずその辺は流しておく。

 

「お待たせ、おはよう皆」

 

 食事を開始してから10分程経つと、レモン達3人も食堂へとやってきた。この短い時間でどう準備したのかは分からないが、既にいつもの状態になっているのは凄い。

 

「あら? 食事はミリアリアさんが用意してくれたの?」

「え、ええ。悪いとは思いましたけど、台所の方勝手に使わせて貰いました。……その、お早うございます、艦長」

「そう? ありがとう。……でも、寝室に入ってくるのは感心しないわね」

「そ、その……すいませんでしたっ!」

 

 マリューのどこか含みを持たせた言葉を聞いたミリアリアが勢いよく頭を下げる。その様子をどこか面白そうに見ていたレモンがミリアリアへと近づき、ミリアリアの真っ赤な頬を撫でながら顔を上げさせる。

 

「良ければ、貴方も仲間に入る?」

「い、いえ……その、私には……」

 

 チラリとトールの方を見るミリアリア。トールは何が起きているのか分かっていないようで不思議そうにレモンとミリアリアの姿を見ていた。

 

「レモン、からかうのはよせ」

 

 溜息と共にコーネリアがレモンを窘めると、『あら残念』と呟いて俺の隣の席へと座る。

 反対側にはコーネリアが。向かいにはマリューといった席順だ。

 

「さて、食事をしながらだけど明日の事を決めておきましょうか。取りあえずこの場にいる子達は全員アークエンジェルに乗るって事でいいのよね?」

 

 ミリアリアの用意してくれた朝食を食べながら、明日の予定について話し合いを始める。

 

「そうだな、全員アークエンジェルで間違いない……よな?」

 

 俺の質問に全員が頷く。

 

「そうなると、シャドウミラーから出す戦力は?」

「俺のグロウセイヴァー、レモンのヴァイスセイヴァー、コーネリアのラピエサージュにメギロートが50といった所か」

「エキドナは昨日の会議で言ってた通りに、オーブに残すという事でいいのだな?」

 

 コーネリアが念の為という感じに聞いてくるので、頷いておく。

 

「そうだ。オーブ防衛の意味もあるし、ギャンランドの艦長として残していく予定だ。エキドナがシーリオンとメギロートを統率していれば連合軍が纏めて掛かって来ても負けはしないだろう。いざとなったらホワイトスターにメギロートの予備があるし、なによりエキドナのヴァイサーガもあるしな」

「なら、宇宙にもメギロートをもっと持っていった方が良いのではなくて?」

「レモンの言いたい事も分かるが、50機で結構ギリギリなんだよ。アークエンジェルにはシャドウミラーの3機に、フリーダム、ストライク、バスターで合計6機……あるいはこれにアスランのジャスティスの可能性も含めて7機。オーブからはMSを出さない予定だから、クサナギにメギロートを詰め込む予定だ。クサナギのMS搭載数は10機だから、ここにメギロートを限界まで詰め込んで残りをアークエンジェルの空きスペースに入れて大体50機といった所だな」

 

 エターナルが来ればもう少し余裕が出来ると思うが、それまでの保管場所を考えると……俺の空間倉庫にでも入れるか? だが、MSやMAの整備しかやった事のないマードック達にメギロートの修理作業等が出来るかどうか……難しいな。やはりMSに集中して貰った方がいいだろう。宇宙に持っていくメギロートはあくまでも使い捨てと割り切った方がいい。あるいは、空間倉庫に予備のメギロートを入れて持っていき、破壊された分を随時補充するという方法を取るべきか?

 それに既に原作の流れとは違ってしまっている。ラクス達が無事にエターナルを奪取出来るかどうかも未知数である以上、それに頼るというのはやめておいた方がいいか。

 

「分かった。一応予備として俺の空間倉庫に30機程入れていく」

「ええ、そうして頂戴」

 

 納得した顔のレモンだったが、空間倉庫の事を知らない面子は不思議そうな顔で俺の方を見ている。

 

「昨日念動力を見せただろう? あれと同じような特殊な力だよ」

 

 パチンっと指を鳴らすと俺の横に空間倉庫が展開される。同時に脳裏に浮かぶリストからシュークリームを選択して手の上へと出現させる。

 取りあえず朝から妙なものを見せたお詫びという事で、空間倉庫から取り出したシュークリームをミリアリアの前まで持っていく。

 

「え? 出来たて?」

 

 そのシュークリームを触ったミリアリアが思わず呟く。あのシュークリームはそれなりに有名な洋菓子店で出来たてをまとめ買いしたものだ。当然、時の流れが止まっている空間倉庫の中ではいつまでも出来たてのままになっている。

 

「まぁ、簡単に言えば時の流れが止まっている容量無限の倉庫だな」

「……本気で規格外な存在だな、あんた」

 

 唖然としたディアッカの声に苦笑を浮かべる。

 

「この人のやる事を一々気にしていたら身が保たないわよ? 坊やもその年で髪の毛の心配はしたくないでしょう?」

「ぼっ……いや、まぁ、言いたい事は分かるけどよ」

 

 レモンの坊や呼ばわりに一瞬反論しかけたディアッカだったが、すぐにその無意味さに気が付いて諦めの溜息を吐く。

 

「こちらから出す戦力に関してはアクセルの言った通りで決定と考えてもいいのか?」

「そうだな。戦闘指揮官のコーネリアとしては何か意見があるか?」

「ふむ、そうだな。予備戦力として量産型Wを数人アークエンジェルに乗せて行くというのを提案したい」

「それは構わないが、そいつらの機体は俺の空間倉庫か?」

「ああ。機体の選択に関してはアクセルに任せる」

 

 宇宙で使える機体となると……コスモリオン、ガーリオン、ガーリオン・カスタム、量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ、エルアインスといった所か。ここはやっぱりエルアインスか? ……いや、連合軍にしろ、ザフトにしろ、シャドウミラーの主力であるエルアインスを見せるのはあまり面白くないか。量産型Wを抜きにしても戦力的には十分な状態なんだし、予備戦力という扱いだから量産型ゲシュペンストMk-Ⅱで構わないだろう。

 

「分かった。適当に見繕っておく」

 

 こうして朝食兼会議が一段落するとそれぞれが束の間の休日を楽しむ事になった。




名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:205
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:294

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