転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2293話

 その日の夜、いつものように食事をしている最中に、俺が思いついた事……ホワイトベースに乗って地球に向かい、そこでハワイに向かうという事を口にする。

 実は結構反対されるかも、と思わないでもなかったのだが……

 

「まぁ、アクセルがそうしたいんなら、いいんじゃない?」

 

 予想外……本当に予想外な事に、レモンの口から出たのはそんな言葉だった。

 

「いいのか?」

「アクセルなら、UC世界で何があっても生き延びるでしょうし。それにUC世界での出来事を考えると、連邦軍の新型MSやMS運用艦と一緒にいるというのはシャドウミラーとしても決して悪い話じゃないわ」

 

 レモンの言葉に、他の面々も納得したように頷く。

 ……それだけ信頼されていると、そう思っておこう。

 

「ただ、アクセル1人だけだと何かあった時に大変そうだし……誰か一緒に行った方がいいのは間違いないわね」

 

 レモンのその言葉に、食事をしていた何人かが鋭く目を光らせる。

 

「私が立候補しますわ!」

「政治班は、ただでさえ人数が少ないのよ。あやかが抜けたら、どうするつもり?」

 

 あやかの言葉に、レモンが若干の呆れ混じりに告げる。

 その言葉に、あやかは何かを言い返そうとするものの、結局そのまま何も言わずに座る。

 実際にはあやかや千鶴が入る前から政治班もそれなりに回っていたのだから、あやかが抜けても即座にどうにかなるって訳じゃないのは間違いないだろう。

 もっとも、あやかが政治班として働く前と後では国交を持っている世界が増えてるので、当然のようにその仕事も増えてるのだが。

 一応魔法球があるので、いざとなれば無理も利くのだろうけど……というか、今の時点で普通に政治班の面々は魔法球とかを使ってるんだが。

 そうでもしないと、とてもではないが政治班を回すといった真似は出来ないだろうし。

 

「そういう訳で、政治班の千鶴も却下よ」

「残念」

 

 笑みを浮かべつつも、少しだけ残念そうに呟く千鶴。

 あやかと同様、UC世界の地球に行きたかったといったところか。

 人当たりという点では、千鶴はホワイトベースでも十分有能に働けると……ああ、いや。避難民達はクレイドルで下船するんだし、それを考えれば気にする必要はないのか?

 軍人だけ……いや、ホワイトベースを動かす人員だけになっても、潤滑剤となる人物が必要なのは変わらないけど。

 

「じゃあ、私や美砂は? 特にこれといって急ぎの仕事はないし、戦争が起きている中に向かうのなら、私達みたいに生身の戦闘力が高い方がいいんじゃない?」

「ふむ、お前達2人の生身での戦闘力は理解するが、この場合必要なのはMSを操縦出来る力ではないのか? 聞くところによれば、ホワイトベースではMSに対してパイロットの人数が少ないと聞く。ならば、私が……」

 

 円の言葉にスレイがそう告げた。

 実際、スレイのその言葉は決して間違っている訳ではない。

 月に来るまでは、避難民の中からもパイロットを募集してどうにかMSを戦力としていたが、避難民が下船するとなると、そのパイロット達も下船する可能性がある。

 アムロやカイ、ハヤトといった面々や、それ以外にも避難民から集められたパイロットの数々。

 その辺を考えると、必ずしも全員が残る事になるとは限らないのだ。

 

「うーん、そうなると私はやっぱり駄目よね」

 

 シェリルの言葉に、当然だろうといった視線が集まる。

 シャドウミラーの幹部陣の中でも、シェリルは広報役として大きな影響力を持っている人物だ。

 それでいながら、その役目を担っているのはシェリル1人である以上、そのシェリルが長期間いないというのは色々と不味い。

 他にも、シェリルは広報役以外にも歌手としての活動もある。

 その辺の事情を考えた場合、こちらもまた長期間行方不明になるというのは問題となる。

 シェリル本人も、それが分かっていただけに自分から行けないといったように口にしたのだろう。

 もっとも、実際には出来れば一緒に行ってみたいという思いがあるのも、間違いのない事実だったのだろうが。

 

「MSの運用を考えると、やっぱり実働班かしらね。けど、コーネリアは実働班を纏めるという立場上無理でしょうし……スレイと綾子のどちらかといったところかしら」

 

 レモンの言葉に、何人もが残念そうな表情を浮かべていた。

 エリナが悔しそうにしているのは、やはり交渉とかで自分が役に立つと考えていたからだろう。

 もっとも、エリナの場合は政治班であるという時点でこの件から漏れているのだが。

 

「コーネリアとしては、どう?」

「ふむ……そうだな。操縦技術という点ではスレイが上だが……」

 

 コーネリアの説明に嬉しそうな表情を浮かべるスレイだったが、次にマリューの口から出た言葉で落ち込んでしまう。

 

「あら、スレイはヴァイクルの件があるから、いなくなられるのは困るわ」

 

 その言葉に、スレイは見て分かる程に落ち込む。

 だが、シャドウミラーの技術班が自分の専用機を開発してくれている以上、それに関わらないという選択肢は、スレイには存在しない。

 ……下手に技術班だけに任せると、色々な意味でとんでもない機体になる可能性が高い、というのも大きいだろう。

 元々がホワイトスターから中途半端にサルベージ出来たヴァイクルの設計データをベースにして開発している機体である以上、実際にその機体を操縦するスレイの意見が多く採り入れるというのは、非常に重要な事だ。

 それを考えると、スレイが俺と一緒にUC世界でホワイトベースに乗るというのは、不可能な事だった。

 

「それは……いや、しかし……」

 

 それでも何かを言おうとしたスレイだったが、結局最後は何も言う事が出来ず、黙り込む。

 

「ふふっ、じゃあ私がアクセルと一緒に行動する事に決定だな」

「あ、なら私も一緒に行きたいんだけど、いい?」

 

 満面の笑みを浮かべて勝利宣言を行う綾子だったが、その綾子の待ったを掛けたのは、ミナト。

 

「ミナト? うーん……まぁ、今は他の人と違ってミナトにも特に忙しい仕事はないだろうし、それを考えればミナトも一緒でもいいかもしれないわね」

「ちょっ、何で!? 私だけじゃなかったの!?」

 

 綾子の口から残念そうな声が出るが……実際、ミナトはそこまで忙しい訳ではないというレモンの言葉は間違いのない事実だ。

 政治班のように忙しい訳でもなく、技術班や実働班のようにいざという時がある訳でもない。

 それにミナトはMSの操縦とかは向いていないが、船……それこそ軍艦とかそういうのの操縦を得意としている。

 であれば、ホワイトベースの操舵士としてミライの代わりにという選択肢も存在する。

 まぁ、ミライがクレイドルで下船してしまえば、ミナトが本職という事になるのだろうが。

 ただ、ミライはヤシマ家とかいう名家の出で、ヤシマ重工という会社の令嬢でもある。

 言ってみれば間違いなくVIPと呼ぶべき存在であり、そんな人物が軍艦に乗って赤い彗星の待ち受けている中に突っ込んでいくというのは……普通に考えて、信じられるような事ではないだろう。

 その辺りの事情を考えれば、ミライがクレイドルで下船するという可能性も十分にあるが……ただ、その場合はそんなVIPがクレイドルにいるという事になり、地球のヤシマ家やヤシマ重工といった所に対して大きなカードともなる。

 ミライがその辺を知っていた場合は、クレイドルで下りないでそのままホワイトベースに乗るという可能性も……まぁ、ない訳ではない。

 

「ミライって女が、現在ホワイトベースの操舵を任されている。その女がクレイドルで下りるといった事になった場合、ミナトの操船技術は役立つかもしれないな。それに、ミライに何かあった時の為、というのも大きい」

「うー……しょうがない。分かったわよ」

 

 若干不承不承ではあったが、綾子が俺の言葉に頷く。

 実際、ミナトの場合は人当たりも良いという事で、メリルの代わりに人間関係の潤滑油として頼りになるのは間違いない。

 そう言えば、メリルはどうなるんだろうな。

 元々がサイド7でアムロの情報を集めたりしていたら、いつの間にか連邦軍のMSについても情報を集めるようになっており、最終的にはルナ・ジオンにおけるサイド7内の諜報責任者といった形になっているしな。

 ガンタンクのパイロットとしてもそれなりに腕利きだし、ホワイトベースの者達と顔見知りというのも大きい。

 そうである以上、メリルがいた方が色々と便利なのは間違いない。

 ああ、でもガンタンクの操縦の場合は、それこそミナトにも向いてるのか?

 実際に操縦出来るのかどうかは、きちんと試してみないと駄目だろうが。

 というか、綾子がこっちに来るとなると、カイが乗っているガンキャノンのパイロットの座が……

 いや、俺達はホワイトベースが地球に下りればそのままハワイに行くんだから、わざわざカイからパイロットの座を奪ったりする必要はないか。

 

「なら、取りあえず明日にでもブライト……ホワイトベースの艦長に連絡を取って、話を通しておく。俺と綾子、ミナトの3人でいいんだな? ……正直なところ、マリューに来て貰えればいいんだけど」

「え? 何で私?」

 

 まさか、ここで自分の名前が出るとは思っていなかったのか、マリューが驚きの声を上げる。

 だが、SEED世界での出来事を考えると、マリューの経験は必ずブライトの役に立つだろう。

 アークエンジェルを指揮して戦い抜いたのだから、士官候補生から半ば成り行きというか消去法で中尉に任官し、ホワイトベースの艦長になったブライトよりは、よっぽど艦の指揮は経験豊富と言ってもいい。

 MS運用艦という意味では、ホワイトベースとアークエンジェルは結構似てるし。

 とはいえ、マリューは技術班として忙しい日々をすごしているし、ホワイトベースに関しても、まさか部外者……どころか、UC世界以外の人間に指揮を執らせるといった真似をする訳にもいかないだろう。

 能力とかにしてみれば圧倒的にマリューの方が上なのは間違いないんだが。

 その辺りについて説明すると、マリューも納得したような表情を浮かべる。

 

「そうね。聞いた限りだと、ホワイトベースとアークエンジェルの境遇は似てるわね。……MS開発の場所に敵のエースパイロットが来ているという点も含めて。もっとも、UC世界では開発していたMSをジオン軍に奪われるといった事がなかったんだから、私達よりも恵まれているようだけど」

「上も、まともな奴が多いしな」

 

 俺の言葉に、マリューがしみじみといった様子で頷く。

 実際、SEED世界においてマリュー達が所属していた大西洋連邦の上層部はブルーコスモスによって汚染されている者が多かった。

 それに比べると、ルナツーの一部には無意味な強硬派が存在するものの、ゴップやレビルといった有能な軍人が上層部にいる連邦軍は、幸福だと言ってもいいだろう。

 もっとも、連邦軍はそうでも連邦政府の方は特にこれといった……それこそ連邦軍におけるレビルのような主導権を持って強い指導力を発揮するような人物がいないのが、問題を大きくしてるのだが。

 おかげで、コロニーの市長として派遣された人物は、少しでも金を貯めようとして税金を重くしている。

 特に最初にコロニーを建設したサイド1なんかでは、上がかなり腐っていると聞く。

 この辺、連邦政府の弱点であると言ってもいい。

 もっとも、レビルが脚光を浴びたのはジオン軍による独立戦争があったからこその話である以上、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、そのうち連邦政府の方でもレビルのような人物が出てこないとも限らない。

 

「そうね。でも、私は動けないわ。……それくらいは分かってるでしょ?」

「スレイの件、か」

 

 先程スレイの立候補を却下した理由となる、ヴァイクルをベースにした新型機の開発。

 勿論マリューが関わってるのはそれだけではなく、レモンと共に研究しているET-LINKシステム、それ以外にも俺が知らないだけで幾つもの研究が同時進行されており、マリューはそんなレモンの片腕として働いている。

 SEED世界においては一番階級が高かったからこそ艦長を務めていたマリューだったが、その本質は技術者だ。

 コーディネイターですら考えつかなかった、PS装甲を開発した研究者の中の主要メンバーの1人であるという時点で技術者としては天才の領域にいる1人なのは間違いない。

 それでいて軍人としても非常に高い能力を持っており、それこそコーディネイター? 何それ美味しいの? といった感想を抱いてもおかしくない人物だ。

 ……そんなマリューだったが、実は俺と一緒に来られない本当の理由は、暴走する技術班のストッパー的な役割であったりもする。

 そんなマリューの仕事を考えれば、俺もまたマリューを連れて行くのを諦めるしかなかった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:240
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1436

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