転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2316話

 ホワイトベースは、先日の戦闘が嘘のように平穏なまま地球に向かって航海をしていた。

 ジオン軍が大人しいのは、やはり前回の戦闘で大きな被害を受けたからだろう。

 アムロもあの戦いが終わってから数時間後には目を覚まし、医務室で一応検査してみたが、特に問題はないらしい。

 とはいえ、ホワイトベースにある医療施設というのは、最新鋭艦ではあっても所詮は軍艦の設備だ。

 本格的な病院の設備と比べると、どうしても劣ってしまう。

 その辺の事情を考えれば、アムロが本当に安全なのかどうかというのは、分からない。

 ちなみに……本当にちなみにの話だが、ニュータイプが病院で検査を受けても、その人物がニュータイプかどうかというのは、はっきりと分からない。

 もっとも、ニュータイプという言葉の定義自体がまだはっきりとしていないのだが。

 ともあれ、そんな中でニュータイプと判断するには……ニュータイプが持つ特殊な脳波を一定以上の強さで検出する必要がある。

 その脳波は当然のように普通の装置で調べる事は出来ず、フラナガン機関にあったような特殊な装置が必要となる。

 連邦軍なら事情を理解すれば、もしかしたらそれ専用の器具を開発したりする可能性は十分にあるけど。

 とはいえ、ニュータイプは出来ればルナ・ジオンに引き抜きたいから、わざわざそれを教えたりするつもりはないが。

 

「くそうっ、ちょっとは自信がついたと思ったら、もうこれかよ」

 

 カイが悔しそうにしながら、シミュレータから出て来る。

 そしてもう一方、カイと戦っていた方のシミュレータから姿を現したのは、アムロだった。

 とはいえ、その表情に浮かんでいるのは真剣な色だけ。

 月で俺と模擬戦をやった時とは違い、そこに増長の色はない。

 まぁ、シャアと互角に戦った……と言っても、実際には最後に俺に助けられた形になっているし、シャアとの戦いでお互いの実力差を思い知ったというのもあるのだろう。

 その上、ガンキャノンに乗った綾子にも連敗しているのだから、その状況で増長出来る筈もない。

 やっぱり、綾子はガンキャノンに乗ってもかなりの実力なんだよな。

 というか、元々半サーヴァントである事もあり、反射神経なんかは普通の人間とは比べものにならないくらいの強さを持っているのだ。

 それを考えれば、寧ろこの結果は当然なのだろう。

 

「カイさんも、低反動キャノンを撃ち込んでくるタイミングが、僕としてはかなりやりにくかったですよ。ただ、どうせならビームライフルとの連携も考えた方がいいと思います」

「ビームライフルとの連携ねぇ。……つっても、ガンタンクと違ってパイロットは俺ちゃん1人だけだからな。どうしても機体制御とか低反動キャノンの発射で一杯一杯な訳よ。そこに、ビームライフルの狙撃とかみたいな繊細な真似をしろって言われてもなぁ……」

「別に、狙撃とかでなくてもいいんですよ。ただでさえガンキャノンのビームライフルは威力が高いんですから。そうである以上、取りあえず撃つだけでも、相手にしては嫌だと思いますよ」

 

 アムロとカイがこういう風にお互いに――アムロの方が圧倒的に多いが――アドバイスをするようになったのも、やっぱり前回の戦いの影響だろう。

 あの戦いの時、お互いに協力し合っていればもっと楽に戦えたというのもあるし、このままお互いに協力し合わないと、この先の戦いで命の危険に陥るとそう実感したのが大きい。

 それこそ、シャアのようなエースパイロットでもなければ、個人で生き残るなどというのは難しいのだから。

 ……とはいえ、最終的にはアムロにもシャアと同等の技量を持って貰う予定なのだから、それを考えればまだまだ足りない。

 

「で、お前は向こうに行かなくてもいいのか?」

「いいんです。僕はリュウさんと一緒に訓練をしてますから」

 

 俺の問いに、ハヤトが不満そうな様子でそう言ってくる。

 相変わらずハヤトのアムロに対する対抗心は収まっていないらしい。

 別にアムロの父親が軍属であっても、地上げにアムロが直接関わっていた訳じゃないんだから、そこまで気にする必要はないと思うんだがな。

 いや、こういうのは理屈じゃないのか。

 

「けど、お互いに連携や意思疎通が重要だというのは、理解しているだろ? もし何かあった時、ハヤトの判断が失敗した結果で仲間に迷惑を掛けるとかなったら、最悪じゃないか?」

「それは……」

「ああやって、アムロとあまり性格の合わないカイですら、それなりにアムロと話してるんだ。お前も行ってきたらどうだ?」

 

 そう言い、ハヤトの背中を押す。

 不意の行動だった為だろう。ハヤトはどこかに掴まるといった事も出来ず、真っ直ぐにアムロとカイのいる方に、向かって飛んでいった。

 さて、これで少しはアムロとハヤトの関係が修復されればいいんだけどな。

 一体、どうなるのやら。

 

「アクセルにしては、あまり似合わない真似をしてるな」

 

 そんな声に振り向くと、そこには綾子の姿があった。

 どこか面白そうな笑みを浮かべて俺を見ているのは、その言葉通り俺が似合わないような真似をしていたからだろう。

 自分でも柄じゃないというのは分かってるんだが。

 ただ、それでもこのホワイトベースにはしっかりと、戦死者0で地球に行って欲しいと思っている訳で。

 あるいは、アムロの成長を促す為には誰かが死んだ方が効率的なのかもしれないが、その辺はやっぱり俺の性格的にあまり好まない。

 

「まぁ、相手が相手だしな。こっちも、色々とやっておく必要があるって事だよ」

「ふーん。……ま、いいけどね」

 

 そう言いつつも、やっぱり綾子が浮かべているのは、どこか面白そうな表情だった。

 そんなに面白いか? と疑問に思うが、綾子がそう思うのであれば、別に俺が何かそれに不満を言うようなつもりはない。

 

「それで、綾子の目から見た感じでは、どうだ?」

「どうって……アムロやカイ?」

「ああ。何度かシミュレータで模擬戦をしただろ? そんな綾子から見て、あの2人……俺達がホワイトベースを下りた後は、ここのエースとなるだろうパイロットの技量を聞きたい」

「それは、こっちに聞くよりもアクセルが感じているのが、正解だと思うけどね。……取りあえず、アムロの方は相応に強くなっている。それこそ、精霊の卵の下の方の連中相手になら、勝てるかもね」

「へぇ」

 

 それは、俺にとっては少し驚くべき言葉。

 とはいえ、出来れば精霊の卵の上位に位置する相手に勝てるようになって欲しいというのが、俺の正直な気持ちでもあるのだが。

 

「地球に行くまでに、少しでもアムロ達を鍛える事が出来ればいいんだけどな。その辺は綾子に任せるよ」

「私だけ? アクセルはやらないの?」

「頼まれればやってもいいけど、ガンキャノンの消耗がちょっと」

 

 暗礁宙域に存在した囮の部隊との戦闘、そしてホワイトベースを襲おうとしていたザクとの戦い、そしてシャアとの戦い――という程に本格的なものではなかったが――での連戦。

 当然それだけ連戦すれば、機体のパーツも消耗する。

 特に俺の場合は機体を激しく動かすという事もあり、どうしても関節部分の損耗が激しくなる。

 これがヅダなら、高機動型という事で関節部分をルナ・チタニウムで作ってるんだが、ガンキャノンの場合は装甲はルナ・チタニウムだが、関節部分は違う。

 この辺、ある意味で設計思想の違いだな。

 ヅダの開発チームの……今ではディアナの一員となった者達がルナ・チタニウムを使おうとして、コストの面で諦め、苦肉の策として関節部分だけにでもといった感じだったのだが、それが良い方に働いた形だ。

 

「別に、実機を使って模擬戦をしなくても、あのシミュレータでもいいだろ?」

「それは否定しないけどな」

 

 シミュレータよりは、やはり模擬戦の方が実力向上に繋がるのは事実だ。

 ……とはいえ、地球に向かって全速力で進んでいる今の状況で模擬戦は出来ない。

 結局、今の状況ではシミュレータをやるのが最善なのだろう。

 

「アクセル、俺とちょっと対戦してくれないか?」

 

 と、綾子と話しているとそんな風に声を掛けられる。

 声のした方にいたのは、リュウとハヤトというガンタンクのコンビだ。

 

「珍しいな。なら、シミュレータで対戦といこうか。言っておくけど、手加減はしないぞ?」

「当然だろ。訓練で手加減をしたりしたら、こっちが怒る!」

 

 俺の言葉に、リュウがそう叫ぶ。

 その様子を見る限り、自分が強くなる事に貪欲だというのは間違いない。

 であれば、こっちも手加減をする必要はないんだろう。

 

「分かった、ならやるか」

 

 こうして、俺とリュウ……正確にはリュウとハヤトはシミュレータでの戦いを始めるのだが、当然ながらガンキャノンとガンタンクでは機体性能が大きく異なる。

 中距離戦闘用のガンキャノンに、遠距離戦闘用のガンタンク。

 その上、ガンキャノンは近接用装備のビームサーベルを持っていないが、一応格闘という攻撃手段もある。

 ……まぁ、ガンタンクも敵に接近された時用にボップミサイルとかいう、連射可能なミサイル発射装置が両腕に仕込まれているのだが。

 それでも、二足歩行のガンキャノンとガンタンクでは接近戦になった時にどっちが有利なのかは考えるまでもない。

 そんな訳で、シミュレータをやる上で開始距離はかなり離れた位置……ガンタンクの距離でのスタートとなる。

 シミュレータが起動すると同時に、俺はガンキャノンを動かす。

 すると、まるでそのタイミングを待っていたかのようなタイミングで、俺がいた場所付近に幾つもの爆発が起きる。

 何が起きたのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだ。

 シミュレータが開始した瞬間に、リュウ……いや、ガンナーはハヤトなので、そのハヤトが牽制の意味も込めて低反動キャノンを撃ってきたのだろう。

 しかし、しっかりと狙いを定めるような余裕がなかったにも関わらず、大体俺のいた場所付近に命中しているのは、ハヤトの技量が上がっている事を意味している。

 ハヤトも、アムロへの対抗心を持っているだけに、相応の訓練を積んでいるという事だろう。

 実際に前回の戦いではホワイトベース上からの狙撃によって、1機ザクを撃破してるらしいしな。

 少し前まで軍人でも何でもない一般人だった事を考えれば、その上達速度には驚いてもおかしくはない。

 毎日遅くまでシミュレータを使って訓練していたらしいから、その結果が見事に出たと言ったところか。

 とはいえ……アムロはともかく、カイにもその技量は追いついていない。

 この辺は、MSの性能や才能の差といった感じなんだろうけど。

 ともあれ、ハヤトの腕が上がったからといって、こっちが大人しくやられる……といった風にされる訳もない。

 暗礁宙域と言う程にスペースデブリは多くないが、それでも幾つか存在する岩塊を盾代わりにガンタンクのいる方に向かって投げる。

 元々、宇宙という状況設定である以上、どうしてもホワイトベースを足場にしているガンタンクは不利だ。

 これが地上という状況設定なれば、ある程度動けるようになるとは思うのだが……ただ、今の俺達は宇宙にいるのだ。

 そんな状況の中で、地上を舞台にしてシミュレータをやっても意味はない……とは言わないが、即戦力には繋がらない。

 だからこそ、リュウやハヤトも不利なのを承知の上でこの状況設定で戦いを挑んで来たのだろう。

 こっちから向こうに飛ばした岩塊を俺と判断したのか、次々にガンタンクの低反動キャノンが発射される。

 だが、その攻撃は岩塊を破壊したかと思えば、攻撃を外したりして、命中精度という意味では、決して良くはない。

 そんな中で、俺はその岩塊に紛れるようにしてガンタンクとの間合いを詰めていく。

 向こうに近づけば近づく程に、ガンキャノンがどこにいるのかというのを、見つけやすくなるだろう。

 それは分かっているのだが、それでもある程度の間合いを詰める事が出来るというのは、ガンタンクを相手にする上では、非常に大きな意味を持つ。

 そうして移動し続け……やがてこっちの予想通りにガンキャノンの武器、低反動キャノンやビームライフルの間合いに入り込む。

 こうなってしまえば、こちらとしても回避一辺倒でいる必要もなく、向こうを警戒させる意味でも、攻撃を開始する。

 ガンキャノンの両肩にある低反動キャノンは、その射程や威力こそガンタンクの低反動キャノンに劣るが、それでも勝っているところがある。

 それが、砲身の長さが短く、動く時に邪魔にならないというのと……連射速度だ。

 その連射速度を最大限に活かし、攻撃をしていく。

 砲身が揺れるせいで、低反動キャノンを使った精密射撃といった事は出来ないが、それでも弾幕という点では間違いなくこちらが有利なわけで……そうして相手を翻弄しながら、ビームライフルを構える。

 低反動キャノンとは違い、十分に精密射撃が可能となるそのビームライフルを構え……こちらの弾幕に対抗する為か、ガンタンクが両腕のミサイルを連射してくる。

 まぁ、宇宙空間である以上、実弾兵器なら実質的にどこまでも飛んでいくので、悪い選択肢ではないのだが……

 

「それでも、甘いんだよ」

 

 呟き、ビームライフルのトリガーを引く。

 次の瞬間、ホワイトベースの上にいたガンタンクは、その胴体を貫かれ……撃破扱いとなるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:305
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1449

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