転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0218話

 シャドウミラーとしての自己紹介が終わり、改めて俺の話を聞く態勢になるエターナルの面々。

 その様子を見ながら、俺も口を開く。

 

「さて、まずはこれから起きる予定の出来事を説明していこうか。まず、後1週間程度で連合軍の部隊がここに派遣されてくる。狙いは……」

 

 キラとアスランへと視線を向ける。

 

「フリーダム、ジャスティスに装備されているNジャマーキャンセラーだ。……もっとも、それは俺の知ってる歴史の流れではそうなっているのであって、今回の場合は俺達シャドウミラーの機体を鹵獲する事に重点を置いている可能性も高いだろうがな」

「なんでまた?」

「バルトフェルド。MSは基本的にバッテリーで、フリーダムとジャスティスのみがNジャマーキャンセラーの効果で核エンジンを使っているな?」

「そりゃまぁ」

「だが、俺達シャドウミラーの機体はその殆ど全てが核融合ジェネレーターか、あるいはそれよりも技術の進んだプラズマジェネレーターを使っている」

「……本当か?」

「ああ。その辺に関しては俺達の技術が進んでいるからな。基本的に核分裂エンジンなんてのはジュラ紀の遺産状態だ」

「なるほど、それなら確かにシャドウミラーの機体を狙ってくる可能性は十分あるな」

 

 俺の言葉に納得するバルトフェルド。

 

「ちなみに、恐らくだがその時の連合軍の旗艦はアークエンジェル級2番艦、ドミニオン。艦長はナタル・バジルール少佐」

「……」

 

 アークエンジェル級、ナタルと聞き覚えのある名称が出た事でザフト組以外は絶句する。その中でも一番最初に再起動したのは当然と言うか意外と言うか、ムウだった。

 

「アクセル、それは本当か?」

「俺の知ってる歴史の流れなら、恐らく。そしてドミニオンにはブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルがいるだろう」

 

 ブルーコスモス盟主という単語に、今度はザフト組がざわめく。

 

「そしてエターナルを追跡してきたクルーゼ隊も参戦して半ば三つ巴の戦いになり……クルーゼの『鍵』が連合軍、と言うかアズラエルに渡る」

「……鍵? それは以前から言っていた……」

 

 ムウの言葉に頷き、その鍵の正体を口に出す。

 

「フリーダム、ジャスティスの設計図……すなわち、Nジャマーキャンセラーの設計図だ」

「馬鹿なっ!」

 

 そう声を上げたのはダコスタだった。

 

「クルーゼ隊長……いえ、クルーゼはザフトの英雄として祭り上げられている人物ですよ。それが何故連合にNジャマーキャンセラーの設計図なんて……信じられません」

 

 ムウとクルーゼの関係についてはここで話しておくべきか。プライベートな内容だが、クルーゼの目的が目的だしな。

 

「その話の前に……ムウ、以前俺がこのメンデルにお前とクルーゼに関する情報が眠っていると言ったのを覚えているか?」

「あ、ああ。オーブでの事だろう?」

「そうだ。クルーゼの行動はその情報に関係する事が原因となっている。それを話したいと思うが構わないか?」

「……ああ。俺もいい加減奴との関係を知りたいしな」

 

 ムウが頷いたのを確認し、口を開く。

 

「ラウ・ル・クルーゼ。超一流のMSパイロットにしてザフトの英雄。その正体はムウ、お前の父親であるアル・ダ・フラガのクローンだ」

「……何?」

「このメンデルにあるGARM R&D社の主任研究員であるユーレン・ヒビキ博士。お前の父親は彼に資金援助と引き替えに自らのクローン作成を依頼した。その結果がラウ・ル・クルーゼだ。自分の息子であるムウではなく、自分自身のクローンをフラガ家の跡継ぎにしようとしたんだな。……ただし、体細胞クローニングの宿命であるテロメア遺伝子の減少短縮問題を、技術不足で解決出来なかった。つまりクルーゼは人の何倍もの早さで老いていく失敗作なんだよ。さて、自分が他人の欲望の為に産み出され、尚且つ出来損ないだからと捨てられたと知ったらどうすると思う?」

「それは、もちろん親父に復讐をするんじゃないか?」

「ああ。そして実際その復讐は実行に移された」

「復讐を……つまり、親父が死んだあの火事は!?」

「そうなるな。さて、自分を直接的に産み出した人物に対する復讐は遂げた。だが自分を産み出す土壌となったこの世界が変わる事なく続いている状況が許せない。そう考えたクルーゼが次に狙うのは戦争を激化させて自分という存在を産み出した人類そのものの滅亡になる訳だ」

「その為にNジャマーキャンセラーをブルーコスモスに?」

 

 マリューの言葉に頷く。

 

「恐らくだが、ジェネシスに関してもクルーゼが何らかの関与をしている可能性もある」

「つまりは、何か? 俺とクルーゼの奴は遺伝子的には親子って事か?」

「そうなるな」

「……マジか」

 

 心底嫌そうに眉を顰めるムウ。自分の宿敵だと思っていた相手が実は遺伝子的に自分の父親でした、という事が明らかになったのだからそれも無理はないが。

 

「いや、でもちょっと待てよ? 俺の親父のクローンって事は……ナチュラルなんじゃないか?」

 

 ふと思いついた様子でムウが口に出したその疑問に、周囲が静まりかえる。

 ザフトの英雄。つまりは軍人であるコーディネーター達の頂点に立っているといってもいいクルーゼが実はナチュラルだというのを皆信じられない様子だ。

 

「アクセル?」

 

 マリューの言葉に小さく頷く。

 

「そう、クルーゼは正真正銘ナチュラルだ」

「ちょっと待ってくれないか。クルーゼの奴はMSをコーディネーターの誰よりも使いこなしていたが、それでもナチュラルだと言うのかい?」

「……バルトフェルド、お前はアフリカでアークエンジェルと戦ったな?」

「ん? ああ、だがそれがどうした?」

「あの戦いで、ストライクに乗っていたのはコーディネーターであるキラだ。だが、もう1機、ブリッツに乗っていたのはナチュラルである俺だぞ?」

「……本当か?」

「ああ。転移実験でヘリオポリスに転移して、そのままあの強奪騒ぎに巻き込まれてな。後はそのまま済し崩し的にブリッツのパイロットとして傭兵活動をしていた」

「いや、でも……君を普通のナチュラルと一緒に考えるのはさすがに無茶があるだろう」

「まあな。実際純粋に肉体的な能力だけを考えるのなら、恐らく俺より上の者はこの世界にはいないだろう。だが……例えばそこにいるコーネリアは生粋のナチュラルと言ってもいいが、その辺のコーディネーターよりも余程優秀だ。それに……」

 

 チラリとマリューの方を見る。SEEDの続編であるDESTINYで、マリューはコーディネーターの特殊部隊相手に互角に渡り合う……どころか、勝っているのだ。これだけを見てもコーディネーターの存在が絶対的なもので無いというのは明らかだろう。

 

「何?」

「いや、何でも無い」

 

 マリューの言葉に首を振り、再び口を開く。

 

「つまり、ナチュラルでもコーディネーターよりも高い能力を発揮するというのは無理ではない訳だ。……もちろん、ある程度の才能は必要とされるだろうがな」

「なるほど、コーディネーター至上主義のパトリック・ザラとしては認めたく無いだろうな」

 

 コーネリアの言葉に頷き、ふと話がずれている事に気が付いた。

 

「悪い、話がずれていたな。どこまで言ったか……そう、クルーゼがアズラエルにNジャマーキャンセラーの設計図を渡すという所か。本来の歴史ならそれから2ヶ月程後にNジャマーキャンセラーを使った核ミサイルの飽和攻撃により、ボアズが文字通りこの宇宙から消滅。その数日後にはプラント本国に核ミサイルを撃ち込むが、ここでアークエンジェル、クサナギ、エターナルが介入してそれを防ぐ。その後、ザフトもジェネシスを使って連合軍艦隊の殆どを消滅させ、第2射で援軍に向かっていた連合軍艦隊と月のプトレマイオス基地が消滅。ジェネシスをそのままにしておけない連合軍と、それを守るザフト、そして両方を止めたいアークエンジェルの三つ巴戦になり、地球を直接ジェネシスで狙おうとしたパトリック・ザラが側近に殺され、アズラエルもドミニオンごとアークエンジェルに沈められる。こうしてザフト、連合の強硬派2人が死んだ事によりアイリーン・カナーバが強硬手段で実権を握ってようやく停戦する事になる。……これが本来のこの世界の歴史だ」

 

「……」

 

 俺の言葉に周囲が静まりかえる。自分達が予想していたよりも随分と凄惨な戦いに衝撃を受けているのかもしれない。

 

「もちろん、俺としてはその歴史通りに物事を運ぶつもりは一切ない。その為にオーブに介入したんだしな。まず手始めは……」

 

 そこまで言って、周囲の様子がまだ元に戻っていない事に気が付く。

 

「……そうだな、取りあえず今日はこの辺で解散という事にしようか。今の状況でこれからの事を話したとしても頭に入らないだろう。連合軍がここに辿り着くまでには、後1週間程度の猶予があるしな」

 

 少なくても俺の話の整理をつけるのに一晩程度は必要だろう。

 

「アクセル、ドミニオンを沈めるという事は……」

「そういう事だ」

 

 ドミニオンの艦長はナタルだとチラリと漏らしたので、ムウが気になっているのはその辺だろう。

 

「取りあえず、俺達が介入する事に関しては明日の……そうだな、昼過ぎにこのメンデルの会議室かどこかで話すとしよう。レモン、エターナルの調整に関しては任せていいな?」

「ええ。量産型Wに指示をしていくわ」

「ラクス、バルトフェルド、エターナルに関しての必要な指示に関しては早めにしておいてくれ」

「ええ、分かりました」

「僕も構わないけど、量産型Wってのは?」

 

 ラクスが素直に頷き、バルトフェルドが尋ねてくる。それに答えたのはレモンだった。

 

「私が作った……そうね、人造人間とでも言えばいいかしら。自分の意志のない人型の機械のようなものよ。でも、言われた事をこなす能力は高いから安心して」

「人造人間ねぇ……僕に出来る想像を超えてるね、こりゃ」

 

 苦笑を浮かべているバルトフェルドのおかげか、多少空気が柔らかくなった所で取りあえず今日の会議に関しては一端終了になった。それぞれが散っていく中で俺はキラとカガリ、アスラン、ラクスの4人を呼び止める。

 

「どうしました?」

 

 4人を代表してラクスが尋ねてくるが、取りあえずエターナルのブリッジから人気の無い場所へと移動する。

 

「ムウとクルーゼについては話したから、キラとカガリについてだ。クルーゼについては俺達の目的に深く関わっていたから皆の前で話したが、キラとカガリについてはプライベートな事だからな。ラクスとアスランを一緒に呼んだのはお前達2人にも微妙に関係があるからだ。……聞くか?」

 

 俺の言葉に4人が頷いたのを確認し、話し始める。

 

「先程、ムウの父親のアル・ダ・フラガが資金援助をしたという話をしたと思うが、G.A.R.M. R&D社の主任研究員であるユーレン・ヒビキが資金を必要とした理由が、コーディネーターを越えたコーディネーター、スーパーコーディネーターとでも呼ぶべき存在を産み出す為だった。それがキラ、お前であり……その副産物とも言えるのがカガリ、お前な訳だ」

 

「……」

 

 黙って俺の話を聞く4人。

 

「カガリが貰った写真に写っていた女がヴィア・ヒビキ。ユーレン・ヒビキの妻でキラとカガリの実の母親となる」

 

 そこまで言ってから、今度はアスランとラクスへと視線を向ける。

 

「正確には分からないが、コーディネーターを越えたコーディネーターにはSEEDというものが発現するらしい。その要素がお前達2人にもある」

「SEED?」

「Superior Evolutionary Element Destined-factorの頭文字だな。訳すと優れた種への進化の要素である事を運命付けられた因子といった所か。キラ、それにアスランも戦闘中に意識がクリアになる事があるだろう? 例えばオーブ近くでアスランが自爆した時の戦いとか。あれがSEEDの状態だと思っていい」

「ちょっと待て。SEEDというのはコーディネーターに現れるものなんだろう? 私はナチュラルだぞ」

 

 カガリの言葉に軽く首を振る。

 

「何故カガリにSEEDが発現するのかは、正直俺にも分からない。推測するのならユーレン・ヒビキがキラを産み出した時の影響がカガリにも現れているのかもしれないが」

「……そうか」

「俺から出来る情報提供はこのくらいだ。後は自分達でどうするか話し合って決めるといい」

 

 4人にそう言って、その場から去っていく。




名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:205
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:294

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