転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2358話

「へぇ……いいお店ね」

 

 ミナトが店の中を見て感心したように言う。

 マチルダやブライトとの打ち合わせをした翌日、俺は前々から約束していた通り、ミナトとのデートを楽しんでいた。

 今日は綾子の姿もなく、本当に俺とミナトの2人だけのデートとなっている。

 それが嬉しいのか、ミナトの機嫌も悪くない。

 大勢の恋人と同棲をしている身ではあるが、やはりたまにはこうして2人きりのデートを楽しみたいといったところだろう。

 俺もこういうデートは嫌いではないので、ミナトと共に店の中を見る。

 この店は、いわゆる小物の類を色々と置いている雑貨店だ。

 ……土産用のマカデミアナッツが入ったチョコレートとかも売ってるが。

 冷蔵コーナーにあるのは、ハワイの気温を考えると、普通に置いておけば溶けるからだろう。

 そんな中で、ミナトが興味を示しているのはアクセサリーの類。

 とはいえ、そのアクセサリーは宝石とかで出来たようなものではなく、木とかを使って作った代物だ。

 それらのどこがミナトの興味を惹いたのかは分からないが、ミナトは目を輝かせてそれらを見ている。

 

「どう? 似合う?」

 

 木で彫った飾りがついているネックレスを首に掛けて、尋ねられる。

 ミナトには、そんなネックレスが不思議と似合っていた。

 

「ああ。似合ってる」

「ふふっ、ありがと。じゃあ、これを貰おうかしら。それと綾子にも何かお土産を買っていった方がいいわね」

 

 嬉しそうにしながら綾子へのお土産として何がいいのかと、ミナトが俺に尋ねてくる。

 とはいえ、俺も別にお土産とかに詳しい訳じゃないし……って、おい。

 店の中を見回していると、ふとそれが目に入った。

 お土産と言われて、日本人が思いつくだろう1つ……木刀。

 いや、本当に何で木刀がお土産になるのかも分からないし、何より木刀がハワイの土産として売ってるってのは、どういう事だ?

 無理矢理……本当に無理矢理考えるとすれば、この木刀の材料となる木は、ハワイで生えていた木だったとか?

 ともあれ、あまりに場違い……いや、MSでの戦いがあるUC世界と考えれば、実はそこまで場違いって訳でもないのか? 寧ろ、相応しいような感じすらしないでもない。

 そんな風に思っていると、不意に隣で呆れの混ざった声が発せられる。

 

「あのね、アクセル。幾ら何でも、木刀を綾子のお土産にするのはどうかと思うわよ?」

「そうか? ……そう言われればそうか」

 

 綾子なら喜んでくれそうだという思いがなかった訳でもないが、何気に乙女な綾子だから、木刀を貰っても喜びはしないか。

 

「そうよ。それなら……ほら、ああいうコップとかでもいいんじゃない?」

 

 ミナトが示したのは、少し離れた場所に置かれていたガラスのコップ。

 こういうのが土産になるのか? という思いがなかった訳でもないが、ミナトが言うのであれば、とコップを購入する。

 店を出るとコップを空間倉庫に収納して、ミナトと2人で色々と見て歩く。

 

「こうしてみると、やっぱり人が多いわね」

「それはな。……それより、次は海に行こうと思ってるけどいいか?」

「ええ、問題ないわ。水着はこの下に着てるしね」

 

 今日のミナトは緑色のワンピースだったが、その下にはしっかりと水着を着ていたらしい。

 そうなると、出発前に預けられたバッグの中に入っていたのは、多分着替えか。

 

「ふふっ、どんな水着か期待しててちょうだい。綾子と一緒に選んだんだから」

 

 満面の笑みを浮かべつつ、そう告げてくるミナトに一瞬視線を奪われつつも、俺はミナトと共に海に向かう。

 途中でトロピカルジュース……色々な果実の果汁を合わせたジュースを購入しつつ。

 そうして砂浜までやってくると、そこには以前見た時と同様……あるいはそれ以上に素晴らしい光景が広がっていた。

 白い砂浜、青い海という表現はよく聞くが、まさにそんな感じの光景だ。

 そんな砂浜だったが、予想外に多くの者達が海水浴を楽しんでいる。

 ……俺が言うのもなんだけど、この連中は今が戦争中だと理解しているのか?

 

「多分、今が戦争であるというのを、少しでも忘れたいんでしょ」

 

 俺の様子を見ていたミナトが、そう告げる。

 ミナトにとっても、この光景は色々と思うところがあったのだろう。

 もっとも、俺とは正反対のベクトルだったようだが。

 

「取りあえず、このまま見ていても仕方がない。俺達もどこかに場所を作ってから、泳ぐか」

「そうね」

 

 空間倉庫の中には、当然のようにビニールシートやビーチパラソルの類も用意してある。

 それらを使って、空いている場所に用意する。

 普通の人なら、こういう時に貴重品……財布とかの置き場所に困るんだろうが、俺は空間倉庫があるので、その辺の心配は全くしなくてもいい。

 そうして準備を整え、施設を使って着替える。

 ちなみに、ミナトが人前でワンピースを脱ぐと、下に水着を着ている状態であっても破壊力がもの凄い事になるので、結局ミナトも施設の中で着替えた。

 そうして着替え終わると、早速俺とミナトは海で遊ぶ。

 とはいえ、砂浜の海だから、俺はあまりこういう場所には慣れてないんだよな。

 俺にとって、海というのは基本的に岩場の海で、しかもそこで魚介類を獲るのが目的だったから。

 

「こういう場所だと、あれか? 私を捕まえてご覧なさいって奴をやるのか?」

「あのねぇ。幾ら何でもそんなベタなのは……」

 

 しないわよ。

 恐らくそう言おうと思ったミナトだったのだが、視線の先でとある男女が追いかけっこをしているのを見ると、言葉を止める。

 ちなみに、ミナトの視線を追った俺も言葉を止めたが……それはまた、別の理由からだ。

 何しろ、その追いかけっこしている2人に見覚えがあったのだから。

 その2人は、闇夜のフェンリル隊の、ニッキとシャルロッテ。

 そんな2人が追いかけっこをしていたのだ。

 ……もっとも、追いかけているのはシャルロッテで、追われている方がニッキ。

 しかもニッキは引き攣った表情を浮かべ、シャルロッテの方は怒りの表情を浮かべているので、どこにも甘い雰囲気はなかったが。

 とはいえ、シャルロッテは何気に美人だし、スタイルもいい。

 水着で走っているので、それなりに豊かな胸も揺れたりしており、何人もの男達から視線を向けられていたのだが……本人は全く気が付いた様子がない。

 

「こらぁっ! 待ちなさい!」

 

 そんな声を上げながらニッキを追うシャルロッテ。

 

「……ああいう風にか?」

「あれはちょっと違うんじゃない?」

 

 俺の言葉に、ミナトが微妙な表情を浮かべてそう返し……やがて、雰囲気を切り替えるように、口を開く。

 

「ところでアクセル。恋人の水着姿を見たら、何か言う事があるんじゃない?」

「あー……そうだな。うん、似合ってると思う」

「そ」

 

 俺の言葉に返ってきたのはその短い一言だけだったが、ミナトが嬉しく思っているのは、笑みを浮かべているのを見れば明らかだ。

 とはいえ、別に俺がそう言ったのは決してお世辞でも何でもない。

 本当に、ミナトの着ている水着は、似合っていたのだ。

 白いビキニというのは、言ってみればありふれた水着だろう。

 だが、だからこそミナトのような美人が着る事によって、周囲との違いを明確にしてしまう。

 白い肌と、女らしいメリハリのある身体を覆う白い水着、そして華やかな美貌は、見ている者の目を、それこそ男女関係なく惹きつけるだけの魅力があった。

 特に男なら、その豊かな双丘の谷間や白く滑らかな肌で長く伸びる足、もしくは本当にそれで大丈夫なのか? と疑問に思ってしまう者がいてもおかしくはないくびれといったような、様々な場所に目を奪われてもおかしくはない。

 実際、俺もミナトの水着姿にはしっかりと目を奪われていた。

 

「ふふふ。喜んで貰えたようで何よりね」

 

 女は男の視線には敏感で、それこそ男がチラッと見たつもりでも、それは女にとってはじっと凝視されているようなものだと、以前誰かに聞いた覚えがある。

 シェリルだったか?

 まぁ、シェリルは結構派手な衣装を着てライヴをしてるので、その辺に詳しくてもおかしくはないが。

 ともあれ、ミナトの水着姿をじっと見ていた俺の視線は、ミナトにとって十分な意味を持っていたのだろう。

 

「全く、そんなにじっと見つめるなんて。……私の身体で、アクセルの指と唇が触れていない場所なんてないのよ?」

 

 ……まぁ、それは事実だが、だからと言って今ここでそんな台詞を、それも周囲に聞こえるように言うのはどうなんだ?

 その台詞によってか、ミナトに見惚れていた男の何割かが、俺に嫉妬と敵意の視線を向けてくる。

 

「あー、うん。じゃあ取りあえず海に入って遊ぶか」

「そうね。……こうして波の満ち引きがしているところに立っていると、足の下にある砂が海に持っていかれる感触が、何だか妙にくすぐったいし、楽しいわね」

「あー、言われてみれば、そんな感じがしないでもないな」

 

 実際にこの感触はなかなかに奇妙なものなのは間違いない。

 ……よく見れば、俺とミナトのように、波打ち際に立ってその感触を楽しんでいる者も何人かいる。

 とはいえ、その人数そのものはそこまで多くはなかったが。

 

「あ、ねぇ、アクセル。あれってちょっと面白そうじゃない?」

 

 不意にミナトが、海の方を指さす。

 その方向にあったのは、海に浮かんでいるビニール製の筏? のような代物。

 いや、実際には筏の類ではなくて、その上に寝転がって海の上を漂っているといった感じなのだが。

 ああいうのって、1人で遊んでいて眠っていると、いつの間にかどこかに流されたりとか、そんな風になってしまいそうだな。

 実際、ミナトが指さした方にあった場所では、何人かが纏まってそんなビニールの筏……ビニールマットか? ともあれ、そんな物の上に乗ったり、浮き輪代わりに使ったりといった真似をしていた。

 

「そうだな。確か以前どこかで海水浴に行った時に同じようなのを空間倉庫の中に入れてたから、それを使うか。ちょっと待っててくれ」

 

 人前で何もない場所から何かを取り出すといった真似をすれば、当然のように目立つ。

 いやまぁ、ぶっちゃけミナトを連れている時点で目立つのは確定なんだが、それとは別の意味で目立つというのは、正直な。

 ともあれ、少し離れた場所にある建物の陰でビニールマットを取り出すと、それに大きく息を吹き込む。

 店とかなら、専用の機械とかもあるらしいし、個人でも足で踏んで空気を入れるようなのはあるらしいが、俺の場合は特に問題なく、それこそ一息で完全に膨らませる事が出来る。

 いや、ぶっちゃけここでやりすぎると風船の如く破裂してしまうので、手加減をする必要すらあった。

 ともあれ、そんな感じでビニールマットを膨らませると、俺はそれを持ってミナトのいた場所に戻ったんだが……

 

「何があった?」

 

 思わず、俺はそう声を掛ける。

 とはいえ、砂浜に倒れているのが男だけ……それも見るからに軽そうな男達なのだから、何があったのかは、考えるまでもないだろう。

 こういう男にとって、派手目な美人のミナトは、それこそ最高の獲物だと思ってもおかしくはない。

 

「ちょっとお仕置きしただけよ」

 

 満面の笑みを浮かべてそう告げるミナトだったが、そこにはこれ以上聞くなといった強い意志の力があった。

 これ以上何かを聞いた場合、色々と不味い事になりそうだったので、俺もそれ以上は深く突っ込むような真似はせず、持っていたビニールマットをミナトに見せる。

 

「これを用意してきたから、海に出てみないか」

「そうね」

 

 思ったよりもあっさりと機嫌を直したミナトは、ビニールマットを持っていない方の手を引っ張って海に向かう。

 俺もまた、特にそれに逆らうような真似をせずに海に向かい、持ってきたビニールマットを海の上に浮かべる。

 海の中から、そのマットの上によじ登るミナト。

 身体能力が低かったり、運動不足だったりすれば、ここで上手く乗る事が出来ず、海に落ちてしまったりといった風になってもおかしくはない。

 だが、普段からホワイトスターで生身の戦闘訓練をしているミナトにとって、この程度の動きは特にどうという事もない。

 ビニールマットの上で横になり……うん、明らかに俺に胸の谷間が見えるように……そしてうつ伏せになった事で双丘が柔らかくひしゃげている光景が見えるようにと、挑発しているな。

 そんな挑発に乗るべく、俺は上半身をビニールマットに上に乗せ……ひっくり返らないように注意しながら、ミナトの唇を塞ぐ。

 

「ん……もう……いきなり何をするのよ。今夜は2人きりでゆっくりとした時間をすごすんだから……ね?」

 

 触れるだけのキスが終わると、ミナトは悪戯っぽく笑いながらそう告げる。

 

「ミナトが誘ってきたんだろうに」

 

 そう告げつつも、俺はミナトとハワイの海をもう少し楽しむのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:425
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1469

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