転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0223話

「敵はMSが約150機、戦闘艦が20隻、それとドミニオンと例の新型の生き残りです」

 

 グロウセイヴァーのコックピットにミリアリアからの通信が入ってくる。にしても、150機? ラクスの話では先程の戦闘で80機は撃破した筈なんだが……となると、予備機か何かを出してきたと考えるべきか。

 

「了解した。ザフトの方はどうなっている?」

「ナスカ級はまだ動いていません。デブリに隠れたままになっています」

 

 こちらも予想とはちょっと違う動きだな。クルーゼの事だからこれ幸いとフレイを脱出ポッドで送り出すと思っていたが。

 

「了解した。取りあえずザフトは後回しにするとして、今は連合軍の方を対処するべきだな。ただし、ナスカ級の動きは常に監視しておけ」

「はい。ナスカ級の監視はメギロートをコントロールしているクサナギで行うとのことです」

 

 カガリか……いや、このソツの無さはキサカだろうな。どちらにしても、素早い対応は助かる。

 

「了解した。……キラ、ムウ」

 

 フリーダムとストライクへと通信を繋げる。

 

「なんですか?」

「どうした?」

「分かっていると思うが、ここが正念場だ。フレイにしろ、ナタルにしろな」

 

 俺のその言葉に黙って頷く2人。その目には強い意志を感じさせる。

 

「ならいい。アクセル・アルマー、グロウセイヴァー、出るぞ!」

 

 リニアカタパルトで射出されたグロウセイヴァーが先頭を進み、そのすぐ後ろでヴァイスセイヴァーとラピエサージュが俺の左右を固める。

 そしてその後を追うようにしてストライク、バスター、量産型ゲシュペンストMk-Ⅱが発進し、エターナルからはミーティアを装備したフリーダムとジャスティスが。クサナギからはメギロートの群れが発進してくる。

 前回の戦いで10機程が撃破されたクサナギのメギロートだが、既に俺の空間倉庫から損失した分の機体は補充してあるので態勢は万全だ。

 

「まずはフルバー……ちぃっ!」

 

 前回と同じくフルバーストで敵の頭数を減らそうとしたのだが、さすがに同じ轍は踏まないらしい。砲撃が可能な戦艦全ての一斉攻撃がこちらへと降り注ぐ。

 ビームに砲弾、レールガン、ミサイル等々。まさに大盤振る舞いだ。

 

「まずはミサイルを無力化させてもらおうか」

 

 グロウセイヴァーに備え付けられているジャマーのスイッチを入れた途端、こちらへと向かっていた殆ど全てのミサイルがあらぬ方向へと飛んでいく。ビームやレールガンの弾丸は回避し、砲弾は手持ちの火器で迎撃する。

 こちらのパイロットはそれぞれが超が付く一流なのだからその程度はそれ程難しい事ではない。だが、さすがにAIのメギロートに俺達と同じ行動を取るのは無理があったらしく数機が撃墜されていた。

 そして敵艦隊からの先制射撃が終われば、次に来るのはストライクダガーの集団だ。

 

「コーネリア、指揮の方は任せるぞ。俺はとにかく数を減らす」

「ああ。量産型ゲシュペンストMk-Ⅱはクサナギとエターナルの護衛に付け。ストライクとバスターはアークエンジェルの護衛を最優先に。それ以外は敵MSを確実に撃墜していけ。ドミニオンとレイダーは常に警戒しておくように」

 

 コーネリアの命令を聞きながら、ストライクダガーから撃たれたビームライフルを回避しつつ距離を詰める。

 

「まずは、これでも食らえ!」

 

 殆ど零距離と言えるまでにストライクダガーと接近し、グロウセイヴァーの胸部装甲を展開して多段頭ミサイルのファイア・ダガーを発射する。普通に距離を取ってのミサイル発射であれば、ストライクダガーにもミサイルを回避するなり、ビームライフルで撃ち落とすなり、ビームサーベルで切り払う事が出来ただろう。だが、殆ど接触していると言ってもいい零距離からの射撃であった為に対抗する事は不可能だった。あるいは頭部に装備されているイーゲルシュテルンでの迎撃という手段もあったと思うが、少なくても俺の標的となったストライクダガーのパイロットは何も出来ないままにコックピットを含む胴体へと連続してファイア・ダガーを食らい爆散した。

 その様子を最後まで見るまでもなく、俺は次の攻撃を開始する。

 

「アダマン・ハルパー、起動。ナイン・テールモード! はああぁぁぁぁぁっっ!」

 

 9条の鞭と化したアダマン・ハルパーをグロウセイヴァーの桁外れの膂力で振り回す。連合軍のMS部隊にとって不運だったのは、グロウセイヴァーを懐に入れてしまった事だろう。振り回された9条の鞭は周囲に存在していたストライクダガーの手足を斬り裂き、頭部を破壊し、シールドを吹き飛ばし、ビームライフルを粉砕し、胴体をコックピットごと破壊する。

 たった数秒の攻撃で10機以上の機体を失い、混乱するMS隊。だが、こちらの攻撃はまだ終わってはいない。

 

「ファントムっ!」

 

 その叫び声と共に、T-LINK装置が俺の意志を汲み取りファントム全機が射出されてストライクダガーへと襲い掛かる。四方八方からレーザー弾が発射されるが、誘導系の武器と言えばメビウス・ゼロに装備されているガンバレルくらいしか知らない者達がファントムのような小型の誘導兵器に対処出来る筈もない。おまけに、一発撃ったら移動し、移動先でまた一発撃つという風に文字通りのオールレンジ攻撃なのだ。そしてレーザー弾で手も足も出なくなった所でレーザーブレードを展開したファントムがコックピット目掛けてその牙を突き立ててくるのだから、連合軍のMSパイロット達は碌に抵抗する事も出来ずに宇宙へとその命を散らしていった。

 グロウセイヴァーの近くにいた敵を一掃した為に、T-LINK装置で次の獲物を見つけてガン・レイピアを武器ラックから取り出し……丁度そのタイミングでオープンチャンネルによる通信がこの戦域へと響き渡る。

 

『地球連合軍艦、アークエンジェル級に告げる。戦闘を開始する前に、本艦で拘留中の捕虜を返還したい』

 

 その声が誰の声かは既に考えるまでもなく、クルーゼの声だろう。出来ればもう少し早くにフレイを解放して欲しかった所だが。

 

「キラ、やるべき事は分かっているな?」

「はい! 必ずフレイを連れ帰ります」

 

 フリーダムへと通信を送ると、キラが力強く返事をする。

 

「アクセル、ザフト艦からMSの発進を確認。同時にフレイさんが乗っていると思われる脱出ポッドの発進も確認されたわ」

「行きます!」

 

 アークエンジェルのマリューからの通信を聞き、ミーティアを装備したフリーダムがザフト軍の方へと進路を取る。

 

「ディアッカ、お前も行け」

「あ、俺も?」

「デュエルの相手はお前がしろ」

「っ!? ……了解」

「それとクサナギ、聞こえるか」

 

 クサナギへと通信を送ると、キサカが映像モニタへと現れる。

 

「フリーダムとバスターに対する援護にメギロートを回せばいいんだな?」

「ああ。だが、バスターに関してはメギロートを出さなくてもいい。迂闊にこちらから援軍を出せば、デュエルとバスターが済し崩し的に戦闘になってしまうだろう。それよりは2人で睨み合いなり話し合いなりをさせておけばいい」

 

 アークエンジェルでブリッツに乗っている時にはチートとも言える俺の能力もあって度々イザークの操るデュエルを翻弄してきたが、イザーク自身の能力は極めて高いものがある。激高しやすいという性格的な問題もあるが、それは闘争心が高いと言い換える事も出来るのだ。実際、原作ではアラスカに対して行われたオペレーション・スピットブレイクやその後のパナマ基地攻略戦でその実力を遺憾なく発揮してエースと呼ばれるのに相応しい戦果を上げている。そんなイザークを相手にしてザフトの標的であるエターナルの護衛として付けてある量産型Wは、人造人間故に手加減といった曖昧な行動はあまり得意ではない。いや、出来ない事も無いだろうが、やはり不安が残るのだ。可能であれば、この戦闘でディアッカが説得するなりなんなりでこちらの戦力にしたい所なんだが。

 そんな事を考えている間にフリーダムがナスカ級から放り出された脱出ポッドへと向かい、その援護にメギロートが3機程後を追う。

 クルーゼとしては、フレイが持っている情報に関しては俺達ではなく連合軍に渡したい為にそのままフリーダムへと脱出ポッドを奪われるのは困るのか、数機のジンを迎撃に向かわせている。しかしキラはジンを素通りして脱出ポッドへと向かう。その後ろから攻撃しようとしたジン達だったが、それはフリーダムから離れて襲い掛かってきたメギロートに阻止される形になった。

 

「ザフト艦は元々エターナルの追撃が任務なのだから連合軍に構わずエターナルに攻撃を集中してくるだろう。クサナギはエターナルと協力してザフトを迎撃せよ。量産型ゲシュペンストMk-Ⅱとジャスティスは連合軍に構わずにザフトの迎撃に専念するように。それとストライクは恐らく出てくるであろうラウ・ル・クルーゼの押さえに回れ」

 

 コーネリアの指示が聞こえてくる中、俺は脱出ポッドの方へと連合軍機を向かわせないようにビームガトリング砲の砲身を伸ばして弾幕を張りつつ牽制する。

 

「お前等の相手は俺で十分間に合っている」

 

 ビーム弾により、ある程度以上の距離から進む事も出来ないストライクダガー達。そんな状態の敵を見据えながらランツェ・カノーネの砲身を両方とも展開し、放たれたビームで数機を一網打尽に消滅させる。

 

 チラリとザフト側の戦場を見ると、ナスカ級3隻とエターナル、クサナギが砲撃戦を繰り広げていた。そして、こちらの予想通りにバスターとデュエルは睨み合ったままでその動きを止めている。

 その通信が戦場に響き渡ったのは、丁度そんな時だった。

 

『アークエンジェルっ!』

 

 国際救難チャンネルにより、戦場へとフレイの声が響き渡る。ザフトから操作も何も教えられる事無く救命ポッドに入れられて放り出されたフレイにしては上出来な結果だろう。

 

『アークエンジェル、私、私ここっ! フレイです、フレイ・アルスター。私……サイ、マリューさん!』

 

 その響く声に、キラの操るフリーダムはさらに速度を上げて救命ポッドへと向かう。それを阻止すべく再び2機のジンがその前に立ちはだかるが、恐らくSEEDを覚醒させている今のキラに対してその行動は酷く無謀なものだった。

 

「フレイっ! くそっ、どけぇっ!」

 

 左右の腰に装備されたビームサーベルを両手で持ち、振り下ろされたジンの重斬刀を回避し、突撃機銃による射撃は無視して2機の間を通り抜けざまにビームサーベルでコックピットを両断する。

 2つに切断された2機の機体は、そのまま漂い数秒後には爆発する。そんな2機の様子に一切構わず救命ポッドへと向かうフリーダム。だが、そんなフリーダムを阻止するかのようにクルーゼが乗っていると思われるシグーが立ち塞がる。

 

「キラっ!」

 

 その声と共にフリーダムへと攻撃しようとしたシグーへとビームライフルが数発発射される。それを行ったのはメギロート3機を引き連れたムウの操るエールストライクガンダムだ。

 

「こいつの相手は俺が引き受ける。お前は早く救命ポッドを!」

「ありがとうございます、ムウさん!」

 

 短く礼を言い、シグーを回避するようにして救命ポッドへと急ぐキラ。そしてそんな救命ポッドを狙う者が他にも存在した。

 MA特有のその高速性を活かし、救命ポッドへと向かう機体。連合軍の最後の切り札にして、唯一生存している後期GAT-Xシリーズのレイダーだ。

 

「やらせるかよ、ファントム!」

 

 先程ストライクダガーを相手に圧倒していたファントムのうち、10機がT-LINKシステムに流した俺の意志に従いレイダーへと殺到する。いくらレイダーがこの時代のMSの中でも最高クラスの機動性を有しているとは言え、さすがにファントムに勝る程ではない。救命ポッドへと向かいたいレイダーと、それを阻止して撃破すべくレーザーブレードという牙を露わにするファントム。普通のパイロットなら目で追うのもやっとの速度で繰り広げられる高速戦闘だったが、4機のファントムがレーザー弾を発射して牽制した所に、レーザーブレードを展開した残り6機のファントムが襲い掛かる。

 前後左右4方向からの攻撃は回避する事に成功するものの、上と下から行われた攻撃にはさすがに対処が追いつかなかったらしく、その羽根を両方とも破壊される。その一撃で一瞬動きの止まったレイダーだったが、それが命取りとなった。牽制としてレーザー弾を発射していたファントムがレーザーブレードを展開してレイダーへと群がったのだ。MA形態の頭をそこに装備されている機関砲ごと貫通し、鳥の足のような部分を切断し、コックピットを狙ってまさに文字通りに四方八方から突き刺さる。

 

「届いた!」

 

 キラのフリーダムがフレイの乗っている脱出ポッドを確保するのと、レイダーが爆散するのは殆ど同時に起こった出来事だった。




名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:465
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:346

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