転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2392話

「おう?」

 

 目の前の光景に、我知らず妙な声が出る。

 イフリート……いや、あそこまで改造してあったり、機体色も蒼いとなると、イフリートカスタム……違うな。イフリート改でいいか? うん、何だかそっちの方がしっくりくるし、それでいい。

 ともあれ、ピクシー目掛けて真っ直ぐに突っ込んできていたイフリート改は、アムロとユウ、ガンダムとブルーディスティニーが姿を現した瞬間、突然進行方向を俺からアムロのガンダムに変えて、真っ直ぐに突っ込んでいった。

 しかも、その動きは明らかに俺に向かって来ていたよりも鋭くなっている。

 俺に攻撃しようとしていた時は手を抜いていた? まさか、そんな可能性はないと思う。

 そうなると……

 

「って、邪魔だ!」

 

 ジャイアントバズの一撃を回避しつつ、取りあえずイフリート改はアムロに任せながら敵の数を減らすべく、ドムに突っ込んでいく。

 重MSと言われるだけあって、ドムは地上……それも現在いるような、ある程度開けた場所で戦うには厄介な相手だ。

 特にドムの持つジャイアントバズは、ジオン軍全体で見ても最強クラスの威力を持つ。

 エース級なら回避するのは難しくはないが、ミデアのような輸送艦やホワイトベースのような巨体を持つ軍艦では、それを回避するのも難しい。

 いや、ミナトならホワイトベースでバレルロールをしたりして回避してもおかしくはないが。

 ともあれ、そんな真似をすればホワイトベースに大きな被害が出るのは確実だ。下手をすれば、死人すら出かねない。

 その辺の事情を考えると、ジャイアントバズを使われるよりも前に、ドムを倒してしまった方がいい。……資源としても、十分に使えるし。

 実際にはグフカスタムがあるのでグフの方を優先して仕留めたいのだが、その辺はやはりドムを優先せざるを得ない。

 ドムの1機の間近に迫ると、ヒートサーベルを振るおうとしたが、そんな事をさせる筈もなく、一気にビームダガーでドムのコックピットを貫く。

 重MSといったところで、その重装甲の効果があるのはあくまでも実弾に対してだけだ。

 ピクシーの90mmサブマシンガン程度なら命中しても殆ど意味はないかもしれないが、ビーム兵器の前には例え装甲が多少厚くても意味はない。

 だからこそ、ドムはビームダガーの一撃であっさりと倒されたのだ。

 

『ちぃっ、何でこっちにばかり!』

 

 通信から聞こえてくるアムロの悲鳴……いや、愚痴が聞こえ、ドムの近くにいたグフに向かって進みつつ、一瞬だけアムロ達の様子を確認する。

 そこでは、イフリート改がガンダムを執拗に攻撃しているという光景が広がっている。

 ブルーディスティニーはそんなイフリート改を攻撃しようとするも、イフリート改の動きが素早く、下手をすればガンダムに当たるという事で攻撃を躊躇っていた。

 俺達の後からは、フィリップ、サマナ、綾子の陸戦型ジムと、カイのガンキャノンが追っている筈だ。

 ガンタンクはその機動力の問題から、多分今回もホワイトベースの甲板の上で移動砲台とかをやっているんだろうが。

 だとすれば、ここにいる他のMSはそちらに任せて、俺はイフリート改を攻撃した方がいいのか?

 一瞬そう思うが、ミデアの被害を考えると優先的に相手の数を減らす必要がある。

 やはり敵のMSの数を減らし……そう思った瞬間、不意に前線基地での戦いを思い出す。

 いや、正確には前線基地を攻略した後の、ブルーディスティニーに襲撃された時の事を。

 あの時も、ブルーディスティニーは執拗にアムロだけを狙っていた。

 そしてイフリート改の装甲の色は、ブルーディスティニーと同じ蒼。

 そう、ラルのパーソナルカラーの青ではなく、蒼なのだ。

 それだけであればそこまで気にする必要もなかっただろうが、行動までもが同じだとすれば話は変わってくる。

 また、ブルーディスティニーが身体は陸戦型ガンダムの物を使っているのに対して、頭部は陸戦型ジム。

 イフリート改も、基本的には俺の知っているイフリートのまま――足に外付けのミサイルがあったりするが――だが、頭部だけは俺の知っている形と明らかに違う。

 これもまた、俺の嫌な予感を裏付ける状況証拠の一つ。

 これらの一件から、思いつく事は……EXAMシステム。

 

「気をつけろ! そのMSはEXAMシステムを搭載している可能性が高い!」

 

 咄嗟にそう叫ぶ。

 EXAMシステムがどれだけ厄介なのかは、ブルーディスティニーとの戦いで十分に知っている。

 普通のパイロットが乗った状態でも、アムロと互角に戦えるだけの実力を示したのだから。

 それを思えば、恐らくジオン軍の中でもエースが乗っているのだろうイフリート改は、非常に厄介な存在でしかない。

 その通信を聞いたのだろう。アムロの乗るガンダムの動きが、明らかに今までよりも一段上がる。

 EXAMシステムの厄介さは、それこそ狙われるアムロが一番知っている。

 それだけに、出来るだけ早くイフリート改を倒してしまいたいと思ったのだろう。

 その判断は決して間違いではない。

 同時に、そんなアムロの行動は俺にとっても決して悪いものではなかった。

 アムロがイフリート改を相手にしている中で、こっちは敵のMSを減らす事が出来る。

 ……問題なのは、ドップの方をどうするかだな。

 ミデアのコンテナからの攻撃で、ある程度の数は減っているが、それはあくまでもある程度でしかない。

 今はまだ何とかなっているが、このままだとドップの攻撃でミデアが撃墜されてもおかしくはなかった。

 だからこそ、俺としてはMSもそうだがドップの方も片付けたい。

 とはいえ、空を飛んでいるドップを倒すのは難しい。

 これがミデアのように図体が大きければ、攻撃もしやすいのだが……それが出来ないとなると、やはりこっちから近づくしかない、か。

 

「綾子、このMS達を頼む。俺は空のドップを片付ける」

『分かったわ』

 

 短く、それでいてしっかりとこっちを信頼しているような声で言ってくる綾子。

 綾子も陸戦型ジムでの実戦は初めてなのだが、特に緊張している様子はない。

 W世界で普通に戦争を駆け抜けてきたしな。

 俺と合流する前にも、Fate世界で命懸けの戦いは何度となく行ってきたらしいし。

 その辺の事情を考えれば、UC世界で行われているMSの戦闘では、そこまで緊張したりはしないのだろう。

 ともあれ、綾子は俺の言葉に頷くや否や、ビームライフルを撃つ。

 まだ陸戦型ジムはこの戦場に到着はしていないものの、それでもビームライフルの攻撃は十分届く位置までは接近していた。

 そんなビームの攻撃に一瞬怯んだジオン軍のMSをそのままに、俺はピクシーを跳躍させ、そのままいきなりのビームの一撃で驚いていたザクの頭を踏み潰し、跳躍する。

 

『俺を、踏み台にした!?』

 

 踏まれたザクのパイロットが叫ぶ声が接触回線で聞こえてくるが、それに何か返事をしたりはしないで、そのままスラスターを全開にして跳躍する。

 ピクシーのスラスター推力は非常に高く、ジャンプと組み合わせれば擬似的な飛行程度は可能だ。

 そして飛んだ……いや、跳んだピクシーは、90mmサブマシンガンで狙う。

 MS相手には牽制程度にしかならない90mmサブマシンガンだが、ドップのような戦闘機を相手にするには十分な威力を持つ。

 数発命中すれば、それだけでドップを撃破出来るのだから。

 ミデアを追っていたドップだったが、当然のように空にやって来たピクシーの姿を発見すると、すぐに攻撃を開始する。

 俺達を誘き寄せる為にミノフスキー粒子も散布していなかったので、レーダーは万全といったところか。

 だが、ドップの攻撃はバルカンと小型のミサイルのみ。

 双方とも、ルナ・チタニウム製の装甲を貫いてダメージを与えるような事はまず出来ない。

 だからこそ、俺にとってはそんな敵の攻撃に脅威は感じない。

 そしてドップからの攻撃ではピクシーを撃破出来ないが、ピクシーからの攻撃では90mmサブマシンガンと頭部バルカンによって、こっちに攻撃してきたドップは次々に撃墜されていく。

 5機、6機、7機、8機。

 数秒と掛からずにそれだけのドップを撃破した後で、ピクシーは跳躍の最高点に達し、次は地上に向かって降下していく。

 そんなピクシーの様子に敵はこれを千載一遇のチャンスとでも思ったのか、ミデアを放っておいてこちらに攻撃を行う。

 数秒で仲間を大量に撃破された事で怖じ気づくかと思ったんだが……まさか、攻撃をしてくるとは思わなかった。

 いや、こっちとしてはそれはそれで楽なんだけどな。

 ともあれ、降下しながらもこちらに向かって攻撃してくるドップに対し、再び90mmサブマシンガンを発射する。

 2機、3機、4機。

 トリガーを引きながら銃口を動かすだけで、ドップは次々に撃破されていく。

 そうしてピクシーが地上に降りた時には、上空を飛んでいたドップの数は大幅に減っていた。

 ドップは戦闘機として航空距離が短いという、決定的な弱点を持っている。

 その上、ここは連邦軍の勢力圏内だ。

 だとすれば、母艦となるガウがどこかにいる筈なんだが……

 

「っと!」

 

 地上に降りたピクシーだったが、当然のように地上に降りれば降りたで、先程のMS達が待ち構えていた。

 俺が踏み台にしたザクは頭部を踏み砕かれて使い物にならなくなってはいたが、MSは頭部がなくても、一応動かす事は可能だ。

 だからこそ、頭部を潰されたザクはこちらにザクマシンガンを向けてくるが……片手でビームダガーを取り出し、素早くコックピットに突き刺す。

 崩れ落ちたザクをそのままに、別のMSを攻撃……と思ったのだが、フィリップ、サマナ、綾子、カイといったMSがいる以上、敵はそこまで厄介な相手ではない。

 周囲を見回すと、既に敵の多くが撃破されている。

 残っている敵もまだいるが、戦況という点では圧倒的にこちらが有利となっている。

 とはいえ……厄介な事がない訳でもない。

 視線をイフリート改の方に向けると、そこではまだイフリート改、ガンダム、ブルーディスティニーによる戦いが行われていたのだ。

 ブルーディスティニーはリミッターのおかげで暴走する様子はないが、同じEXAMシステム搭載機を相手にしているとなると……その辺も心配なのは間違いない。

 ともあれ、あのイフリート改を倒してMSを確保すべきだろう。

 あれだけの動きをしている以上、パイロットの方も怪我をしている可能性があるし……そう思った瞬間、まるで俺のそんな考えを読んだかのようにイフリート改は大きく後方に跳躍する。

 そうして距離を取ったかと思えば、ヒートサーベルの切っ先をアムロの方に向けた後で、それが合図だったかのように後方に跳ぶ。

 恐らく、他のジオン軍のMSの生き残りが後退したのに合わせたのだろう。

 それは決しておかしな話ではない。

 寧ろ、あの激しい戦いの中で味方の様子にもきちんと目を配っていたという事を意味している。

 そうなると、もしかしてあのイフリート改のEXAMシステムは起動していなかったのか?

 その辺りに関しては、それこそMSを鹵獲すれば分かる事だ。

 そう判断し、追撃を行おうとしたのだが、それよりも前にブライトからの通信が入る。

 

『アクセル、敵の追撃は必要ない。今はまず、ミデアの護衛を最優先にする必要がある。問題はないな?』

 

 問題がないかと言われれば、正直あるとしか答えられない。

 こちらとしては、出来ればイフリート改を入手したいのだから。

 だが、ミデアの護衛を最優先にすると言われれば……諦めるしかないのも、間違いのない事実だ。

 ミデアのコンテナに積まれている……そしてドップに対して迎撃を行っていた兵器。

 恐らくはMSだと思うが、そのMSが気になるのも間違いのない事実。

 何より、あのミデアはピクシー用のビームライフルも運んできているのを考えると、尚更放っておく訳にもいかない。

 EXAMシステム搭載のイフリート改の事は気になるが、今はそれよりもミデアの方を優先した方がいいのは間違いない。

 それに……あのイフリート改がEXAMシステムを搭載しているのなら、間違いなくこの先もアムロを狙ってやって来る。

 であれば、その時に撃破するなり、捕獲するなりといった風にすればいいのだ。

 現在のホワイトベースの戦力は非常に整っている。

 それこそ、ピクシー、ガンダム、ブルーディスティニーと、イフリート改と1対1でも互角に戦えるだけのMSが揃っているのだ。

 ……パイロットの操縦技能で言えば、綾子も十分イフリート改と互角に戦えるのだが、この場合はMSの性能差の問題でそれが難しい。

 綾子が本気で操縦すれば、陸戦型ジムの性能では、その反応速度に追随出来ないのだ。

 それこそ、他にもピクシーやガンダム、ブルーディスティニーと同等の性能を持つMSでもあれば、話は別だったのだが。

 ともあれ、今はミデアの方を優先するべく、イフリート改の追撃は諦めるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:580
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1500

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