転生とらぶる   作:青竹(移住)

260 / 4277
0236話

 オーブへと戻ってきた翌日。例によって巨大ベッドの上で目覚めた俺、レモン、コーネリア、マリューの4人は昨日の夜の疲れもあって気怠げにではあったが朝の準備を始める。

 ウズミとの約束がある以上はオーブの行政府に出向かないと行けない為、このまま二度寝を楽しむ訳にもいかないしな。

 その後、食堂でレモンとマリューの作ってくれた朝食を食べながら今日の予定について話し合う。

 

「俺はこれからオーブの行政府に行くけど3人はどうする?」

「アクセル1人だと心配だし、私も付き合うわ。コーネリアとマリューは?」

「私はラピエサージュで訓練をしたいと思う。レモン、量産型Wを何人か借りるが構わないか?」

「ええ、機体に関しては機数に余裕のある量産型ゲシュペンストMk-Ⅱかエルアインスを使って頂戴。マリューは?」

 

 レモンからの質問に数秒悩んだマリューだったが、やがて苦笑を浮かべながら口を開く。

 

「そうね……まだホワイトスターの全部を見た訳じゃないから見て回りたいというのもあるんだけど、さすがに戦争に参加した当事者としては戦後についての話となると参加しない訳にもいかないから、私もアクセルと一緒にオーブに行かせて貰うわ」

 

 考えるまでもなく、ここにいるメンバーの中でプラントの独立戦争とも言える今回の戦争に一番深く関わってきたのは、連合軍で5機のガンダムを開発してきたマリューなのだ。その戦争が終わった後の世界が気になるのは無理もない。

 

「分かった。エキドナはどうする?」

「そうね……コーネリア、もし良かったら貴方の訓練にエキドナも参加させてくれないかしら。貴方にしても、訓練相手に特機がいるというのは刺激になるでしょう?」

「特機……ヴァイサーガとか言ったか。確かにあのレベルの機体と戦った経験はないから有益であるのは認めるが……いいのか?」

 

 その質問はエキドナをオーブ政府の方へと連れて行かなくてもいいのか、というものだろう。

 

「ええ。そもそもアクセルがいる時点で私達が危険に晒される可能性はまず無いと言ってもいいんだし」

「……それもそうだな。アクセルの身体能力を考えれば余程の事がない限りは安全か。それこそブルーコスモスのテロリスト如きでは、な」

 

 苦笑を浮かべるコーネリアの脳裏に浮かんでいるのは、コードギアスの世界で初めて会った時にトウキョウ租界の政庁で俺が見せた身体能力に関してだろう。

 

「さて、じゃあ今日も一日頑張りましょうか。戦争終結まで後少しなんだし、ここで気を抜かないようにね」

 

 レモンのその言葉で朝食の時間は終わり、それぞれが次の行動に移る為の準備を始める。……とは言っても、外出用の身支度やら訓練の準備をする必要のある3人と違って俺は簡単な身支度を調えるくらいしかやる事はないのだが。

 

 

 

 

 

「おはよう。良く来てくれた。昨日はゆっくり休めたかな?」

 

 オーブの行政府にある会議室。そこへと入った俺を笑みを浮かべながら出迎えたのはウズミ、キサカ、カガリ、ラクス、バルトフェルド、ムウ、ナタル、キラ、アスラン。そしてこのオーブを動かしている政治家達だった。

 

「ほう」

 

 その中の一人に目を止め、思わず口の中で呟く。

 色黒の頭が禿げ上がり、オレンジ色のサングラスをしている初老の人物。セイラン家の当主であるウナト・エマ・セイランだ。

 俺の視線を感じたのか、ウナトが一歩前に出て手を差し出してくる。

 

「初めまして、ウナト・エマ・セイランといいます。以前は息子がとんだ失礼を……」

「いや、気にしないで欲しい。こちらとしても色々と便宜を図って貰ったからな。お互い様だ」

 

 ウナトと握手を交わしながらそう返す。

 なるほど、ウナト・エマ・セイラン。馬鹿息子とは違ってそれなりの迫力を感じさせるな。……まぁ、オーブの五大氏族であるセイラン家の当主なのだからユウナと同レベルだったらあっという間に没落してしまうか。

 

「そう言って貰えると助かります。それより個人的な話はこのくらいにして……ウズミ様」

「そうだな、早速終戦会議に向けての話を始めるとしようか」

 

 ウナトに促されたウズミが頷き、それぞれが椅子へと座る。

 その時、ムウが手を上げて挨拶をしてきたので軽く頷いて返す。

 

「さて、まずこの会議を始める前に一応それぞれの立ち位置を説明しておこうと思う。連合側の人物として、彼等と親しい関係にあるウナト、そしてまだ軍に籍があるという事でナタル・バジルールの2人が。プラント側としてはラクス・クライン、アンドリュー・バルトフェルドの2人がそれぞれの立ち位置となる。ただし、あくまでもこの会議は終戦会議の下準備であるのを忘れないで欲しい。ここで決まった事を中心にして、連合とプラントとの講和条件を詰めていく形になる」

 

 ウズミの言葉にその会議室にいる面々がそれぞれ頷く。俺も頷くが、ナタルが連合側の立場になるというのはちょっと驚いたな。……いや、その律儀さこそがナタルらしいと言えばらしいのか。

 

「まず、シャドウミラー側からの要望を頼めるかな?」

 

 ウズミの言葉に頷き、椅子から立ち上がる。

 

「シャドウミラーとしての要望は以下とさせてもらう」

 

 そう言って、こちらの条件を挙げていく。

 

1.連合、プラント共にMS、MA、戦艦の保有数は人口、GDP、失業率等のパラメーターにより算出される。

 

2.連合、プラント共にシャドウミラー、並びにオーブへと賠償金として技術や資金、資源を支払う。

 

3.この戦争の激化を招いた責任者である連合とプラントの責任者、ムルタ・アズラエル並びにパトリック・ザラの両名は戦犯としてシャドウミラー、及びオーブの手で裁判を行う事とする。

 

4.連合、プラント共に地球上で現在お互いが占領下に置いている地域をそのままそれぞれの国境線とする。ただし、何らかの事情で管理出来ない場合は交渉して国境線を変動する事を認めるものとする。

 

5.プラントを建設する為の費用を出したプラント理事国家に対しては戦前の関税優遇措置により完遂したものとし、以後の優遇措置は強制出来ない事とする。

 

6.連合、プラント双方共にシャドウミラー及びオーブの査察を無条件・無制限に受け入れる事とする。

 

7.連合、プラント共にNジャマーキャンセラーの軍事的利用を禁止する。

 

8.連合、プラント共にミラージュコロイドの軍事的利用を禁止する。

 

9.地球側に対する条約監視団常駐基地や在シャドウミラー及びオーブ公館の所在地として、大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国にある軍事基地を提供する。

 

10.プラント側に対する条約監視団常駐基地や在シャドウミラー及びオーブ公館として、ザフトの軍事衛星の一つを提供する。

 

11.月は全域を中立地帯とするが、シャドウミラー及びオーブを2とした場合、双方1の拠点を置く事を認める。

 

12.以上の条件をC.E.71年12月31日までにシャドウミラー及びオーブの名の下に遵守する事とする。

 

「以上だ」

 

 こちらの希望する条件を述べた後、席へと座る。

 色々と条件を並べたが、その殆どは原作のユニウス条約とそう変わりはない。……もっとも、シャドウミラーとオーブが実質的な戦勝国となっている関係で随分とこちら側に有利な条件ではあるが。何せNジャマーキャンセラーにしろ、ミラージュコロイドにしろ、禁止しているのはあくまでも連合とプラントに対してだけなのだ。オーブがその中に含まれない以上こちらは何の問題も無く使う事が出来る。いや、ミラージュコロイドはともかく、Nジャマーキャンセラーはシャドウミラーにしてみれば時代遅れの産物なのだが。

 条件の1、4、5に関しては本来のユニウス条約よりも随分とプラント側に有利な内容とした。これが認められれば原作と違いアイリーン・カナーバが議長を辞める必要も無くなるだろうし、ギルバート・デュランダルが議長になってデスティニープランを強行するのも難しくなるだろう。……デスティニープランの内容を見透かされている状態で行動に移すかどうかは微妙な所だろうが。

 査察団に関して言えば、量産型Wとオーブ政府で十分だろう。

 そして2に関しては、資金と言うよりもこの世界特有の技術を大っぴらに使えるようにする為と、資源が目的だ。後、ついでに戦場の通信やレーダー等を妨害する目的としてのNジャマーか。一番欲しい技術のPS装甲に関しては、開発者であるマリューがいる以上はここで盛り込む必要は無い。

 3に関しては、トップであった人物を裁く事でそれより下の者に罪はないとして情状酌量する事により連合、プラントがこちらの提案を受け入れやすくするのが目的だ。

 

「これは、また……」

 

 呻くような声がオーブ側から聞こえて来る。そちらへと視線を向けると、厳しい目で俺を睨みつけているウナトの姿があった。

 連合軍側に立っている……というだけではないだろう。ブルーコスモス、引いてはロゴスとも繋がりがあるだけにそう簡単に飲める内容ではないのだろう。プラント側のラクスとバルトフェルドはというと、多少難しい顔をしているもののそれはウナト程ではないようだ。まぁ、俺の提示した条件に関して言えばどちらかと言うとプラント側有利になっているからな。

 オーブ側の政治家達はある程度妥当だと思っているのか、特に表情を変える事なく近くの相手と話し合っている。

 

「シャドウミラーとしては、これが最低限の要望だと思って欲しい。オーブとしても、何の不備もないのに連合軍から一方的に攻撃されたんだしこの程度の条件は当然だろう?」

「……そうかもしれないな」

 

 俺の言葉に頷くウズミだが、微妙に顰められている眉を見るに全面的な賛成という訳でも無いらしい。ただ、こちらの条件を却下して俺達シャドウミラーとの繋がりが途切れるよりは、と言う所か。

 

「カナーバ議長に伺わなければ正確な所は分かりませんが、私個人としてはこの条件でも構わないと思います」

 

 プラント側としてこの会議に出席していたラクスが個人的にだが賛成を示すと、連合軍側のウナトやナタルにしても反対しにくくなり会議の流れは決した。

 

「よかろう。では、アクセル君の意見をベースに終戦会議を行うものとする」

「その前にちょっとよろしいでしょうか?」

 

 ウズミの言葉にラクスが待ったを掛ける。……俺の意見に賛成したんじゃなかったのか?

 他の会議参加者達も同じような視線をラクスへと送るが、それに臆さずに口を開く。

 

「条約に関しては問題ありません。ただ、その条約の中で戦犯として2人をオーブで裁判に掛けるとありましたが、具体的にはどのような刑罰になるのでしょうか?」

 

 そう言いながらも、ラクスの瞳はまっすぐに俺を貫いていた。歌姫のカリスマ未だ健在、か。

 そんな自分の考えに、思わず苦笑を浮かべながら考える。

 さて、どうするか。個人的には2人共さっさと死刑にしてしまいたい所なんだが。コーディネーターは全て殺せと主張するブルーコスモスの盟主に、地球を滅ぼしても構わないと考えるコーディネーター至上主義者だ。生かしておいて変に影響力を持たれたままというのも困る。だが……

 チラリとラクスへと視線を向けると、そこではただ黙って俺の返事を待っているラクスの姿があった。

 ラクスの様子や世論を考えると迂闊に死刑には出来ないか。それに下手に死刑にして英雄や偶像にされるというのも面白くない。となると……

 

「妥当な所で終身刑といった所か。ただし、服役する場所は良く考える必要があるがな」

 

 連合のテリトリーに収監すればアズラエルを助け出そうとする勢力がいるだろうし、プラントにしても同様だ。となると中立国? それこそ連合、プラントの圧力に屈する可能性が高いだろう。

 残る場所は……ホワイトスターくらいか? 世話役として量産型Wでも付けておけば護衛と監視にもなって問題無いだろうし。

 

「最適な場所がない場合はホワイトスターでも構わない」




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:615
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:374

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。