転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2497話

「ブリッジ、敵にはズゴックがいる。それも海中に潜ってるから、何機いるのかは分からない。そっちの方で確認出来ないか?」

 

 海中にいるだろうズゴックを……そしてあの赤いMAを探しながら、そうブリッジに通信を送る。

 しかし、赤いMAか。今更の話ではあるが、その辺は少し気になるな。

 シャドウミラーの面々にとって、赤というのは俺の色だ。

 ニーズヘッグを見れば、それは一目瞭然だろう。

 だが……このUC世界においての赤は、シャアの色なのだ。

 もっとも、ジオン軍には赤ではなく紅のパーソナルカラーを持つパイロットもいるのだが。

 そんな感じで、このUC世界の人間……それもジオン軍で、赤い色の機体はそう簡単に使われるものではない。

 だが、あのMAは赤かった。

 つまり……あの赤いMAにはシャアが乗ってるのか?

 いや、だが……何でシャアがここに?

 俺がシャアと最後に会ったのは、北米でガルマと戦った時だ。

 それ以後のシャアの消息は全く不明で、それこそジオン軍にとって大規模な戦いとなったオデッサでの戦いにおいても、シャアが出て来るような事はなかった。

 だとすれば、考えられるのは……偶然? そう思うも、すぐに却下する。

 ジオン軍における赤い彗星というのは、そう簡単にどうこう出来る存在ではない。

 とはいえ、シャアが乗ってるにしては、あの赤いMAの動きはそこまでよくはない。

 海中にいるズゴックの姿を探しながらそんな事を考えていると、不意にカイが通信を送ってくる。

 

『なぁ、俺が見た感じだと、あのMAって赤かったんだけどよ。……もしかして、シャアが乗ってるって事はないよな?』

 

 どうやら俺と同じ疑問をカイも抱いたらしい。

 赤い機体となれば、それだけで赤い彗星の存在を疑うのは、この世界の人間なら当然か。

 

『いえ、あの動きはシャアじゃないです』

 

 そう答えたのは、アムロ。

 ライバル同士という事で、シャアの存在をニュータイプ能力で感じ取ったりしてるのか?

 

『本当かよ? だって、見ただろ? あのMAは赤かったんだぜ?』

『カイさんの言いたい事も分かりますけど、あの動きは違います。それなりに腕の立つ相手が乗ってるとは思いますが……』

 

 MSやMAというのは、パイロットによって動きに特徴……というか、癖が出る。

 アムロはその辺から違うと言ってるのだろうが、今までシャアが乗ってきたのはMSで、今回はMAだ。

 だとすれば、動きの癖が違っていてもそうおかしくはないような気がするんだが……それでもアムロは違うと断言した。

 この辺り、アムロの主人公補正なのか、それともニュータイプ能力が発揮されたのか。

 そう思いつつも、アムロの判断は恐らく正しいと思えた。

 実際にMAは海中から飛び上がるといった、かなり予想外の動きをしたが……それでも、その動きは決して特別なものではないように思えたのだから。

 もしあのMAにシャアが乗ってるのであれば、MAの動きはもっと特別なものになっていただろう。

 あの時の動きは、いきなりだったので驚いたが、2度目となればそこに狙ってバズーカを命中させられる。

 

「ともあれ……来たぞ!」

 

 ズゴックの腕だけが海面から出ているのを見て、バズーカを発射する。

 砲弾が真っ直ぐ海面に向かって飛んでいくが、それが着弾するよりも前にメガ粒子砲が放たれ、砲弾が爆発した。

 ちっ、やっぱりメガ粒子砲を相手にバズーカとかの弾速が遅い武器だと辛いな。

 これがゴッグなら、メガ粒子砲を撃つ時はMSの前方を海面に晒さなければならないので攻撃を命中させる場所も大きいし、メガ粒子砲が胴体に内蔵されているので射角的な問題がある。

 だが、ズゴックの場合はメガ粒子砲を撃つのなら腕だけを海面から出せばいいだけだし、メガ粒子砲の射角についても問題はない。

 味方なら頼れるのだろうが、敵にすると厄介極まりない。

 そのまま数分……ホワイトベースは移動しながら、海面から時折出て来るズゴックを何とか撃墜しようとするも、腕だけではどうしようもない。

 そんなやり取りをしながら、ふと気が付く。

 最初に出て来たMAは、それ以後に攻撃をしてこない事に。

 あのブーメランみたいなミサイルも、最初以降は数発くらいしか撃たれていない。

 そう考えると、もしかしてあのMAって……実は海中の敵を攻撃する事を目的に開発された機体で、空中にいる相手には攻撃手段が殆どないんじゃないか?

 

『これだと埒が明かない。……僕が海に行くので、援護お願いします!』

 

 通信でアムロがそう言い、返事も聞かずにガンダムで海に飛び込む。

 

「って、せめてこっちの準備が整うまで待てってのに」

 

 そう言いながら、海に沈んだガンダムに向かって近付いていく影に向かってバズーカを撃つ。

 海中で起きる爆発。

 その爆発を嫌がってか、海中の影はガンダムから一旦距離を取る。

 他の面々も、アムロの援護攻撃が出来る場所にいる者は、バズーカを発射しては、ガンダムに近付こうとする敵に向かって攻撃していく。

 ……ただ、敵を一旦退避させるという事は出来るんだが、バズーカを命中させることが出来ないのは痛いな。

 やっぱり海水が敵のバリアとなっており、こちらの攻撃を防いでいる形だ。

 厄介な。

 そう思っていると、不意にガンダムの真下から巨大な影が姿を現す。

 それが一体何の影なのかというのは、考えるまでもない。

 

「アムロ、その場から退避しろ。下からさっきのMAが来ている!」

 

 そう言いながら、海中に向かってバズーカを発射する。

 だが、ズゴックはこちらの攻撃を嫌がって爆発から退避したのだが、MAはそんな爆発など知ったことかと言わんばかりに、針路を変える様子はない。

 そして……

 

『嘘だろ』

 

 誰の声なのかは分からないが、正直俺もその意見には賛成だった。

 海上から見ているので、しっかりとその動きを把握出来た訳ではない。

 だが、それでもMAが腕を伸ばしたというのははっきりと分かった。

 それもMAの大きさ……はっきりと計った訳ではないので確実にとは言わないが、40m前後はあるような巨体を持つMAの腕とはっきり分かるだけの大きさの腕。

 その腕が、ガンダムにぶつかったのだ。

 いや、ぶつかっただけではない。

 もしぶつかっただけなら、ガンダムは吹き飛ばされていただろう。

 そのような事がなく、ガンダムはその腕と接触したまま海中を移動している。

 映像モニタに表示された光景を見て考えられる事は、ガンダムはMAの手に捕まったという事だろう。

 あれだけの巨大な腕を持つMAの腕に捕まったとなると、抜け出すのは難しい筈だ。

 

『全機、ガンダムを捕らえたMAに攻撃を集中させろ! このままだと、ガンダムがやられるぞ!』

 

 シローからの指示に従い、バズーカでMAを狙うも……敵も海上から狙われているというのは、理解しているのだろう。

 海上近くまで上がってくるのではなく、寧ろより深い場所に向かって降りていく。

 一応ガンダムは万能機とも呼ぶべき、高い汎用性を示している。

 だが、海中でもそれが万全に発揮されるのか。

 ましてや、深海と呼ばれる場所まで潜っても、水圧でMSに影響がでないのかといった不安はある。

 どうする? いっそ、ピクシーで海に潜るか?

 いや、だがあくまでもピクシーは陸上での戦闘を前提として開発された機体であって、海中に潜るといったことは全く想定されていない。

 であれば、それこそここで機体に致命的なダメージを与えるのは不味い。

 そう判断し、アムロの能力を信じてMAに近づくMSに攻撃を行っていき……

 

「ゴッグ?」

 

 不意に海面に姿を現したゴッグに向かい、反射的にバズーカを発射する。

 こちらに……正確にはホワイトベースの底面に向かってメガ粒子砲を発射しようとしたゴッグは、バズーカの一撃が胴体に命中し、爆散する。

 うん、そう言えばベルファスト基地でミハルが侵入する隙を作る為に出撃してきたんだし、向こうの部隊にゴッグがいるのは、当然なんだよな。

 MAだったり、ズゴックだったりですっかり忘れてたけど。

 

「こちらアクセル。ベルファスト基地で出て来た奴かどうかは分からないが、ゴッグを見つけて、撃破した」

 

 一応、ブリッジの方に連絡を入れておく。

 何かあった時に、このゴックの件が何らかの大事な情報となる可能性は否定出来ないし。

 そんな風に思いつつ、俺が次にズゴックを狙うも……ゴッグが撃破された事でこっちを警戒したのか、出て来る様子はない。

 ちっ、出来ればゴッグよりもズゴックの方を倒したかったんだけどな。

 ジオン軍としては、ゴッグよりもズゴックの方が性能の高い機体だろうし。

 そんな風に考えつつ、俺はズゴックが海面に出て来るの待つ。

 ……そう言えばアムロはどうなった? とガンダムの姿を探すも、既に相当深い場所まで潜っているのか、海上からその影を探すことは出来なかった。

 

「ブリッジ、アムロはどうなった?」

『不明です。ですが、現在まだMAと戦っていると思われます』

 

 即座に答えるモーリン。

 冷静でいようとしてはいるようだが、その言葉には間違いなく緊張がある。

 モーリンも、アムロとはそれなりに友好的に接しているので、現状のアムロの様子を不安に思っているのだろう。

 

「分かった。……こっちは敵に対処する」

 

 それだけ言い、ブリッジとの通信を切る。

 アムロの能力を考えれば、それこそあのMAを相手にしてもそう簡単にはやられない筈だ。

 俺にこの世界の原作知識があれば、あのMAの性能についてだったり、弱点だったりを前もって皆に知らせる事が出来たのかもしれないのだが。

 そう悔しく思いながらも、海中から出て来るズゴックを狙い……今っ!

 トリガーを引くと同時に、発射されるバズーカの砲弾。

 だが、その砲弾の速度は、メガ粒子砲は勿論、ピクシーが使っている90mmサブマシンガンと比べても、更に遅い。

 結果として、バズーカの砲弾が近付いてくると判断してから、ズゴックは海中に潜っていっても、十分に回避出来るのだ。

 ……こうなると、偶然撃った場所にズゴックが姿を現して……というくらいしか期待は出来ない、か。

 この場合は、俺のステータスにある命中の数値が幾ら高くても、意味がない。

 そもそも、命中するしない以前に撤退されているのだから。

 切り落とし……いや、撃ち落とし?

 そんな感じだ。

 90mmサブマシンガンの方が、まだ命中という点では確実だろう。

 もっとも、その90mmサブマシンガンでは海中にいる敵にダメージを与えられないから、こうしてバズーカを持ってるのだが。

 

『各機、注意して下さい。ドップの編隊が来ます。その後方にはガウ!』

 

 モーリンからの悲鳴のような声。

 にしても……ガウだと?

 ガウの航続距離はそう長くはない。

 そして、この辺りは既に連邦軍の勢力圏内と言ってもいい。

 潜水艦であれば、海中……それも深海を移動する事によって、ある程度自由に行動出来るだろう。

 だが、それがガウともなれば、話は違ってくる。

 あれだけ大きな機体が空を飛んでいるのだから、例えミノフスキー粒子を使っていても肉眼で発見してもおかしくはない。

 だからこそ、今回襲ってきたガウがどこからやって来たのかというのが気になるのだ。

 それも、このタイミングでとなると、明らかに潜水艦部隊と示し合わせての行動だろう。

 だとすれば、やはりその行動に強い違和感がある。

 とはいえ……だからといって、今の状況でその辺りの真相を探れというのが、無理な話だ。

 

「バズーカだとドップを相手にした場合、不利だ。90mmサブマシンガンとビームスプレーガンに切り替える!」

 

 ブリッジにそう通信を入れると、俺はバズーカを甲板の上に放り投げ、90mmサブマシンガンとビームスプレーガンをピクシーに持たせる。

 確かにこの状況でいきなり敵が上空からも攻めてくるというのは、こちらを驚かすには十分だ。

 だが……それでも、攻めて来たのがドップとなれば、対処するのは難しい話ではない。

 ホワイトベースの甲板の上で、空を確認する。

 すると、近付いてくるガウの姿が、ここからでもしっかりと確認出来た。

 そして、ガウの側にはモーリンの説明通りドップの姿も確認出来る。

 今の状況で敵の先制攻撃を許すのは、絶対に避けたい。

 そんな訳で、こちらとしてはまず相手の機先を制する必要があった。

 ……もっとも、ピクシーの持つ射撃武器は、どれもが中距離向きだ。

 その状況で攻撃をするには……その間合いを詰める必要がある。

 甲板を蹴り、スラスターを全開にして跳躍……擬似的な飛行とも呼ぶべき跳躍をする。

 そして、見る間に近付いてくるドップとガウ。

 向こうが驚きからか、一瞬動きを乱す。

 そんなドップに向けて、ビームスプレーガンと90mmサブマシンガンのトリガーを引き……向こうが動揺していたという事もあり、瞬く間に7機のドップを撃破するのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:945
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1569

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