転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2508話

 ジム6機との模擬戦が終わると、唖然としたメカニック達に出迎えられる。

 メカニック達にしてみれば、最終的に俺が勝つにしても、もう少し接戦になると思っていたらしい。

 だが、実際に戦ってみれば結果として俺の圧勝。

 ジムのパイロットがもっと腕利きなら、話は別だっただろう。

 だが、明らかに腕が悪すぎた。

 ジャブローで訓練をしている最中だから、当然かもしれないが。

 ……あの技量で実戦に出たら、それこそ死ぬのは間違いない。

 ジオン軍の方でも、これまでの戦いで腕利きやベテランのパイロットが結構な数死んでいる。

 そうなると、当然のようにジオン軍でもそこまで腕のよくないパイロットが増える。

 だが、MSという兵器に対しての理解度という点において、やはりジオン軍は連邦軍よりも上なのだ。

 ジオン軍で腕利きではないパイロットも、連邦軍では一般的な技量のパイロットになるくらいには。

 その辺の事情を考えると、連邦軍のパイロットがジオン軍のMSと戦った時、不利なのは変わらない。

 とはいえ、それはあくまでも1対1で戦った時の事なのだが。

 連邦軍の物量を考えれば、俺が模擬戦で戦ったジムのパイロット程度の技量であっても、何とか戦う事は可能だろう。

 そして場数を潜り抜ければ、嫌でも一定の実力は身につく。

 

「おう、取りあえず最終調整は今日のうちにやっておくから、また明日にでも来てくれ」

 

 親っさんと呼ぶのが相応しいようなメカニックが、俺に向かってそう言ってくる。

 さっきのような一方的な模擬戦で何が分かるのかは疑問だが……こうして最新鋭機のMS開発に関わってるだけあって、腕が一流なのは間違いないだろう。

 その辺は、本職に任せておいた方がいい。

 

「分かった。じゃあ、頼むな」

 

 メカニックにそう声を掛け、案内役の軍人と共に格納庫を出るのだった。

 

 

 

 

 

「ん? アムロ達はどうしたんだ?」

 

 ホワイトベースの格納庫に戻ってくると、そこにアムロのガンダムがないことに気が付き、通り掛かったキキにそう尋ねる。

 いや、ないのはアムロのガンダムだけではなく、他にも何機かのMSの姿がない。

 

「早速模擬戦に呼ばれたらしいよ」

 

 キキのその言葉に、そう言えば模擬戦の相手をするとか何とか通信で言っていたなと思い出す。

 激戦……そう、まさに激戦というべき戦いを潜り抜けてきたホワイトベースのMS隊というのは、ジャブローで訓練をしているMSパイロット達にとっては格好の仮想敵なのだろう。

 ……それは否定しない。

 実際、アムロ達に勝てるようになれば、ジオン軍を相手にしても決して負けはしないだろうし。

 問題なのは、アムロ達が連邦軍のパイロットが立ち直れないくらい徹底的にやらないかといった事だろう。

 アムロやそれ以外のパイロット達にどこまで自覚があるのかどうかは分からないが、ホワイトベースに乗っているMSパイロットの技量というのは異常と呼ぶに相応しい。

 赤い彗星との連戦だったり、それ以外にもEXAMシステム搭載機との戦いだったり、敵の精鋭部隊との戦いだったり……しかも、そんな戦いを休まず連戦してきたのだ。

 当然のように、MSパイロットも死なない為には必死になって訓練する。

 その上で訓練する相手が俺や綾子、アムロ、ユウといった面子なので、その技量は上がっていく。

 ……うん。連邦軍のMSパイロット達には是非心を折られないで欲しい。

 

「シローは?」

「色々と挨拶回りをしてる。もう少しで降りるし」

 

 そう言いながら、キキは少しだけ名残惜しそうな表情を浮かべる。

 どうやらキキにとっても、ホワイトベースは居心地のいい場所だったんだろう。

 カツ、レツ、キッカやハロといった面々と騒ぎつつも楽しそうに仕事をしている光景も見ているし、何よりホワイトベースはキキがシローと結ばれた……直接的な表現するなら、キキがシローを捕食した場所だ。

 そのような場所だけに、いざ離れるとなれば少し寂しく思ってしまうのも当然だろう。

 

「そうか。なら、ミケルも一緒にか?」

 

 ミケルの顔を思い出しながら、そう尋ねる。

 何だかんだと、俺はミケルと接触する事は殆どなかったんだよな。

 いや、勿論ホワイトベースで生活している以上、顔を見る事はあった

 例えば食堂なんかではそれなりに食事をしているところを見たりもしたが、何だかんだと結局接触するようなことは殆どなかったのだ。

 会話をしたのも……事務的なのが数回といったところか。

 

「そうね。ミケルもジャブローでホワイトベースを降りるし」

「キキには何だかんだと、色々と助けて貰ったな」

「……何よ、急に」

 

 俺の口から出た言葉がよっぽど意外だったのか、喋りながらも何かを考えていた様子のキキは、驚きの表情を浮かべる。

 だが、俺が言ったのはお世辞でも何でもなく、正直な気持ちだ。

 もしホワイトベースにキキがいなければ、アイナにフラれた――という表現がこの場合正しいのかどうか分からないが――シローが立ち直るには、もっと時間が掛かっただろう。

 その立ち直らせる方法としてキキを抱いてしまったシローは、また別の意味で落ち込んでいたが。

 ともあれ、何だかんだとキキのおかげでシローが使い物になるようになったのは間違いなく、そういう意味でキキに感謝の気持ちを抱くのは当然だった。

 

「お前のお陰でシローがいざという時に実力を発揮出来たのは、間違いない事実だからな」

 

 俺が何について言ってるのかを理解したのか、キキの顔は赤く染まる。

 そして俺に向かって何かを言おうとするも、それが言葉に出るような事はない。

 何か言い返しても、大して効果はないと理解しているのだろう。

 ともあれ、そんなキキに軽く手を振り、その場を後にする。

 ……背後から聞こえてきた悔しげな呻き声に関しては、取りあえず聞き流しておく事にしよう。

 そうして適当にホワイトベースの中を歩いて回っていたのだが、全般的に皆がいつもよりリラックスしているのが分かる。

 ジャブローの中にいるので、いつジオン軍に襲われるかといった事を心配しなくてもいいというのは、大きいのだろう。

 

「お、アクセル。どうしたんだ、こんなところで」

 

 声のした方に視線を向けると、そこにいたのはリュウ。

 そのリュウも、いつもよりリラックスしているように見える。

 

「何と言ってもな。特にこれといった理由はない。……けど、そうだな。言ってみれば、ホワイトベースからいなくなる前に、色々と見ておきたいと思っただけだよ」

「なるほどな。まぁ、この艦は俺達の家でもあったからな。……でも、お前は新型機の受け取りに行ったんじゃなかったのか?」

「行った。けど、最新鋭機だけに、まだ最終調整だったり、俺に合わせた微調整だったりが終わってないらしくてな。今日のところはその辺をやってきたところだ」

「普通に考えれば、最新鋭機だとそんな感じか。ちなみに、どんな機体なのか、聞いてもいいのか?」

「ああ、構わないぞ」

 

 リュウも軍人らしく……もしくはガンタンクに乗ってるからこそなのか、新型のMSには興味があったらしい。

 そんなリュウに、ガンダム7号機について軽く説明する。

 

「へぇ。……そうなると、アムロが乗ってるガンダムの純粋なバージョンアップ機的な感じなのか? ただでさえアムロの乗ってるガンダムは高性能機なのに」

「そんな感じだと思って間違いない。ガンダムを開発した事で、連邦軍でも高性能機のノウハウが出来たんだろ。だからこそ、そのノウハウを活かしてもっと高性能な機体を開発してる、という訳だ」

 

 もっとも、機体性能があまりにも高くなりすぎると、パイロットが機体の性能についていけないといった事にもなりかねない。

 マクロス世界においても、EXギアやISCがあって初めてパイロットが操縦出来るのだから。

 ……そう考えると、もしUC世界のMSが高性能化を続けていれば、いずれは何らかのそんな補助システムの類が必要になるのかもしれないな。

 都合よくそんな技術を開発出来るかどうかは、また別の話だが。

 

「はー……そうなると、ホワイトベースに新たに配属されるMSには期待してもいいのか?」

「どうだろうな。これからホワイトベースがどこで戦闘をするのかってのも関係してくるだろうし。とはいえ、ホワイトベースの性能を最大限に活かすのなら、やっぱり宇宙での戦いになりそうだけど」

 

 ミノフスキークラフトを搭載しているホワイトベースは、基本的に空中の移動も出来る。

 だが、搭載しているMS……特に数の多いガンタンクの事を考えれば、ここはやはり地球よりも重力の存在しない宇宙の方が、ガンタンクの性能を発揮しやすい気がする。

 宇宙なら、ガンタンクも地上よりある程度の速度で移動したり出来るだろうし。

 

「宇宙か。……ルナツーも返還されたらしいしな」

 

 ジト目を向けながら、そう告げるリュウ。

 連邦軍のリュウとしては、ルナツーの件に関して色々と思うところがあってもおかしくはないだろう。

 何しろ、宇宙においては最大の基地だった場所が、ルナ・ジオン軍によって奪取されたのだから。

 とはいえ、こちらにも言い分はある。

 元々ルナツーが攻められる原因となったのは、ルナツーにいたタカ派や強硬派と呼ばれる者達が月に向かって攻撃をしてきたというのが原因だ。

 そのような事がなければ、ルナツーもルナ・ジオン軍に占拠されるといった真似はしなかっただろう。

 結局のところ、自業自得と言うのがこの場合は正しい筈だ。

 

「そうか、返還されたならよかったな。次からはルナツーを攻撃されないように行動した方がいいんじゃないか?」

「……微妙に耳が痛い」

 

 困ったように笑うリュウ。

 その気持ちも分からないではない。

 ルナツーが攻撃された理由は強硬派の者達だったが、当然のようにそのような者達というのは階級が高い。

 下士官でしかないリュウは、幾ら上のやってる事が馬鹿らしいと思ってもそれを止めるような真似は出来ないのだから。

 そもそも、止めるというのであればリュウよりも圧倒的に階級が高く、その上で月とそれなりに友好的な関係を持っているゴップやレビルといった面々の方が、それに相応しい役目だろう。

 そんなゴップやレビルですら止められなかったのだから、リュウが気にする必要はないと思うが。

 

「ともあれ、宇宙に上がるとなれば……次の戦場はソロモンだろうな」

「連邦軍にしてみればソロモンは邪魔だろうから、その辺は何となく分かる」

 

 ジオン公国の独立戦争を終わらせる為に必要なのは、当然のようにジオン公国の降伏だ。

 ……強硬派の中には、ジオン公国そのものを壊滅させ、コロニーを破壊してしまえと公言している者すらいるらしいが、さすがにそこまではやらないと思う。

 もしそこまでやれば、それこそ現在は敵に回っていないスペースノイドまでをも敵に回す事になりかねないし、そうなれば当然のように連邦軍にとって大きな被害となるのは確実だ。

 

「とはいえ……ソロモンは少し……いや、かなり厄介なんだよな。サイド3に向かう航路は、ソロモンと月の2つがあるけど、ジオン軍もまさか連邦軍が月を通ってくるとは思ってないだろうし」

 

 リュウの言葉には納得出来るものがある。

 ルナ・ジオン建国前なら、連邦軍が月の近くを通っても問題はなかった。

 だが、ルナ・ジオンが存在する今……それも、連邦軍の強硬派が月を攻めたという事実がある以上、月にとって連邦軍が近くを通るのは許容出来ないだろう。

 そうなると、サイド3に向かう航路はソロモンのある場所だけとなり、ジオン軍もそれが分かっているだけに、ソロモンに戦力を集中させられる。

 勿論、月の側やソロモン以外にもサイド3に到着出来る航路というのはあるのだろうが、様々な理由からそう簡単には使えない。

 使えるのなら、別にジオン軍が無理をしてソロモンを用意する必要なんかもないだろうし。

 その辺の事情を考えると、やはり月があるというのは連邦軍にとっては痛い話なのは間違いない。

 ……これ、原作だとルナ・ジオンなんて存在しないんだから、ジオン軍はどうしていたんだろうな。

 まぁ、そもそも宇宙での戦いになっていたかどうかも分からないが。

 オデッサ作戦が失敗していたとか、あるいは北米やアフリカ大陸、オーストラリアにいるジオン軍の対処に回されていた可能性も否定は出来ないのだから。

 

「連邦軍もMSを採用する事で大分戦力は強化された筈だし……意外とどうにかなるんじゃないか? あるいは、連邦軍がルナ・ジオン軍に協力して欲しいと言えば、それに対応もするだろうし」

「……どうだろうな。連邦軍としては可能ならそうして欲しいと思うかもしれないけど、アクセルを雇った時の報酬を考えると……ちょっと難しいんじゃないのか?」

 

 しみじみと呟くリュウ。

 俺が具体的にどんなMSを報酬として貰ったのかというのは知らない筈だが、それでも俺の事だからと、色々と思うところがあったのだろう。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:955
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1570

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