「うお……これは凄いな」
それが、俺とエイガーの機体……フルアーマーガンダム7号機とマドロックを見たユーグの第一声だった。
ここは格納庫で、フルアーマーガンダム7号機もミデアに乗っている時は外されていた右肩のビームキャノンはきちんと装備されている。
前方に倒した状態なら問題なく入ったんだが、それでも念の為ということらしい。
ここに来る途中までで聞いた話によると、ユーグの部隊はジムとジムキャノンを主力にした部隊だとか。
ジムキャノンを使っているのを見れば分かるように、遠距離からの攻撃を重視しているのだろう。
そんなユーグにとって、マドロックは両肩に低反動キャノンを装備しているし、俺のフルアーマーガンダム7号機の右肩には巨大なビームキャノンが装備されている。
そういう意味でも、ユーグの部隊は俺とエイガーの機体に合っていた。
とはいえ、俺達は基本的に独立遊軍のような形で戦闘に参加する事になるので、きちんとした戦力として数えるのは難しいかもしれないが。
「で? 俺達の機体を見て一緒に行動出来ないというのは、納得出来たか?」
「ああ。機体性能が違いすぎる場合、一緒に行動すると足並みが乱れる。アクセル達の言う通り、俺の部隊とは別の部隊として動いた方が上手くいくだろう。だが、こちらの指揮には従ってもらうぞ」
「それは構わない。何があっても俺は生き延びられるだろうし、それはエイガーも同じだろ?」
「いや、そこで俺を巻き込まれるのは困るんだが」
エイガーが俺の言葉に困ったようにそう告げる。
「そうか? マドロックの場合は機動力が高いだろ」
素の状態の7号機は、かなり高い機動性を持つ。
ファーストアーマーを装備したフルアーマーガンダム7号機も、増加装甲の方にサブジェネレータやスラスターが存在し、見掛けと比べるとかなり高い機動性を持つ。
だがそれでも、ホバー移動が可能なマドロックと比べれば、跳躍とかを使った三次元的な移動はともかく、純粋に二次元的な移動という点ではフルアーマーガンダム7号機よりもマドロックの方が上だ。
ホバー移動というのは、それだけ高い機動力を持つ。
その上で水上も移動出来たりと、ホバー移動はかなり有益な技術なのは間違いない。
ぶっちゃけ、7号機にもホバー移動の性能を付けて欲しかったというのが正直なところだ。
「それは否定しない」
エイガーもマドロックのパイロットだけに、ホバー移動の有益さはしっかりと理解しているのだろう。
ドムが地上でどれだけの性能を発揮しているのかを考えれば、連邦軍もホバー移動をMSに採用するのは当然だろうが。
元々連邦軍はビッグトレーのようにホバー移動についての技術はあるのだから。
……もっとも、ホバー移動も万能という訳ではない。
見渡しのいい場所ならともかく、ジャブローのような密林でホバー移動機を使うとなると、とんでもない技量が必要となるのだから。
そういう意味では、使える場所が限られている。
同じような移動方法としてはKMFのランドスピナーがあるが、あれはホバー移動よりもっと小回りが利くし、何よりKMFはMSと比べても圧倒的に小さいので森の中とかでもそこまで不具合はない。
「ともあれ、俺達の機体はこんな感じだ。それで、どうする? 少し模擬戦でもしてみるか?」
「いや……正直、模擬戦をやりたいとは思うが、昨日まで激戦だったからな。部下は出来るだけ休ませておきたい」
俺の言葉に首を横に振るユーグ。
この様子を見ると、本当に北米のジオン軍は頑強に抵抗しているのだろう。
これもまた、ガルマがいなくなった影響といったところか。
「そうか、分かった。なら後は明日だな」
「そうだな。取りあえず今日2人が寝る部屋を用意するよ。もっとも、ジャブローと比べるとそこまで快適とは言えないが」
「前線なんだから、それくらいは構わないさ。なぁ?」
「軍人として、それは当然だ」
俺の言葉にエイガーが頷き、こうして俺達はユーグによって少しの間寝床となる部屋に案内されるのだった。
翌朝、俺とエイガーはユーグの部下と引き合わせられる。
当然と言えば当然だが、ユーグの部下達は俺とエイガーの説明を聞いても決して友好的とは言えなかった。
2日間だけ戦闘に参加するというのは、やはり普通に考えて面白くない事なのだろう。
同時に、ユーグが俺達の世話役になっているというのも、気にくわないらしい。
何だかんだと、ユーグは部下に慕われているな。
「俺達を別に仲間として扱う必要はない。自分達の戦力になる傭兵とでも認識しておいてくれ」
何か一言と言われたので、そう告げる。
その言葉の効果があったのか、半分くらいの面々が俺に対する敵意の視線を消す。
エイガーの言葉でもう少し敵対的な視線は減り、最終的には背後からの誤射を心配する必要はない……と、そう思えるくらいにはなった。
まぁ、ユーグの部下だけに意図的に味方を誤射するといったような真似はしないだろうが。
ともあれ、ミデアに乗って戦場に向かう。
……うん、またミデアに乗るのか。
そうなると、やっぱり背中のビームキャノンを外す必要があるんだよな。
まぁ、メカニック達も行く気満々だし、それはいいか。
「では、全員ミデアに乗り込め! 戦場は待ってくれないぞ! 俺達が到着しなければ、それだけ味方が苦戦する!」
ユーグの指示に従い、俺はエイガーを含めて全員がミデアに乗り込む。
こういう時、ガウのようなもっとしっかりとした輸送用の航空機があれば便利なんだけどな。
まぁ、今更言っても仕方がないか。
ビームキャノンも、前に倒しておけばミデアの格納庫に入りそうな気はするが……メカニック達がそれをしないという事は、恐らく何らかの理由があるのだろう。
なら、わざわざここで俺が無理を言う必要もない。
ともあれ、全員がミデアに乗り込むと……そのまま出撃するのだった。
「へぇ」
戦場となっている場所……正確には、戦場から後方の連邦軍の勢力範囲内にミデアが降りると、すぐにフルアーマーガンダム7号機とマドロックは降ろされる。
メカニック達によってビームキャノンが装備され、調整されていく。
この辺りの速度は、セカンドロット用のメカニックとしてやっていただけあって、慣れたものだ。
ユーグ達の場合は、一時的な休暇という事で後方に戻っていたのかMSはここに置いてあったので、それぞれすぐに自分のMSに乗り込む。
『では、出撃!』
ユーグの指示に従い、MSが出撃する。
前線では結構な激戦になっているらしい。
だからこそ、ユーグ率いる部隊もこうして急いで戦場に向かっているのだろう。
驚いたのは、ユーグの部下達の動きがかなりよかった事だ。
それこそ、ジャブローで訓練だけしているような者達と比べても、こちらの方が動きは上だ。
これは、やはり実戦で磨かれたって事もあるし、それだけユーグの指揮が的確で他のパイロット達も疑いなくそれに従っているという事なのだろう。
「じゃあ、ユーグ。俺とエイガーは別行動をする。何か用事があったら呼び掛けてくれ」
ミノフスキー粒子散布下だから、通信が繋がるかどうかは分からないが。
『分かった。新型機の性能を楽しみにさせて貰う』
短く言葉を交わし、俺とエイガーはユーグの部隊から離れる。
『それで、アクセル。どう行動する?』
マドロックからの通信。
ちなみにマドロックはフルアーマーガンダム7号機に合わせる為に、ホバー移動ではなく普通に歩いて移動していた。
「そうだな。やっぱりまずはビームキャノンを試しておきたい」
7号機専用に開発されたビームライフルとビームキャノンに使われている技術は、同じものだ。
そしてジャブローで壊れたビームライフルの原因が判明し、それは修理された。
だが、それはあくまでもメカニック達からそう聞かされただけで、それが事実とは限らない。
そうである以上、やはりここはしっかりと自分で使ってみて、それで問題がないかどうかを確認する必要があった。
『そうか。なら俺は適当に合わせる。……とはいえ、そのビームキャノンの射程は長いらしいから、今のマドロックでは一緒に攻撃出来ないが』
「分かった。なら、まずは敵のいる場所を見つけるか」
既にユーグ達の部隊は移動しており、残されているのは俺とエイガーだけだ。
遊撃隊という扱いでいいと言っておいたので、それをユーグが理解した形だろう。
ともあれ、フルアーマーガンダム7号機とマドロックを操縦しながら、戦闘地域となっている場所に向かう。
……とはいえ、戦闘地域というのはオデッサでもそうだったが、あくまでも偶然そのような形になっているにすぎない。
戦闘の流れによっては、それこそ後方にいきなり攻撃されるといったような事もある。
フルアーマーガンダム7号機のビームキャノンの射程と威力があれば、当然のようにそのような真似も出来る。
いや、それはあくまでも計算上の話だし、素の状態ならともかく、フルアーマーガンダム7号機となった今の性能がまだはっきりと分かっていない以上、それを試そうとは思わないのだが。
ともあれ、マドロックと共に進み続けると、戦場を迂回しながら連邦軍の後方に回り込もうとしている部隊を見つける。
「エイガー」
『分かっている。ここを通す訳にはいかない。アクセルに任せるよ』
エイガーの言葉に頷き、背中のビームキャノンを倒して右肩に担ぐ格好になる。
そしてまだこちらに気が付いていない3機のザクのうちの1機に狙いを定め……トリガーを引く。
瞬間、ビームキャノンの砲口から放たれたビームは、狙ったザクの上半身を丸ごと消滅させる。
「うお。分かっていたけど、凄い威力だな」
素の状態の7号機が使っていたビームライフルも、その威力と射程はアムロのガンダムが使っていたビームライフルよりも明らかに上だった。
だが、今ザクを撃破したビームキャノンの威力は、そのビームライフルとも比べものにならないだけの威力を持つ。
「よし、残り2機だ。エイガー。このまま近付かれる前に仕留めるぞ」
『了解』
映像モニタに表示されているザクは、仲間の1機の上半身がいきなり消滅したことに戸惑った様子を見せていたが、すぐにこちらの姿を発見したのか、ザクマシンガンを撃ちながら近付いてくる。
一撃でザクの上半身を消滅させるだけの威力を持ったフルアーマーガンダム7号機とは、とてもではないが距離を取っての射撃戦が出来ないと判断したのだろう。
実際、その判断は正しい。
フルアーマーガンダム7号機はビームサーベルを装備しているし、ファーストアーマーのスラスターで高い運動性や機動性を持っているとはいえ、どうしても増加装甲によって動きが鈍くなったり、大きなものになったりするのはおかしくないのだから。
その辺の事情を考えれば、近接戦闘を挑むというのは間違っていない。
だが……
「それも近くまで来る事が出来ればだがな」
呟き、ファーストアーマーの内蔵武器のマイクロミサイル、3連ミサイルポッド、4連ミサイルポッドからそれぞれミサイルを発射する。
まさにミサイルの雨。
そんな死と破壊を振りまく恐怖の雨が、2機のザクに向かって降り注ぐ。
フルアーマーガンダム7号機の隣では、マドロックも低反動キャノンを使ってザクに攻撃をしており……結果として、ザクの1機はミサイルの雨が次々に命中して撃破され、もう1機は足をミサイルで破壊されたところを、マドロックの低反動キャノンによって撃破されてしまう。
「ビームキャノンとミサイル関係は特に問題なしか」
『少し派手すぎだ』
呆れたようなエイガーの言葉。
その言葉に俺が出来るのは、そうかと頷くだけだ。
実際、今の攻撃を行った俺ですら、少し派手だったかも? と思わないでもないのだから。
だが、機体に……特にFCSを含めて問題がないかどうかを確認する為には、しょうがなかったというのも事実なのだ。
フルアーマーガンダム7号機の場合、FSWS計画によって多数の武器が装備されているのだから。
「悪いな。ともあれ、派手な攻撃はこれで大体終わった。……他にも2連ビームスプレーガンとかがあるけど、その辺はまた確認していけばいいだろ。それよりも、何だかんだと結構押し込まれてる感じがあるな」
現状で俺達がいるのは、連邦軍の陣地に近い場所だ。
そうである以上、この戦いにおいては連邦軍が押されているのは間違いない。
とはいえ、だからといって俺達がそれを逆転しなければならない訳ではないのだが。
というか、昨日会った司令官の感じからすると、俺が活躍すればそれと比例するように司令官の機嫌が悪くなるような気がする。
ああいうのは、部下が自分以上の手柄を立てるのは決して許せない感じなのだから。
『そうだな。出来ればこのまま攻撃をして押し返したいところだが……』
傭兵の俺と違い、エイガーとしては現状の連邦軍の状況をそのままにはしておけないのだろう。
さて、どうするべきか。
そう考え……俺は1つの提案をするのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:990
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1577