気になる方は是非見て下さい。
白い方だけですが。
「おらぁっ! ちんたらしてねえで、さっさと機体の確認をしろ!」
北米での戦いを終えてジャブローに戻って来たばかりだというのに、格納庫の中にはメカニックを率いてる親っさんの怒声が響く。
別に他のメカニック達も、遊んでいた訳ではない。
それでもメカニックを率いる立場としては、そう叫びたくなるのだろう。
特にフルアーマーガンダム7号機に関しては、今回の戦いで初めてファーストアーマーを実戦で使ったという状況である以上、その影響がどんな場所に出ているのかは実際に確認してみないと分からない。
これが実績のあるMSとかなら、そこまで神経質になる必要はないのだが、何しろフルアーマーガンダム7号機は最新鋭機だ。
それも実際に開発するのに無理に無理を重ねて開発した機体である以上、どうしても細かい場所が気になるのは当然だった。
一応、その辺も考えて出来るだけ機体に無理をさせないように、余裕のある……逆に言えば、機体の性能を最大限発揮させるような真似はしない戦い方をしていたのだが。
メカニック達にしてみれば、出来ればもっと早く機体の調子を見たかったのだろう。
だが、結局のところ最前線でそのような真似は出来ないし、各種装置の類もジャブローと最前線では性能に差がありすぎる。
だからこそ、こうしてジャブローに戻ってきたところでメカニック達が頑張っているのだ。
「じゃあ、MSの方は任せた。俺はレビルやゴップに今回の一件を報告してくる。……エイガーはどうする?」
「報告書を書いてからの提出となるから、アクセルみたいに気軽にとはいかないな」
そう告げられる。
結局のところ、傭兵の俺と歴とした連邦軍の軍人のエイガーとでは、その辺の立場も違うという事だろう。
俺とエイガーは2日の間ずっと一緒に行動していたので、俺がどんな行動をしたのかというのは、当然のようにエイガーが報告書で知らせるだろう。
……まぁ、レビルやゴップにしてみれば、出来れば俺からも報告書で提出して欲しいと思ってはいるのだろうが。
「そうか。じゃあ、俺は先に報告をしてくる」
軽く手を振り、格納庫を出る。
向かう先は、当然のようにレビルのいる執務室なのだが……当然のように、レビルは現在連邦軍を率いてる人物で、相応に忙しい。
一応俺が来たらすぐに会えるようにはなっているのだが……
「申し訳ありません、現在その、他の人がレビル将軍と会ってますので」
レビルの副官をしている軍人が、そう言って俺に頭を下げてくる。
だとすれば、ここで無理に俺がどうこうといった真似はしない方がいいか。
別に緊急の用件な訳ではないし。
「なら、また出直すよ」
「いえ、もうそろそろ面会の時間は終わる筈ですから、待って貰えれば……紅茶でもお出ししますので」
「そうか? 俺は別に急いでる訳じゃないんだけどな。まぁ、そう言うのなら……」
これから特に何かやるべき事がある訳ではない。
それこそホワイトベースに戻って、ブライトに戻ってきたと報告する程度だ。
そうである以上、紅茶を出すというのならそれを待つというのも特に不満はない。
副官から休憩室に案内され、そこに紅茶とケーキを出される。
予想外だったのは、ケーキがかなり美味かった事だ。
外見的には普通のショートケーキなのだが、生クリームが甘すぎず、それでいてイチゴの酸味と合わさると口の中で幸福な味となる。
スポンジの焼き具合もかなりのもので、しっとりとした食感を楽しむことが出来た。
レビルの副官が用意したのだから、それこそスーパーやコンビニで売ってるようなショートケーキではなく、普通に……それこそパティシエが作るようなショートケーキであってもおかしくはない。
そんなケーキを味わいつつも、それを食べ終えてしまえばやるべき事はなくなってしまう。
副官も自分の仕事があるらしく、俺をここに案内した後は部屋から出て行ったし。
取りあえず暇潰しとして、空間倉庫の中から雑誌を取り出す。
……これ、どこで買った雑誌だったか。
漁港で美味い飯特集とか。
ネギま世界……いや、ペルソナ世界か?
ともあれ、暇潰しとしては丁度いいので雑誌を読んでいく。
漁港で食べられる料理としては一般的なマグロ丼、海鮮丼、その他諸々。
ただ、俺はこういう丼よりはちらし寿司の方が好きなんだよな。
普通に炊いた白飯よりは、酢飯の方がやっぱり魚には合うと思う。
「お、これは」
そんな中、とあるページで紹介されていた料理に興味を惹かれる。
内容としては、アワビの炊き込みご飯。
アワビといえば、シンプルに刺身で食べたり、バーベキューで地獄焼きを作ったり、オーブントースターで焼いたりといったような食べ方をするのが普通だったが、アワビの炊き込みご飯というのは珍しかった。
それも、白と黒の2食の炊き込みご飯が写真にはあった。
白い方は、シンプルに昆布とアワビの切り身を入れ、軽く塩を振ってから炊いた炊き込みご飯。
あっさりとした食事をしたい人はこちらがお勧めらしい。
黒い方は、昆布とアワビの切り身を入れるのは変わらないが、炊き込む時に入れるのは塩ではなく肝醤油。
アワビの肝を叩き、醤油と混ぜたものだ。
どちらの炊き込みご飯も、本来なら味付けの時に日本酒やみりんを入れたりするのだろうが、雑誌にはその辺は特に書いていない。
後は追加でいくらの醤油漬けを頼む事も出来るらしい。
……うん、美味そうだな。
こういうのを、飯テロっていうんだろうな。
とはいえ、ジャブローの中でアワビを食べたり出来る筈もない。
ただ、これを見る限り作るのはあまり難しくなさそうだし、ホワイトスターに戻ったら四葉に頼んで作って貰うか。
そんな風に腹を空かしていると、ある程度の時間が経ったのだろう。秘書が姿を現す。
「レビル将軍がお会いになるそうです」
「ん? ああ、分かった」
雑誌を空間倉庫に入れると、部屋から出る。
「……何だね、君は?」
と、丁度部屋の前にいた何人かが、俺を見てそう言ってきた。
誰だ?
軍服ではなくスーツを着ているのを考えると、軍人ではないのか?
あ、いや。これが誰だか分かってしまった。
恐らく……いや、多分連邦政府の政治家だろう。
以前聞いた話によると、ジャブローの中には戦火を避けて連邦政府の政治家が避難しているということだった。
それが、目の前にいる者なのだろう。
「連邦軍に雇われている傭兵だよ」
何となく、ここで名前は言わない方がいいと考え、身分だけを告げる。
幸いにして、政治家達はそれで満足したのか、そうかと小さく頷くとそのまま立ち去った。
流れ的には、ここで俺に絡んで来たりしてもおかしくはないのだが。
とはいえ、副官が俺を呼びに来たという事は、恐らくあの政治家達がレビルと会っていたのだろう。
だとすれば、副官が俺を迎えに来るのが少し早すぎたような気がしないでもない。
その辺りは恐らく色々とあるのだろう。
ともあれ、政治家達が去った事で俺はようやくレビルの執務室に入れた。
……ん? だとすれば、さっきの政治家達はこの執務室でレビルと会ってたのか?
てっきり政治家と会ったのなら、会議室とか応接室とかで会ってるようなイメージなんだが。応接室があるかどうかはともかくとして。
「すまないな、待たせてしまったか?」
「いや、気にするな。美味い紅茶とケーキをご馳走になったからな」
「そう言って貰えると、こちらとしても助かるよ。……それで、今日は? やはり北米での報告かな?」
「ああ。取りあえず約束の2日の戦闘は終わったから、帰ってきたんだ。その報告にな」
俺の言葉に、何故か安堵した様子を見せるレビル。
……いや、何で安堵?
そんな疑問を抱いたが、取りあえずこうして見ている限りでは特に問題もないようなので、話を進めるか。
「フルアーマーガンダム7号機を使って戦闘をしたけど、取りあえず問題はなかったな。ここでジオン軍と戦った時のように、ビームライフルが破壊されるといった事もなかった」
「ほう、それは何より。それで、北米戦線の方はどう思ったか聞いても?」
「そうだな。キャリフォルニアベースを有しているだけあって、MSを含めて兵器はかなり豊富だ。俺達との戦いでは、ダブデすら出て来たぞ」
「それは……また……」
ジオン軍のダブデというのは、連邦軍にとってのビッグトレーと同じような代物だ。
そうである以上、ダブデが前線に出て来たとなれば、それだけジオン軍が本気なのだと、示す事になる。
「それにオデッサの件から連邦軍が全面攻勢をしている分、他の場所から敗残兵が北米に集まってる。……それに、ガルマの一件もあるから余計に強硬な態度を取るんだろうな」
「厄介な」
レビルにしても、今回の一件は非常に厄介だという認識なのだろう。
とはいえ、それでも全体的に見れば連邦軍側が有利なのも、間違いはない。
ただ……有利だからこそ、余計な事を考える余裕も出て来るのだろうが。
「一応聞くけど、北米に派遣した指揮官は敵対派閥とか、そういう感じなのか?」
「……こちらの派閥の者でないのは間違いない」
そうレビルが告げる。
なるほど。予想はしていたけど、やっぱりそんな感じだったか。
レビルの派閥であれば、それこそ俺からMSを奪おうなどと考えるような真似はしないだろうし。
いや、レビルの派閥にいるからといって、必ずしもこちらに友好的な存在であるとは限らないか。
「だからだろうな。俺からMSを接収しようとした男がいたぞ。階級は大尉で」
「ほう」
レビルの鋭い視線がこちらに向けられる。
まさか、そのような真似をする者が出るとはと、そう思ったのか。
とはいえ、それは別にレビルが悪い訳ではない。
連邦軍にいる者の数を考えれば、それこそレビルの指示を無視して自分の利益に走る者がいてもおかしくはない。
ただでさえ、現在の連邦軍は地球上のジオン軍に対して非常に有利な状況になっているのだから。
「結局今回は未遂だったからよかったけど、ああいう連中が好き勝手な真似をすると、連邦軍としても面白くない事態になる筈だ。その辺はしっかり気を引き締めた方がいいぞ」
「うむ。忠告感謝する。それで、その大尉の名前は?」
「あー……何だったか。ちょっと覚えてないというか、小物だから気にした事はなかったけど、エイガーは知ってると思うから、報告書の方には書かれていると思う。どうしても気になるなら、そっちから聞いてくれ」
「分かった」
俺のMSを奪おうとした男も、馬鹿な真似をしたと後悔する時がくるだろう。
とはいえ、連邦軍という軍の一員が個人所有のMSを徴発しようとしたのだ。
それで本当に何もなし……などという訳にはいかないだろう。
「フルアーマーガンダム7号機か。……かなり無理を重ねて開発した機体だったと報告を受けているが、性能的には満足して貰えた。そう思ってもいいのかな?」
と、話題を変えるようにレビルがそう言ってくる。
レビルにしてみれば、今回の一件は色々と気まずい事もあったのだろう。
だからこそ、現在はこうして話題を変えてきたのだ。
もっとも、俺としてもその話題には興味があったので、特に問題はなかったのだが。
「ああ。悪くはない機体だった」
「……悪くはない、か。満足出来なかったということかな? 性能的には、現在連邦軍にあるMSの中ではこれ以上のものはないのだが」
「ちょっと言葉の選び方が不味かったな。ただ、本当に俺の反応速度についてこられる機体となると、それこそこの世界どころか他の世界でも作るのは難しいからな。本当の意味でそういう機体は、それこそシャドウミラーじゃないと作れないと思う」
「なるほど。シャドウミラーの技術が高いのは知っていたが、追いつくにはまだまだ時間が掛かる、か」
しみじみと告げるレビル。
まぁ、実際問題現在のUC世界とシャドウミラーの間にある技術格差という点は、非常に大きい。
そもそも、シャドウミラーの技術というのは、他の世界から俺が未知の技術を収集し、それをベースにして技術班が研究するというものだ。
その上、技術班に所属している技術者達は、その全員が天才と呼ぶに相応しい者達だ。
……ギアス世界のロイドが技術班に入った時、技術者としての能力という点では最下位に近かったというのを考えれば、その辺は明らかだろう。
そう考えれば、SEED世界から技術班入りしたマードックはよく技術班でやっていけたよな。
勿論、アークエンジェルの中でメカニック達を纏め上げていた人物であるのを思えば、マードックも無能という訳ではなく、寧ろ有能であるとすら言ってもいい。
だが、それはあくまでも一般人としてはだ。
天才が揃っている技術班の中では、どうしても見劣りしてしまう。
そんな中でも必死に食らいつき……気が付けば、今はマードックも立派な技術班の一員となっている。
また、時の指輪の受信機を持ち、魔法球というのが存在して、更にはキブツによって多くの資源は無限に使える。
この状況で、シャドウミラーの技術が発展しないという事はなかった。
……たまに暴走して、エキドナや茶々丸によって鎮圧されているが。
その光景を思い出しながら、俺はレビルとの会話を続けるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1591