転生とらぶる   作:青竹(移住)

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祝、総合評価8000オーバー。
応援してくれた皆さん、ありがとうございます。
UCガンダム編もそろそろ終盤になりつつありますが、これからも楽しい話を書いていきたいと思います。


2532話

 北米での戦いから帰ってきた翌日。

 フルアーマーガンダム7号機の調子を聞いた後で、ホワイトベースに……正確には改修されているホワイトベースの外に設置されているシミュレータのある場所にやってくると、ガンキャノン同士が戦うといった珍しい光景があった。

 ただ、よく見れば片方は俺も乗った事があるガンキャノンであっても、もう片方のガンキャノンは違う。

 俺が知ってるガンキャノンは、以前乗っていた奴以外ではレビルから報酬として貰う予定のガンキャノン重装型とガンキャノンⅡだけだ。

 ジムキャノンも一応報酬の中に入ってはいるが、ジムキャノンとガンキャノンは違うので抜いておく。

 つまり、映像モニタで戦っているガンキャノンは、俺の知らないガンキャノンだ。

 

「ヤザン、あのガンキャノンは何だ?」

 

 映像モニタを見ていたヤザンにそう尋ねると、ヤザンは映像から目を離さずに口を開く。

 

「量産型ガンキャノンだってよ。性能的には装甲がルナ・チタニウム製じゃなくなったりしてるから、カイが使ってるガンキャノンに比べると性能は落ちてるらしいが」

「……そうなのか?」

 

 にしても、量産型ね。

 それこそガンキャノンの量産型としてジムキャノンがある以上、ガンキャノンをわざわざ量産する必要はあるのか?

 ガンキャノン重装型やガンキャノンⅡのように、精鋭の為に少数だけってのなら分からないでもないけど。

 

「で? その量産型ガンキャノンには一体誰が乗ってるんだ? 今まで、ホワイトベースになかったよな?」

「ああ、今日ホワイトベースに配属になった奴がな」

「あー……うん。なるほど」

 

 俺と綾子、ミナト、それにシロー達がホワイトベースから降りる以上、ホワイトベースの戦力はぐっと下がる。

 連邦軍としては、これまでと同様にホワイトベースを使いたい場合、当然のようにその戦力を補充する必要がある。

 ……エイガーがホワイトベースに配属されるように希望して却下されたが、そのエイガーの代わりに配属されたのが、現在カイと戦ってる奴なんだろう。

 

「腕としてはそこそこだけど……ホワイトベースで通用するのか?」

 

 映像モニタを眺めながら、そう呟く。

 連邦軍のパイロットとしては、それなりの技量なのは間違いない。

 だが、それはあくまでも連邦軍としてはだ。

 ヤザンとかがホワイトベースに配属された時の事を思い出せば分かりやすいが、基本的にホワイトベースのMSパイロットの技量というのは非常に高い。

 実際、映像モニタではカイの操縦するガンキャノンに、量産型ガンキャノンが一方的に押されている。

 まぁ、量産型という通り性能的にはカイの操縦するガンキャノンより劣っていて、その上で操縦技術という点でも劣っているのだから、この結果も当然といったところか。

 

「その辺は訓練をするしかないだろ。ダンケルとラムサスの2人だって、今では十分戦力になってるんだからな」

 

 ヤザン程に強さに飢えていないダンケルとラムサスだったが、それでもプライドはあるのか、ホワイトベースのMSパイロットとして最低限の実力は持っている。

 つまり、一般的な連邦軍のMSパイロットの技量で考えれば、エース級な訳だ。

 そうである以上、量産型ガンキャノンに乗ってるパイロットも訓練を重ねれば相応の実力は持つようになるだろう。

 もっとも、それだけの実力を得るまでに心が折れなければ、だが。

 この状況でホワイトベースに乗り込む以上、相応に上からは期待されていると思ってもいい。

 だが、そんな状況でホワイトベースに来たのに、その実力以上の民間人――正確には軍属だったり、成り行きで階級を貰っていたりするが――に手も足も出ずに負けてしまうのだ。

 この状況で心が折られるという可能性も、その中には十分にあった。

 

「あ」

 

 そう呟いたのは誰だったのか。

 映像モニタでは量産型ガンキャノンの低反動キャノンの一撃を回避して間合いを詰めたガンキャノンが蹴りを繰り出し、それによって吹き飛ばされた量産型ガンキャノンに対してビームライフルを撃ち……模擬戦が終了する。

 

「あー、やっぱり」

 

 それを見ていたメカニックの1人がそう呟くのが聞こえてきた。

 ホワイトベースの改修はいいのか?

 そう思ったが、今は休憩なのか他にも何人ものメカニック達が……それどころか、ウッディやマチルダの姿もあった。

 やがてシミュレータからカイと1人の男が姿を現す。

 伊達男という表現は少し古いのかもしれないが、何となくそんな雰囲気を持つ男。

 その男はカイと何かを話している。

 時折笑みを浮かべつつ、それでも真剣な様子を見せているのを考えると、恐らく今の模擬戦についての話をしているのだろう。

 実力的にはそこまででもないが、大人の余裕とでも言うべきものがある。

 まぁ、そこまで大人! って程じゃないから、言うなれば頼れる兄貴分といったところか?

 今までのホワイトベースにはいなかった人種だな。

 ホワイトベースの中にも、勿論年齢が高い奴はいる。

 それこそ、食堂を切り盛りしているタムラとかは中年とか言ってもいいくらいだし。

 だが、タムラとかはあくまでも裏方……いや、正確にはMSパイロットが接する機会は少ない。

 そういう意味では、MSパイロットとして年上の人物はホワイトベース隊に残る連中にとっては頼れる存在となってもおかしくはなかった。

 一応頼れる存在となるとリュウもいるが、リュウ1人で他の者達の面倒を見るというのは難しいだろうし。

 そんなことを考えていると、カイと話していた男が俺の方に近付いてくる。

 

「よう、あんたがアクセル? スレッガー・ロウ中尉だ。よろしくな」

「ああ、よろしく。もっとも、俺はもう少ししたらホワイトベースから降りるから、あまり接する機会は多くないと思うけどな」

「そうか。それは残念だ。あんたの話はホワイトベース隊の連中から色々と聞いてるからな。出来れば、ゆっくりと話したかったんだが」

 

 そう言い、本当に残念そうな様子を見せるスレッガー。

 どうやら連邦軍の中でも友好的な存在らしい。

 北米で俺のフルアーマーガンダム7号機を奪おうとした奴のように、連邦軍の中には私利私欲の為なら何をしてもいいと思ってる奴もいるしな。

 ホワイトベースの重要性を考えれば、そんな奴を補充兵として派遣してくるとは思えないが。

 

「ホワイトベースから降りるとは言っても、もう少しはいるから、その間なら話に付き合うぞ」

 

 そう告げると、スレッガーは笑みを浮かべる。

 どうやらお気に召したらしい。とはいえ……

 

「ホワイトベースの補充兵はお前だけなのか? ジャブローでホワイトベースからいなくなるのは、結構な人数なんだが」

「俺もそれは気になって聞いてみたんだけどな。現状は有利だとはいえ、連邦軍も決して余裕がある訳じゃない。それこそ、その辺の新兵をホワイトベースに送ってきたところで役には立たないだろ?」

「それはな」

 

 スレッガーのその言葉が正しいのは、ホワイトベースにおけるミケルが証明している。

 シローやサンダースはMSパイロットとして十分戦力となっていたが、ミケルの場合は本人のMSの操縦技術がかなり低い。

 それでもゆっくり動かしたりとかは出来るので、メカニック達が整備する時には呼ばれたりしていたらしいが。

 ともあれ、そんな理由からミケルはホワイトベースにおいては、雑用を任される事になった。

 人手が足りないホワイトベースだけに、雑用として使えるというだけで十分なのだが。

 それでも、取りあえずMSのパイロットとしてはミケルのような奴が補充されても、困るのは事実だ。

 そういう意味では、スレッガーのような……負けはしたが、ある程度カイと戦えるだけの実力を持った相手がやってきたのは、決して間違いではないだろう。

 

「そんな訳で、現在ホワイトベースに回すことが出来たのは俺だけだった訳だ。……勿論、無理をすれば他にも何人か回すことが出来るかもしれないが、元々ホワイトベースは戦力が揃っていただろう?」

 

 その言葉に笑みを浮かべたのは、ヤザンだ。

 ホワイトベースから俺達が降りても戦力が揃っていると言われれば、やはりホワイトベースに残る者にしてみれば嬉しいのだろう。

 また、実際にヤザンはホワイトベースの中でも実力のあるパイロットであるのは間違いない。

 

「そうなると……ホワイトベースはこれから、やっぱり宇宙が戦場になるのか?」

 

 可能性としては、それこそ現在激戦が続いている北米に向かうというのもある。

 もしくは、連邦軍が押し込んでいるオーストラリアに向かうという可能性もあるし、それ以外にまだ存在しているジオン軍の基地ともなれば、他に幾らでもあるだろう。

 ホワイトベースの戦力を……それこそ、アムロとユウというUC世界でもトップクラスの実力を持つ2人を有しているのを考えれば、それこそホワイトベース隊だけでどこかに存在するジオン軍の基地を攻略してくるようにと命令されてもおかしくはない。

 だが……その辺の事情を考えても、やはり現在の状況で一番可能性があるのは宇宙だ。

 地球に残るジオン軍の残党――という表現は今はまだ正しくないかもしれないが――に当てるよりも、やはりこれから本番となる宇宙での戦いに使った方がいいのは、間違いなかった。

 

「ああ、俺もそう思っている。俺の量産型ガンキャノン以外にも、コアブースターとかいう戦闘機が配備されるらしいし」

「コアブースター? コアファイターと関係があるのか?」

「そうだ。簡単に言えば、コアファイターに武器が装備されたブースターを装備した機体の事だ」

「それは……また……」

 

 コアファイターというのは、以前聞いた話が本当ならかなり高コストの戦闘機の筈だ。

 それとも、コアブースターに使われるコアファイターは、機能を削った廉価版だったりするのか?

 それなら分からないでもないが、そうなればそうなったで、何だってわざわざコアファイターを使うのかといった疑問もある。

 それこそ、連邦軍の主力戦闘機たるセイバーフィッシュとかを強化した方がいいだろうに。

 コアファイターは新型の……それこそ、基本的にはV作戦のMSのコックピットにする為に開発された機体だ。

 そうである以上、これからコアブースターを量産するとなれば、コアファイターとブースター部分の両方を生産する必要がある。

 だが、ベースの部分をセイバーフィッシュにするのなら、製造するのはブースター部分だけでいい。

 まぁ、あくまでもそう思うのは俺の勝手な想像でしかないので、実際にはコアファイターでなければならない理由とか、そういうのがある可能性は十分にあるのだが。

 

「それで、コアブースターの武器はやっぱりミサイルとか? それとも、メガ粒子砲?」

「後者だ」

「へぇ。……だとすれば、結構いい機体かもしれないな」

 

 勿論、セイバーフィッシュでもMSを撃破したという記録は残っている。

 だが、それでもどうしてもミサイルでは相手を撃破するのが難しい。

 メガ粒子砲……ビームの場合は、攻撃を放った瞬間にはもう命中しており、その上ルナ・チタニウム製の装甲でも貫くだけの威力を持っている。

 だが、ミサイルの場合は発射されたのを見てから回避したり、場合によっては迎撃するのも難しい話ではない。

 その辺の事情を考えると、コアブースターという選択肢はそこまで捨てたものではないのだろう。

 とはいえ、コアブースターは所詮戦闘機だ。

 MSが有利なのは、その運動性。

 戦闘機は直線の機動力ではMSを上回るが、運動性となればどうしてもMSより劣ってしまう。

 そうなると、コアーブースターは腕の立つ戦闘機のパイロット向けの機体となる訳だ。

 ……ただし、腕のいい戦闘機のパイロットの多くは、既にMSのパイロットとして採用されていたりするのだが。

 腕の立つ者が乗れば高い性能を発揮するという点では、ある意味ジオン軍のグフに繋がるところがある。

 とはいえ、グフとコアブースターのどちらを選ぶかと言われれば、大抵はグフを選ぶだろうけど。

 コアブースターの実物を見た訳ではないので、それが絶対とは言えないが。

 

「ああ。本来なら俺はそっちに乗る筈だったんだけどな。ただ、量産型ガンキャノンの量産が当初の予想以上に進んだということもあって、結局俺の機体は量産型ガンキャノンになった」

「なるほど」

 

 なるほどと頷いたが、ぶっちゃけた話、ガンキャノン系列の量産が進んだのって……多分、俺の影響なんだろうな。

 戦闘データの類は連邦軍に渡していないが、それでもホワイトベースやそれ以外のMSの映像データとかは普通に存在する。

 それらのデータを連邦軍が分析して、ガンキャノン系は有効な戦力になる可能性が高いと、そう連邦軍の上層部が判断した可能性は否定出来ない。

 その結果として、本来ならジムの量産に連邦軍のリソースの多くを注ぎ込むつもりが、幾らかはガンキャノンにも注ぎ込まれた、と。

 うん。多分そんな感じだと思う。

 そんな思いを誤魔化しつつ、俺はスレッガーと会話を続けるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1060
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1591

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