転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0245話

 ユニウスセブンで行われたユニウス条約調印式典から2週間程。今日はこのホワイトスターにマスコミ関係者やオーブからの見学者がやって来る日だ。

 マスコミ関係者にしろオーブの見学者にしろ、こちらの予想を遥かに超えた人数がホワイトスターへの来訪を希望した為に、結局は抽選で決めさせて貰った。第1回の今日はマスコミ30名、オーブ国民30名の計60名が来る予定になっている。

 とは言っても、マスコミ関係者とオーブ国民の回るルートは別々に設定してあるので特に混乱も無いだろう。

 ちなみにマスコミを案内するのがエザリア。オーブの見学者を案内するのがムウとレイだ。これが3人のシャドウミラーとしての初仕事となっている。

 レイはともかく、エザリアにはどのような仕事を割り当てるかで非常に悩んだが、結局はシャドウミラーの報道官を任せる事になった。一応ヤキン・ドゥーエ戦役でラクスがプラントで反戦活動を行っていた時に、メディアでラクス相手に情報戦をしていたのが理由だ。将来的には政治顧問とかそんな風な役職について貰いたいとは思っているが。

 かなり微妙な理由な気もするが、何せ他にシャドウミラーでメディア慣れしているのはコーネリアくらいしかいない。そしてコーネリアはシャドウミラーの前線指揮官として動いて貰う以上、報道官に回せる訳もない。

 ちなみに、ユニウスセブンでマスコミがマリューに関して情報を持っていたのでそれとなく聞いてみたが、数回雑誌のインタビューを受けた経験がある程度らしい。マリューが選ばれた理由としては、やはり美人だからなのだろう。イメージ戦略の一環だと思われる。

 マスコミ慣れはしていないが、その辺が如才ないレモンを……というのも一瞬頭をよぎったが、レモンは既に技術班を纏めているし、実質このシャドウミラーのNo.2と言ってもいい存在だ。そんなレモンに報道官をやってくれなんて頼める訳も無い。

 エキドナに関しては、俺の……というよりも、シャドウミラー幹部勢の副官役として細々とした仕事を抱え込んでるのでこれも無理だ。

 そこで白羽の矢が立ったのが、メディアの露出にそれなりに慣れているであろうエザリアだった訳だ。

 

「アクセル、そろそろ時間よ」

 

 レモンに声を掛けられて、我に返る。

 

「っと、悪い。すぐに行くよ」

 

 今日はホワイトスターに招待客が来るというのもあるが、その他にももう1つイベントがある。それは、俺の空間倉庫の中に入っているPTやAM、あるいは輸送機等を全て出して確認する事だ。

 一応、シャドウミラーの戦力がどのくらいあるのかというマスコミ対策の一環でもあるらしい。いわゆる砲艦外交みたいなものだな。

 当然このアイディアを出したのも報道官であるエザリアだ。本来は空間倉庫の一斉放出に関してはホワイトスターに客の来る今日ではなく、明日か明後日辺りにやる予定だったのだ。だが、それに待ったを掛けたのがエザリア。シャドウミラーとしての戦力を公開する事で『所詮私兵集団』という侮りを払拭したいらしい。

 報道官なんて専門ではない仕事を与えられつつも、そつなくこなすその姿はさすが元プラントの最高評議会議員を務めただけの事はある。

 

 

 

 

 

「さて、まずは何から出す?」

 

 俺の周囲にいるのは、レモンを始めとした技術班。それとマリューにホワイトスターに留学してきているマードックの姿もある。ちなみにコーネリアとエキドナ、イザークはオーブ軍のMS部隊を相手に模擬戦をしているらしい。……オーブ軍のM1アストレイ部隊も心を折られなきゃいいが。

 

「そう、ね。まずはPTからいきましょうか。それ程の機種は無いでしょう?」

 

 レモンの言葉を聞きながら、脳裏に空間倉庫のリストを展開してリストをチェックする。

 

「そうだな、基本的にはうちで使っている量産型ゲシュペンストMk-Ⅱとエルアインスくらいだな」

「じゃあ、まずはそれをお願い」

 

 レモンの言葉に従い、取りあえずの手始めとしてリストからその2機を選択し、次々と他の機体も出していく。

 

 

 

 

 

「……良くもまぁ、こんなに入っていたもんだ。兄ちゃんの空間倉庫ってのは正真正銘底無しか?」

 

 マードックが呆れたように呟くが、それも無理はない。何しろ俺が生まれた世界、スパロボOGsの世界、コードギアスの世界、そしてこのSEEDの世界で入手してきた人型兵器や輸送機、戦闘機、戦車等の大盤振る舞いなのだから。

 ……いや、コードギアスの世界で手に入れたガン・ルゥに関しては以前に全て取り出して技術班に渡してあるのでここにはないが。

 そう言えばあのガン・ルゥはどうなったんだろうな。そのうち魔改造されて出て来るような気がしないでもない。

 

「って、これ連合軍のリニアガン・タンクじゃない! それに大型VTOL輸送機まで……こんなのいつ手に入れたの?」

「あー、それはあれだ。アラスカで捕まって脱出する時に行き掛けの駄賃としてちょっとな」

「あのねぇ。あの時、私達がどんなに苦労して戦っていたと思ってるのかしら?」

 

 愚痴るようなマリューの声を聞きながら、改めてホワイトスターの格納庫の中を見回す。そこに並べられている兵器の数と質を考えると、この世界全てを敵に回してもどうにかなるだろう戦力が揃っていた。

 

「アクセル、ちょっといいかしら」

 

 空間倉庫に入っていた機体を全て出して終えて、それらのチェックと数の確認をしていると後ろから声を掛けられる。

 そちらへと振り向くと、そこには報道陣を引き連れたエザリアの姿があった。

 

「早いな、ここに来るのはもう少し後の予定じゃなかったのか?」

「ええ。そのつもりだったのだけれど、アクセルの話を早く聞きたいと言って予定を早めたのよ」

「俺の話、ねぇ……それこそシャドウミラーの話を聞くのなら報道官であるエザリアに聞くのが筋だと思うが」

 

 それに一応見学コースはそれなりに考えられて決められており、この時間は……

 

「ありゃ? 何でマスコミ組がここに?」

 

 オーブからの見学者達を引き連れたムウが格納庫の中へと入ってきた。

 その手には『オーブ見学者ご一行様』と書かれた旗を持っているが……もしかして、ムウのお手製か?

 ムウの近くでは、レイとシン・アスカ、マユ・アスカの兄妹が並んで立っている。

 そう、以前のパーティでレイとシンの顔合わせが出来無かったのでこの機会にという事で仕組ませて貰ったのだ。

 シンの父親であるコウ・アスカには事情があってプラントから引き取った子供がホワイトスターにいるが、出来れば年の近い子供の友達が欲しいと言ってあの2人を寄こして貰った。

 コウにしても、自分でホワイトスターを見れないのは残念だがならせめて子供達だけでも……という事で承知した。

 コウがここにいない理由? 水中用MSに関しての開発が忙しいから手が離せないらしい。ちなみに、結局一から水中用MSを開発するのは諦めて、現在はオーブ軍の主力MSであるM1アストレイに水中行動用の追加ユニットを装着させて簡易的な水中用MSとして運用するべく、その追加ユニットの開発をしているとか。ちなみに、その追加ユニットはシーリオンを解析して得た技術である電動推進機関を採用しており、ステルス性が非常に高くなっているらしい。

 

「……ま、来てしまったのはしょうがない。この格納庫の見学についてはマスコミ組とオーブの見学組を同時に進めるとしようか」

 

 ムウとエザリアに提案し、2人も頷く。

 

「そうだな、解説の手間が省けると考えればそれ程悪い選択じゃないからな」

「……すまない」

 

 ムウの気楽な発言に対して、エザリアは多少落ち込んでいるように見える。マスコミの要求をきっぱりと断れなかったのが気になっているのかもしれない。

 

「ま、シャドウミラーとして活動を始めてまだ短いんだ。ここにいればそのうち嫌でもシャドウミラーの流儀に染まるだろうから、余り気にするな」

「そうそう、俺を見てみなよ。すっかりシャドウミラーに染まってしまったぜ?」

「おい、ムウ。お前のその軽さは初対面の時から変わってないぞ」

「……そうか?」

「ああ、間違い無い」

 

 エザリアを励ます意味でも、ムウと共にわざとらしい漫才を繰り広げる。

 だが、その時……俺の中にある念動力がソレを知らせてくる、非常に嫌な予感。もしかしたら、この場にいる全員に被害があるかの如く。

 

「キャアアアアアアアアアアアっっっっっ!」

「マユーーーーーっっっっっ!」

 

 突然聞こえてきたその声に、俺とムウ、エザリアは一瞬顔を合わせてからすぐに声のした方へと走り出す。その俺達の後を追うように複数の足音。チラリと後ろへ視線を向けると、そこにはエザリアが連れてきたマスコミ連中が俺達の後を追うようにして付いて来ている。

 ちぃっ、厄介な。

 だが、一秒でも惜しい今この時に一々マスコミを相手にその場で待機していろと言っている時間は無いし、なによりマスコミとしてもそう言われて、はいそうですかとこちらの指示を聞くとも思えない。

 

「付いてくるなとは言わないが、自己責任だぞ!」

 

 それだけ宣言して、声のした方へ意識を集中する。

 

「加速」

 

 精神コマンドの加速を使い、他の連中を置き去りに声のした方……すなわち転移区画へと足を踏み入れた。

 まず目に入ったのは生成されている転移フィールド。そしてその近くで悲痛な表情を浮かべながら転移フィールドへと叫んでいるシンと、唇を噛み締めながらじっと転移フィールドを睨みつけているレイの姿だった。

 そして、リュケイオスの操作システムの近くには1人の男の姿が。

 いや、今はそれどころじゃない。レイ達の様子を見るに、転移フィールドの中にはシンの妹であるマユがいるのだろう。転移フィールドから動く様子が見えないのはフィールドの中で混乱しているのか、あるいは腰が抜けているのか。

 とにかく考えている暇はない。マスコミが大勢いるこの場で、みすみす事故を起こしてたまるかっ!

 転移フィールドへと突っ込み、そのままマユを救助して俺もフィールドから離脱する。それしかないだろう。スライムを使えれば一番いいのだろうが、空間倉庫の展開や、スライムをこの空間に出すのも多少ではあるが時間が掛かる。それなら俺の身体能力で一気に駆け抜ける!

 

「アクセル!」

 

 後方から聞こえてきたレモンの鋭い声と何かを投げる音。後ろも見ずに気配だけでその何かを手に取るとそれが何なのかを確かめもせずにそのまま転移フィールドへと向かい……

 

「駄目っ、転移する!」

 

 マリューの悲痛な声を聞きつつも転移フィールドへと突入し、案の定腰を抜かしていたマユを力任せに転移フィールドから押し出す!

 

「アクセル急いで!」

 

 レモンの声を聞きつつも既に転移フィールドにより転移が開始され……

 最後に、レモンとマリューの悲痛な叫び声と同時に『青き清浄なる世界の為に!』と叫んでいる声が聞こえ……俺はホワイトスターから姿を消した。

 

 

 

 

 

「がああぁぁぁぁぁあっっあっあぁぁぁぁああっっっっ!」

 

 身体中に激痛が走る。まるで身体の内部からナニカに貪り食われているかのような強烈な痛み。そんな状態のまま、途切れ途切れの思考で疑問を抱く。何故こんなに激痛を感じる? 今まで幾度となく転移はしてきた。だが、こんな激痛に襲われたのは全くの初体験だった。何が……一体……レモン、コーネリア、マリュー……

 俺の全てを使ってでも守りたい、最愛の恋人達3人の姿が頭をよぎり……俺の意識はプツンと途切れた。

 

 

 

 

 

 

「あら? あやか、ちょっと」

「何ですの? ……まぁ!」

「ちょっとあやか。そう興奮しないで。……ねぇ、僕、こんな所で寝ていると風邪を引くわよ? 起きなさい」

 

 ……声、声がする。誰の声? レモン? コーネリア? マリュー? いや、その3人の誰とも違う声。初めて聞く声だ。

 だが、その声はマリューの優しい声に似ているように感じられた。そしてその声に導かれるかのように俺の意識が浮上していく。

 

「……あら、目が覚めましたか? 大丈夫ですの? こんな所で寝ていては千鶴さんの言う通り、風邪を引いてしまいますわね。ここは是非私の家でじっくりと看護を!」

「あらあら、あやかったら欲望に忠実なんだから。それにしても困ったわね。夏美ちゃんの演劇部に差し入れに行った帰りだからもう暗いし、これからこの子の家を調べるにしてもちょっと時間が無いわね」

「ですから! この私! 雪広あやかが責任を持ってお世話をいたしますわ!」

 

 何と言うか、まず俺の目に入ってきたのは金髪の女と赤茶色の……紅褐色とでも表現するべき色の髪をした女。それはいい。いや、良くはないが取りあえずそれよりも問題なのは……

 

「でかい」

 

 そう。明らかに目の前にいる女2人は俺よりも大きいのだ。俺の身長が180cm程度である事を考えると、目の前の女2人は3m程度はあるんじゃないだろうか。

 そして呟いた事により、さらなる違和感が俺を襲う。

 俺の声じゃ……ない? 妙に甲高いその声は、既に声変わりを経験したいつもの声とは明らかに違うものだった。

 思わぬ事態に混乱しつつも、ふと何かを手で握っていたのに気が付く。そう言えば転移フィールドに突入する寸前にレモンが何か投げてきていたのを反射的に握りしめたまま転移フィールドに突入したな。

 その手へと視線を向け、再度唖然とする。俺の目に入ってきたのはプクプクした柔らかそうな手。少なくても、軍人として生き抜いた俺の手とは似ても似つかない子供の手だ。その手に握られているのは、拳大の装置。……いや、今の俺に取っては拳3つから4つ分程の大きさか。

 この装置には見覚えがある。以前コードギアスの世界でエキドナが使ったマーカーだ。転移機能等は無いものの、リュケイオスでこの世界を探す事の出来る唯一の希望。少なくてもこれがここにあるという事は、レモン達がリュケイオスでいずれ俺を見つけてくれる……と信じたい。

 

「僕、どうしたの? あら、何を持ってるのかしら。お姉さんに見せて貰える?」

 

 紅褐色の髪をした女の言葉。妙に甲高い声。そして、このプクプクとした手。これらを総合すると俺の身に何が起こったのかを容易に想像する事が出来た。すなわち、子供になってしまったのだ。

 

「なんでさ」

 

 思わず正義の味方の言葉を呟くと、目の前にいた女が残念そうに頭を撫でてくる。

 

「御免ね。取り上げるつもりはないのよ。ただ、ちょっと君のおうちがどこにあるのか知りたいだけで」

「あ、いや。そういう訳じゃないんだ」

 

 口調、口調をどうする? さすがに子供化した状態で、今までのアクセルのような口調は違和感ありまくりだろう。それにこれまでの転移の経験から考えると、ここもどこかの漫画やアニメ、あるいは小説の世界である可能性が高い。子供化なんてトンデモ状態になっている以上目立つのは避けるべきだ。

 

「えっと、ちょっと聞きたいんだけど……ここはどこ?」

「あらあら。あやか、やっぱりこの子迷子みたいよ?」

 

 紅褐色の髪の女の台詞に、金髪の女が妙にハイテンションになっている。

 

「それならば是非、この雪広あやかがお教えします。ここは麻帆良。麻帆良学園都市の女子校エリアですわ」

 

 麻帆良? 聞いた事のない地名だ。名前の感じからして、日本のようだが……俺は今度は、どこの世界に転移してきたんだ!?




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:615
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:374

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