転生とらぶる   作:青竹(移住)

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ブラウ・ブロに習って、ビグザムの表記を、ビグ・ザムに変更しました。
ただ、ザク・マシンガン等を含めて「・」を省略することもありますのでご了承下さい。


2633話

「よう、アクセル。またお前と一緒に戦う事になるとは思わなかったな」

 

 ホワイトベースの格納庫に素の状態のガンダム7号機で乗り付け、そこから降りた俺に向かって、そう声が掛けられる。

 声のした方に視線を向けると、そこにいたのはヤザン。それとヤザンと小隊を組んでいる、ダンケルとラムサスの2人。

 ヤザンは嬉しそうな様子で俺に声を掛けてきたが、ダンケルとラムサスの2人は微妙な表情を浮かべていた。

 ヤザンはともかく、他の2人には決して好かれてないからな。

 

「一緒に戦うって、ソロモンを攻略する時のチェンバロ作戦でも一緒に戦っただろ? それを思えば、そこまで不思議じゃないと思うけどな」

「いや、それはそうだが……チェンバロ作戦の時は、所属した艦が違っただろ?」

「違うと言ってもな。あっちの艦……カトンボが、本来の俺の母艦なんだけどな」

 

 寧ろ、俺がホワイトベースに乗ってる方が、色々と特別なのだ。

 ちなみに、レビルとの交渉は俺が予想していたよりもあっさりと片付いた。

 いや、あれは交渉なんてものじゃなかったな。

 俺がホワイトベースと一緒にソロモンの外に出て、サラミスやマゼラン撃沈についての対策をしたいと言ったところ、レビルは特に躊躇する様子もなく頷いたのだから。

 これを交渉と言ったら、それこそシャドウミラーにいる政治班の面々にどんな視線を向けられる事やら。

 ともあれ、レビルにとってもサラミスやマゼランが撃沈した件に関しては、出来るだけ早くどうにかする必要性があると考えていたのだろう。

 そこにちょうど俺が連絡をし、レビルにとっては渡りに船だった……といったところか。

 

「それで、例の件があった時、ヤザンは何か感じなかったのか?」

「は? ああ、軍艦が攻撃された件か。いや、俺は特に何も。そもそも、あの時はソロモンの中にいたしな」

 

 どうやら、ヤザンは攻撃と認識しているらしい。

 いやまぁ、普通に考えれば攻撃以外のなにものでもないのだが、中には楽観的なのか、それともジオン軍の仕業にしたくないのかはわからないが、単なる事故か何かだと言ってる奴もいるんだよな。

 1隻だけなら事故だというのも納得出来るが、何隻ものサラミスやマゼランがほぼ同時に爆発する……なんて、それは一体どんな事故だ?

 とてもではないが、事故だとは思えない。

 

「そうか。ヤザンなら野生の本能でもしかしたらと思ったんだけどな」

「おい、アクセル。お前は俺を一体何だと思ってるんだ?」

 

 不満そうにそう告げてくるヤザン。

 だが、実際にヤザンの戦闘方法は兵士というよりは野獣という表現が相応しい代物だ。

 それだけに、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、野獣らしい本能で敵を察知することが出来るという可能性も否定は出来なかった。

 ……結局無理だったみたいだが。

 

「ヤザンくらいの実力があれば、何か感じられたかもしれないと思ってな」

「そんな風に楽に敵の存在を感じたり出来るんなら、色々と楽なんだけどな。残念だが、俺にはそんな能力はねえよ。そういうのはアムロの担当だろ?」

 

 ヤザンにとっても、ニュータイプとかそういう不思議そうな……ある意味でオカルト的なやり取りに関しては、アムロに任せるということになっているのだろう。

 実際に敵にニュータイプが出て来れば、ヤザンの場合は嬉々としてそっちに攻撃を仕掛けそうだけど。

 とはいえ、ニュータイプの敵と戦った場合、ヤザンが不利なのは間違いない。

 これがまだ弱いニュータイプ能力の持ち主であれば、もしかしたらヤザンも勝てる可能性はあるのだが、遠距離から無線のビーム砲を使って攻撃をするといったような能力の持ち主だ。

 それこそ、ヤザンが本気で戦いを挑んでも、渡り合うのは難しいだろう。

 ……あるいは何とか攻撃出来たとしても、その攻撃で撃破出来るのはあくまでも無線のビーム砲であって、敵の本体ではない。

 少なくても、敵のニュータイプが乗ってるMSやMAはソロモンのレーダーの効果範囲外にいるのだから。

 そもそも敵がいないのだから、ヤザンが戦いたくても戦いようがないというのが、正直なところだろう。

 にしても、強力なニュータイプか。……まさか、シャアだったりしないよな?

 アムロがここにいるというのを考えると、何だか微妙に今回の攻撃にシャアが関わっているような気がしないでもないんだが。

 とはいえ、シャアが相手だとすると歌が聞こえたというのはちょっと疑問なんだよな。

 

「まぁ、ともあれ……このまま一方的にやられるというのは面白くないだろうから、俺達もしっかりと注意をする必要があるな。これからア・バオア・クーを攻略するのに、このまま延々と攻撃をされ続けていたら、その戦力がなくなってしまうし」

「それは……嫌だな」

 

 連邦軍としても、そこまでされればある程度ダメージを受けたところでどうにか対処すると思う。

 でなければ、こちらにとっての被害が圧倒的に多くなってしまうのだから。

 それこそ、ヤザンが口にした『嫌だな』といった程度の話ではないのだから。

 

「まぁ、今の俺達に出来るのは、敵がまた出て来るのを待つしかないけどな。……敵がいないと、それこそ戦う相手もいないんだし」

「アクセルがいるのに、模擬戦が出来ないってのはつまんねえな」

 

 ヤザンのその言葉に、ダンケルとラムサスの2人が安堵した様子を見せる。

 今の状況を考えれば、模擬戦をやりたくはなかったのだろう。

 ホワイトベースがソロモンの外にいる以上、いつまたジオン軍のニュータイプが攻撃してくるのか分からない。

 その時にシミュレータで模擬戦をやっていれば、いざ敵が攻撃してきた時に対処出来ないのだ。

 もしくは、実機を使った模擬戦であっても、ペイント弾だったりビームの出力を極端に下げていたりとした場合、実際に敵が出て来た時に対処が難しい。

 ましてや、相手は恐らくという予想ではあるが無線でビーム砲を飛ばしてくるという攻撃方法だ。

 それを察知し、攻撃をするという時にビームの設定を元に戻したりといった真似をしていれば、間違いなく迎撃が間に合わなくて撃破されてしまうだろう。

 ……あ、でも前回の襲撃で連邦軍が受けた被害は全部軍艦なんだよな。

 だとすれば、もしかしたら敵のニュータイプは何らかの理由で軍艦のような巨大な相手にしか攻撃出来ないという可能性も……うーん、どうだろうな。

 MSを判別出来ずに攻撃をしないというよりは、単純に連邦軍に対して少しでも大きなダメージを与える為に、サラミスやマゼランを撃沈したと考えた方がいい。

 

「模擬戦をやっていれば、いざって時に反応出来ないだろうし……今この時は止めた方がいいだろうな」

「……分かったよ」

 

 ヤザンは不満そうな様子で俺の言葉に頷く。

 何だかんだと、ヤザンも結構素直ではあるんだよな。

 もっとも、これはヤザンが俺を格上の存在であると認めているからこそかもしれないが。

 野獣と評されることも多いヤザンだからこそ、自分よりも格上の相手には素直に従う……うーん、でもヤザンの性格的に、自分よりも格上だからといっても、それだけでそんな風に素直に従うとは思えないけどな。

 

「そう言えば……スカーレット隊って知ってるか?」

 

 そう聞いてみたのは、特に何か理由があっての事ではない。

 何となくそんな話題を思い浮かべたからこその質問。

 

「スカーレット隊? ……いや、知らねえ。お前達はどうだ?」

「聞いたことがないですね」

「ダンケルに同じくです」

 

 どうやら、残念ながらスカーレット隊については知らなかったらしい。

 まぁ、連邦軍の規模を考えれば、その全ての部隊を知ってる奴なんて……それこそ軍の中にもいなくてもおかしくはない。

 ただし、軍に対するオタクと呼ばれている中には、何故か軍の人間が知らないような事まで知ってる者がいたりもするんだが。

 ともあれ、同じ連邦軍の中でも付き合いがあったり、もしくはよっぽと優秀な部隊であれば軍の中でもその名前を知られていてもおかしくはないのだが……生憎と、スカーレット隊はヤザンの中ではそんな枠に入らなかったらしい。

 まぁ、その気持ちも分からないではない。

 何しろ、スカーレット隊の隊員はジムスナイパーⅡや量産型ガンキャノンといったような、ジムよりも高性能なMSを渡されているにも関わらず、その能力は驚く程に低かった。

 グレイファントムとかいう旗艦に着地する際に、失敗しそうになったのは、最早意図的なのではないかとすら思えなかった。

 ……正直、リボーでの戦いは俺がアレックスに乗っていたからよかったものの、もしあの状況で俺がいなければ、間違いなくアレックスはサイクロプス隊に奪取されていたか、もしくは破壊されていただろう。

 スカーレット隊がサイクロプス隊と戦えば、それこそろくな抵抗も出来ずに全滅していた可能性は非常に高い。

 バーニィであっても、スカーレット隊を倒す事は出来ただろう。

 そのくらいの技量の低さだったのだから。

 

「スカーレット隊ってのは知らないが。バニング中尉率いる小隊は、不死身の第4小隊って言われてるみたいだぞ」

 

 ヤザンの口から出て来た名前は、懐かしい名前。

 いやまぁ、オデッサから今日まで、実際にはまだそんなに時間が経ってないんだけどな。

 それを考えれば、不死身の第4小隊という名前が知られたのは凄いんだろう。

 

「やっぱり裸踊りのモンシアがいるのが嫌で、バニングが張り切ったのか?」

「……俺はそう思っている」

 

 裸踊りのモンシア。

 その異名……異名というか、恥名と呼ぶべきかもしれないが、ともあれ後ろ指を指されるという点では間違いのない名前だ。

 モンシアの上官たるバニングは、そんな自分の状況が我慢出来なかったのだろう。

 その結果として、裸踊りのモンシアがいる小隊という汚名をどうにかしたくて、チェンバロ作戦までに頑張り、その結果として不死身の第4小隊という異名が新しくついたのだろう。

 不死身の第4小隊という異名が異名か? という疑問もない訳ではなかったが、考えてみれば黒い三連星も小隊で異名を持っている訳で……そう考えれば、不死身の第4小隊が異名でもおかしくはないんだろう。

 もっとも、黒い三連星というのは異名らしい異名だが、不死身の第4小隊というのはいまいち異名らしい感じがしないのだが。

 その辺は、俺が気にしても必要はないか。

 

「そうなると、今度モンシアとヤザンが戦ったら、一体どうなるのか……少し興味があるな」

「いや、そうなったらバニング中尉が止めるんじゃ?」

 

 珍しく、俺の言葉にダンケルがそう言葉を挟んでくる。

 ダンケルとラムサスの2人は、何故か俺の事を苦手としているらしく、俺とはあまり言葉を交わそうとしないんだよな。

 

「バニングがか? ……まぁ、そう言われると納得出来るような気もするけど」

 

 元々不死身の第4小隊と呼ばれるまでに活躍したのは、裸踊りのモンシアというのが嫌でやった……と、そう思われる。

 そうである以上、またモンシアがヤザンと戦って負けたりしたら、どうなるか。

 それこそ、考えるまでもなく明らかだろう。

 とてもではないが、バニングはモンシアにヤザンとの模擬戦を許可するとは思えない。

 

「変な異名をつけないという条件でならやる……かも? もっとも、裸踊り以上に変な異名があるとは思えないけど」

 

 ダンケルに続いてラムサスまでもが、そんな風に告げる。

 実際、その辺は俺が考えても仕方がないので、模擬戦はやらなくても構わないという事にしておく。

 

「それにしても……本当に暇だな。模擬戦も出来ないで、ただ待ってるだけってのは、退屈以外のなにものでもない」

 

 はぁ、と。

 話が一段落したところで、ヤザンがしみじみと面倒臭そうに告げる。

 ヤザンにしてみれば、こうして黙って待機しているのは退屈なのだろう。

 この辺りが、ヤザンの軍人としての欠点なのだが……同時に、そんなヤザンだからこそ戦いの中では頼りになるというのも事実だった。

 

「そう言えば、ヤザンは戦後にどうするか決めたのか? 前にもこんな話をしたことがあったと思うけど、ソロモンを攻略して戦争の終わりはそろそろ本格的に見えてきただろ?」

「ん? 戦後か。正直分からないってのが正直なところだな。ただ、前も言ったけど月に魅力は感じてるぞ。移住までするかどうかはまだ分からねえが、取りあえず月に行ってみるのは確実だ」

「そうか。月はかなり急速に発展してるからな。特に首都のクレイドルはもの凄い」

 

 元々、移民船として開発されたクレイドルだけに、建物は最初からある。

 だからこそ、何らかの商売をやるにしても、建物を建てるといったことは心配しなくてもいい。

 また、賃貸料もかなり安めに設定されているので、多くの者が集まってきて……それで、更に発展の速度は速まっていくのだ。

 好循環と言ってもいいだろう。

 そんな風に思いながら、俺はヤザンにガイアと一緒に行った焼き肉屋の話をするのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1205
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1620

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