転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2675話

「見つけた。バニング、ついてこい」

 

 そう言い、一応G-3ガンダムの反応があった場所の座標をバニングに送りつつ、反応のあった方に向かってガンダム7号機を進める。

 バニング達が乗っているジムコマンドとガンダム7号機では、当然のようにガンダム7号機の方がスラスター推力は高い。

 ただ、G-3ガンダムの反応をレーダーで捉える事が出来たのだから、ジムコマンドであってもすぐにこっちを追ってくるだろう。

 今は、とにかく少しでも早くアムロのいる場所に向かう必要があった。

 ……その理由は、アムロがシャアに負けるかもしれないというのもあるが、同時にアムロがシャアに勝つかもしれないというのもある。

 いや、アムロがシャアに勝つのはいい。

 だが、シャアがセイラの兄で、セイラが兄の暴走……将来に起きる可能性が高い、地球に小惑星を落とすといった行為を止める為にルナ・ジオンを建国したとなると、もしここでアムロがシャアを殺してしまえば不味い事になる。

 同時にアムロがシャアに勝つという事は、ジオン軍の最新鋭機たるニュータイプ専用のMSが撃破されてしまうということだ。

 だからこそ、今回の一件においては可能な限りアムロの味方をしながらも、シャアの乗っているMSに出来るだけ被害を与えないようにして確保する……といった風にする必要があった。

 そこまで都合よく出来るかどうかと言われると、正直なところ微妙なのだが。

 

『了解! 不死身の第四小隊の実力を見せるぞ!』

 

 バニングの言葉が通信で聞こえてくるのと、俺がG-3ガンダムの反応のあった方に向かってスラスターを全開にするのはほぼ同時だった。

 バニングの言葉で奮い立ったモンシア達も、スラスターを全開にしてこっちを追ってくるだろう。

 そして近付けば、当然の話だがG-3ガンダムの反応を、バニング達も捉えられる筈だ。

 だからこそ、俺はバニング達をその場に残して全開で移動していたのだが……

 

「ちっ、邪魔だ!」

 

 戦場を猛スピードで移動するガンダム7号機に気が付いたのだろう。

 ザク……それも性能向上機のFZ型が1機、俺の前に立ち塞がる。

 1機なのは、味方機と戦場ではぐれたのか、それとも戦いの中で撃破されたのか。

 その辺は俺にも分からなかったが、ともあれ立ち塞がるのなら撃破するまでだ。

 当然ながら、向こうも俺の前に立ち塞がったのは、話をしようとかそんな事を考えて……ではなく、俺をここから先に通さないと、そんな決意での行動だったのだろう。

 スラスターを全開にしながら、ザクマシンガン……FZ型が使う、今までのザクマシンガンとは形の違うマシンガンの攻撃を回避しつつ、間合いを詰めていく。

 ルナ・チタニウム製の装甲を持つガンダム7号機には、当然の話だがそんな攻撃は容易に通じない。

 だが……それでも攻撃をしてくるのは、ガンダムというMSの怖さを知らない為か、それとも頭部の目の辺りにでも命中すればラッキーと考えているのか。

 その辺りの理由は俺にも分からなかったが、それでもアムロ達のいる場所に向かうには、このザクが邪魔なのは間違いなかった。

 スラスターやAMBAC機能を使いながら、マシンガンの弾丸を回避しながら敵との間合いを詰めていく。

 恐らく、このパイロットの操縦技量はそこまで高くはない。

 この程度の技量でこの戦いに出てきたのは、運がなかったな。

 ガンダム7号機に攻撃が命中せず、それでいて間合いが近くなったからだろう。

 ザクは持っていたマシンガンをこちらに投げつけ、ヒートホークを構える。

 だが、当然ながらザクマシンガンその物を投げつけても、俺に命中する筈がない。

 あっさりと回避しながら、ヒートホークを振りかぶったザクに向け、頭部バルカンを発射する。

 その一撃はまだ結構な距離があった事もあり、ザクに致命的なダメージを与えるといった真似は出来なかったが……それでも、向こうが狙ったと思われるガンダム7号機の頭部、メインカメラの部分を破壊するといった行為をそのままやり返す。

 モノアイの部分に命中し、向こうは一体何が起きたのか分からずに戸惑い……その数秒の戸惑いは、戦場において……特に俺を相手にした場合は、致命的なものだった。

 

「甘かったな」

 

 呟き、横を通り抜けながらザクのコックピットをビームサーベルで切断し……その爆発を見る事もなく、アムロのいる方に向かう。

 敵にしてみれば、まさかこんなにあっさり自分がやられるとは思っていなかったのだろうから、苦しみや死の恐怖がないままに死ねた事は、ある意味で幸運だったのだろう。

 そんな爆発を背に、俺はアムロの反応のある方に向かい……やがて数分が経過すると、ようやく視線の先にその姿を発見する。

 両手を有線ビーム砲として使い、G-3ガンダムに向かって5条のビームを連続して発射している未確認MS。

 アムロの方は、G-3ガンダムの機体性能を最大限に発揮し、またニュータイプ能力による先読みの類も発揮してるのか、そんなビームを回避しつつ……それどころか、回避しながらもビームライフルで未確認MSの有線ビーム砲としての手や本体のMSを狙って反撃していた。

 だが、シャアもニュータイプである以上、そんな相手の攻撃を回避するのは難しい事ではないのか、両手がない状態であってもビームライフルを回避しつつ、胴体のメガ粒子砲で反撃をしたりしていた。

 うーん……まさに、このUC世界において最高峰のパイロット同士の戦いだな。

 そう納得してしまうには、十分な戦いだった。

 今のところ互角……いや、メガ粒子砲の数と威力でアムロが不利か。

 シャアの操縦しているニュータイプ用MSは、大量のメガ粒子砲を持っている。

 それに比べて、アムロが持っているのはビームライフルだけだ。

 いや、接近すればビームサーベルという選択もあるのだが、今の状況ではそのような余裕はない。

 シャアも、今までの戦いでガンダムにビームサーベルがあるのは承知してるだろうし。

 シャアの新型MSは、両手が有線ビーム砲となっている以上、近接戦闘の武装は使えない筈だ。

 あるとしても、頭部バルカンとかか?

 だからこそ、今の状況でガンダムを近づけないようにして戦っているのだろう。

 

『おい、アクセル。どうするんだ? この戦いに介入するんだろ?』

 

 こちらに追いついてきた不死身の第四小隊のうち、モンシアからそんな通信が入る。

 とはいえ、その口調にはかなり厳しい色がある。

 モンシアを始めとした不死身の第四小隊の面々も、この戦争をこれまで生き抜いてきただけあって……何より、小隊で異名を持つまでにいたっただけあって、その実力は間違いない。

 それでも、アムロとシャアの戦いを見れば、それに圧倒されるのは間違いない。

 ましてや、恐らくは有線ビーム砲なんて代物は、今日初めて見たんだろうし。

 有線ビーム砲は、基本的にニュータイプ用のMSやMAで使われている武器だ。

 そしてニュータイプというのは、基本的に数は少ない。

 そうである以上、連邦軍とジオン軍が全面的に戦っている今の状況であっても、そんな相手と遭遇するという可能性は……当然のように低い。

 ある意味でそういう相手と何度も遭遇している俺達やホワイトベース隊が異常なんだろうな。

 ホワイトベース隊が遭遇するのは原作の流れからいって理解出来る。

 だが……ぶっちゃけ、俺達はホワイトベースと一緒に行動している時以外であっても、そのような相手と遭遇しているんだよな。

 これは正直なところ、かなり疑問なのは間違いない事実だ。

 

「そうだな。……介入するか。幸い、アムロと戦っているのはシャアだけだしな」

 

 ジオン軍のMSがこの戦いに介入しないのは、上から介入しないように命令を受けているのか。それとも俺達と同じように迂闊にこの戦いに介入すれば、アムロのG-3ガンダムではなくシャアの乗る未確認MSに攻撃をするから。

 

「にしても……相手が赤い彗星のシャアなのに、そこまで緊張した様子がないってのは大したものだな」

 

 モンシアの言葉には、映像モニタに表示されている戦いの凄さに圧倒されているといった驚きの色はあったが、ジオン軍の中でもトップエースたる赤い彗星と戦うとい事に対する恐怖の色はない。

 いや、正確には幾分かそのような色もあるのだが、そこまで露骨に表情や態度、声に出ていないというのが驚きだった。

 

『ふんっ、こちとら色々な激闘を潜り抜けてきたんだ。赤い彗星の1人や2人を怖がって溜まるかっての!』

 

 モンシアの言葉は、納得出来るようで出来ないような……そんな微妙なものだ。

 とはいえ、モンシアが持っていた裸踊りの異名を払拭する為に、バニングはモンシア達を率いて幾つもの激戦を潜り抜けてきたというのは事実だ。

 そんな戦いの中で、異名持ちや……そこまでいかずとも、パーソナルカラー持ちのエースパイロットと戦った経験があっても、おかしくはない。

 もっとも、赤い彗星はそんな諸々のエースや異名持ちの中でも、頭一つ飛び抜けた存在なのは間違いないが。

 黒い三連星……特にオルテガ辺りがその辺の話を聞けば不満を露わにするかもしれないが、黒い三連星の場合は不死身の第四小隊といったのと同じく、小隊での異名持ちだ。

 言ってみれば、オルテガ1人だけでは、3分の1シャアといった感じでしかない。

 ……本人は絶対にそれを認めるような真似はしないだろうが。

 

「まぁ、モンシア達が赤い彗星を前にしても、そこまで怯えていないというのは、俺にとってもやりやすいのは間違いないな」

 

 そう告げる。

 実際、今の状況でシャアを前に怯えて動けない……というような事はなかったので、アムロの援護に入る方としては助かるのは間違いない。

 ここでシャアを前にしてどうしようもなくなる……といったような事になれば、それはまさに最悪の結果だったのは間違いないのだから。

 

『ふん』

 

 俺の言葉に、モンシアは鼻を鳴らす。

 嬉しいのか、面白くないのか……それは微妙なところだと言ってもいい。

 とはいえ、だからといってシャアの隙をモンシアが突けるかどうかというのは、微妙なところなのだが。

 幾ら連邦軍の中では腕利きではあっても、それでシャアを相手にどうにか出来る程に甘くはない。

 ……それどころか、シャアを狙った攻撃がアムロに命中する、などという事にもなりかねないのだ。

 その辺の事情を考えれば、迂闊には攻撃出来ない。

 とはいえ、それだと不死身の第四小隊がここに来た意味はない訳で……

 

「俺があの戦闘に乱入するから、お前達はシャアのMSが俺とアムロの機体から離れた場所に移動したら攻撃しろ。ただ、個人的にはあのMSの腕から伸びている有線ビーム砲の腕を破壊してくれると助かるが」

 

 あの未確認MSの何が厄介なのかと言われれば、胴体を含めて全身に装備されているメガ粒子砲もそうだが、やはり有線ビーム砲になっている手だろう。

 有線である以上、限界はそれなりにあるものの……それでも、ある程度自由にこちらに向かって攻撃が可能となっている。

 しかも手の部分である以上、指を動かす事によって射線を自由に変えられるというのも厄介だ。

 ……もっとも、だからこそあの未確認MSの中で一番興味深い部位ではあるのだが。

 あの未確認MSを確保したい身としては、その最大の特徴の場所を壊してもいいのか? という思いがない訳でもない。

 ただし、だからといってそれで味方が被害を受けるのもどうかと思うし、ぶっちゃけニュータイプ用のザクも同じような武装を持ってるんだよな。

 もっとも、シャアの乗ってる方が明らかに新型で、ニュータイプ用のザクよりも洗練されているのは間違いないが。

 そういう意味では、出来れば欲しいとは思うが……それは、入手出来たらそれでいいという程度だ。

 今はまず、何かあったらすぐに動けるようにしておき……やがて、ついにその時が訪れた。

 左右から同時に有線ビーム砲によって5条のビームが放たれた瞬間、アムロのG-3ガンダムは一気に前に出たのだ。

 とはいえ、当然ながらシャアの乗るニュータイプ用MSも、自分に向かってくる敵をそのままにしたりといったような事はしない。

 胴体と頭部からメガ粒子砲を放って迎撃しようとし……だが、G-3ガンダムはスラスターを使って斜めに移動し、やがてその攻撃を回避する事に成功する。

 このタイミングだ。

 そう判断し、俺はスラスターを全開にしてアムロのG-3ガンダムと戦っているシャアの機体目掛けて、間合いを詰めていく。

 当然ながら、シャアも俺の存在には気が付いたのだろう。周辺に漂っていた有線ビーム砲をこちらに向けて攻撃してくるが、そこから放たれたビームは次々と回避する。

 そして……俺は何とかアムロと距離を取ろうとしているシャアの機体に迫るのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1637

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