転生とらぶる   作:青竹(移住)

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活動報告に書いた、次の世界はどこでしょうのクイズは今日の午後10時が締め切りとなりますので、よろしくお願いします。


2693話

 模擬戦が終わった後、シーマ艦隊はペズンに来るようにダービットから言われる。

 こちらの実力をしっかりと見た以上、迂闊な真似をしないとは思うが……それでも、一応何か妙な真似をしないかと警戒しつつ、ペズンに向かう。

 

「へぇ……これがペズンか。特に変わらないな」

「まぁ、宇宙港だからな」

 

 俺の言葉に、マッシュがそう告げる。

 ちなみにマッシュが何故リリー・マルレーンにいるのかは、模擬戦からの流れというのが大きい。

 マッシュはガイア達がいるムサイ級に戻ってもよかったのだが、それでも今回の一件においては特に問題はないだろう。

 

「やっぱり黒い三連星もペズンに来た事はなかったのか?」

「ああ。来る理由がないからな」

「そうか? 黒い三連星は、MSの教導隊とかに所属してたんだろ? なら、ペズンに来る機会があってもいいと思うんだがな」

「教導隊は教導隊だ。今となっては、ペズンと俺達に関係はない」

 

 そう断言するマッシュだったが、そういうものなのか?

 いやまぁ、現在の状況でマッシュが嘘を吐くとは思えない以上、その言葉は決して間違ってはいないのだろうが。

 それでも、その点について疑問に思ってしまうのは仕方がない事だろう。

 

「2人とも、来たみたいだよ」

 

 俺とマッシュの会話に、シーマが割り込む。

 その言葉通り、リリー・マルレーンの映像モニタには宇宙港にダービットを始めとして、他にも護衛やら部下やらといった面々が一緒にやって来るのが見えた。

 その中には、見覚えのある顔もある。

 模擬戦前に紹介された、フィーリウス、バネッサ、ガイウスの3人。

 つまり、俺とシーマ、マッシュと模擬戦をやった相手だ。

 フィーリウスは、表情そのものは冷静そうだが……その内心はどうだろうな。

 ペズンの中でも最高峰の技量の持ち主という事で紹介されたのを思えば、当然それに対してのプライドは高そうだ。

 だが、実際に俺との模擬戦では特に何か行動らしい行動も出来ないまま、殆ど一方的に俺にやられたのだから。

 だからこそ、今の状況を考えると、その内心は決して面白い筈はない。

 それは他の2人にとっても同様なのだろう。

 バネッサの方はともかく、オルテガ程ではないにしろ直情径行気味に見えるガイウス何かは面白くなさそうだ。

 

「さて、じゃあ俺達も行くか。……で、どうする? シーマ。相手の度肝を抜いてみるか?」

「……何をするつもりだい?」

「影のゲートを使って、魔法というのをペズンの連中に見せようかと思ってな。どうだ?」

 

 俺の意見はそれなりにシーマにとっても魅力的だったようだが、それでも少し考えた後で首を横に振る。

 

「もうこっちの実力は見せただろ。あの模擬戦で、ペズンの連中の度肝はこれ以上ない程に抜いただろうし、ここで更に後押しする必要はないよ」

 

 そういうものか? と思ったが……まぁ、シーマがそう言うのなら多分そうなんだろう。

 今回の一件の指揮官はシーマなので、シーマがそう判断したのなら、俺もこれ以上突っ込むようなつもりはない。

 俺だったら、ここで後押しするけどな。

 影のゲートどころか、連中の前で刈り取る者を召喚するとか。

 ……刈り取る者の外見はかなり強烈なので、下手をしたらそれだけでペズンの内部で騒動が起きそうな気もするが、そういうのが敵にいると知れば、普通なら取りあえず裏切ったりとか、そういう真似はしないだろうし。

 

「分かった。なら、普通に行くか」

「そうだな。ペズンがルナ・ジオンに降伏する上で、色々と事務仕事も多いだろうし」

 

 シーマ率いる海兵隊にも、当然のように事務仕事をしている者はいる。

 軍隊である以上、当然だろう。

 だが、それでもペズンについての諸々をどうにか出来るような人数ではないので、今回はルナ・ジオン軍からそういう連中も一緒に来ている。

 ちなみに、俺が聞いた話によると、ディアナやアルテミスからもペズンに行きたいという希望者が結構な人数いたらしい。

 ……ディアナは分かるが、ニュータイプ研究をしているアルテミスが、一体何でペズンに来たがったんだろうな?

 新型MSを開発してるという事は、ニュータイプ用MSも開発してると思ったたとか?

 いや、でもニュータイプ用MSとなると、それこそサイコミュとかそういうのが必要になる筈だ。

 ペズンにそういうのはないと分かっている筈なんだが。

 あるいは、もしかしたら俺達が知らないだけでそういうのがあったりするのか?

 そんな風に思ったが、ペズンの情報を渡した上でニュータイプ用の研究……フラナガン機関の研究所の存在を隠すとは思えない。

 ダルシアも知らなかったが、元フラナガン機関の者なら知っていたとか?

 その辺りは正直ちょっと疑問だが、今の状況でそんな事を俺が考える必要もないので、取りあえず放っておく。

 実際ディアナの技術者は何人か来たが、アルテミスの技術者は来てないし。

 その辺りを気にするのなら、ペズンをきちんと把握した後でもいいだろう。

 とはいえ、ペズンはかなり機密度の高い基地だったらしいから、それを考えればサイド6で俺達に襲撃されたフラナガン機関は見つからない場所で研究をするという意味でペズンは最適だった。

 ……あれ? これってマジでペズンにフラナガン機関の研究所があったりしないか?

 うん、取りあえずその辺は後でセイラ辺りに報告しておけば問題はないだろう。

 

「ほら、行くよ。向こうが出迎えの準備を整えたんだから、こっちもさっさと行かないと、向こうに悪いだろうしね」

 

 シーマにそう言われ、俺もまた引っ張られながら部屋から出ていくのだった。

 

 

 

 

 

「初めまして……という言い方は変か」

「こうして直接会うのは初めてなんだから、それはそれで問題ないんじゃないかい?」

 

 そう言い、握手をするダービットとシーマ。

 ペズンの中にも、シーマについての情報は色々と流れているのだろう。

 何人もが色々な視線をシーマに向けている。

 憧れや侮蔑といったように、色々な感情が向けられているが……シーマ本人はそれを全く気にした様子がない。

 シーマにしてみれば、ルナ・ジオンに来てからは色々な意味で目立っているので、人から注目されるのは慣れているのだろう。

 それこそ、その視線がプラスの意味でもマイナスの意味でも。

 

「さて、では模擬戦の結果から、大人しくペズンを譲渡するという事でいいんだね? 勿論、ペズンにいる人員全員がルナ・ジオンに来いとは言わないよ。ジオンに戻るのなら、送っていってもいい。……ただし、今のサイド3に戻るのはどうかと思うけどね」

 

 シーマのその言葉の意味を理解したのだろう。ダービットは、表情を若干厳しくする。

 

「そこまで酷いのか?」

「さて、その辺は正確には分からないよ。星一号作戦……ア・バオア・クーでの戦いが終わった翌日には月から出撃してきたんだから。けど、普通に考えてサイド3に連邦軍の部隊が駐留しているとなると……上はともかく、下で問題が起きるのは間違いないだろうね。ジオン軍はやりすぎたし」

「コロニー落としには、お前も関わってるだろう!」

 

 と、シーマの言葉を聞いていたダービットの部下の1人が、怒りを込めた視線をシーマに向ける。

 先程からシーマに対して不愉快そうな視線を向けていた者達の中の1人だ。

 

「おい!」

 

 ダービットが、そんな部下に向かって叱責する。

 そこにあるのは、模擬戦の前に参加者達を紹介していたノリのよさではなく、ペズンの司令官としての厳しい表情。

 

「そうだね。それは否定しないよ」

 

 シーマは突然の罵りに、表情を変えないままに頷く。

 シーマも、当然のようにコロニーに毒ガスを使った事を後悔はしているのだが、それでもカウンセラーや魔法による治療なんかで大分PTSDの類は回復している。

 勿論、それで毒ガスを使った件がどうにかなるという訳ではないのだろうが。

 

「部下がすまない」

 

 シーマを罵った部下を連れ出すように命令したダービットは、シーマに向かって頭を下げる。

 ここで素直に頭を下げる事が出来るのか。

 シーマはルナ・ジオンにおいてはセイラには劣るものの、大きな影響力を持っている。

 ペズンの今後の事を考えれば、ここでシーマに悪い感情を抱かれたくはなかった……といったところか。

 

「いや、気にしなくてもいいよ。事実は事実。あたしは、あの一件を忘れる訳にはいかないんだからね。……それよりも、こっちの話題に戻るけど、サイド3に駐留している連邦軍は……正確には駐留しているという事の意味をしっかりと理解出来ないような下っ端達は、間違いなく何らかの問題を起こす筈だよ」

「後は、その問題がどこまで大きくなるか……か」

「そうだね。連邦軍も、月の存在に注意を払わないといけない以上、なあなあの処分をするといったような真似は、まず出来ない。だとすれば、相応の処理がされるのは間違いないだろうけど……」

 

 シーマのその言葉に、ダービットは難しい表情で沈黙を守る。

 ジオン公国の者として、色々と思うところがあるのだろう。

 

「ともあれ、それでも家族や恋人、友人がいるからサイド3に戻りたいという者がいるのなら、止めないよ。月に来るなら来るで、そっちも歓迎するしね。……個人的な意見を言わせて貰えば、やっぱりここは月に来た方がいいと思うけど」

「だろうな。月はまだまだ人材不足だ。取りあえず仕事を選り好みしないのなら、それに困るといったことはない筈だ」

 

 マッシュがシーマの言葉を継ぐようにそう告げる。

 これは紛れもない事実だ。

 地球や各種コロニーからかなりの数の移住者を集めはしたが、それでもクレイドルという、北海道並みの大きさを持つ場所では、まだまだ人が足りない。

 マッシュの言う通り、あれは嫌だ、これは嫌だといったように仕事を選り好みするのならともかく、そうでなければ、その日のうちに仕事が見つかってもおかしくはない。

 そういう意味では、やはり現在の月は移住するのにまだ遅くはない。

 

「月が……」

 

 マッシュの説明を聞いていたフィーリウスが、そんな風に呟く声が聞こえてきた。

 ……何故かフィーリウスの隣にいるバネッサとガイウスが慌てた様子を見せているが、何かあったのか?

 

「ともあれ、これからの事についてはそちらでも考えて貰えるのは嬉しい。では、ペズンの譲渡について色々と話をしたいのだが……構わないかね?」

「問題ないよ。こちらもそのつもりで、専門家を連れてきているから。それと、ディアナ……月の兵器メーカーの技術者が何人か来てるんだけど、ペズンの中を見せて貰っても?」

 

 シーマの言葉に、ディアナの技術者達が喜ぶ。

 この様子を考えると、技術者達をペズンに放つような真似をすれば、色々と面倒な事になりそうな気がするんだが……

 とはいえ、ペズンで開発されたMSはかなり性能がいいのは間違いない。……模擬戦においては、何だかんだとこっちがあっさりと勝ってしまったが。

 

「構わんよ。ただ、大丈夫だとは思うが、問題は起こさないように頼む」

 

 ダービットがシーマの要望をあっさりと受け入れる。

 ダービットにしてみれば、もう月に降伏すると決めた以上、シーマの要望を拒む必要は感じなかったのだろう。

 さっきシーマに突っかかっていったような軍人もいるので、絶対に安全だとは限らないが。

 とはいえ、模擬戦の一件を見れば分かるように、ペズンの戦力でこっちに勝つのは不可能だ。

 新型MSを開発しているという事で、質ならこっちより勝っていると思ったのかもしれないが、模擬戦では3機がそれぞれ同時に戦って、そう時間も掛からずに負けたし。

 これでもう少し戦いに時間が掛かっていれば、連携攻撃をしてきたとか、そういう事もあったのかもしれないが……結局そういうのはなかったしな。

 

「それでは、話を始めようか。……会談に参加しない者達も、適当にペズンの中を見て回って構わんよ。ただし、技術者達と同様に入ってはいけない場所には入らないようにしてくれ」

 

 その言葉に、シーマの部下達がそれなりに嬉しそうな様子を見せる。

 海兵隊の者達であっても、ペズンという場所には興味があるのだろう。

 もしくは、単純に軍艦の中にいるのが面倒だと思ったのかもしれないが。

 

「俺は実際に見てみるじゃなくて、誰かからペズンで開発されているMSについての説明を受けたいんだが、可能か?」

 

 そう尋ねると、ダービットは少し考え……やがて頷きを返す。

 

「メカニックから1人を用意しよう。他にもそちらについて興味のある者は?」

「なら、俺が」

 

 マッシュの言葉に、周囲から少しだけ驚きの声が上がる。

 まさか、マッシュがそのような言葉を口にするとは思ってもいなかったのだろう。

 とはいえ、ガイアを始めとした黒い三連星はラルやシャアと共にMSの開発黎明期から関わっていた人物だ。

 それを考えれば、そこまでおかしな話ではないのだろうが……この辺はやはり外見から色々と思うところがあるのだろう。

 そんな風に思いつつ、俺達はそれぞれに分かれるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1637

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