転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2783話

 ダンバインの振るうオーラソードは、真っ直ぐこちらに向かってくる。

 だが、マーベルが操るダンバインの一撃は、ガラミティの放つ一撃よりも鋭いものの、それでも対処するのは難しくはない。

 サーバインの振るうオーラソードが、一撃を弾く。

 力量……というか、純粋な意味での力の差により、ダンバインのオーラソードはあっさりと弾かれ、次の瞬間にはサーバインの握るオーラソードの切っ先が、ダンバインに突きつけられる。

 それを見たマーベル操るダンバインは、そのまま数歩下がる。

 自分の負けを認めたのだろう。

 

『負けたわ』

「悪い一撃じゃなかったんだけどな。純粋に機体性能の差が大きすぎたな」

『アクセルのサーバインは、色々な意味で反則よね』

「それは否定しない」

 

 呆れ混じりで言ってくるマーベルにそう返す。

 サーバインはダンバインのプロトタイプといった意味で開発されたオーラバトラーなのだが、ショットとゼットが思う存分高性能化を目指したおかげで、普通のパイロットにはろくに動かすようなことも出来ないオーラバトラーとなってしまった。

 それだけに普通に動かせる俺にしてみれば、サーバインはかなり強力なオーラバトラーとなるのだ。

 

『アクセル王、次は私と手合わせお願いします』

 

 そう言い、姿を現したのはガラリアの操縦するドラムロ。

 俺達がクの国に行ってる間に、ドラムロの量産はそれなりに進んだのだろう。

 既に何機ものドラムロがラース・ワウには用意されていた。

 ただし、それでも兵士全員が乗るといったことは出来ないので、腕利きの騎士だけが乗って訓練していたのだが。

 基本的にバイストン・ウェルの人間でも操縦出来るように調整されているドラムロだけに、試した者はほぼ全員が乗ることが出来た。

 だが、ほとんどという事は、何人かは乗れない訳で……そういう者達は、騎士の中でも微妙な感じの扱いとなっている。

 騎士として強い……つまり、自分の思う通りに身体を動かせるというのは、イメージで操縦するオーラバトラーにとっては大きなメリットとなる。

 これがイメージとかではなく、普通に操縦するPTとかMSとかそういうのなら、身体を動かすのは苦手でも操縦は上手いといった感じにもなるのだが。

 そういう意味では、騎士とか兵士のように戦闘訓練を行っている者がオーラバトラーの操縦が得意だというのは、自然な話なのだろう。

 とはいえ、そんな風に考えた場合、何故マーベルはゲドやダンバインを自由自在に動かせるのかといった疑問もあるのだが。

 その辺は、マーベルが聖戦士だからという理由で自分を納得させておく。

 

「分かった。本気で来い」

『は!』

 

 マーベルのダンバインが離れたところで、ガラリアのドラムロにそう声を掛け……次の瞬間、そのドラムロは真っ直ぐこっちに向かって走ってくる。

 空を飛んで移動してもいいと思うんだが、俺とマーベルの模擬戦を見ていたからか、その辺の考えはないらしい。

 これはガラリアの頭が硬いところだな。

 もっと臨機応変というか、考え方を柔らかくすればいいと思うんだが。

 そんな風に考えている間にもドラムロとの間合いは詰まってくる。

 やはり騎士……それも腕利きの騎士だからだろう。ドラムロが振るったオーラソードはかなりの速度と鋭さを持っている。

 そんな一撃を後方に跳躍することで回避し、オーラソードが目の前を通りすぎた次の瞬間には地面を蹴って、サーバインは前に出る。

 ガラリアはそんなサーバインの様子に気が付いたのか、距離を保とうとする。

 しかし、残念ながらドラムロとサーバインでは運動性が違う。

 もっと正確には、瞬発力も違う。

 元々ドラムロは重装甲のオーラバトラーである以上、敵の攻撃を回避するといった事よりも、受け止めて防ぐといったような戦闘スタイルなのだ。

 そういう意味では、ガラリアにドラムロは向いてないのかもしれないな。

 とはいえ、ダンバインに乗るにはオーラ力が足りない。

 クの国で開発すると言っていた、高機動型のオーラバトラーがガラリアには向いているのだろう。

 まぁ、ショットやゼットがドラムロではなくダンバインの量産型とか後継機とか、そういうのを開発する可能性もあるが。

 

『やああああ!』

 

 距離を取ろうとしても、サーバインの方が高い機動力を持っていると判断したのだろう。

 後退するのを止め、こちらに向かって武器を手に間合いを詰めてくる。

 このままでは意味がないと理解しており、そうである以上は自分から間合いを詰めて攻撃をした方がいいと判断したからこその行動だろう。

 その思い切りのよさは、ガラリアらしいのは間違いない。

 だが、それでもサーバインに攻撃をするには、技量的に未熟だった。

 振るわれたオーラソードの一撃を、サーバインをしゃがませる事で回避し、カウンターの一撃を放つ。

 ギィン、という甲高い音と共にドラムロの持っているオーラソードは空中を飛んでいった。

 

「勝負ありだ」

 

 しゃがんだ状態から長剣を振るってから立ち上がり、オーラソードの切っ先を突きつけてガラリアに宣言する。

 

『ぐ……負けました』

 

 ガラリアは悔しげではあったが、素直に負けを認める。

 この辺の素直さは、ガラリアの利点だよな。

 

「咄嗟に前に出たのは悪くない判断だった。あのまま後方に下がっていれば、攻撃出来ないまま、一方的にこっちにやられていただろうしな」

『そう言って貰えると嬉しいです』

 

 そう言うガラリアが本気で喜んでいるのかどうかは、俺にも分からない。

 だが、それでもガラリアにとって俺との模擬戦は決して悪いものでなかったのはまちがいない。

 それに、身体の動かし方を理解している分、ドラムロの動きも決して悪くはない。

 このまま訓練を続けていけば、ガラリアの能力は間違いなく今よりも上がるだろう。

 その後、他にも幾つか気が付いた事をガラリアに告げて、模擬戦を正式に終える。

 

「さて、そうなると次は……バーン、模擬戦をやるか?」

『いえ、私は部下とやる事になっていますので』

 

 少し離れた場所にいる、バーンの乗っているドラムロにそう尋ねるも、返ってきた言葉はそのようなものだった。

 バーンにしてみれば、ドラムロというこれからのドレイク軍で必須のオーラバトラーを使った模擬戦で負けるというのはしたくなかったのだろう。

 騎士団を率いているバーンとしては当然の事なのかもしれないが、模擬戦において敵と戦って負けるといった事は、訓練をする上は必須の事だ。

 実際、俺との模擬戦では何度も負けているガラリアは、少しずつではあるが技量が上がってきているのだから。

 現在のバーンのオーラバトラーの操縦技術が具体的にどのようなものなのかまでは、分からない。分からないが、それでも今の状況が続けばそう遠くないうちにガラリアとバーンの力関係が逆転してもおかしくはない。

 もっとも、バーンが騎士団のトップにいるのは本人の実力もそうだが、それ以外にも部下を指揮する能力とか、騎士団を運営する上での事務能力とか、そういうのも関係してくるんだろうが。

 それでも、騎士達を率いる身としては絶対的な強さが重要となる。

 まぁ、本人がそれでいいのなら、こちらとしても構わないんだけどな。

 

「なら、次はマーベルとガラリアだ。ガラリアはさっき俺が言った事に注意して戦え。マーベルはオーラソードの使い方を考えながら戦うように」

 

 そう言うと、マーベルのダンバインとガラリアのドラムロが向かい合う。

 強敵と戦うのも模擬戦としては重要だが、自分と同じくらいの実力の持ち主と戦うというのも、それなりに重要なんだよな。

 そういう意味だと、この組み合わせは悪いものではない。

 マーベルは聖戦士として高いオーラ力を持っており、乗っている機体も聖戦士用に特別に開発されたダンバインだ。

 それに比べると、ガラリアはオーラ力は低く、ダンバインは当然の事だがゲドにも乗る事は出来ない。

 機体も一般兵士が使う予定の量産機たるドラムロだ。

 それらの条件で考えた場合、この戦いで圧倒的に有利なのはマーベルだ。

 だが、それはあくまでもスペック的なところで考えたものにすぎない。

 あらゆる意味で負けているガラリアにとって、マーベルに唯一勝っている場所……それは実戦経験だ。

 とはいえ、純粋にオーラバトラーに乗っての実戦経験では、俺と一緒に何度も恐獣狩りをしたり、クの国でガロウ・ランやゲドと戦ったマーベルの方が上だ。

 しかし、その実戦経験にオーラバトラーを使った実戦経験以外の実戦経験を入れればどうなるか。

 マーベルは地上では普通の大学生で、戦闘という行為とは無縁だった。

 いや、アメリカの大学生なんだから、もしかしたら犯罪者同士や、警察との銃撃戦に巻き込まれた事があると言われても納得出来たかもしれないが。

 ともあれ、それでも戦いらしい戦いは経験したことがない。

 そんなマーベルに対し、ガラリアは小さい頃から騎士になって汚名を返上する為に鍛えてきた。

 当然戦場に出られるようになれば、すぐにでも戦場に出て戦ってきたのは間違いないだろう。

 つまり、生身での戦い……もしくはユニコンに乗ったり、ドロに乗ったりといったのも含めれば、その戦闘経験はマーベルとは比べものにならないくらいに豊富な訳だ。

 そして、オーラバトラーは操縦するのにイメージが大きな意味を持つ。

 これでオーラバトラーを操縦するのに必要なのが、PTやMSのように機体をきちんと操作して動かすといった技術であれば、ガラリアの持つ生身での戦いの戦闘経験は、無意味という訳ではないにしろ、あまり役に立つようなものではないだろう。

 だが、オーラバトラーの操縦で重要なのはイメージだ。

 そうである以上、ガラリアの実戦経験は大きな意味を持ち……総合的に見て、この2人の実力は同等とまでは言わないが、近いところにある。

 そうである以上、この2人の模擬戦は間違いなく有益なのだ。

 ……本人達がそれを理解しているかどうかまでは、俺にも分からないが。

 だが、オーラソードで打ち合っているダンバインとドラムロを見れば、そんな俺の予想はそう間違ってはいない筈だ。

 

『はああああぁ!』

 

 ドラムロの振るうオーラソードが、マーベルのダンバインに向かって振り下ろされる。

 そんな一撃を、マーベルは後方に下がって回避した。

 俺がガラリアと戦った時は、同じように一度後ろに下がったものの、すぐに前に出て反撃した。

 それこそ、カウンター気味に。

 しかし、それはあくまでも俺の行動。

 マーベルは安全第一と判断したのか、単純に俺と同じ行動をするつもりがなかったのかは分からないが、後方に下がって距離を取りつつも前に出る様子はない。

 この模擬戦が、オーラソード以外の武器を使ってもいいのなら、オーラショットやショットクローといった武器を使う事も出来たんだろうが。

 もっとも何でもありとなると、ガラリアの方でもフレイボムを使って攻撃することが出来るので、そういう意味ではお互い様か。

 ともあれ、お互いに距離を取ったダンバインとドラムロは、1分近くお互いに相手の出方を窺う。

 そして、次の瞬間前に出たのは、ドラムロ……ではなく、ダンバイン。

 これは俺にとっても予想外だった。

 てっきりガラリアの性格からドラムロの方が先に出るのかとばかり思っていた為だ。

 とはいえ、マーベルの性格を考えれば決して大人しい訳ではない。

 寧ろかなり気は強いだろう。

 ただし、そんなマーベルと比べても、更にガラリアの気が強いというだけで。

 マーベルのダンバインは地面を蹴って、真っ直ぐにドラムロに向かう……と思わせ、ある程度間合いが縮まったところで、横に跳ぶ。

 この辺りの反応は、重装甲のドラムロには難しいだろう。

 ガラリアも一瞬ダンバインの姿を見失ったのか、動きを止める。

 それがマーベルにしてみれば千載一遇のチャンスと判断したのだろう。

 真横からドラムロに向かって斬りかかる。

 これは勝負が決まったか?

 一瞬そう思ったのだが、ドラムロは半ば反射的な動きでその一撃を回避し……だが、マーベルにとってそんな相手の動きは予想出来ていたのか、一撃が外れても連続して攻撃を行う。

 最初の一撃を回避したガラリアだったが、その一撃を無理に回避した為にドラムロの体勢は崩れており、続く攻撃に対処するのは難しい。

 これで空を飛んでもいいのなら、まだ上に逃げるといった手段もあったのだろうが。

 体勢が崩れた状態で続く一撃は何とか回避したものの、マーベルもオーラソードを使った攻撃を止める事はなく、次の一撃でドラムロの握っていたオーラソードは空中に吹き飛ばされ、そして最後の一撃でドラムロのコックピットの前にオーラソードの切っ先が突きつけられる。

 

『参った』

 

 ガラリアの口から、悔しそうにしながらも自分の負けを認める言葉が漏れ出る。

 今回はマーベルの方に勝利の女神は微笑んだらしい。

 もっとも、やはり戦っているところを見た感じでは実力的に大体同じくらいだったのだが。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1410
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1650

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