転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0279話

 ネギの期末試験に関するイベントも無事終了し、いよいよ今日は3学期の終業式だ。この春休みが終われば俺もとうとう中学3年生……って、今更なんだがな。

 

「アクセル君、そろそろ終業式が始まるから行かないと」

「ん? ああ。……こういうのって、大抵教師の長話があるんだよな」

 

 溜息を吐く俺の頭を撫でる千鶴。

 

「まぁまぁ。それを過ぎれば春休みなんだし。アクセル君は春休みの予定は何かあるの?」

「そうだな……特にこれ! というのは無いが、あっち関係をもう少し進ませておきたいところだな」

「あぁ」

 

 あっち関係、という言葉で魔法に関してだと理解したのだろう。頷く千鶴。

 千鶴やあやかも夜にエヴァから貰った初心者用の魔法教本を読んで勉強しているようだが、まだ『火よ灯れ』の魔法が発動するかどうかといった所だ。

 俺にしても、現状では『紅き焔』が精一杯といった所か。

 そんな風に考えながら校舎の外へと出て終業式の為に並んでいると当然俺の場所は前の方になる。身長順だからしょうがないんだが、鳴滝姉妹よりも前というのはさすがにちょっと屈辱的な感じがする。

 

「ねーねー、アクセル君。春休みに入ったら散歩部に遊びに来ない?」

 

 鳴滝姉妹の妹の方がそう後ろから声を掛けてくる。

 

「そうそう、散歩部は面白いから是非お薦めだねっ!」

「……散歩部ってそのまま散歩するだけだろ?」

「ふっふっふ。ちょっと違うね。散歩競技は世界大会もある超ハードスポーツなんだよ! アクセル君ともあろう人が知らないの?」

「ハードスポーツ……ねぇ。ネギ辺りならそれで信じるかもしれないが、さすがにそれはないだろう」

「ちぇー。つまんないの」

 

 そんな風に鳴滝姉妹と馬鹿話をしていると、ようやく3学期の終了式が始まった。

 春休みに気をつける事や羽目を外し過ぎないように注意され、夜遊び等もしないようにとかの典型的な話が終わり近右衛門が壇上へと上がる。

 その近右衛門の後を付いてネギの姿も壇上へと。

 

『フォフォフォ、皆にも一応紹介しておこう。新年度から正式に本校の英語科教員になるネギ・スプリングフィールド先生じゃ。ネギ先生には新学期から3-Aの担任を任せる予定となっておる』

 

 近右衛門のその言葉に、周囲から拍手と驚きの声が上がる。

 普通ならあんな子供が教師と言われても信じられないだろうが、認識阻害の結界が張られているこの麻帆良ではそれもちょっと変わった出来事として受け止められる。

 いや、そうでもないと俺もここにはいられないんだけどな。

 外国からの留学生で、飛び級と男女共学のテストケース。どれか1つだけならともかく、それが3つも揃っているのだから普通ならこうも簡単に受け入れられはしないだろう。

 

 

 

 

 

「という訳で、2-Aの皆さんが期末試験で頑張ってくれたおかげで僕も正式に教師になる事が出来ました。3年になってもよろしくお願いします」

 

 終業式が終わり、教室へ戻ってきてからペコリ、と頭を下げるネギ。

 チラリと教壇の前へと視線を向けると、そこではあやかがうっとりとした目でネギへと熱い視線を送っていた。

 ……あいつ、本当に大丈夫なんだろうな? この2-Aだからいいものの、いつか本格的に性犯罪を犯しそうでちょっと心配だな。

 そんな風に思っている間も、教壇の前でネギやクラスメイト達がワイワイと騒いでいる。佐々木が期末テストで優勝したトロフィーを掲げたり。ふと気が付くと、俺の前に座っている筈の明石の姿もネギを中心とした集団の中にあった。

 

「ぐぐぐぐ……」

 

 そんな中、ふと横からそんな唸り声のようなものが聞こえてきたので、そちらへと視線を向けると何故か頭を抱えている長谷川の姿が。

 

「大丈夫か?」

「あ!? ……あぁ、いや、何でも無い。うん、大丈夫大丈夫」

 

 何か自分に言い聞かせるようにしてそう返事をしてくるが……3月だし、花粉症とかその辺か?

 

「ハイ、先生」

「何でしょう、風香さん」

「史伽とちょっと話したんだけど、これから全員で学年トップおめでとうパーティを開きたいと思うんだけど、どうかな?」

 

 鳴滝姉の発言に、2-Aとしては当然の如く皆が賛成する。

 

「おー、そりゃいいねぇ」

「やろー、やろー!」

「じゃあ、暇な人は寮の裏にある丘に集合って事で」

 

 その様子を見て、再度何かを堪えるかのようにプルプルと震える長谷川。

 そんな様子に気が付いたのだろう、ネギがこちらへと近寄って来て声を掛ける。

 

「長谷川さん、どうしましたか? 寒気でも?」

「いえ、その……ちょっとお腹が痛いので早退させてもらいます」

 

 それだけ言うと、バッグを持って素早く教室から出て行く。

 

「長谷川さん……あ、そうだ。お腹が痛いなら!」

 

 何か思いついたのか、その後を追うネギ。その様子を何となく見送っていると、隣のエヴァが含み笑いを漏らす。

 

「くくっ、ぼーやには長谷川千雨の相手は荷が重いと思うがな」

「ん? 何か知ってるのか?」

「さて、どうだろうな。奴が一般人であるのは間違い無い。間違い無いんだが……まぁ、これも担任としての試練のようなもの、という事にしておくか」

 

 確かにステータスとかを見る限りでは能力値も一般的だし、特に目立つようなスキルも持っていなかった。そういう意味ではエヴァの言う通りなんだが……エヴァの様子を見る限りでは何か含んでるんだよな。

 そんな風に考え込んでいると、こちらの席へと向かって来る数人に気が付く。

 

「ほら、アクセル君。パーティだってさ。参加するんだよね?」

「そうそう、こんな綺麗なお姉さん達と一緒のパーティなんだから参加しないと損だよ?」

「もう、美砂も桜子も……でも、寮の近くには丁度見頃の桜も咲いているし……どうかな?」

 

 その3人はいつものチアガール部3人組だった。そして……

 

「ちょっと、貴方達! アクセル君を誘うのは私に任せておけばいいんです!」

「あらあら、あやかったら」

「いい人なんだけどねぇ……」

 

 いつも如くハイテンションのあやかと、そんなあやかを生暖かく見守る千鶴と夏美の姿があった。

 

 

 

 

 

 寮へと帰る途中でお菓子やジュース等を適当に買い込み俺達は寮の近くにあるという丘へと移動していた。

 丘の上には桜の木が1本植えられており、丁度桜の季節ということもあり花びらが舞っている。何と言うか、いわゆる伝説の木とかそういうのになりそうなものだが……

 そう思いつつも、ふとここからでも見える学園の中心部分へと視線を向ける。

 そこには普通に見る事が出来たならギネスに載っても不思議ではない巨大な樹木がそびえ立っていた。この麻帆良における関東魔法協会の象徴とも言える世界樹。正式名称『神木・蟠桃』だ。あんな大物があれば、ここにある桜の木が伝説の木とかになるなんて事はないか。

 

「さて、じゃあそろそろお菓子を広げよっか。木乃香、シートの準備をお願い」

「わかったえー」

 

 神楽坂の指示に従い、持ってきたシートを広げる近衛。その横ではシートを広げるのを手伝いながらエンチャント・グレムリンなる緑色の蛍光色のジュースという得体の知れないものを飲んでいる綾瀬の姿もあった。

 

 ――これ、超包子からの差し入れです。皆さんでどうぞ――

 

 四葉もまた、中華まんのはいった皿をシートの上へと乗せていく。

 お菓子やジュース等を広げていると、珍しい事にエヴァの姿を発見する。

 あやかや千鶴に聞いた話では、エヴァはこういう行事には進んで参加しないと聞いていたんだが。

 

「どういう風の吹き回しだ?」

「何、お前にちょっと聞きたい話があったのを忘れてたんでな」

「俺に?」

「ああ。明日からの春休みに何か用事はあるか?」

「いや、特には。敢えて上げるとするのなら魔法に関して練習したいといった所か」

「ふむ、なら丁度いい。アクセル、明日は私の家に来い。別荘でお前がどのくらい魔法の実力を付けたか見せて貰おう」

 

 唐突にそう告げてくるエヴァだが、何故かその横では茶々丸が出てもいない涙を拭いている振りをしている。

 

「ああ、マスターにも休日に遊ぶ友人が出来るなんて……」

「……」

 

 茶々丸のその台詞に額に血管を浮かび上がらせながらも、特に言及せずにこちらへと視線を向けてくる。

 

「どうだ?」

「まぁ、構わないが……もしかしたらあやかや千鶴も一緒に来るかもしれないがいいか?」

 

 この2人もそれなりに魔法に興味があるのかなんなのか、結構真面目に魔法の練習をしているのだ。エヴァの別荘に行くとなると、当然付いてくる可能性が高いだろう。

 

「ふんっ、まぁ、邪魔をしないというのなら好きにしろ」

 

 そんな風にエヴァと話していると、やがて女子寮の方からネギがやってくる。やってくるんだが……

 

「なぁ、エヴァ。何だかネギがバニーガールを引き連れているように見えるんだが……」

「奇遇だな。私にもそう見える」

 

 と言うか、何でバニーガール?

 例えば、ここがカジノとかそういう場所ならバニーガールがいてもおかしくはないし、違和感もないだろう。だが、ここは春の日差しが降り注ぐ丘の上だ。そんな場所にバニーガールがいても、もの凄い違和感がある。

 2-Aの皆も同じ気持ちだったのか、ネギの連れてきたバニーガールを中心に人だかりが出来ていた。

 

「お? アクセル君もバニーガールに興味津々かな?」

 

 そんな様子を眺めていた俺へと声を掛けて来たのは明石だった。どこかからかうような笑顔で俺の方を見ている。

 

「いや、と言うか……どこかで見た事があるような?」

「え? アクセル君ってバニーガール見た事あるの? ……さすが外国育ちだね」

「そうじゃなくて……」

 

 バニーガールとして見たのか? いや、違う。……少なくてもこの世界に来てから見た相手だと思う。そうなると……

 この世界に転移してきてから会った人物達を脳裏に浮かばせていく。そして教師を飛ばし、パーティに参加していない面子を思い出し……

 

「あ」

 

 俺の斜め前の席にいる人物の顔を思い出す。

 

「長谷川?」

「え?」

 

 思わず出たその言葉に、明石が不思議そうな顔をしてバニーガールの方へと視線を向け……次の瞬間には何故か長谷川と思われるバニーガールの衣装が花びらへと変わりほぼ全裸になってしまう。

 そして何故か俺の目を隠すように茶々丸が手の平で顔を覆っていたりする。

 

「あー……取りあえず、学園長に連絡だな」

 

 懲りもせずにくしゃみで『風花 武装解除』を発動させたネギに関しては大人しく怒られて貰うとしようか。




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    ???
    ???

撃墜数:376

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