転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0282話

「おはよう、皆さん」

 

 あやかがそう言いながら一列に並んでいるメイド達に声を掛けている。

 その横には俺の姿。

 何故か手をしっかりと握られながらあやかの横をチョコチョコと歩いていた。

 そのままあやかの個室――寝室ではなく私室――へと移動して椅子へと座る。

 俺もまたあやかの隣に座ろうとしたが、何故かひょいとばかりに抱え上げられてあやかの膝の上に座らせられる。

 

「……あやか?」

「アクセル君は千鶴さんに私の事を頼まれたのでしょう? ならこのくらいは大目に見て下さいな。爺、朝の紅茶をお願い」

「かしこまりました、お嬢様」

 

 爺――昨日の執事長らしき人物――が優雅に一礼して紅茶を用意する。

 

「アクセル様は何を飲みますか?」

 

 そうあやかの膝の上でホールドされている俺へと尋ねてくるが、この状況に対しては特に何も無しか。

 

「あー、その辺余り詳しくないんで、同じ物を」

「かしこまりました」

 

 そう言い、俺の前にあやかと同じ茶葉を使った紅茶が出される。

 

「それとお嬢様、先程担任の方からお電話がありまして」

「え? ネギ先生からですか!? どんな用件でしょう!?」

「こちらにメモがございます」

 

 爺に渡されたメモを見た瞬間、まさに躍り上がらんばかりに喜ぶあやか。

 

「キャーー! や、やりましたわ! 今日家庭訪問したいですって! いやーん、ホホホ、やりましたわ。アクセル君にネギ先生。まさに両手に華とはこの事ですわね。早速ドレスを用意して……はっ!?」

 

 そんな状態のあやかを、どこか生暖かい目で見守るメイド達。いや、爺とやらも同じ感じで見守っている。

 

「コホン」

 

 それに気が付いたのか、軽く咳をして気を取りなおす。

 

「その、今日の午後に私の担任の先生がお出でになるそうです。くれぐれも失礼のないように」

「かしこまりました」

 

 

 

 

 

「ア、アクセル君!? 何でここに?」

 

 それが俺を見たネギの最初の一言だった。

 保護者として同伴してきたのだろう、神楽坂と近衛も俺の姿を見て驚いている。

 家庭訪問に保護者? とも思うものの、あやかの性癖を考えればそれ程間違ってはいないだろう。

 

「何、元々俺とあやかは寮でも同室なんだ。家に泊まりがけで遊びに来るくらいは普通だろう?」

「……ちょっと、あんた。もしかしていいんちょの家に泊まったの?」

「まぁ、そうなる」

「……その、無事? 貞操とかそっち関係で」

「夏美と同じような心配をして貰って悪いが、普通に無事だよ」

 

 俺の言葉に何故か衝撃を受けたような神楽坂を横におき、近衛の方を向く。

 

「ちょっと、アスナさん! 余り人聞きの悪い事を言わないで下さるかしら?」

「ふん、日頃の行いって奴でしょ」

「ムキーッ!」

 

 そして始まるいつものじゃれ合い。

 

「アクセル君、おはようさんー」

「ああ。そっちも付き添い大変だな」

「あはは。でも、いいんちょの家はあんまり来る機会がないから、結構楽しんでるんやよ?」

 

 そう言って目の前に広がる屋敷を眺める近衛。

 その様子は、純粋に驚いているようには感じるんだがどこか慣れた様子も感じさせる。

 ……まぁ、学園長の孫なんだし実家の方は意外に広いのかもしれないな。

 あやかと神楽坂のじゃれ合いを見ながら、ネギの方へと視線を向ける。

 

「にしても、何で急に家庭訪問をする気になったんだ?」

「えっと、その……」

 

 チラリとあやかとじゃれ合っている神楽坂に視線を向けてから軽く首を振る。

 

「その、色々と理由はあるんだけど……委員長さんのプライベートな事だからいくらアクセル君にでも話せない、かな」

 

 プライベートね。それはつまり……

 

「ここ数日あやかの様子がおかしいのと関係あるのか」

「え? 何で知ってるの?」

「千鶴からちょっとな。それに俺だってこの世……じゃなくて、麻帆良に来てからはあやかと一緒の部屋で暮らしてるんだ。何となく雰囲気とかで感じ取れる。……ま、プライベートな話だって言うんならわざわざ聞かないけどな」

「うん、そうしてくれると助かるよ。ありがとう」

 

 そんな風にネギと話をしている間に近衛が2人を止める事に成功したらしい。

 そのまま全員であやかの個室へと向かう。

 個室に入るや否や、窓を開けてベランダへと出る神楽坂。何と言うか、妙に慣れている感じだ。

 

「へー、小学校の時から眺めは変わってないわねぇ」

「アスナさん、勝手にベランダに出ないで下さる?」

「お嬢様、お茶をお持ちしました。ハーブティーでよろしかったんでしょうか?」

 

 どこからともなく爺が現れ、それぞれの前へとハーブティーの入ったカップを置いていく。

 

「ええ。ネギ先生はハーブティーがお好きと聞いたので、各地の農園を買収しておりますの。……本来はアクセル君用にも、とも思ったのですがアクセル君は余り飲み物に拘りは無いらしくて」

 

 テーブルの上に置かれたハーブティーを口へと運びながら頷く。

 

「まぁな。一応コーヒーと紅茶で言えば紅茶派なんだが、基本的に自販機とかで売ってるような紅茶とかそういうのしか飲んでないしな。ティーバッグ以外では自分で紅茶を淹れられない紅茶派だ」

「……アクセル、あんたそれちっとも自慢出来る話じゃないわよ?」

 

 俺の話を聞いていた神楽坂がジト目を俺へと向けている。

 ちなみに近衛はニコニコと笑って俺達のやり取りを眺めていた。

 ニコニコと笑っている所は千鶴とそう大差ないんだが、あちらはどこかプレッシャーのようなものを感じる時があるんだよな。それに比べて近衛の笑顔は春の陽だまりのような感じがする。

 

「ま、紅茶はともかく……折角いいんちょの家に来たんだしプールで泳ごうよ。金持ち馬鹿は放っといていいから」

「ちょっ、アスナさん! ……あぁ、もう、しょうがないですわね。爺、アクセル君とネギ先生に水着の用意を」

「分かりました」

 

 そう言って、俺達は水着に着替える為に部屋を移動する。

 

 

 

 

 

「はぁ……アクセル君、本当に委員長さんのお家って凄いよね。まさか自家用プールがあるなんて」

「まぁな。にしても……」

 

 プールの方へと視線を向けると、そこではスクール水着っぽい水着に着替えた神楽坂と近衛がお互いに水を掛け合って遊んでいた。

 

「アクセル君、ネギ先生も。良くお似合いですわ」

「委員長さんも、その水着とてもよく似合っていますね」

「あら、そうですか?」

 

 ネギの台詞に頬を赤くするあやか。

 確かにあやかは神楽坂達と違って、いわゆるビキニタイプの水着を着ており中学生にしてモデル並のあやかのスタイルによく似合っていた。いや、まぁ。さすがにレモンやコーネリア、マリュー達。そして千鶴と比べたら胸のボリュームが多少残念な面があるが、人並み外れた巨乳や爆乳と比べる方がおかしいだろう。

 ちなみに、俺とネギに関しては子供用のトランクスタイプの水着で上にパーカーを羽織っている。

 

「ネギくーん、いいんちょー、アクセルくーん、競争せーへん?」

 

 近衛の誘いに、あやかが溜息を吐いて首を振る。

 

「イヤですわ。アスナさんったら河童みたいに速いんですもの」

「なら、俺が行ってくるか。ネギとあやかはここでゆっくりしててくれ」

「アクセル君?」

 

 不思議そうに俺を見ているネギの耳元で小さく囁く。

 

「折角あやかの為に来たんだろう? 俺がいない所でしっかりやってくれ」

「え? あ、うん!」

「アクセル君、どうしましたの?」

「いや、俺も泳ぐのは嫌いじゃないから競争に参加しようと思ってな」

「そうですか? では、いってらっしゃいまし」

 

 あやかの声を背に、プールへと飛び込んでそのまま神楽坂の隣まで移動する。

 

「さて、じゃあ早速競争しようか」

「へぇ、随分と強気じゃない。いいわ、その勝負受けてあげる。勉強ならまだしも、運動でまであんたに負ける訳にもいかないしね」

「じゃ、うちが審判やるわ」

 

 近衛が俺と神楽坂から少し離れた所に移動する。

 

「いくえー、よーい……スタート!」

 

 その合図と共に、俺と神楽坂は魚と化してプールの中を突き進んだ。

 『女が魚になる』と表現すると人魚のイメージがあるが、『男が魚になる』だと何故か半魚人のイメージがあるよな。

 

 

 

 

 

 それから30分程経った後、俺達は……と言うか、神楽坂はプールの近くにある椅子に座り、テーブルに上半身を預けてピクピクとしていた。

 

「アスナ、そう落ち込まんといて。ほら、勝負は時の運って言うやろ?」

「ほっといて……あんなガキんちょ相手に泳ぎで一度も勝てないなんて……」

 

 そう。この結果を見て貰えれば分かる通り、神楽坂との水泳勝負は俺が全勝してしまったのだ。

 いや、最初はともかく最後の方では力を抜いて神楽坂に花を持たせようとしたのだが、それを一目で看破した神楽坂に文句を言われて結局最後まで本気で泳ぐ事になってしまい、その結果がこれだ。

 と言うか、こうして落ち込んでいる神楽坂だがそのタイムは日本代表とかそっち関係に近かったように思える。いや、まぁ。それでも結局は俺が勝ってしまったんだが。

 何しろ幼児化しているとは言っても、アクセルの身体能力に成長チート。そして地形適応海Sの相乗効果があるのだから負けようがない。……何でプールで海の地形適応が効果を発揮したのかは微妙に疑問だ。

 

「あらあら。勉強で負けて、運動でも負けてしまいましたの」

「……ふん」

「これに懲りたら、アクセル君を見習って少しでも勉強を……」

「うるさーいっ! あんたはショタコンの癖に!」

「貴方こそオジコンじゃないですか!」

 

 小言モードに入ったあやかへと襲い掛かる神楽坂。その様子はいつものじゃれ合いだったが少しだけ違う所があった。あやかの表情から暗いものが消えていたのだ。この辺はさすが幼馴染みといった所か。

 

「ムキーっ! もう怒りましたわ! 絶交です! さっさとこの家から出てって下さい!」

「ハイハイ、分かったわよ。出てけばいいんでしょ!」

「ア、アスナさーん……」

「大丈夫やよ。いつもの事だし」

 

 心配そうなネギの頭を撫でながら近衛が微笑む。

 

「ふん。それよりネギ……と、ついでにアクセルも。後の事は任せたわね」

「は、はい」

「ああ」

 

 どこか拗ねたような口調で俺とネギにそう言葉を掛けると、最後にあやかへと視線を向ける。

 

「委員長。さっきのショタコンってのだけは取り消しておく。ゴメン。じゃあね」

「アスナさん?」

 

 それだけ言ってさっさとプールを出て行く神楽坂。それを見送ったあやかはどこか恥ずかしげに佇んでいた。

 

「アクセル君、ネギ先生。みっともない所ばかりお見せしてしまって……アスナさんと私は小さい頃から本当に仲が悪くて。いつもこうして喧嘩ばかり……」

「違いますよ」

 

 そのあやかの言葉を遮ったのはネギだった。

 

「アスナさんは今日委員長さんを元気づけようとして僕を連れてきたんです」

「え?」

「その……」

 

 ネギは何かを言おうとして、チラリと俺の方へと視線を向けてから再び口を開く。

 

「委員長さん、弟がいたんですよね。僕やアクセル君と同い年くらいの」

「あ……アスナさん、今日の事を気が付いて……全く。小さい頃からあの女は暴力的で無法者で……とんでもないクラスメートですわね」

 

 うっすらと涙を流しながらも、それでもどこか嬉しそうな様子のあやか。

 結局、その日は俺とネギの2人であやかと共に過ごすのだった。




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    ???
    ???

撃墜数:376
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