ドレイクが俺からの提案を受け入れ、再び俺達はラウの国との戦争で最前線に立つ事になった。
最初こそ報酬を渋っていたとはいえ、一度報酬を支払うと決めてからはすぐに話を通し、ライネック10機が現在ではヨルムンガンドにて使われている。
……本来なら、今回の依頼の報酬はライネック20機……後はズワァースを俺が使えるようにマジックコンバータを組み入れて改修し、それに使うのを抜きにしても5基のマジックコンバータが俺に報酬として支払われる事になっている。
ズワァースの件が現在開発中で、マジックコンバータも近い内に支払われる事になっているが、やはりこの場合に問題なのはライネックだった。
言うまでもないが、ライネックというのはズワァースと並んで最新鋭のオーラバトラーだ。
それだけに、まだ製造された数はかなり少ない。
ドレイク軍でもまだそこまで十分に行き渡っていない現状では、一度に20機を俺に渡すのは難しいので、まずは10機……残り10機は後払いという形になった。
まぁ、それでもヨルムンガンドのオーラバトラー隊が使うには十分なので、取りあえずそれでも問題ないという事になったが。
もしかしたら、ウィル・ウィプスよりもヨルムンガンドの方がライネックの数は多いかもしれないな。
いっそ、ズワァースももう数機要望しておけばよかったか?
そんな風に思っていると……
『アクセル王、ウィル・ウィプスから出撃要請です! どうやら、例の新型が出撃してきたようです! 現在、タータラ城の東方面でドレイク軍の聖戦士と交戦中!』
サーバインのコックピットで待機していた俺に、ブリッジのキブツからそんな通信が入った。
ちなみに、当然の話だが俺はいつでもサーバインのコックピットで待機している訳ではない。
現在、ドレイク軍がタータラ城に攻撃を仕掛けており、それを迎撃するような形でタータラ城からもオーラバトラー隊が出撃しており、周辺で大きな戦いとなっていた。
そんな状況ではあったが、未だに問題となっている新型のオーラバトラーが出撃してくる様子はない。
なので、それに対抗するべく雇われた俺はヨルムンガンドで待機していたのだ。
そんな中で、ようやく新型の出撃が報告された訳だ。
「分かった。アクセル・アルマー、サーバイン、出るぞ!」
そう言い、俺はヨルムンガンドの格納庫から出撃する。
ちなみにマーベルの乗る新型ダンバインは、既にヨルムンガンドのオーラバトラー隊と共に出撃している。
俺も出撃してもよかったんだが、ラウの国にしてみれば、サーバインは最強の敵だ。
もしサーバインがいたら、新型が出て来ない可能性があるとドレイクに主張されれば、今回の雇い主はドレイクである以上、それを受け入れない訳にはいかない。
そんな訳で、ヨルムンガンドにはサーバインだけが残っていて……俺は新型が出たという報告と共に進む。
タータラ城の東で、現在ドレイク軍の聖戦士が戦闘中という話だったが……さて、一体誰が戦っているんだ?
フェイが死んだ以上、残る聖戦士はトッド、トカマク、アレン、ジェリルの4人だけだ。
そんな中でも、特にトカマクは後方からの遠距離砲撃に特化している存在である以上、もし新型と戦えば危険だ。
ジェリルと一緒にコンビを組んで戦えば、かなりの強さを発揮するが。
そんな風に考えながら新型の出た場所に向かうと、そこでは2機のビアレスがショウが乗っていると思われる新型と戦っていた。
ビアレスという時点で、誰が乗っているのかは明らかだ。
トッドとアレンの2人だろう。
とはいえ、まさかトッドとアレンが協力して敵と戦うというのは、少し意外だ。
ここ暫くはトッド達と会っていなかったが、その時に何かあったのか?
そして、そんな2人が戦っている新型……
「ダンバインの意匠に通じている……か?」
俺がドレイク軍の兵士から聞いた情報によると、敵の新型はダンバインに似た意匠をしているという事だった。
しかし、外見的には……いやまぁ、ダンバインの後継機であるビランビーと比べると、確かにダンバイン寄りの機体だが。
配色も、赤と白と黄色といったように、基本的に1色で塗られているダンバインとは大きく違う。
うーん……でも、あれを見てダンバインと同じように……?
そんな疑問を抱くが、今はまずそれよりもトッドとアレンを助ける方が先だ。
「トッド、アレン、退け!」
サーバインで間合いを詰めながら、2機のビアレスに向かって素早くそう告げる。
『アクセルか!?』
『ちぃっ!』
トッドとアレンはそれぞれに短く叫びながらも、ドレイクから……もしくはガラリアから話を聞いていたのか、素直に俺のサーバインから距離を取る。
新型は、それを追撃しようと思えば出来たのだろうが、オーラソードを手にしたまま油断せずにこちらを見ている。
それは、離れていくビアレス2機よりも、サーバインの方を脅威と判断しているのだろう。
この新型に乗ってるのはショウだと予想はしていたが、どうやらその予想は当たっていたらしい。
ショウは今まで何度も俺と戦ってきた。
それだけに、トッドやアレンに追撃を仕掛けるより、俺を待ち受けるという選択肢を選んだのだろう。
そんな新型機との間合いを詰めると、まずは挨拶代わりに……そして向こうの実力を把握する意味でも、向こうが受け止められる程度の威力でオーラソードを振るう。
『アクセル!』
そして聞こえてくるショウの声。
どうやら、これにショウが乗っているというのは間違いなかったらしい。
その後も向こうの新型の性能を確認するようにしながら、オーラソードで剣戟を交える。
「新型の性能は随分といいようだな。けど、その新型はどこから入手したんだ? 今のラウの国に、その新型を開発出来るような力はないと思ったが」
『ビルバインがどこで作られたかなど、知らせる必要はない!』
『そうよ、やっちゃえショウ! オーラ斬りだぁっ!』
相変わらず、チャムはショウと一緒にコックピットに乗っているらしい。
オーラ斬りといった言葉と同時に、一際強いオーラソードの一撃が放たれるが……俺はそれを、複合兵装の盾で受け流す。
にしても、ビルバインか。
バインという名前がついているのを考えると、やっぱりダンバインの後継機という扱いでいいんだろうな。
どこで開発されたのかというのは、知る事が出来なかったが。
とはいえ、ラウの国かナの国のどちらかだと思う。
だが、ナの国は停戦交渉の一件で中立……それもどちらかといえば、アの国側の中立の筈だった。
だというのに、ナの国が新型機をショウに渡すといった真似をするか?
そう考えると、やはり一番可能性が高いのはラウの国製といったところか。
ゴラオンのようなオーラバトルシップを開発出来る技術力があるんだから、ビルバインを開発出来てもおかしくない……とは思う。
「性能はダンバインよりも上になったみたいだが、パイロットの操縦技術はどうだろうな!」
オーラ斬りを外した隙を突くように、複合兵装のショットクローを放つ。
だが、俺が戦闘でショットクローを多用するというのは、向こうも今までの経験で理解していたのだろう。
ビルバインは即座にオーラコンバータを全開にしてその場から移動する。
ちっ、ビルバインが新型機であっても、バイストン・ウェルの技術で完全な絶縁といった真似は出来ない筈だ。
そういう意味では、サーバインだけが使えるショットクローに電流を流すという攻撃は、ビルバインにも有用だったのだろうに。
……まぁ、ショットクローの件はともかく、電撃の件も別に隠している訳でもないし、何よりショウも何度か食らっている攻撃なので、ショウがそれを警戒してもおかしくはない。
だが……ショットクローは、1つではない。
左手のショットクローは複合兵装によって使えないが、オーラソードを持っている右手のショットクローは普通に使える。
ビルバインが回避した先に向け、右手のショットクローを放つ。
そんなショットクローの先端を、ビルバインは背中の大砲……オーラキャノンの砲口を向ける。
「ちっ!」
その狙いを察知し、右腕を動かしてショットクローの軌道を強引に変え……一瞬前にショットクローの先端部分があった場所を、オーラキャノンの砲弾が貫く。
ショットクローを手元に戻しつつ、厄介な攻撃手段をと思う。
もしオーラソードでショットクローを弾こうとした場合は、それにタイミングを合わせて電流を流すつもりだった。
オーラソードとショットクローが触れている時間は、一瞬だ。
そう考えれば、その電撃が与えるダメージは微々たるものだろう。
だが、その微々たるダメージであっても、サーバインを使って戦っている俺にしてみれば、大きな……それこそ絶好のチャンスなのは間違いない。
ショウがその辺について考え、オーラキャノンを使ったのか、それとも聖戦士としての本能なのか、もしくは偶然なのか。
それは分からなかったが、ショットクローの攻撃を回避したのは間違いない。
そして、俺を近づけるのは危険だと判断したのか、オーラソードではない、もう一つの武器……何だ? 初めて見るが銃のような形態のその銃口を、こちらに向け……それを見た瞬間、俺はサーバインを回避させる。
そして、銃口から放たれる弾丸……いや、弾丸じゃない? ビーム!?
サーバインのすぐ側を通りすぎたのは一瞬だったが、それでも混沌精霊である以上、その攻撃をしっかりと見定める事も出来た。
今の攻撃は、間違いなく実体弾ではない。
オーラバルカン、オーラショット、オーラキャノン、オーラランチャー。
ちょっと変わったところでは、ボゾンが使うガッシュ。
それらの武器は、基本的に実弾兵器だ。
唯一実弾兵器ではないのは、フレイボムだが……あれは一種のナパーム弾みたいな感じだしな。
それに比べて、ビルバインの今の攻撃は、実弾兵器ではなくビーム兵器に近い。
バイストン・ウェルにおいて、それは画期的な兵器なのは間違いない。
問題なのは、ショット達でさえ無理な技術をどこが実現したかだろう。
次々に放たれてくるビームらしき攻撃を回避しつつ、俺は考える。
ビルバインがウィングキャリバーに変形するのもそうだし、このビーム兵器に近い攻撃を行える武器もそうだが、どれもショットやゼットですら実現出来ていない技術だ。
もっとも、ショットもゼットも、正確にはやるべき事が多すぎて手を出すことが出来ていないというのが正しいのかもしれないが。
ビルバインの性能であの武器にビーム兵器っぽい何かにしてるのか、それともあの武器がそういう性能を持ってるのか。
ビルバインそのものを確保したいところだが、壊さずに入手するにはショットクローを使うくらいしか方法はない。
他の攻撃だと、ビルバインを多少なりとも破壊してしまうだろうし。
だとすれば……まずは、あの武器を奪った方がいいか。
俺の勘でも、ビームに近い何かはあの武器の性能だという認識だし。
ビームに近い何かとさっきから表現しているが、使っているのがオーラバトラーのビルバインであると考えれば、オーラ力を使った攻撃か?
そんな風に考えていると、攻撃が一段落する。
エネルギー切れなのか、それともカートリッジ的な何かを消耗したのか、それは分からない。分からないが、それでも攻撃が止んだのはチャンスだ。
マジックコンバータを全開にして、一気にビルバインとの間合いを詰めていく。
当然ながら、ビルバインもこちらをそのまま近づけるといったようなつもりはなく、再度両肩のオーラキャノンでこっちを狙ってくるが……ビームっぽいのに比べると、その連射速度は遅い。
俺の操縦するサーバインであれば、回避するのは容易だった。
とはいえ、ショウも当然ながらオーラキャノンで俺を倒せるとは思っておらず、オーラソードで俺の一撃を受け止める。
『くそっ! 当初より高性能化されたオーラソードライフルでも駄目か、この化け物め!』
苛立たしげな叫びが聞こえる。
ショウの言葉から考えると、あのビーム兵器っぽいのはオーラソードライフルという名前らしい。
で、当初予定していたよりも高い性能になって完成したと。
それは分かったが、こうも都合よく俺に必要な情報を喋ってくれるとなると、まるで何らかのペテンにでも引っ掛けようとしているみたいだな。
実際には、自信のあった武器があっさりと回避され、それで怒り心頭といった様子で無意識に言ったのだろうが。
ともあれ、事情は分かった。後は……その武器を貰うだけだ!
オーラソードで打ち合いながら、タイミングを合わせて複合兵装の盾で殴りつける。
まさか、盾で殴りつけられるというのは予想外だったのか、ビルバインは左手で持っていたオーラソードライフルを大きく弾く。
レプラカーンの複合兵装でも殴れるようになっていたんだが……まぁ、普通は使うような機会はないか。
近付かれても、オーラソードを使えば十分だろうし。
そう思いつつも操縦は止めず、俺は吹き飛んだオーラソードライフルを取りに向かい……それを手にした時、既にショウはこれ幸いと逃げ出した後だった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1580
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1684